【Teamwork Sessionレポート】人事と現場で対立構造を生まない“緩やかに、寄り添う“Wevox活用のポイント

【Teamwork Sessionレポート】人事と現場で対立構造を生まない“緩やかに、寄り添う“Wevox活用のポイント

ラティス・テクノロジー株式会社
伊藤 理子氏
伊藤 理子氏
ラティス・テクノロジー株式会社
業務管理本部 人事・法務グループ グループリーダー

2013年、ラティス・テクノロジー株式会社に中途で入社。社内で人事は1人の中、採用、人材開発、組織開発と幅広い経験を持つ。昨年9月からは、Wevoxが手がけるアカデミーEngagement Run!に参加。

Wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、ラティス・テクノロジー株式会社で人事を務める伊藤理子さんにご登壇いただきました。伊藤さんはWevoxが運営するアカデミー「Engagement Run!」に参加されており、社内での取り組みにも学びを活用されています。Engagement Run!の学びは、一体どのような場面で役立てられているのでしょうか?

社員の多様化と組織力強化の両立のためにWevoxを導入

平木:本日のテーマは「ITベンチャー企業の人事が語る!メンバーの声を大事にする組織づくりとは?」です。どうぞよろしくお願いいたします。

伊藤:よろしくお願いします。私は2013年にラティス・テクノロジー株式会社に中途入社しました。2022年の3月まではひとり人事として、採用から人材開発、組織開発と領域を広げてきました。ラティス・テクノロジーは製造業のデジタルトランスフォーメーションを3D技術で実現するIT企業です。3Dという凄くニッチな分野のエンジニアたちが「なんとか3Dで世界を変えてやろう」と集まり生まれました。

設立は1997年で、私が入社した2013年頃から採用も積極的に行い、2022年は100名規模の会社になり、人材の多様化が進んでいます。それに伴い組織力の強化が必要不可欠となり、Wevoxを導入し始めました。私自身、Wevoxでも人事施策でもなんでもそうですが、決して全部が人事起点でなくてもいいと思っています。実際に取り組むのは現場の人たちですので、現場の声が聞こえたら一緒にやってみるというくらいの気持ちでスタートしていくと、上手くいくことも多いのではないかと思います。

今回はこうしてお話しする機会をいただいたので、当社でのWevoxの歩みを振り返ってみました。2020年に導入を始めたので今年で3年目、運用自体は2年弱程です。大きく導入期、定着期、活用期の3つに分け、自分の中でターニングポイントだったと思うものをピックアップしました。

平木:ありがとうございます。現在は100名規模と仰っていましたが、技術職の方が多いのでしょうか?

伊藤:そうですね。いわゆる開発エンジニアと呼ばれる人たち、IT業だとプログラミングを書いたりする人たちです。そういった人たちが約50名で、残りが直接お客様と接するようなコンサルタントや営業と、我々バックオフィスといった構成です。

平木:最初に現在のWevoxの運用状況を教えていただいてもよろしいですか?

伊藤:当社の場合は月1回の頻度でサーベイを実施しており、範囲は全社員です。実名か匿名かについては、人事だけが実名で閲覧できるという形式を取っています。5月には回答率も上がり、90%弱という満足のいく結果となりました。

平木:月1という頻度には、貴社側での意図などがあったのでしょうか?

伊藤:当社の残業時間のデータを見ていますと、月によって変動が大きいんですね。もちろんWevoxですべてが測れるわけではないですが、労働時間が長くなることでの負荷は細かく見ていきたいと思っています。また、サーベイについてみなさんの負担があまり大きくなく、月1回ペースで1年間運用してみたら案外回答率も高かったので、その当時の頻度が定着した感じです。

平木:3年目に入られても直近での回答率が90%ということで、何かしら今日お話しする中にポイントが入っているかと思うので、ぜひそれぞれのお話を聞いていきたいと思っています。まずは2020年の導入期のターニングポイントについて教えていただけますか?

