【Teamwork Sessionレポート】サーベイで見えた社員の意識。タレント化&自分ゴト化が組織を変える!

【Teamwork Sessionレポート】サーベイで見えた社員の意識。タレント化&自分ゴト化が組織を変える!

Wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、SMN株式会社人材開発課の本郷 肇さんをお招きし、お話を伺いました。入社1ヶ月でWevox導入を任されたという本郷さんですが、当時の社内には過去の経緯からサーベイに対する否定的な意見がありました。そこから活用に至るまでにはどのような努力があったのでしょうか?

これまでのサーベイによって根付いたネガティブな印象

こんにちは、SMN株式会社・人事開発課の本郷と申します。SMN株式会社は、ソニーグループでマーケティングテクノロジーを提供する、社員数約400名の企業です。事業内容としては、アドテクノロジーやマーケティングソリューション、デジタルソリューションなど、AIやビッグデータ処理、画像認識、音声認識などのテクノロジーを活用して、主にマーケティングの領域で様々な企業様の支援を行っています。

当社がWevoxを導入したのは2020年8月で、それまでは他社の組織診断サーベイを使用していました。当社の使い方もあまり良くなかったのかもしれませんが、当時はメンバーに結果を開示していなかったなどの理由から、現場からは「時間をかけて回答したはいいけど、何か意味があるのか」といったような声があがっていましたし、一方の管理職サイドからは、半年に1回大規模な会議で改善計画を発表させていたのが負担が大きく、正直あまりやりたくないという空気が強まっていました。運用が大変な割に何も変わらない、とサーベイに対するネガティブな印象が組織全体に広がってしまったんですね。そういった状況を変えるべく、Wevoxの導入に至りました。

私は同年の7月に入社したので、入社1ヶ月でこの導入を担当させてもらうことになったのですが、Wevoxの良い点は、回答にかかる時間が5〜10分とかなりライトなことや、運用の自由度が高い部分にあると思いました。時期や対象など自由にアレンジできますし、サーベイの内容もカスタムできます。また、アカウント数課金なので、お財布的な部分で見てもコストが適正化されやすいと感じていました。Wevoxへの切り替えの理解を得るため、さっそく事業執行会議に付議しました。

会議では、アトラエさんからいただいた資料をほぼそのまま活用させていただいたのですが、組織課題は「適応課題」であり、「どちらが正解というわけではない」「お互いの価値観をぶつけ合っても解消しない」という部分が自分の中でインパクトが大きかったので、会社と従業員がしっかりと対話していかないと解決しないこと、Wevoxをきっかけに対話していける組織にしていきたいということを話しました。

Wevoxでも推奨されている、現場にアンバサダーを立てることや、サーベイの結果のフィードバック→組織の目標設定→プロジェクトチームの発足→施策の実行→PDCAを回すといった導入後の具体的な流れを提案し、これまで使用していたサーベイの二の舞にならないよう、別途時間を設けて執行役員や管理職の一人ひとりに詳細の説明をしてまわりました。

最初にWevoxのサーベイを実施したのは8月下旬です。実施後は、取締役から順番にフィードバックし、その後部門長にアンバサダーの選定を依頼して、実際にどのようにサーベイを活用していくかの計画へと移りました。

人事や経営が中心となって運用しても上手くいかないケースが多いというデータをアトラエさんからいただきましたので、アンバサダー向けの説明会を開き「皆さんを中心にしていきたいから協力して欲しい」という主旨のお願いをしました。これまでは6ヶ月に1回大々的な施策を行っていましたが、振り返りの負担が大きく、文化として定着しておりませんでしたので、それよりは日々のライトなものに捉え直していただくよう説明し、(毎月実施ではなく)取り敢えずは3ヶ月に1回から始めてみませんか、ゆくゆくは営業日報やKPIチェックをするみたいな気軽な感じで回していきませんか、と提案してみたんです。

