成長中のクラウド人事労務SmartHR!メンバーを信頼してまかせるときに、マネージャーが意識すべきこととは?

成長中のクラウド人事労務SmartHR!メンバーを信頼してまかせるときに、マネージャーが意識すべきこととは?

チームのエンゲージメントが高いチーム(※)の秘訣を探る、DIO STORY。今回は、クラウド労務ソフト「SmartHR」を運営する、株式会社SmartHRにてマネジメントに関わっている倉橋氏、高橋氏にお話をお伺いしてきました。 ※ エンゲージメント計測サーベイwevox(ウィボックス)にて測られたエンゲージメントスコアが81点以上(100点満点)のチーム。(wevoxにて計測されたエンゲージメントスコアの上位1%に当たる。)

今回はこちらのお2人へ、マネジメントで意識されていることやチームでの具体的な取り組みについてリアルな現場でこだわられていることをぐっと踏み込んで聞いてまいります。

メンバーの適正にあった役割を明確にすることで意識の幅を広げる

- 倉橋さんはCOOを担いながら、マーケティングチームのマネージャーも兼務していらっしゃいます。マーケティングチームの業務内容を教えてください。

(倉橋)マーケティングチームの業務内容は、「SmartHR」に興味を持っていただけると見込める企業様の情報を集めることです。オンライン・オフライン広告やイベントなどのマーケティング施策の企画、ウェブサイトの運営などを行い営業につながる顧客情報の数を増やし、その質を上げるのがマーケティングチームの役割となっています。

- 高橋さんのチームの業務内容を教えてください。

(高橋)カスタマーサクセスチームは、SmartHRを新たに導入していただいたお客様に対して、初期導入サポートや日々の運用をサポートするチームです。直接お客様のところにお伺いしてサポートしたり、ご要望があればオプションの機能をご提案しています。お客様がどのようにSmartHRをお使いいただいいるのか、定期的にヒアリングもしますね。お客様が長くサービスをお使いいただけるようにさまざまなサポートを通じてオンボーディングすることで、「解約をなくす」というのが、チームのミッションです。 (オンボーディング:新規導入したクライアントがいち早くサービスを活用できるようにサポートすること)

- チームづくりで大切にしていることは?

(倉橋)チームをつくるときに意識していることは、目的と目標値の明確化です。目的の明確化では、最初に会社としての目的を説明し、そのためにマーケティングチームのすべきことを明確にします。それから、チーム内でサッカーのポジションのようにそれぞれ役割があるので、「FW(フォワード)としてゴールを決めてね」というように、個人の役割も明確にします。 目標値の明確化では、進捗度合いを計るために、個人ごとにKPIを設定しているんです。目標を数値にすると、PDCAを回しやすいですし、うまくいっているかどうかも確認しやすいですから。でも、目標にしてほしくても、数値にしづらい要素もあります。数値目標だけではそうした要素を取りこぼしてしまうので、個人の役割を明確にすることで数値にできない部分を意識してもらうようにしています。

(高橋)私のチームには、12月に新しいメンバーが2人入り、5人になりました。それまでは、一体感を重視して「目の前のタスクをみんなでどんどんこなしていこう」というやり方でした。メンバーが増えてからは、各人のスキルや経験などをもとに適性を見ながら、それぞれに合った役割を振るようにしています。 さまざまな部署と関わるチームなので、コミュニケーションで気をつけるべきポイントなどもレクチャーしています。

1人ひとりが同じくらい頑張るのがいいチーム

- ここからはスコアの高い部分について、詳しく聞かせてください。マーケティングチームは、裁量・やりがいの項目が非常に高いですが、どのような取り組みをされていますか?

(倉橋)私は、マイクロマネージはしないようにしています。目的や目標だけ伝えて、それをどう達成するかは、各自にまかせています。チームには、広告をはじめ各領域の専門家が集まっていて、それぞれの知識は私よりも豊富です。だから、私が何をするかまで細かい指示をすると、質が低いものになってしまう。プロが集まっているんだから、素人は細かいことには口を出さない、というスタンスです。 コーチングも、私より知識のある人がいたらまかせる場合があります。経験の浅いメンバーがいたら、その領域に詳しい先輩と座席を近くするなどして、チーム内でサポートし合えるようにしていますね。 半期の始めにKPIの数値設定をする際は、リード獲得数はもちろんですが、量だけではなく、質を追うKPIも設定しています。ひとつのKPIでチームの目標を集約できればいいんですが、そうもいかないので、複数のKPIをセットにすることで、量も質も費用対効果も担保するようにしているんです。

- 倉橋さんが、目標値を決める際に気をつけていることはありますか?

(倉橋)みんながちょっと頑張るくらいが、一番いいと思うんです。全員が200%でやっていると潰れてしまうので、全員が110%くらいで頑張り続けるのがいいバランスではないかなと思います。個人の能力や成長スピード、メンタルなどを考慮しながら、全員の負荷が110%くらいになるようにバランスをとるのがマネージャーの腕の見せどころではないでしょうか。 チームとしての無理が30%なら、各個人の無理も30%にする。その中に80%や150%の人がいるというのは良くないので、全員にバランス良く分散させることですね。

チーム外の人にも頑張りを知ってもらう「アウトプット」を意識する

- カスタマーサクセスチームは、自己成長に関するところで、「成長機会」や「フィードバック」への満足度が非常に高いですが、成長支援について具体的な取り組みをされているのでしょうか?

