Wevoxの部分導入から段階的なチーム作りを実現!〜自チームの課題抽出から施策の検討・実施まで取り組むアンバサダー活動〜

Wevoxの部分導入から段階的なチーム作りを実現!〜自チームの課題抽出から施策の検討・実施まで取り組むアンバサダー活動〜

ソリューション・ラボ・ジャパン株式会社
森原 達夫氏
森原 達夫氏
ソリューション・ラボ・ジャパン株式会社
代表取締役社長

ソフトウェア企業にてSEとしてキャリアを重ねたのち、1992年、ソリューション・ラボ・横浜株式会社(現 ソリューション・ラボ・ジャパン株式会社)に創立メンバーとして参画。2005年に執行役員、2012年にソリューション事業部長、2013年に取締役に就任し、2022年より現職。

吉岡 珠子氏
吉岡 珠子氏
ソリューション・ラボ・ジャパン株式会社
管理部 マネージャー

2018年に中途入社し、以来、管理部にて主に人事業務を担当。2023年にマネージャーに着任し、人事・総務・広報業務を管掌。2020年のWevoxのトライアル導入時より導入部門の取り組みをサポートし、2023年の全社展開時より事務局を務める。

インフラ基盤構築からアプリケーション構築、各種システムの維持管理・運用支援まで、各種ITサービスを手がけるソリューション・ラボ・ジャパン株式会社。2020年に一部の部門にWevoxを導入し、2023年より全社に展開、アンバサダーによるエンゲージメント推進活動に挑戦しています。その歩みを、代表取締役社長の森原さんと、事務局を務める吉岡さんに伺いました。
※取材時(2024年10月)の部署・役職になります。

社員の状態や会社の捉え方を把握するためにWevoxを導入

―まずは、御社が2020年にWevoxを導入し、エンゲージメント推進活動を始めた背景や経緯について教えてください。

森原:Wevoxを導入したのは、当時、当社を構成していた2つの事業部のうち、私も所属していたソリューション事業統括という事業部でした。そこでは、バランス・スコアカード(※)をベースに独自に中期経営計画を策定していたのですが、バランス・スコアカードの指標の一つである「学習と成長の視点」から考えると、従業員満足度を高めていかなければビジョンや戦略の実現は難しいのではないかという議論があったんです。そのために、まずは社員が会社をどのように捉えているのか把握しようということで、トライアルで導入したのが始まりです。

吉岡:人事の方でも、当時、従業員満足度を上げたいという命題があったため、ソリューション事業統括でWevoxを導入するという話を聞き、一緒に取り組むことになりました。

※財務指標だけでなく、顧客満足、業務プロセス、学習と成長など、複数の視点から組織の戦略と業務を結びつけ、目標達成を総合的に管理・評価する経営管理手法。

―従業員満足度に課題を感じていらっしゃったのには、どのような背景があったのでしょうか?

森原:当社は、1992年の設立からしばらくは新卒社員しかおらず、誰がどんな仕事をしているかがお互いにわかる、和気あいあいとした状況でした。そこからだんだんと事業を広げていく中で、中途採用によって異なる組織文化の中で経験を積んできた人が入ってきたり、お客さま先に常駐して働く人が増えたりして、社員・組織間のコミュニケーションがしっくりこないことが増えてきました。その中でさらに事業を大きくしていくとなると、皆が同じ視点に立って仕事にあたっていかなければうまくいきません。だからこそ、まずは社員の状態を把握するツールを活用して、何かが生まれていけばいいなという思いがありました。

吉岡:人事の方では、「社員が会社に不満を持っているのかどうか把握できない状態はいかがなものか」という課題感がありました。離職が起こった際に不満の存在を知るのではなく、日頃から不満の有無をモニタリングし、解消方法を考えていきたいと考えていました。

各チームの管理職がスコアをもとに課題を抽出し、施策を検討

―では、ソリューション事業統括にWevoxを導入されたあとは、Wevoxをどのように活用してエンゲージメント推進活動に取り組まれたのでしょうか?

