Wevoxアンバサダー同士の好事例共有とナレッジシェアで促進されるエンゲージメント活動

Wevoxアンバサダー同士の好事例共有とナレッジシェアで促進されるエンゲージメント活動

株式会社KDDI総合研究所
黒川 茂莉 氏
黒川 茂莉 氏
株式会社KDDI総合研究所
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先端技術研究所AI部門Human-Centered AI 研究所統合機械学習G グループリーダー

大野 尚 氏
大野 尚 氏
株式会社KDDI総合研究所
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総務部門総務部

川嶋 裕幸 氏
川嶋 裕幸 氏
株式会社KDDI総合研究所
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総務部門総務部

佐竹 秀夫 氏
佐竹 秀夫 氏
株式会社KDDI総合研究所
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総務部門総務部

近年経営指標としても注目を集める「エンゲージメント」(いきいきと働いている心理状態)は、1つの決まった形があるわけではなく、10の組織があれば10通りの形が存在します。このシリーズでは、エンゲージメントサーベイ「Wevox」と共に組織づくりを行う企業のストーリーを通じて、様々なエンゲージメントの形を届けていきます。

今回は、情報や通信に関わる次世代技術の創出に向けて研究開発などを行う株式会社KDDI総合研究所のストーリーをご紹介します。同社はエンゲージメント活動を進める中でアンバサダーの仕組みを導入し、現場への浸透や事例の共有を進めています。今回は、アンバサダーを経験した黒川氏と、事務局の3名に、エンゲージメント向上のための取り組みについて振り返っていただきました。

組織づくりの「いい事例」を発表しシェアできる場を作りたかった

―KDDI総合研究所では、アンバサダーの仕組みを取り入れてエンゲージメント活動を進めていますが、なぜアンバサダーを導入したのでしょうか?

大野:正直に言うと親会社のKDDIでも同じことをやっていたのがきっかけで、僕らもやろうと考えました。エンゲージメント活動を進めるうえでは、ただ単にWevoxの結果だけを見て「自分たちで考えてね」では限界があります。大事なのはそれぞれが実践し、それを広めることだと思っているので、好事例を見せてシェアしていく仕組みづくりが1つの起爆剤になると考えました。それでアンバサダーを募集することにしたんです。

当社には11の部門があるので、各部門から最低1グループは出すという条件だけを決め、各部門内から挙手をしてもらいましたが、一つの部門から複数グループで参加したいという要望もあり、13チームのアンバサダーが揃いました。昨年の10月から半年間でしたが第1期がスタートし、今年の4月から第2期が始まっています。

―どのような活動をしているのですか?

大野:我々事務局も手探りの状態でスタートしているため、アンバサダーの方々と一緒にエンゲージメントについて理解するところから始めました。3ヶ月ほど研修をし、「そもそもエンゲージメントとは」「Wevoxをどう見るか」などをレクチャーしたうえで活動がスタートしています。

具体的には、毎月1回、「アンバサダーミーティング」を実施して、グループの取り組みを話し合ったり、困っていることや相談したいことに対して知恵を貸し合う場にしています。最終的には自チームの取り組みを全役員の前でプレゼンしてもらい、表彰するところまでがセットです。

ちなみに、第1期の最優秀賞は黒川さんのチームが受賞したんですよ。

―そうなのですね!黒川さんはなぜ、アンバサダーに手を挙げたのですか?

黒川:私のグループでは、この活動が始まる前から研究員が楽しく活動できるようにと、いろんな取り組みを始めていました。アンバサダー活動は「事例を共有すること」を重視していたので、だったら自分たちの取り組みをみんなに話せるなと思い、すごく軽い気持ちで参加したのが最初です。

―これまでにいろんな取り組みをしていたというのは、なぜだったのですか?

黒川:当社は研究所ですから、「世界一・世界初」の実現が目指したいところになります。ただ、先端技術は日進月歩で追いつくだけでも大変。みんなで助け合いながら、なおかつ集中する時間も確保すべくやっていこうと思った時に、大変だからこそ、それを楽しくやりたいと思っていました。だから「楽しそうなことはすぐやる。どんどんやる」という組織を目指して、様々な取り組みをしていました。

エンゲージメント活動はバランスが大事!

