
エンゲージメント活動を推進するWevoxアンバサダーがつくる「はたらきやすいコールセンター」

パーソルワークスデザインのコールセンターサービス領域を担当するCSソリューション1部とCSソリューション2部を統括。

コンタクトセンターの品質基準の維持・向上や生産性向上を推進する業務推進課の課長を務める。エンゲージメント活動においては、部門内の各課を代表するアンバサダーによる改善チームのリーダーを務める。

業務推進課にて各種施策を担当。2022年度よりWevoxの運用および改善チームの運営を担当。アンバサダーによるエンゲージメント活動を牽引している。
コールセンターサービスをはじめ、BPOサービス、ITヘルプデスクサービスなどの事業を展開するパーソルワークスデザイン株式会社。コールセンターサービス領域を担当する部門では、Wevoxを活用しながら職場のオペレーターがアンバサダーとなり、エンゲージメント活動を推進しています。どのようにして体制を構築し、活動を継続させているのか、事業を統括する高山さんと、オーナーとして活動を牽引する田中さん、上元さんに話を伺いました。(取材時期:2022年12月実施)
エンゲージメント活動により、はたらきやすい職場をつくる
―コールセンターサービス領域を担うCSソリューション1部、CSソリューション2部は、2021年3月よりWevoxを導入されました。まずは導入の経緯から教えてください。
高山:一番の目的は、従業員のはたらきやすさの実現です。弊社では、パーソルグループ全体のビジョンとして「はたらいて、笑おう。」、ミッションとして「ワクワクワークのあふれる社会へ」を掲げています。「ワクワクワーク」とは、それぞれのありたい将来に期待し、今を楽しみ、夢中ではたらいていることだと定義しています。そうしたワクワクワークを実現するために最も大事なことは、皆がはたらきやすい職場を実現することだと考えました。
ただ、その「はたらきやすさ」を可視化できるものが何一つとしてなかったため、Wevoxのスコアを指標としようと導入しました。
また、離職率が高まる可能性への危機感もありました。会社の急成長・急拡大に伴い、オペレーターやスーパーバイザーとしてはたらく従業員にかかる業務負荷が少しずつ大きくなっていました。そこにコロナ禍という大きな環境の変化が起こったため、このまま何もしなければ、業界内ではやや低めであった離職率が業界水準並みに高まってしまうかもしれないという懸念が生じていたのです。はたらきやすさを実現することにより、離職率も抑えられるだろうという考えがありました。
―様々なサーベイツールの中からWevoxを選ばれたのはなぜだったのでしょうか?
高山:レポートを見たときのわかりやすさが一番の理由です。先に他部門が導入していたので見せてもらったところ、数値が見やすかったですし、課ごとに結果を見られるのもよかったですね。加えて、回答するメンバーにとっても複雑でなく、わかりやすいつくりだったことも決め手になりました。
―ありがとうございます。では、実際にWevoxを用いたエンゲージメント活動を進めていくにあたっては、どのような目標を設定されましたか?
高山:大きく言うと、「言いたいことを言える環境をつくる」です。メンバーが何かを思ったときに、それが組織にとってはネガティブな意見であっても言える環境が、部門、ひいては会社を良くしていくには必要です。そのような組織を醸成できればいいなと思いながら日々取り組んでいます。具体的には、毎月のサーベイにフリーコメント欄を設けて、田中や上元が直接吸い上げるようにしています。
―エンゲージメント活動に取り組む前は、意見を言える環境が不十分だったのでしょうか?
高山:意見を言える機会があまりなかったというのが正直なところです。評価面談のときに吸い上げるか、どうにもならないときに個別に連絡がくる状況でした。そうではなく、気がついたときに気軽に意見を言える環境をつくらないと、組織はよくならないと常々思っていたんです。
―Wevoxの導入やエンゲージメント活動について、部門内の皆さんの当初の反応はどのようなものでしたか?
高山:職場のオペレーターの皆さんなどは、当初は「やって変わるんだろうか?」と思っていたようです。おそらく「これまで何度も『変える』と言ってきたのに変わらなかったじゃないか」という思いがあったと思います。
各課の課長からは、ネガティブな意見はありませんでした。これまで組織改善の取り組みの成果がなかなか出なかった事実があるので、スコアという形で組織の状態を見える化できることへの期待があり、きちんとやっていこうと意欲的でした。
各課を代表するアンバサダーが、活動を推進
―エンゲージメント活動は、どのような体制で進められたのでしょうか?
高山:各課から1名ずつ、計7名のオペレーターさんに手挙げでアンバサダーになってもらって改善チームをつくりました。そして、私が統括、業務推進課の田中がリーダー、上元が運営担当として入って活動を進めています。業務推進課というのは、我々が提供するサービスの品質や生産性向上のために、様々な施策を実行する課です。エンゲージメント向上も、品質や生産性向上のための大事な施策であり、業務推進課に旗を振ってもらっています。
月2回の定例ミーティングで課と部それぞれの視点での推進活動を議論し、アンバサダーが各課に活動を浸透させるという体制です。手挙げ制でしたので、すごく意欲の高いメンバーが集まってくれました。当然、それぞれコールセンターでオペレーターとしての仕事も持っています。そうした仕事と両立して、組織に対しても何か取り組みをしたいと手を挙げてくれました。
職場の一人ひとりが当事者となって、エンゲージメント活動を進めてほしいという思いがあったので、意欲の高いアンバサダーの存在はとても心強かったですね。