伊藤:実は当社のWevox導入のきっかけは若手エンジニアからの一言でした。

エンジニアの人がアトラエさんからのメールを転送してくれて「伊藤さんが興味あるかもしれないから転送するね」と言ってくれたんです。そこで興味を持ち、「自分も協力するので一緒にテストをやりましょう」というところからスタートしました。最初にその現場のエンジニアと私の2人で初期テストと言いますか、どんなデバイスでどのようにサーベイがされているのかを調べました。「UIが可愛いね」とか言いながらキャッキャしていたのを覚えています。このように最初は非常に緩いスタートでしたね。

平木:いきなりトライアルの時点で全社に回答をしてもらったというわけではなかったんですね。

伊藤:はい。ひとまずどんなものかというのを自分で触ってみて、そのあと何人かに「試して欲しいんだけど」と声をかけました。最終的には5〜6人のいろんな部署の人たちとテストをしてみて、「やってみたらいいんじゃないか」ということで全社のテストに持っていくことを決めました。

平木:元々若手のエンジニアの方の一言がきっかけとのことですが、どのあたりでやってみようという判断をされたのでしょうか?

伊藤:元々この手のサーベイについては上司といろいろ話をしていたのですが、大掛かりなものや、半年に1回とか年に1回といったものが多かったんです。どちらかというともう少し手軽に高い頻度で取れる方がいいのと、当社の場合はそこまでコストがかけられないので、コストの面から見てもちょうどピッタリとはまった感じです。ちなみに、テスト自体もだいぶ緩くやってきましたね。というのも、全社部門からお願いするとどうしても「やらされ感」が生まれやすくなってしまうので。「極力みなさんにとってもメリットがある」とか、ただいきなり導入ではなくて、まずはテストしてみて「みなさんにいいなと思ってもらえたら引き続きやりますよ」「3分で回答できるしとにかくシンプルなのでやってほしい」といったように、とにかくハードルを下げに下げてテストを始めました。また、Wevoxチームが用意している様々な活用資料もいろんな部分を切り貼りして使わせていただき、全社に向けて配布しました。

現場には導入ハードルを下げ、経営陣には丁寧に説明

平木:私たちの提供している資料はもっとページ数があるのですが、1枚で分かるWevoxという風に資料をまとめられているのは素晴らしいですね。先ほどのお話の中ではハードルを下げることが一番のポイントかと思ったのですが、周知の時点で気をつけていたことなどはありますか?

伊藤:こういうサーベイを人事側で取ると、どうしても「評価に影響するのではないか」とか、いろいろと悪い方向に考えられてしまうと思うんです。ですから、とにかく「これは組織の状態を見える化するためですよ」とか「見える化した上でみんなでいい組織にしていきましょう」といったことを前面に出しました。あとは、テストの段階では人事が実名で見ることはできず、フルデータは見ても個人のデータは見ないという状態でテストを始めましたね。

平木:Wevoxを導入する際、経営陣の方の反応はいかがでしたか?

伊藤:「エンゲージメントって何?」という反応は結構ありました。モチベーションと何が違うのかとか、モラールサーベイとかとは何が違うのかとか、そもそもそんなものは測れるのかというような話も出てきまして。実際には従業員の方に対して緩くやってますが、経営陣の人たちに関しては丁寧に資料を作って何回か説明しました。

従業員のみなさんに対してはとにかく心理的障壁を下げるというところを第一に考えていたのですが、経営陣になってくると「そもそもそれを実施することで会社の経営にとってプラスになるのか」ということが絶対に必要になってくるんですよね。実施して、例えばそれがあまり良くないものだったとしたらどういうタイミングで見切るのか、実施することのリスクは何か、人事の方で想定しているメリットは何か、どこまで運用するのかというようなことは絶対に問われると思っていたので、そのあたりは理論武装して臨みました。

平木:伊藤さんの目線で、導入時にやっていて難しいと思ったことや困ったことはありましたか?