ですが、反応は思った以上に悪く「現場に丸投げですか?」「負担が増えるならやりたくない」「前のサーベイでも何も変わらなかった」とネガティブな意見が噴出してしまったんです。先述の通り私がまだ入社して1ヶ月の頃だったので、この施策を進めると立場が危うくなっていくのではと怖くなったことを覚えています(笑)。組織サーベイによる不信感が想像以上に大きく、面を食らいましたね。

このようなサーベイに対する不信感を打開するためには「皆さんにこんな風に答えてもらったから、人事と経営はこういう対策をしていきますよ」というスタンスを示すべきだと考えました。そのフックになる情報を引き出すために、2回目の計測時には、アトラエさんに助言をいただきながら、カスタムサーベイを活用することにしました。具体的には、メンバーが重視している価値観や、「SMNグループの強み、いいところ、好きなところ」についてコメントを貰う質問項目を追加し、社員の期待値とそのギャップを可視化するものです。これにはポジティブなワードを引き出したいという意図もありましたが、当社の現状をより詳細に把握するために、サーベイの内容をアレンジできたのは助かりました。

カスタムサーベイで明らかになった社員の意識

カスタムサーベイの結果としては、自己成長への期待が最も高く、次いで、やりがい、人間関係が上位となりましたが、一方グループの強みなどに関する質問項目では「成長」に関するキーワードは上がりませんでした。そもそもこの項目に答えたのは全体の4分の1だったので、寂しかったですね。

この成長に関するギャップを埋めるためには、人材開発に力を入れていく必要があると思い、2回目のサーベイの計測結果と合わせて経営陣にレポートしました。当社はここ10年間で社員数が10倍になるほど急成長をしましたが、研修プログラムが整備されておらず、目下課題になっているものをパッチ的に研修実施するという形式を取っていたため、体系的に社員教育が行われていなかったんです。ですので、これを機会に人材開発コンテンツの整備を始め、社員の状況をもっと詳細に把握していくことにしました。

最初に着手したのは営業研修です。若手向けに実施したのですが、構造的に営業ノウハウを習ったことがなかったという意見が多く、とても驚きました。「自分には基本的な営業力がなかったんだと気付きました」などといったコメントから、職種別スキルを体系立てて学ぶ機会がなかったことが浮き彫りとなりました。

自分で好きな部署に応募することのできるキャリアチャレンジ制度では、私自身キャリアコンサルタントの経験がありましたので、並行してキャリア相談を行いました。実際に社員の声を聞いて気付いたのは、ネガティブまたは受動的な社員が多いということです。キャリアを自分で開発していく糸口を掴めておらず、自分のキャリアが他人任せになってしまっている社員が多い印象を受け、自分でキャリアを描く力や実現力が不足していたように感じました。

また、リーダー層向けに実施した研修のアンケートでは「会社の全体戦略がよくわからない、ぼやけている」「会社がどんな人材を評価していくのかが浸透していない」などの率直な意見をもらい、組織開発においてこの辺りも整備する必要があると肌で感じました。Wevoxでも理念・戦略に関するスコアは低かったので、この点ともリンクして理解することができましたね。

これらの人事施策で収集できた情報を元に、取締役にアポを取り、社員の現状の報告と、事業成長や価値規範からブレイクダウンさせて、人事施策を改めて整備したいといった話をさせてもらいました。「当社はプロダクトの会社なのか、それともオペレーションの会社なのか」など、そういった上段の部分の価値観や、それを言語化したミッションビジョン、行動指針、SMNグループの求める人材像について、コンセンサスを試みました。会社の歴史の中で、この価値観の部分には紆余曲折あり、その経緯を取締役はどう感じてきたのかを直接聞けたのは、私にとって価値ある時間でしたね。

