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Wevox
一人ひとりのエンゲージメントがスタートアップの成長と持続を可能にする

一人ひとりのエンゲージメントがスタートアップの成長と持続を可能にする

株式会社ケップル
大関 利幸氏
大関 利幸氏
株式会社ケップル
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執行役員CHRO

スタートアップエコシステムの発展に貢献するべく、スタートアップや投資家が抱える様々な課題を解決する事業を多様に開発している株式会社ケップル。2015年の創業以降、拡大し続ける組織とリモートワーク環境にあるからこそ生まれた課題感から、Wevoxとピアボーナスツールを導入し、エンゲージメント向上や組織内コミュニケーションの活性化に取り組んでいます。これまでの経緯とスタートアップにおけるエンゲージメントの意義について、CHROを務める大関さんに伺いました。

相互理解の希薄化とエンゲージメント低下への懸念からWevoxを導入

―2015年に創業し、事業と組織を拡大していくフェイズにある貴社がどのようにエンゲージメント活動に取り組んでいるか、いろいろとお聞きしたいと思います。まずは、貴社の事業について教えてください。

弊社は、「Create New Industries 世界に新たな産業を」をミッションに、スタートアップ領域のエコシステムの発展に必要とされているビジネスの種を見つけ出し、事業化している企業です。

スタートアップ領域では、新たな価値を生み出そうと挑戦するスタートアップと、その挑戦に期待し支援する投資家双方がともに成功することで、マーケット全体が相乗的に成長していきます。このエコシステムの発展のために、スタートアップや投資家のみなさんが抱えている課題を解決するビジネスを柔軟に立ち上げるのが、弊社の事業です。例えば、ソフトウェアが必要ならSaaSを立ち上げてつくりますし、人が介在してコンサルティングを行ったほうが早いならコンサルティングサービスを立ち上げるなど、幅広い事業、サービスを手掛けています。

―Wevoxは2021年8月に導入されました。どのような課題感や経緯から導入に至ったのでしょうか?

急激な組織成長や事業の多面的な展開に伴うメンバーの多様化や、リモートワークによる互いの顔の見えづらさから、今後、エンゲージメントが低下するのではないかという懸念がありました。特に、弊社のバリューである「Support(相互の成長を支援する)、Heart(熱中し鼓舞する)、Impact(社会に大きく貢献する)、First(“はじめて”に挑戦する)、Trust(信頼を積み重ねる)」への意識が低下したり、相互理解の希薄化が進むのでは、という危機感が経営陣の中で高まったことが導入検討のきっかけです。

エンゲージメントの低下が起こる前に状況を可視化したい、世の中の多様な企業の中での自社の位置を把握し、ベンチマークのような羅針盤がほしいという考えから、外部のエンゲージメントサーベイを活用することにしました。そうして調べていったところ出会ったのがWevoxです。機能と価格面で納得感があったので、ほぼ一択で決めました。

ピアボーナスツールの活用によりエンゲージメントが向上

―Wevoxは具体的にどのように運用されていますか?

月1回サーベイを行い、その結果を役員会で経営層に共有し、メンバーに対するメッセージングや取り組んでほしい行動などを促しています。加えて、人事のメンバーがHR関連の施策を検討する際に参考にしています。

―導入時の社員のみなさんへの周知や回答促進などはどのようにされましたか?

導入時に全社ミーティングでガイダンスを行うとともに、代表の神先からエンゲージメントを大切にする理由を話してもらいました。その後、回答率を上げるために何度も回答を依頼するような無理強いはしていませんが、皆協力的で、ほとんどのメンバーが回答する状況が現在まで続いています。

―高い回答率を維持できている要因は何でしょうか?