吉岡:2020年〜2022年の3年間はソリューション事業統括内に限定して活動を進め、2023年から全社展開しています。その過程をお話しすると、まず、1年目の2020年はトライアルということで、ソリューション事業統括内にいくつかある部のうち2部3チームに導入し、そこに人事も加わりました。人数にすると対象者は17名です。

活動を進めていくにあたっては、社員の状態を可視化するだけでなく、そこから課題を抽出して改善策を検討し、できれば実行まで進めたいという思いがあったので、3チームのトップにその担い手になってもらいました。具体的には、3チームの管理職と人事、Wevox導入を推進した社員でプロジェクト推進チームをつくり、サーベイ結果をもとにした課題抽出と改善策の検討を行ったのです。

チームの管理職が課題抽出と改善策の検討・推進をするという方法が良かったようで、当初はスコアの読み取り方や改善策に悩むこともありましたが、1年間でスコアが改善しました。各チームの管理職も「部下がどのような点に不満を抱えているのかが見えて良かった」と振り返っていました。

そこで、次の2021年からはソリューション事業統括全体にWevoxを展開し、各部署・チームから推薦を受けたアンバサダーが自チームの課題抽出から施策の検討・実施まで取り組むアンバサダー活動を始めました。サーベイを2カ月に1回行い、その翌月にアンバサダーが集まって課題や施策を議論する定期ディスカッションを開催し、部署に戻って実践するというサイクルです。

そこでおおむね活発な議論ができたので、3年目もアンバサダー活動を継続しました。加えて始めたのが、ウェルビーイングをテーマにしたアンバサダーの勉強会です。こちらは一定の成果を得られましたが、業務との兼ね合いもあり、形式を変更することになりました。

森原:一方で、若い世代が自ら企画して始めた取り組みも生まれました。

―どのような取り組みですか?

森原:若手ミーティングと社内ラジオ「SLJ-Radio」の2つです。

吉岡:若手ミーティングは、コロナ禍で年齢が近い社員との交流機会をなかなか持てず、孤独感を覚える若手社員がいたために、若手社員同士の交流や相談、勉強会を目的として始まった活動です。週1回、1時間、テーマを決めて就業時間内にミーティングの時間を設定し、その時参加できる若手社員同士でテーマについて議論したり、勉強会をしたりしていました。

森原:会議や業務で上から言われたことに従うだけでなく、自分たちで主体的に何かをしていきたいという考えもあったようです。

―社内ラジオは、どのような取り組みですか?

森原:「SLJ-Radio」は2022年に始まり今も若手社員が継続している取り組みで、テーマを決めて事前に収録したものを1〜2カ月に1回の頻度で昼休みに放送しています。専用のWebサイトからアーカイブを聴くこともできますし、お便りフォームに投稿することもできます。放送回数は19回目まできています。

―どのようなテーマで放送されているのですか?

森原:「秋の過ごし方」など季節に合わせたテーマや、「出社vs在宅ディベート対決」など会社や事業に関するテーマなどがあります。最初の頃には、私がゲストに呼ばれて経営理念の深掘りを受けたこともありました。また、2023年には、吉岡さんが管掌しているWeb社内報「SAKULABO」とSLJ-Radioのコラボ企画として、SAKULABOの取り組みの紹介もしていました。

取り組みの効果を測定しているわけではありませんが、放送を聞いて「あの社員にはそんな趣味があったんだ」などの気づきをもらえる機会にもなっています。

Wevoxとエンゲージメント推進活動を全社展開へ

―4年目の2023年からは、Wevoxとエンゲージメント推進活動を全社展開されたとのことですが、どのような経緯で展開されたのでしょうか?

森原:前年の2022年に社名変更と私の社長就任があり、同時に、事業体を2事業部から6事業体に細分化するという大幅な変更を行いました。それに伴い、Wevoxも一部の部署だけで活用するのではなく全社展開しようという判断をしました。

吉岡:2023年は全社でアンバサダーを募り、定期ミーティングを重ねて活動を進めてきました。この取り組みを通じて、各部署の現状や課題が共有され、多様な視点での意見交換が行われました。一方で、各部署間の進め方や取り組みの熱量に違いが見られたことから、活動の方向性を統一するためのさらなる工夫の余地があると感じています。