結果4月の全社キックオフで、取締役から改めてミッションビジョンができた背景やそこに込められた想いを共有してもらうことになりました。

「自分ゴト」で考えることで組織は変わる

取締役からの話の中で「何かに管理されるのではなく、自由に働きたい。一方で何かを世の中に提供する際は、人の役に立つものでなければならない。」という想いがミッションビジョンに込められていることを知り、私としては「自由に楽しく働く」「自分でやることには責任と主体性を持つ」ということが当社の軸となる価値観なのではないかと解釈したんです。これを受けて、今後の組織開発は「自由闊達」と「オーナーシップ」を軸として進めていくことに決めました。そして、この2つの価値観を体現しているメンバー(アーリーアダプター)をあぶり出してタレント化し、うちの会社はこういう人材を評価しますよ、と全社に向けて共有していくことで文化を醸成していく、そのためにWevoxをもう一段階深く活用していこうと思ったんです。

アーリーアダプターのタレント化にはWevoxのスコア分析が役立ちました。赤枠部分は、スコアの高い組織と低い組織の差が大きい項目をハイライトしたものですが、やりがい・達成感・成長機会のような項目の差が目立ちます。これはつまり、リーダーやマネジメントの組織開発が自分ゴトと捉えられているかどうかの差で、こういった項目のポイントが高い組織のリーダーに話を聞けばいいタレントが見つかるのでは、と考えました。

そうやって見つけ出した組織のリーダーにインタビューを実施したところ、やっていることは正攻法で、Wevoxの結果をきちんと共有し、課題特定し、メンバーと目標の目線を合わせるということ丁寧にやっているということがわかったんです。また、組織内の課題を自分達だけで解決しきろうとするのではなく、リーダーが率先して他部署や課題解決の視野を広げる行動をとっていて、リーダーによる主体的なアクションが強いと感じました。他にもこのリーダーからはオーナーシップあるの要素を多く引き出すことができたので、これを組織開発の成功事例として記事にし、人材開発課から全社に向けて発信しました。記事の閲覧数はかなり伸びたので、注目度の高いコンテンツになったと思っています。

また別のある部門ではWevoxを取り上げてインナーミーティングを実施するという情報を察知したので、こちらから陪席させてもらうように働きかけて参加させてもらいました。そのミーティングに参加して感じたのですが、議論がどうしても「HOW」によってしまい、上段の組織戦略や人材戦略をどうしていくのか、アドテクの事業ビジョンはどの方向に向かっていくのか、などの共通認識がすっぽりと抜けているように見えたんです。この部分に関しては誰もボールを持っておらず、前述のオーナーシップとは正反対な状況になっていましたので、ボールの保持者を明確にする必要があると感じ、この件も経営陣に伝えてみたんです。執行会議でこの件を議論する中で、取締役からは「今までどうしてエンゲージメントが高まらないか分からなかったけど、だんだん原因が見えてきたね」という言葉が返ってきました。

これらの一連のアクションの結果として、この言葉をもらった時に「あぁ、エンゲージメントを高めていくとは、こういうことなのかな」と感じましたね。経営陣と従業員の両方にボールを持たせて、しっかりと対話をする。Wevoxを活用している人事や人材開発のポジションが、対話を繋いでいく役割を担えばいいんだと思いました。冒頭でお話した“適応課題の対話による解決“と繋がった感覚がありましたね。

コミュニケーションでオーナーシップの浸透を目指す

今回お話しした経緯もあり、オーナーシップは当社の価値観として重要なものだと思っておりますので、今後も引き続きマネジメントとメンバーに向けて、人事施策を通じて届けていきたいと考えています。Wevoxや目標管理(MBO)などで定量的に観察をして、対話の機会を積極的に作り、オーナーシップある人材をタレント化していきたいですね。

また、このオーナーシップについては入社の段階から刷り込んでいくことも重要だと思っています。今年の新卒に関しては3時間ほど時間を取り、キャリアでオーナーシップを持つとはどういうことかについてのワークショップを実施しました。こうした取り組みを繰り返し続けることで、組織風土、オーナーシップを持った文化を醸成していきたいと思っています。

編集部コメント
Wevoxをフルに活用し、ネガティブな意見をプラスに変えていく様子が印象的なプレゼンでした。エンゲージメント解析だけでなく、対話を生むツールとしてもぜひWevoxを活用してください!

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