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Wevox
「エンゲージメントは仕事を適切に進める土台づくり」――4人のマネージャーが語り合うチームづくりの意味

「エンゲージメントは仕事を適切に進める土台づくり」――4人のマネージャーが語り合うチームづくりの意味

TISシステムサービス株式会社
陶山 真氏
陶山 真氏
TISシステムサービス株式会社
マネージドセンター本部付、メインフレームオペレーションセンター部 マネジャー

マネージドセンター本部の施策の管理・取りまとめを担当するチームのマネジャーを務める。兼務するメインフレームオペレーションセンター部においては、名古屋地区と大阪地区のメインフレームシステムの保守(管理・運用など)に携わっている。第2期のモデル部門に参加。

下田 潤一氏
下田 潤一氏
TISシステムサービス株式会社
ビジネスサービス本部 クラウド&セキュリティーサービス部 セクションチーフ(管理者)

AWS、Azureを始めとしたパブリッククラウドを主に取り扱う本部にて、顧客向けの窓口業務の管理者を務める。第1期のモデル部門に参加。

敷地 美保氏
敷地 美保氏
TISシステムサービス株式会社
マネージドセンター本部 プラットフォームオペレーションセンター部 GDC大阪センター リーダー

データセンター運用におけるオペレータ部門のリーダーを務める。データセンターの見学対応も兼務。第2期のモデル部門に参加。

萩原 里香氏
萩原 里香氏
TISシステムサービス株式会社
ビジネスサービス本部 プラットフォームネットワーク基盤技術部リーダー

顧客のネットワークの運用・保守を担当するチームでリーダーを務める。第2期のモデル部門に参加。

中期経営計画の柱の1つに「エンゲージメント向上」を据え、2022年3月にWevoxを全社に導入したTISシステムサービス株式会社。エンゲージメント活動を全社に浸透させるために行われたモデル部門による活動について、参加した4名の方に振り返っていただきました。

チームごとにテーマを1つ決めて、アクションプランを計画・実行

―御社では、2022年3月にWevoxが全社導入され、7〜9月で第1期の、10〜12月で第2期のモデル部門の活動が行われました。皆さんがモデル部門に手を挙げられた理由を教えてください。

下田:自分が管理している複数のチームのうち、1つのチームの実態を把握したかったのが理由です。メンバー3人で安定して成果を出せていて、可もなく不可もないという、いい意味で目立たないチームだったんですが、本当はどうなんだろう?というところがなかなか見えず、もう少し実情を把握したいという考えがありました。安定している様子に見えているチームに、ちょっと外から刺激を与えたいという意図もありました。

陶山:私はマネージドセンター本部内の本部付とメインフレームオペレーションセンター部という2つの部門を兼務していますが、本部付の、私も含めた3名のチームで手を挙げました。理由は2つあって、1つ目が、チームの職責自体が、マネージドセンター本部の働きがいを向上させるための施策の計画立案と推進であったこと、そして2つ目が、チーム内の残業が多いという課題があったことです。メンバー一人ひとりの役割や業務内容についてヒアリングしてもそこまでの残業時間になるはずはないのに、原因がわからず行き詰まっていました。そこで、Wevoxをうまく活用できれば、何かわかるのではないかという期待を込めて手を挙げました。

敷地:私の場合は、所属するGDC大阪センターがモデル部門として活動することになったことを受けて、推進役に手を挙げました。リーダークラスが情報を得て現場のメンバーに伝えていった方がメンバーも動きやすいのかなと思ったのが理由で、センター配下の3チームで相談して、各チームからリーダークラスが1人ずつ出て対応する形にしました。

私自身、Wevoxによって組織の状態を数値化したことのメリットは感じていました。しかし、具体的な活用の仕方はわかっていなかったので、モデル部門として活動しながら勉強できると嬉しいなという思いもありましたね。自チームの課題としては、15名ほどいるメンバーの中で、残業が多い人と少ない人が極端に分かれていたので、平準化や作業の分担ができないだろうかと感じていたところがあります。

萩原:私の場合、管理職から「やってみない?」と誘われたのがきっかけです。その管理職の配下にある複数のチームの混成で1つのモデル部門として、私と、他のチームのメンバー若干名とで参加しました。

―モデル部門として、それぞれどのような取り組みをされましたか?