―Wevoxのスコアはどのように活動に反映されているのでしょうか?
高山:まず、アンバサダーが自分の課のスコアを見て分析し、定例ミーティングでスコアの変動状況やその要因を報告します。その上で、自課で取り組みたい施策についてざっくばらんに意見を出してもらって整理し、施策を決めて、課に持ち帰って展開していく流れですね。課ごとにスコアに色があるため、それらに応じて、施策や取り組みは課によって若干異なります。
―スコアから課題を見つけて施策を検討し、改善活動を行うというサイクルを軌道に乗せるために、どのような工夫をされましたか?
高山:各部署の状況をよく理解している、田中や上元に引っ張ってもらいました。アンバサダーの中には、意見をたくさん出せる人と、やりたいことはあるけれどもなかなか意見を出せない人がいます。各アンバサダーの特徴に合わせてどのように活動を進めていくかは、2人に調整してもらいながら進めました。
―アンバサダーの皆さんの考えを引き出すにあたり、田中さんと上元さんはどのような工夫をされましたか?
田中:アンバサダーのもとには、課のメンバーから様々な意見が集まってきます。アンバサダー個人では整理しきれず、まとまらないまま話したり、その場の感情での発言も混ざったりすることがありました。そこをファシリテートしてまとめていくのが、難しかった点でもあり、工夫した点でもあります。
上元:アンバサダーの皆さんから出てくるオペレーター目線での意見と、部門の目線とのすり合わせに、最も苦労した印象があります。アンバサダーの皆さんが自分の課のプロジェクトの細かいところまで話してくださること自体は、情報として参考になります。ただ、アンバサダーとしては課や部を大きな視点で見て施策を進めていくことも必要なので、そのすり合わせに苦労しましたね。
また、従業員満足度と考えている方が多かったため、まずは「エンゲージメント」とは何かを各課のアンバサダーに落とし込みをおこなっていきました。そして、各課の施策が部門全体の施策に繋がっているのか、問いかけることでオペレーター目線から部門全体の目線を持ってもらい、「アンバサダーは部門の施策実施に影響力があるんだよ」とを伝え、軌道修正していきました。
ファシリテーションに関しては、まずは、相手の意見を聞いて理解したうえで、とりまめることを意識しました。また、ミーティングでおさまらない内容については、別途個別対応するなど、フォローも行うようにしました。
―課ごとの施策のほかに、課を横断しての取り組みもあるのでしょうか?
上元:昨年度からアンバサダーの方々が主体となって取り組んでいることの1つに、部門内で発行している新聞があります。他課の業務などについて知れるよう、各課の紹介などをしているんです。
田中:他にも、部門内の管理職の顔と業務内容を誰もが把握できるよう、情報整理を今進めていますね。というのは、「上長の顔がわからない」「誰が何をしている人なのかがよくわからない」といった意見をもらうことが多いため、高山主導で皆が閲覧できるものを制作しているところです。
あとは、まだ企画を詰めている段階ですが、業務時間内に各課横断で意見交換や課題の共有などができる、コミュニケーションの場を設けるべく話を進めています。
―各課の課長の皆さんは、エンゲージメント活動にどのような形でかかわっていらっしゃるのでしょうか?
高山:施策の決定には関与せず、アンバサダーたちが決めた施策を必要に応じて確認するという立ち位置です。他方で、各課のメンバーに懸案事項が見受けられれば、該当する課の課長に対応を依頼して、メンバーのフォローなどにあたってもらうことはあります。
まずは、アンバサダーを中心に活動を定着させ、少しずつ管理職層の参加も促していきたいと考えています。
「言いたいことを言える環境」を少しずつ実現
―アンバサダーの皆さんが活動に取り組まれてまもなく2年になろうとしていますが、手応えをどのように感じていますか?
田中:アンバサダーがいることによって、意見を言いやすい人が増えてきている印象があります。課長に直接話すとなると、業務上なかなか機会を持ちづらいのですが、アンバサダーだと、同じ業務スペースにいるケースもあって、ちょっとした会話の中から意見を言えたりするようです。アンバサダーに集まった意見は定例ミーティングで吸い上げていますが、みんなの本音を拾いやすくなっていることを感じますし、施策にも反映できているかなと思います。
―はたらきやすい組織に変化している感触もありますか?
高山:これまで、「エンゲージメント」という言葉すらなかなか聞いたことがなかったところから、エンゲージメントについて敏感に察し、考える機会が多くなってきていると思います。
「エンゲージメントとは、みんながはたらきやすい環境をつくることなんだよ」とわかりやすく落とし込んで活動を進めて、みんながそれをイメージできるようになってきています。自分たちが声を挙げれば、少しずつ組織がよくなっていく意識が浸透してきているように思うんです。今後も続けていくことで、もっと良くなっていくと感じています。