伊藤:エンゲージメントという言葉を理解してもらうのは凄く難しかったですね。まだ全社員が定義をちゃんと話せるかというと、そうでもないと思っています。一番に強調したのは、本人と組織の繋がりを数値化したものがエンゲージメントだということです。モチベーションは個人のやる気でしかなくて、会社の関係性となると学術的にも薄いのだというようなことを、さも自分が詳しいかのように話しました(笑)。個人と組織というのは会社を見る上では絶対に必要なので、会社か個人のどちらかだけが頑張るのではなく、一緒にやっていくものでそれを見える化する指標がエンゲージメントですという話をしましたね。

平木:伊藤さんご自身は当時「Engagement Run!」には入られていなかったと思うのですが、エンゲージメントの理解や知識についてはどうされていたんですか?

伊藤:まずはWevoxのサイトをいろいろ見て、その中で表現や分かりにくい部分についてはGoogleをフル活用し、どうしたら一番分かりやすいかを考えながらエンゲージメントの説明資料を何パターンか作りました。最初に間違ったものが伝わってしまうと結果的に出てくる数値や取り組みもズレてきてしまうので、出だしはなんとか揃えたいという思いがありましたね。

平木:続いて、それ以降の定着期についてもご紹介いただけますか?

伊藤:これは経営陣との会議で約束した資料の一部になるのですが、毎月のエンゲージメント調査結果というものを人事側で簡単に分析して出しています。経営陣のみなさんには管理者アカウントを付与しているので、個人でWevoxにアクセスしてもらうことはできるのですが、忙しかったりもするので、人事側でまとめて提出する資料を作っています。

2022年からは少し形式を変えているので、以前はこのような感じだったと考えていただければと思います。本部ごとの数値を出して、特にその中で人事的に気になるものをピックアップして出しています。先日Wevoxチームの方とお話をしたときに、当社の管理者権限を持っている方のアカウントのアクセス率が良いというのをお聞きしたんですね。おそらく私の出している情報が中途半端なため「もう少しここを見たい」と思われているのではないかと考えまして、この資料で全部を伝えるというよりは、この資料で気にしてもらうこと、気になったところについてはWevoxで見てもらうというようにして、今は運用できているかと思います。

平木:大事なポイントだと思います。おそらく、もっと詳しく見たいという気持ちをくすぐるように一言コメントを入れていただいているのかなと推測しました。ちなみに、見る方によってスコアの捉え方を誤ってしまうと適切なアクションがとれなくなってしまうと思うのですが、伊藤さんはどういう順番でどういう風に数値を捉えてられていたのでしょうか?

伊藤:100人の会社なので、エンゲージメントとあわせて、各本部長や現場のリーダーの方からこちらに何かしらの相談事があったりして、いろいろと見えてくる部分があるんですね。ですので、例えば気にしていたところが数値に反映していれば積極的に伝えるようにしたり、ポイントが上がっていれば「みなさんの頑張りが効いていますね」というようなフィードバックをしたりしています。あとは、実名で見ているからこそかもしれませんが、スコアの付け方は個人によるものがあると思っていて。ジェットコースターみたいな推移をする方もいたりするんです。ですから、そういう方に必要以上に引っ張られないように気にしていました。

メンタルヘルスのためにも、Wevoxを活用

平木:見える情報ではあるものの、実際に部署間で見るときは注意されていたということでしょうか。

伊藤:各個人の情報は人事以外には出していないので、数値が悪くなったのが個人の要因によるものなのか、それとも全体的に悪くなったのかで対策が変わってくると思います。ですから、本部全体の分析時には極力個人の数値に言及するのは避けつつも、数値的に大きく下がって気になるようなところは、敢えて「個人の回答によって影響している」とフィードバックしています。

平木:今のお話の中でもいくつものポイントがありましたね。課題点だけではなく、強みのフィードバックを同時にすることであったりとか、あと素晴らしいと思ったのが、数値だけがすべてではないというお話です。実際の職場での体験とどう紐付けるか、それをもとに数値を見て皆様にきっかけとなるポイントを出されていたというところがポイントになってくるかと思いました。

ちなみに、こちらが実際に個人で見られるメンバーサポートの機能でしょうか?