―黒川さんが最優秀賞をとった取り組みはどんなものだったのですか?

黒川:今お話しした「助け合い」と「集中」をどんどんやっていこうという取り組みに対して評価していただきました。いろんなことをやっているのですが、助け合いの場所を作るために、みんなで集まり各自のアイデアを披露したりお悩み相談をするミーティングを週次定例として時間確保したり、集中できる時間を作るために、金曜日を「Free Day」というミーティングフリーの日にし、時には土・日と繋げて休んでもいいという日にしています。

それから、やはり「世界一・世界初」を目指すためにはお堅く考えるだけではダメで、多少“ぶっとんだ発想”も必要だと思うんです。それで毎月第一金曜日を「Fly Day」とし、ぶっとんだ活動を推奨したりもしていますね。

―すごい面白いですね!そうした取り組みは黒川さんが考えるのですか?

黒川:いえ、メンバーみんなでアイデアを出し合っています。「Fly Day」も発案はメンバーからで、名称もみんなで案を出し合って決めました。研究というものは、最後に華々しく成果を上げることが大事ですが、そこまでの道のりはひたすら議論の積み重ねなんです。つまり、議論の質が成果を上げることになる。ですので、グループでの議論の場をもっと有意義なものにしようと、メンバーからもいろいろなアイデアを出してもらっているんです。

こうした双方向的なコミュニケーションは、エンゲージメントにも繋がると思っています。アイデアを出し合う中で、メンバーがどういう思いを持ちながらこのグループに関わっているのかが聞けたのは、すごく良かったですね。

―アンバサダーミーティングでは、他のグループのアンバサダーの方たちといろんな話をされているそうですが、印象的な会話や、気づきに繋がったことがあれば教えてください。

黒川:いろいろあったのですが、特に印象に残っているのが「コスト」の話なんです。できるだけメンバー全員が関わる機会を持つことで、一体感が生まれたり、エンゲージメントが上がっていくという話がある一方で、それをやるとどうしても組織にとっては疲れが出やすくなるという話です。エンゲージメント活動においては、「やったらいいこと」はたくさんありますが、やることで疲れが出る場合もある。そのバランス感が大事だと思います。つまり、どういうコストを伴うのかを考えながら、やることを決めていくという話は印象に残っていますね。

あとは、相互理解のためにスキルセットを書き出してお互いのことを知ることができたグループの話や、違う役割のグループでも同じ問題に直面していたりすることに気付けたのは面白かったです。

アンバサダー1人だけが頑張ったり、孤立しないようにするには?

―事務局とアンバサダーの間のコミュニケーションや、アンバサダー同士で話を広げていくために、どんなことを行っているのですか?

川嶋:事務局として意識したのは、事務局がいろいろとお膳立てするよりも、アンバサダー同士が会話できる場をしっかり作ること。ですから、こちらは日程と誰が話すかを設定するくらいです。それによって、アンバサダーのみなさんが主体的に悩みを共有できるようになりました。結果、アンバサダーミーティングでも他人事のように聞くだけの時間が少なくなり、みんなが参加して、「そういうことあるよね」という共感を生むような議論ができるようになったのではないでしょうか。

黒川:本当にそうですね。アンバサダー側の視点でいうと、「みんなで悩みごとを話す」というのはすごくいい経験でした。研究者という似た者同士であってもそれぞれ違う悩みがあり、「ミッションが違うと考えていることも違うんだ」ということを知れた貴重な時間でした。

あと、話したことをグループに持ち帰るのですが、どうメンバーを巻き込むかはすごく考えましたね。

川嶋:アンバサダーのグループには、グループリーダーだけでなく推進者も1人選んでもらって、2人セットでミーティングに出てもらうようにしていました。それは「グループリーダーが1人で頑張っている」みたいな“孤立した状態”にならないようにです。

黒川:だからメンバーにも話を持って帰りやすかったですね。巻き込む際には、資料作りみたいなあまり重たいことをお願いしようとすると、先ほどのリスクの話のように「大変なこと」になってしまいます。それよりは、意見をもらったり、やろうと思っていることを聞いてもらったりして、「自分もエンゲージメント活動に関わっているんだ」と当事者意識を持ちやすい状態を作ることは意識しました。

究極のエンゲージメントは「会社を意識させないこと」

―そうした活動において、Wevoxが果たした機能はありましたか?