萩原:第2期の活動の大きな方針は、Wevoxの中で優先する項目を1つ決めて、アクションプランを立てて実行するというものでした。そこで私たちは「ワーク・ライフ・バランス」を優先項目として選び、2つの取り組みをしました。

1つは、スキルの高いメンバーが休みやすくするためにメンバー全体の業務スキルを上げる活動です。私のチームは私も含めて4人のチームなのですが、入社1〜2年目の社員が複数いることから、スキルの高いメンバーが休みを取るタイミングをうかがうような状況があったんです。そこで、障害対応の訓練を行って、障害対応に慣れている人や詳しい人が休んでいても1〜2年目のメンバーが対応できるようにしました。

もう1つは、リモート勤務で連携しづらい状況が生じていたことから、オンラインでのコミュニケーションの頻度を意識的に上げたことです。具体的には、チャットで互いに声かけしたり、短時間でもZoomで対話をしたり、休みの予定は毎日の朝会で確認し合うといった行動です。

敷地:私のチームの課題として、メンバー間の残業時間の差が大きかったことと、スコアが低めだったことから、「同僚からの困難時の支援」にターゲットをあてました。要因として声をかけづらい状況があるのではないかと分析し、週1回、3チーム合同で座談会を行ったんです。毎回、1チーム最低1人の参加を必須として「同僚に助けてほしいときにどのように動くといいか」「同僚からどのような働きかけがあるとフォローアップしてもらえていると感じるか」などのテーマを設定して実施しました。

陶山:我々のチームでは、ベンチマークとの差が最も大きい項目に着目して、「評価への納得感」を高めたいというテーマを定めました。というのは、本部付という売上を得るわけではない組織なので、自分たちに対する評価が見えづらいんですよね。我々が役に立っていることを、関係部署も、我々自身も実感できるにはどうすればいいかを深く議論しました。

そして、2つの取り組みを始めました。1つが、相手が我々に感じる価値を高めるための取り組みとして「ここまでのことをうちの組織ではやりますよ」という責任分界点を決めたタスクの一覧づくりです。もう1つが、自分たちの工夫によって「こんなことができるんだ」と自分たちの価値を実感できるよう、本部内のポータルサイトの情報更新や内容改善などです。

下田:第1期はWevoxの項目から1つ取り出してテーマを決めるという進め方ではなかったこともあり、私たちのチームは、エンゲージメントの考え方や概念についてしっかりと腹落ちするところから始めました。具体的には、週1回、1時間、メンバーだけでなく、チーム内にいらっしゃるパートナーさんも交えてテーマを決めて意見交換をしながらエンゲージメントについて理解を深め、個人や組織が具体的にどのように変化していくとより良くなるだろうかを考えていく時間を設けました。

チームのWevoxのスコア自体は、一番気になっていた「人間関係」や「事業やサービスへの誇り」などのスコアが意外と高く、逆に「組織風土」「理念戦略」内の項目のスコアがベンチマークとの乖離がありました。しかし、そこをプラスに転じさせるには部門レベルで話をしないといけないだろうと判断して対応を管理者層に預け、チームとしての取り組み対象にはしませんでした。

活動を通じて、チーム内外での相互理解が進んだ

―取り組みを通じて、皆さんのチームにはどのような変化が見られましたか?