伊藤:はい。いろいろと課題や問題が出てきまして、もっと注目しようということで、4月から人事側でメンバーサポートを導入し、現在テストをしています。個人情報が見られる以上は、もっと人事側も人事としてフォローすべきだと思ったので、個別ケアにも注力し始めました。そうですね。もちろん個人でフォローするときにも、現場のリーダーや本部長にこちらからフィードバックをすることはありますし、情報の共有を進めていくのですが、敢えて第三者の方に入っていただいて話を聞いてもらう方が話しやすい部分もあると思います。現場のリーダーの方に「こういう数値や傾向が出ていますけど大丈夫ですか」とこちらから確認の連絡をすると、現場のリーダーの人も「では私の方でヒアリングをします」とか「人事の方で聞いてもらえませんか」といった感じで返してくれます。それにあわせて動く体制を、もっと強化していこうと考えているところです。

平木:定着期に、現場のリーダーの方からエンゲージメントについて学びたいという声が得られたそうですが、良かったら事例をご紹介していただけますか?

伊藤:その方自身がメンバーのエンゲージメントについて悩んでいたらしく、まず「無料セミナーを受けたいと思うんですけどいいですか」と言われたので「どんどん受けてください」と言ったら本当に受けてくださったんですね。その上で「もっと勉強をしたい」というお声をいただきました。実はこのときまで、私自身はEngagement Run!に入ろうとは全く思っていなかったのですが、せっかくこう言ってくださったのだから「では一緒にやりましょう」ということで参加することを決めました。1人よりも2人の方が情報共有もできるし、励まし合えますよね。何より、自分の退路を断つような気持ちでやろう!ということでスタートし、始めたのがEngagement Run!でした。

そこから、学んだことをみなさんにシェアしていこうということで、非公式ですが「エンゲージメントを学び隊」という会を作り、「ここで情報発信をするので、気になったときに覗いてみてほしい」といった感じで興味のある方々に少しずつ声をかけて広げていきました。今では当社の管理職の半分くらいの方が参加していて、コメントのやり取りをしたり、情報を共有してくれたりしているので、凄くありがたいですね。また、「投稿とかはしなくてもいいですよ」といった方向でアプローチしたことが、気になっている人が参加してくれるきっかけになったのではとも思います。

平木:いいですね。そのあたりも管理画面のログイン率に寄与しているのかもしれないですね。

伊藤:そうかもしれないですね。システムが増えるとアクセスしないシステムが出てきてしまうと思うのですが、人事側が入れるシステムというのは売り上げに直結するようなものではないので、活用してもらうことと、触って身近に感じてもらうことが大事だと思います。

平木:ちなみに、管理職の方が閲覧権限をお持ちとのことですが、実際にWevoxの結果を見られたときの反応はいかがでしたか?

伊藤:最初のうちはあまりフィードバックを貰えませんでした。ですが、弊社内の別の課題について、現場のリーダーの方々がエンゲージメントの数値をデータとして見ながら組織をどう良くしていくかというところに活用し始めてくれたので、それは凄く嬉しかったです。あとは「うちのチームはあまりエンゲージメントが上がらないんですよね」というようなコメントを貰えるになったので「気にしなくていいですよ。とりあえず良くするためにいろいろとやっていきましょう」という話をしたりするのですが、そういうフィードバックの言葉の中にエンゲージメントやWevoxが出てくると、徐々に定着してきたんだなと実感できますね。

平木:コミュニケーションの中で自然にエンゲージメントなどの言葉が出てくると、浸透しているという体感も出てきますよね。「Engagement Run!」での経験を経て、変化はありましたか?

伊藤:まずはEngagement Run!のチャットを作ったのですが、そこでやり取りをしていく中で、自分たちの事例も共有しようという話が出てきました。私が昭和の人間なのでネーミングセンスが若干昭和なのですが、「グループを良くし隊」というものを始めました。

これは、学びはもちろんのこと、自分たちのチームの話や、他のチームがどんなことをやっているか、どんなところに悩んでいるかといった点もテーマにして情報共有をしようという意見が出てきたことを受けて生まれたものです。おそらくこういうものに興味を持って参加しようと思ってくださる方は、そんなに「スコアを上げなくてはいけない」というようなマインドは持っていないと思うのですが、とは言えWevoxのスコアがどういうものなのかについては認識を揃えた方がいいと考えたので、Wevoxの動画も活用させていただきました。