Wevox導入の半年後に、相互承認の文化を醸成する取り組みを始めたのが大きかったかと思います。この取り組みの一環として、ピアボーナスツール「Unipos(ユニポス)」を導入したのですが、「エンゲージメント向上のために、組織としてピアボーナスに取り組んでいくんだ」というリマインドがかかった感じになりました。

相互承認の文化を自社のカルチャーとして定着させるために、「KEPPLE Appreciation Project」という取り組みを始め、各部署から若手メンバーを1人ずつ集めて「Unipos現場推進チーム」をつくったんです。そして、Uniposの使用率をチーム別に競ったり、良い投稿をしたメンバーを全社ミーティングで表彰したりといった活動を行ったことで、「事業推進だけでなく、エンゲージメントの向上や組織のカルチャーをつくっていくこともメンバー一人ひとりの仕事で、他人任せにすることではない」という意識が浸透していきました。その延長線上にWevoxもあり、弊社の一員として回答するものであるという認識を皆が持ち続けてくれているのだと思います。

―相互承認の文化が醸成されたことで、みなさんのエンゲージメントはどのように変化したでしょうか?

客観的なところで言うと、Wevoxのスコアが上昇しました。KEPPLE Appreciation Projectがスタートした後くらいから徐々に上がり、今はベンチマークに置いている同業界の上位5%に並ぶようなエンゲージメントスコアになっています。とくに、「承認」に関する項目のスコアがものすごく上がりましたね。その伸びが全体のスコアの伸びを引っ張ってくれています。

他方で、「承認」以外の項目は個別に課題感がありますね。

―どのような課題が見えていますか?

例えば直近では「会社の方針や事業戦略への納得感」のスコアが低く出ています。弊社の場合、事業ラインナップが幅広いために事業の方向性を伝えづらい面があります。経営陣ともこの数字を見ながら、今後メンバーに対してどのようなメッセージを発信していくかを検討しています。

また、「自己成長」や「健康」のスコアもあまり高くありません。弊社はスタートアップにしては、ワークライフバランスをとりやすい会社だと自負していますが、それでも成果を出すために多少の無理をしている面もあります。そうした、労務管理をしっかりとやっていかなければといった課題の洗い出しも行なっています。スコアという形で比較的早めにアラートが上がってくれるのが、Wevoxの良さですね。

―ほかにも良さを感じてくださっている点はありますか?

あとは、匿名性が高いところですね。弊社では、Wevoxとは別で評価のタイミングで働き方や満足度を把握するアンケートを配信していますが、記名制のためか「満足している」という回答が多いんです。

一方で、Wevoxは匿名制で、見ているのも経営層と人事のみなので、皆、ちゃんと辛口に答えてくれます。実際、評価アンケートの結果とWevoxのスコアに乖離が生じている項目があり、Wevoxの方が本音だろうと注意して見ていたりします。

経営層の巻き込みと現場への浸透をさらに強化

―現状、個々の項目に課題がありつつもスコア自体は良好ということで、今後、Wevoxをどのように活用していきたいとお考えですか?

2つ考えています。1つは、経営層の巻き込みを加速させることです。導入当初から月1回、役員会でスコアを共有していますが、エンゲージメント向上と組織開発は経営の仕事でもあるという認識をいっそう促し、必要なタイミングで適切なメッセージを発信してもらうなど行動を働きかけていきます。

もう1つは、現場を巻き込んでいくことです。相互承認の文化をつくるためのKEPPLE Appreciation Projectを2022年7月に新たに「Momentum Design Project」とし、相互承認のさらなる現場浸透に取り組んでいます。前プロジェクト同様、現場のメンバーが中心となり活動していますが、HRは黒子として、Uniposの活用状況とWevoxのスコアを共有しながらプロジェクトメンバーが動きやすい体制づくりを支援していきます。

「Momentum Design Project」については、監修役としてサポートに入っている広報の冨田からお話ししますね。

(広報・冨田さん)今まさにプロジェクトとしての目標を定め、アクションプランを推進しはじめたところです。「KEPPLE Appreciation Project」が良い下地をつくってきてくれたので、良い投稿の表彰やチーム別に投稿率を競うといった施策を続けながら、相互理解のためのワークショップに取り組んだりもしています。今後も、Uniposの数値とWevoxのスコアを見ながらテコ入れ施策に取り組むなど、コミュニケーションの活性化のためのアクションを重ねていきたいと思います。

―組織づくりの展望についてはいかがでしょうか?