―個々のオペレーターの皆さんへのメッセージングはどのようにされていったのでしょうか?
高山:社内報で伝えたり、チームミーティングの際に話したりと、様々な方法をとってきました。会社としても「エンゲージメントを高めていきましょう」というメッセージを出していますし、部門の中でもエンゲージメントという言葉が定着しはじめているので、会社と部門、両方のメッセージが紐づいて浸透しているように感じます。
誰もがやりたい仕事、好きな仕事をできる環境を実現したい
―今後の組織づくりの展望を教えてください。
高山:みんながやりたい仕事や好きな仕事ができる環境をつくっていくことが、定性的な目指したいところです。
そのための短期的な課題としては、まだ「はたらきやすい場所をつくる」ことの途上なので、身の回りの整理整頓や業務量の分散といった目に見えるところからやっていくことが必要です。
そして、中期・長期的な課題としては、多様な人々がやりたい仕事や好きな仕事をできるよう、仕事をつくっていくことだと考えています。今後、障がい者雇用も行っていきたいと考えているんです。そのためには、障がい者の方でも取り組めるように仕事のプロセスを変えていく発想も必要になってきます。多様化を進めていくうえで、様々な事情で、やりたくてもやれない人、本当は好きなのに諦めてしまっている人たちも挑戦できるような雇用をつくっていきたいと思います。
―そのようにしてやりたい仕事や好きな仕事をできる場所をつくっていく上で、エンゲージメントの価値をどのように感じていますか?
高山:エンゲージメントって本当に生き物で、「これだけ施策をしたのにスコアが上がらない」というときもあれば、些細なことで上がるときもあり、また、回答者の気分に左右されることもあります。単純には高まらない、難しいものだというのが率直な意見です。
だけど、組織においてエンゲージメントが大事であることは十分に肌で感じているので、継続した活動をしていく必要があります。
私たちとしては「まだ2年」という感覚なので、今後、もっともっと、活動量や好きでやってくれる人を増やしていくといった土台づくりをきっちりとしていかないと、すぐに崩れていくだろうという思いがあります。また、エンゲージメント活動の楽しさも伝えて、部門のメンバーみんなでエンゲージメント活動を楽しむことができれば、もっと良い方向に進んでいくはずです。アンバサダーや個々のメンバーが、活動に取り組める時間や余力をもう少し作っていけるようにもしたいですね。