2022年の1月下旬に1回目を実施しましたが、実はそのときはスコアのスの字も喋らなかったんです。だいたいどこの本部でも、若手の方だったりベテランの方だったり、チームを良くしていきたいけど難しいと思っている部分がありますよね。そんなときに「うちはこんなことで困ってます」という悩みに対して「こういう風にしたらいいと思います」とか「こんなことをやっていたりします」というようなことをみなさんでシェアしてくれる体制になっていたので、悩みやその解決方法を共有できるようになりました。1月が初回で、次は3月か4月にでもと考えていたのですが、少し忙しすぎたので、6月ぐらいに第2回目を実施できればと思っています。

現場と対立構造にならないようなコミュニケーションに注力

平木:確かに、会をやるにあたっての前提の知識を揃えるというのは凄く大事なポイントになりそうですね。質疑応答へと移る前に最後にご質問をさせていただければと思うのですが、実際に現場を巻き込もうとしても現実では難しさを感じている会社さんが多い中で、現場のみなさんを巻き込むときのコツや、参加者の皆様へのアドバイスなどがあれば教えてください。

伊藤:こちらから必死さを出さないというのはあります。ある程度の回答数を集めてスコアを上げることを課題として持っているのでみなさんに回答してほしいですし、スコアもどんどん上げてほしいと思うのですが、それを前面に出してしまうとやらされ感が強くなってしまいますから。「Wevoxをやってもらってますけど、負担は多くないですか?」といった感じで、とにかく人事と現場の対立を作らないように心がけました。人事のためにやっているわけではなく、みなさんのために一緒にやりたいという想いが少しでも伝わるようにと考えていましたね。

平木:今の伊藤さんの言葉の中でハッとさせられたのですが、管理職のみなさんや現場のみなさんと人事というのはどうしても対立構造上で話されているケースというのがまだまだ多いと思います。ですが伊藤さんは、どう寄り添うか、どう一緒に会社を良くしていくかという目線で、声がけを行ったり意見を聞いたりされてきたんですよね。そこが凄く大事なポイントだと思いました。ありがとうございました。では質疑応答へと移ります。

参加者の皆様からの質疑応答

質問者:情報公開について、人事の方は個人名でみなさんの回答を見ているお話しされていましたが、全社にその旨をお伝えした上でやられているのでしょうか?

伊藤:はい。最初にもお伝えしましたし、Wevoxのアンケートに答える際の最初の画面にもその旨を表示しています。と言っても、上司に共有しますよといった書き方ではなく、人事側で気になることがあったらお声がけをさせていただきますといったニュアンスです。「少し気になる傾向があるのですが大丈夫ですか」という感じで聞くようにしていますし、上司が個人的に「お前のスコアが低いから〜」と言い寄るようなことは絶対に起こらないよう気を配っています。

平木:「共有」にはその結果を見せることまでは含まれていないんですね。傾向に対してご相談されるという感じで、Wevoxの結果を直接見せることはないのでしょうか?

伊藤:そうですね。基本的にはやっていないです。

平木:Wevoxでは、実名権限を付与する場合には、全従業員にちゃんと周知されましたかといった部分をメールでエビデンスを残させていただいて、それがないと私たちも実名権限をONにしておりませんので、隠れて見るということは一切できません。質問者の方や参加者の皆様には、今後の参考にしていただければと思っております。

質問者:Wevoxについてリーダーの方の興味関心が高いと伺いましたが、あまり興味のない方や、導入に否定的な方はいらっしゃいますか?

伊藤:多いですね。正直な話、もっと反対されるかと思っていたくらいでした。蓋を開けてみると、どんなリーダーの方でもいいチームを作りたいし、いいお仕事をしたいと思う気持ちはどこかにあるんですよね。そこに「なんとかこのWevoxとかエンゲージメントというものを活用できませんか」と持っていくと、それぞれ受け取り方が違います。実際に行動に移すかはリーダーによって変わるものの、気にされるようにはなってきたり、もっといいチームの事例を紹介してほしいというような話が出てきたりもするので、あまり怖がらずにやってみるのは手だと思います。当社の場合はリーダークラスと言われる人たちが15人ぐらいいらっしゃるのですが、その中でも最初の段階で1〜2人は問い合わせをしてきてくれたりするんです。ですから「この人たちは興味を持ってくださっている」と思ったら、その人たちと何かできないかとか、そのチームを重点的にフォローできないかと考えます。まずは1〜2人に小さなファンになってもらって、「一生懸命やっているね」とか「少しでも良い評判を広げていこう」というように、凄く他力本願ですけどそこからプッシュするようにしていますね。