(高橋)チーム内ではメンバー同士の頑張りはよく見えるんですが、社内に個人の頑張りが伝わっていないと感じたので、経過と結果のアウトプットを推奨しています。 具体的には、私に報告をあげる時点で、業務の経過は社内の人全員が見られるようにしているんです。そのようにアウトプットしていると、営業の視点や開発の視点からなど他のチームからのフィードバックももらえ、成長機会にもつながります。 伝え方を工夫することも大切です。誰でもそれを見て、分かるようにすること。でなければ、適切なフィードバックや賞賛が得られません。過去には、動画を使ったアウトプットがうまくいったことがありました。

- 職務上の支援で意識していることはありますか?

(高橋)メンバーがやりたいことがすぐできるよう、権限はできるだけ移譲するようにしています。 リテラシーの高いメンバーが揃っていますし、セキュリティの管理もしっかりしていますのでこの人はここまでなど業務の制限は設けていません。メンバーを信じて情報も共有しますし、希望があれば渡していない権限も移譲します。

個人に合った働き方の中で、もっとやりたいと思う人を増やす

- マーケティングチームは、「ワークライフバランス」や「プライベートの充実」に対して満足度が高いですね。どのような取り組みが影響していると思われますか?

(倉橋)目標に対しての進捗で評価をするので、労働時間の長さは重視していません。それは、私の働き方も影響しているのかもしれません。私は共働きで子供もいるので、19時くらいには帰って、子供をお風呂に入れているんです。チームで私が一番早く帰るので、ほかのメンバーも帰りやすいのかもしれませんね。私が一番早く帰ることで、大切なのは時間の長さじゃない、ということを伝えられているのかなと思います。 遅くまで働きたいというメンバーがいても、早く帰るように強要することもありません。労働時間については、個人の裁量で自由にやってもらうようにしていますね。もちろん忙しいときは残業もしますが、無駄に残る必要はないですから。必要なときに働いてもらうのが理想です。

- カスタマーサクセスチームは、「サービスに対しての誇り」や「組織戦略への納得感」が高いですが、どのようなことを意識されているんでしょうか?

(高橋)普段から、プロダクトの話はよくするようにしています。お客様の従業員規模や使い方をもとに「お客様の解決したい課題はこうすれば解決できるんじゃないか」「SmartHR としてプロダクトでどう解決すべきか」といった会話です。そうした会話で出てきたアイデアが実際に開発に伝わって、改善されることもあります。「自分の意見が改善につながり、お客様が喜んでくれた」という経験ができるので、プロダクトや責務への誇りが生まれやすいのではないでしょうか。

- メンバーに対するオンボーディングはされていますか?

(高橋)チームのタスクで成功体験を積むと、面白くなって「もっとやりたい」と次につながっていきます。例えば最近だと、新しいメンバーがサービスについて学んでいる段階で、ロープレを組み込んでみました。 実際にお客様と話すときのポイントを考えてもらいながら進めていると、お客様の対応にも慣れて理解もスムーズになりました。それからは、いろいろな場面でも成長が見られるようになったので、なるべく成功体験の積み重ねを増やしていきたいです。

全員が同じ目標を持ち、110%の能力を発揮できるのが理想の状態

- お互いのチームに対して、どんな印象をお持ちですか?

(高橋)マーケティングの予算は大きな額になるんですが、倉橋さんはかなり高額になってもその決定や進行をメンバーにまかせているのが印象的でしたね。

(倉橋)そうですね、かなりまかせています。

(高橋)CFOとの交渉も、みんなが見ているところで行われているんですよ。

(倉橋)交渉の場面も見てもらうと、「会社の貴重なお金を使っているんだ」ということを実感してもらえますし、攻めのスタンスも伝わるんです。 高橋さんは人間性がすごく良くて、高橋さんのこと嫌いになる人っていないと思うんです。いつも明るくて兄貴分なので、人に好かれるんですよね。

(高橋)「何か困っていることない?」と聞いたりして、よく話すようにしていますね。一息ついているようなタイミングで、「どんな感じ?」と声をかけたり。そこで「ちょっと困ってることがあって」とか「こういうときはどうすればいいんですかね?」と引き出せることもあるので、そこでアドバイスをするという流れができていますね。

- 最後に理想のチーム像について聞かせてください。

(倉橋)各人が能力を110%の状態で発揮しながら、同じ方向を向いているのが理想の状態です。能力が110%発揮されるよう、私ができないことでもメンバーにはお願いしています。マネージャーのできることがチームの限界になったら、メンバーが110%の力を出すことなんてできません。マネージャーには、こうした鈍感力も必要だと思っています。「必要なことなので、私にはできないけどあなたならできるから」とお願いしています。

(高橋)いろいろなチームと関わることが多いので、ほかのチームに慕われるのが理想のチームです。それでいて目標も達成できるチーム。自分でやりたくなる仕事もありますが、1人ひとりがプロフェッショナルになるように、メンバーにまかせて教育をしていきたいです。

2人に共通しているのは、全体を見ながら個人ともしっかり向き合い、メンバーを信頼してまかせられるところはまかせる、というスタンス。具体的な取り組みについては、メンバーを尊重し信頼しているからこそできる施策が多いようでした。満足度の高いチームにするには、やはり信頼関係が重要なポイントとなるのでしょう。 倉橋さん、高橋さん、ありがとうございました。

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