特に、これまでのエンゲージメント推進活動を行っていた部署と、これまでそのような取り組みに馴染みの薄かった他部署との間で、温度感や知識に差があったのは事実です。私の反省ですが、アンバサダーの人数が急に増えたこともあり、これまで同様の定期ミーティングのみの方法だと、温度感の差を埋めるのにも苦慮することになりました。できあがったものを広げていくという手法もありますが、こういった活動は土台づくりから改善活動までのステップを、順々にステップアップしていく。その過程で得たものが重要なのだと学び直しました。

森原:部門長がサーベイ結果を把握することが、これからやっていくことだと考えています。結果を詳しく分析していくことで改善点が見えてきますので、まずは我々もサポートしながら、部門長の皆さんに関心を持ってもらうための取り組みをしていきたいです。その結果、部下の皆さんの活動への興味もより育まれるのではないかと考えています。

―今後は、どのような取り組みを進める予定ですか?

吉岡:2024年から2025年にかけて新しいやり方で活動を進めようとしています。具体的には、課題の抽出を現場に任せるのではなく、人事が一旦仮案を出し、各事業部長に共有して課題をすり合わせた上で、その課題の解決策の検討と実行を現場の社員にお願いする計画です。2024年度中は、サーベイ結果の分析と課題抽出、事業部長とのすり合わせ、現場での解決策の検討まで進めて、2025年4月から施策を実行していく流れにできればと思っています。

―他にも課題に感じていらっしゃることや、今後取り組む予定のことはありますか?

森原:2022年に社名を変えた際に作ったコーポレートスローガンがなかなか浸透していないことが一つ、課題として挙げられます。そこで、DIOで紹介されているビジネスエンジニアリング株式会社さんのShared Value作成の取り組みにならい、当社でも部ごとにメンバーが検討してShared Valueを作るのはどうかと思っています。

当社には、社内外から脚光を浴びやすい事業体と、なくてはならないけれど脚光は浴びづらい地道な事業体があります。その中で新しい事業の話ばかりをしていると、地道な仕事に携わっている社員たちはしらけてしまうと思うんです。それぞれの仕事には必ず目的や意味がありますから、Shared Value作成によって自組織の目的を見つめ、旗を掲げられると、やる気になったり、新しいメンバーが入ってきた際の指針になったりするかなと思っています。時間はかかると思いますが、ぜひ2025年度に取り組んでいきたいことです。

―吉岡さんはいかがですか?

吉岡:これまでのスコアを見ていて感じるのは、会社の方針や経営層の意向についての理解に関する項目のスコアが軒並み高くないということです。IT業界に多いことのようにも思いますが、会社の方針にあまり興味がなく、会社と自身の仕事が離れた場所にある状態の社員が多いことを感じます。コーポレートスローガンをはじめ、会社としてのビジョンや方針を策定したあとに社員にどのように伝え、実感してもらうかは人事の今後の課題だと思っています。

あとは、今後半年間のサーベイを分析して、当社独自のベンチマークを作っていきたいとも思っています。

―では最後に、これまでの取り組みから、社員の皆さんのエンゲージメントを高めていくことの意義をどのように感じていらっしゃいますか?

吉岡:会社を存続・発展させるために必要なのは人で、特に当社においては、エンジニアが会社の財産であり、その働きが人材確保や会社の存続・発展に直結します。この点で、従業員エンゲージメントは重要だと考えています。

また、採用市場が売り手優位になっている今、他社は従業員エンゲージメントの向上やワークライフバランスの実現、健康経営などを通じて従業員に寄り添い、並走することに注力しています。それなのに当社は取り組んでいないとなると、求職者の方々に選んでいただけません。この点でも、関係する皆さんに相談したり支援をいただいたりしながらエンゲージメントの質を高めていければと思っています。

森原:かつては、上から言われたことはやるしかなくて、それが個々の知識やスキルの向上にも繋がっている面がありました。しかし、今はそういう時代ではなくなり、それぞれが自発的に仕事にあたっていく風土を作っていかなければ、エンゲージメントの低下や離職に繋がっていくと考えています。個人にとって一番いいのは、個人がやりたいことをこの会社でできることですが、そうでないにしても、それぞれが目的を持って仕事にあたる風土を作っていかなければならないと思っています。

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