質問者:学び隊について、どんなことをその場でやられているとか、どういうことを考えられているかといった具体的な例はありますか?当社も今そこについて考えている部分があり、何かヒントになればと思いました。

伊藤:そんなたいしたことは全くしていなくて、実は当社からEngagement Run!に参加しているのは2名だけなんです。ですから、学ばせていただいている以上は少しでも多くの人たちに学びを共有したいという気持ちがありましたので、気になった内容については積極的に紹介したり、平木さんの前で申し訳ないのですが内容によっては「ここはうちの会社にはあまり合わないね」といったように、それを学んだ人が「こんなことをやってみよう」と思うくらいの感想ベースで投げ始めたのが最初でした。

ここでもハードルをとにかく低く設定していましたが、そうすることにより、だんだんとイベントに関する悩みや問題などの情報が集まり始めました。いろいろと意見を交わしていくと、同じように現場のリーダーの人たちもエンゲージメントを大事だと思っていたり、チームメンバーのことを大事だと思っているけれど捉え方が違うとかいろいろな考え方があって、でも何かを良くしたい思いは共通しているんですよね。ですから、徐々に「自分の視点からみるとこんな感じだけどこれをどう思う?」というように情報交換の場になっていきました。在宅勤務もそうですし、当社の場合は拠点が分かれていてなかなか横の連携が取りにくい部分があるので、そういった部分についてはリーダーさんも一番悩みを抱えていると思います。気軽に話をするきっかけの1つになればいいかなぐらいの、本当に緩い雰囲気の会です。

質問者:貴社ではどのくらいの質問量でアンケートを取られていますか?質問をどのように運用しているかをお聞きしたいです。

伊藤:当社で毎月定期的に実施しているのは、Wevoxさんの方で提供されている通常質問で、16問のものです。最初にテストをやってみて実際に負荷がどうだったかをヒアリングしてみたところ、当社の場合は慣れれば感覚でやれるという感触だったので、16問で1年間運用しました。エンゲージメントだけではなく、社内に聞きたいことってありますよね。ですから、最近はアンケートの回答率が良いということもあり、エンゲージメントとセットで他のサーベイという形式でオリジナルの質問を1つ答えてもらったりもしています。複数のアンケートをいっぱいやるよりも、Wevoxで1月に1個聞きたいことが聞けるという風潮ができ始めてきましたから、そこはそれぞれの会社次第かと思います。

平木:では最後に、伊藤さんからみなさんにメッセージをお願いいたします。

伊藤:今回こういう機会をいただいて振り返ってみて、続けてこられた理由としては、まずは上司である本部長が後押ししてくれたことが凄く大きかったのではないかと思っています。実際に役員会議などに持っていく場合も事前に相談に乗っていただきましたし、どうしても思うようにいかなかったり悪い評判を聞いたりしたときに支えてもらえたのは心強かったです。あとは、現場の人たちですね。最初は本当に孤軍奮闘で始めたような気持ちにはなっていたのですが、蓋を開けてみると、きちんと考えてらっしゃる方が多いことが分かりました。

「人事はこういう情報を見てるんだから、もう少しフォローを頑張ってほしい」と言われることもあるのですが、こういった意見も、Wevoxがみなさんにとって当たり前になりつつあるからですし、それだけ期待してくれているという意味で捉えています。

また、現場のリーダーの人たちが自主的にデータを活用し始めてくださっているので、人事の自己満足にならなくて良かったなと安心しています。最後にみなさんにお伝えしたいところとしましては、現場の声を人事や管理部門がどこまで聞けるかが重要だということです。私もこれからどんどん聞いていこうと思うので、一緒に頑張りましょう。

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