1on1での価値観ワークによる方向性の振り返り
Action - 現場の実践事例 -

1on1での価値観ワークによる方向性の振り返り

はじめに

1on1の実施時に、メンバーが現在何に対して困っているかを聞き出すことは特に重要です。悩みを放置すると、仕事のブレーキやトラブルの元となる可能性があります。そこで、早期に悩みを把握し、解消する方向に向けて取り組むことが重要です。1on1を通じて継続的にメンバーのヒアリングを行い、性格や好みなどを把握することで、「おそらく彼(彼女)が困っているのはこれだろう」という洞察が得られるようになります。

特に「やりがいが見つからない」「自分の目指す方向や将来の姿が見えない」といった「意欲」に関わる課題は解決が難しいです。こうした課題を抱えるメンバーは実際に多く存在します。そこで、最も効果的だったのが「価値観ワーク」です。価値観ワークは、16項目の価値観(例: 挑戦、富など)を提示し、「あなたにとって重要な価値観は何ですか?」と考えてもらうワークです。

将来の目標については答えられなくても、「あなたはどんな人になりたいですか?」「どういう生き方をしたいですか?」「あなたは何に幸せを感じますか?」といった具体的な質問を投げかけることで、多くの場合、メンバーは答えを返してくれます。それが現在のことであっても、将来の5年後や10年後にどのように生きたいか、幸せになりたいと思う状況を具体的にイメージできるようになっていきます。

さらに実効性を高めるためのコツもあります。まずは私自身が自身の価値観を公開することです。「私の場合は成長欲求、報酬や評価、家族からの尊敬、そして社会貢献ややりがいが重要です。これらが高まると幸せを感じるため、これらを重視した人生を歩んでいきたいと考えています」といった具体的な例を示し、その後で相手にも考えてもらいます。この方法を試してみると、多くのメンバーがスッキリとした気持ちになることがあります。

このワークは約30分で終わるため、1on1の時間内に取り組むことができます。また、メンバーの発言は私が記録に残し、次回の1on1の際にも参照できるようにしています。

具体的な向上方法と事例

  1. 1on1での悩みや困りごとのヒアリング: 1on1の場でメンバーに対して「今、何に困っているか」を聞き出しましょう。具体的な悩みや困りごとを把握することで、解決に向けた方針を立てることができます。

    例:

    メンバーAは、新規プロジェクトの進行に関して課題を抱えており、適切なアサインメントが必要であることが判明しました。メンバーBは、ワークライフバランスの調整に悩んでおり、効果的な時間管理の方法を模索しています。

  2. 価値観ワークの実施: 1on1の中でメンバーに対して価値観ワークを行います。16項目の価値観を提示し、メンバーに自身にとって重要な価値観を選んでもらいます。

    例:

    メンバーCは、「成長」「挑戦」「調和」という価値観を重視しており、これらを大切にすることでモチベーションが高まることがわかりました。メンバーDは、「自己啓発」「信頼」「チームワーク」を重要視しており、これらの要素が揃っている環境での活動にやりがいを感じています。

  3. 将来のビジョンの明確化: メンバーに具体的な将来のビジョンや目標について考えるよう促しましょう。将来の姿や生き方を明確にイメージすることで、意欲や目標達成に向けた方向性を見出すことができます。

    例:

    メンバーEは、「自己成長を続けながら、リーダーシップを発揮する人材になりたい」「自分の専門領域で業界のトップになることを目指す」といった具体的なビジョンを持っています。メンバーFは、「家族や仲間との時間を大切にしながら、仕事とプライベートの両立を図りたい」「社会に貢献できる仕事に携わりながら、自己成長を追求したい」という将来のビジョンを明確にしています。

チェックポイント

  1. 評価基準の明確化: メンバーの評価基準が明確になっているか確認しましょう。目標や評価基準が明確であることは、メンバーにとって公平性や納得感を生み出す要素となります。

  2. 昇進や昇給の理由の明示: 昇進や昇給の理由がメンバーに明確に伝えられているか確認しましょう。メンバーが昇進や昇給に対して納得感を持つことはモチベーションの向上につながります。

  3. メンバーの不公平感のチェック: メンバーが不公平を感じていないか確認しましょう。不公平感を抱えるメンバーがいる場合は、その原因を探り、適切な説明や対策を行うことが重要です。

  4. メンバーへの説明の提供: 不公平を感じるメンバーに対して、納得のいく説明を提供しているか確認しましょう。メンバーが理解し、納得できる説明がされていることは、公平性の確保につながります。

まとめ

1on1の中で価値観ワークを取り入れることで、メンバーの悩みや方向性を理解し、公平性や納得感を促進することができます。価値観ワークを通じてメンバーの意欲を引き出し、将来のビジョンや目標に向けて共有することで、エンゲージメントの向上につなげることができます。また、評価基準の明確化や不公平感のチェックなど、公平性を確保するための取り組みも重要です。1on1を活用しながらメンバーとのコミュニケーションを深め、共に成長する環境を築いていきましょう。

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