この2〜3年のテーマは、リモート下におけるエンゲージメント向上と相互承認のカルチャー醸成でした。少しずつコロナをめぐる状況が落ち着いてきている今、人事主導で進めているのは、オフラインコミュニケーションの機会を増やすことです。

社内的なプロジェクト名としては「PLACE(居場所づくり)」と名付け、公式のコミュニケーション施策として、チームでのワークショップやミーティングを週1回程度、対面で行うことを勧めています。

あとは、非公式のコミュニケーション施策として、社内の部活動や飲み会を、今一度、積極的にやっていこうという働きかけもしています。それにより、部署を超えて、社内にどんな人がいて、どんなバックグラウンドやナレッジを持っているのか?ということを互いに理解し合う機会にしてもらいたいと思っています。

事業の成長スピードをさらに上げていくためには、社員同士の協力関係や相互理解がより重要になってきます。オフラインコミュニケーションの機会を増やすことで、個々の部署で何をしているのか、どのようなナレッジが社内に転がっているのかといったことをみんなが把握し、社内にさらなるイノベーションが起こるようにしていければと思っています。

スタートアップにおいて、エンゲージメントは成長や貢献の動機となる

―ありがとうございます。では最後に、スタートアップにおけるエンゲージメントの価値をどのように捉えていらっしゃいますか?

大きく2つあると思っています。1つは、利益を出して急成長を遂げていく前段階にある赤字の時期にメンバーのモチベーションに寄与していくものです。

どういうことかというと、スタートアップには、利益を出す手前で赤字を掘りながら進んでいく時期があります。プロダクトの構想を考え、それをもとにエンジニアやデザイナーを採用しながらβ版を作り、マーケットに当てていきながら改善を続ける時期です。その時期を抜けて利益となるポイントを作り、一気に成長していくのがスタートアップの理想像です。

したがって、利益となるポイントに至るまでの赤字の期間は、いかにしてメンバーのエンゲージメントを維持し続けるかが非常に重要になってきます。経営層は、投資家のみなさんから調達した資金があと何カ月もつだろうか?と勘定しながら走る一方で、メンバーに対して「俺たちいけるぜ!」というモメンタムを作っていく必要がある。そこに1つ大きく寄与していくのがエンゲージメントなのかなと思っています。

―もう1つは何でしょうか?

メンバー一人ひとりが主体性を持って事業を作り、必要とされる仕事を自ら作っていく動機になるものだと思います。

スタートアップにおいては、一人ひとりの守備範囲が広い上に、自ら考え、必要な仕事を作っていくことが求められます。そこに必要なのが「自分がこの会社を成長させていくんだ」という強いエンゲージメントのもと、自分でどんどん仕事を作って事業成長に寄与していく姿勢です。

弊社においては、もともとエンゲージメントが高く主体性のあるメンバーが揃っていましたが、個々人が主体性を発揮し成果を挙げていく上で、周りとの関係性や組織のカルチャーの影響は大きいと認識しています。例えば、入社直後だと、主体性はあっても何からどのように手をつければいいかわからないし、社内の誰がどのような情報を持っているかもわかりません。そこを支えていくのが、周りとの関係性や組織のカルチャー、コミュニケーションです。

そう考えたときに、この2〜3年はリモートワーク中心であったため、部署を超えた関係性が失われつつあったことなどが経営層の漠然とした危機感につながっていました。それが、Wevoxによるエンゲージメントの可視化や相互承認の文化の浸透により改善されてきたことは、非常に良かったと思います。

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