黒川:実は私の部門はAIを専門にしていて、業務でデータ分析を行っているんです。だからWevoxのスコアもしっかり分析して、見えてきた傾向をもとにいろいろ活用させてもらいました。

一例を挙げると、当社で重視しているのが「挑戦する風土」の項目なのですが、そことの相関が高かったのが「承認」の項目だったりします。だから、組織の目指す方向性が各メンバーにフィットしていないときも、組織の中でちゃんと承認系のフォローができていればポジティブになれたり、ベクトルを合わせることができる。そういったところをリーダーやマネジメント層がどう捉えて進めていくか、さじ加減が重要ではないか…みたいな示唆がありましたね。

―面白いですね!事務局サイドとしては、Wevoxのスコアとどのように向き合っていらっしゃいますか?

大野:今の黒川さんの話のように、当社のメンバーは数字とか原因分析が大好きなんです(笑)。ただ、うまく導けないと、分析だけで疲弊してしまったり、「このスコアの差はなんだろう」と深く掘り下げすぎてしまう傾向もあると思います。だから、「これは1点、2点の議論ではなく、全体で見てどういう凹凸かを考えていくものだ」ということを理解してもらうよう、事務局としての働きかけには力を入れました。

―数字に惑わされるな、ということですね。あと、エンゲージメント活動によって感じる「組織の変化」についてもお聞きできますか?

黒川:エンゲージメントは一過性のものではなく、継続して捉えていくのが大事なので、自分としては目を向けて考える習慣ができたように思います。あとは、アンバサダー活動を通じて自グループの取り組みをアウトプットする機会にもなったので、それを進める過程でメンバーと会話しながら、「ありたい姿」を可視化できたのは大きかったです。イメージが違ったら修正すればいいだけですから、まず第一歩として可視化するという、いい機会になりました。

―アンバサダーとしての取り組みを振り返り、組織づくりのためのアドバイスがあればぜひ伺いたいです。

黒川:エンゲージメントは会社と自分とで定義されるもの。会社も変われば、当然自分も変わるわけですから、継続的に擦り合わせていかないとどんどん乖離してしまうはずなんです。だから、追っていくことは大事だと思いますね。

あと、個人的には「会社を意識させないこと」が究極のエンゲージメントかなと考えています。会社との関係性の中でエンゲージメントを高めようと考え続けていると、会社のことを“神”のように捉えてしまう危険があるかもしれませんが、それは違うと思います。あくまで会社は空気のようなもので、「その中にいると自分は心地よい」という状況を作れるのが、エンゲージメントの究極のあり方だと思うので、そこを目指していければと思っています。

―最後に、アンバサダーの制度を取り入れる際のヒントやアドバイスがあればお願いします。

大野:事務局としてはいろんな工夫が必要だと思います。アンバサダーがただいればいいのではなく、推進役は誰がやるのか、成果をどういう形で落とし込むのか、聞くだけのミーティングにならないようにするにはどうするか、といったことをうまく仕組み化していかないといけません。「語り合いの場を設けて終わり、あとは自分たちで考えてください」では、なかなか活性化しないですよね。

川嶋:特に「ありたい姿」を考えるのは自分で考えるのも大変なのに、それを職場の人たちにやってもらうのはとにかく大変でした。しんどいと思うこともあるかと思いますが、だからこそ大事なステップでもあるので、これから取り組まれる方はめげずにやってほしいです。

佐竹:アンバサダー活動を始めた当初は、どうやっていいのかわからない中で事務局も手探りでした。WevoxのCSの方にもサポートいただきましたが、最初からガチガチに固めても多分その通りにはいかないので、とにかく肩肘張らず、「やりながら考えていく」のがいいのかなと思いますね。

―貴重なお話、どうもありがとうございました!

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