下田:今までは、「仕事上の接点があるので一緒にやっている」という関係性でしたが、週1回の時間を通じて、それぞれの「仕事を通じてやりたいこと」「目指したいこと」といった、チーム内で「バックボーン」と呼んでいるものをお互いに理解し合うことができて、前向きな意見が出やすくなってきていると感じています。

週1回の場を、お互いを理解した上で「次のステップに発展させていくためには」と前向きな場になるよう誘導していけたので、皆、プラスを生んでいくための有意義な場という形で取り組めていたんじゃないかと感じています。

陶山:会話をする機会が増えました。皆基本的にはテレワークなのですが、困りごとがあったときは、チャットやZoomで相談することを後回しにしなくなった感触があります。業務範囲やタスクを整理する中でコミュニケーション頻度が上がり、相互理解が深まった結果の1つかなと思います。加えて、どこまでが自分たちがやるべき業務なのか、また、どこまでやれば関係部署の皆さんが喜ぶかといった物差しも持てるようになったと感じています。

敷地:今まで、各チーム内ではよくコミュニケーションが取れている状況だったんですが、チームをまたいだコミュニケーションは、軽く挨拶する程度でそこまで頻繁ではなく、業務の会話をしに行く際はちょっと緊張しながら行くことも少なくない状況でした。それが減り、会話も増えたことが感じられているので、そこは良かったかなと思っています。

萩原:訓練などを経て入社1〜2年目のメンバーのスキルアップも進み、休みも取りやすくなっているので、そこはうまくいったところです。

チームの雰囲気の変化として、これまでだと、若手社員に対してリーダーや年長者から声をかけないと意見が返ってこないことが多かったですが、今は、若いメンバーの方から話してくれるようになりました。例えば、毎日の30分の朝会で共有する項目が固定されていたのですが、「日によって話す項目を精査して、朝会の時間をもう少し短縮できないか」と提案してくれるなどです。ボトムアップでも、ちゃんと改善活動に繋がるんだと自信を持ってくれたことを感じています。

モデル部門での経験をふまえて、改善活動を継続

―モデル部門としての活動期間は終了していますが、その後も継続したり、新たに始めたりした取り組みはありますか?

下田:今も、チームの週次会の中に時間を設けて個人や組織がより良くなるために何をするといいか意見交換を続けています。継続していくことで、チームの一人ひとりの「こうしたい」だけでなく、それらが集まってチームとして目指したいところに変化していくことができると思うので、うまく続けていきたいと思っています。

また、これまではチームという一番小さな単位で取り組んできましたが、同じような話を他チームや部門という単位にも広げていきたいなと思っています。エンゲージメント活動に取り組むチームがどんどん増えて、部門、本部という大きな単位まで広がっていけば、全社的にすごくいい動きが現場で実践されている形になるので、そういった取り組みを全社で続けていけるといいなと思っています。

陶山:タスクの一覧づくりがまだ途中なので、継続して取り組んでいます。それが終わったら、自分たちの業務のサービスレベルをもう1段階上げていくために個々人に足りないスキルを考え、身に付けることで承認や評価への納得感を高めていく取り組みを進めていきたいと思っています。

例えば、相手の共感や納得を得られるよう話すことが苦手だったり、関係部署に情報を発信する上で必要な文章スキルが十分でなかったりするメンバーがいるので、そういったビジネススキルをまずは1人1つずつ、3カ月単位で習得していくというやり方を考えています。

敷地:リーダークラスがメンバーと1on1をするのはどうだろうかという話が出てきているので、実行に向けて動いている状況です。同僚にヘルプを求めたいけれど声を挙げられない、同僚に対して自分から積極的に声をかけたり、チーム会のような大勢の中で会話に入っていったりすることが苦手というメンバーがいるので、1対1で会話することによって引き出していきたいという考えからです。

実際、私もメンバーと1on1をすると、普段はあまり声を挙げない方々から「こういうことをやりたいんだ」「こういう状況でちょっと困ってるんだ」という話が結構出てきます。改善活動にも活かすことができているので、有効な取り組みかなと思っています。

萩原:モデル部門として取り組んだことは、期間限定で終えずに継続して取り組んでいけることだと思っています。例えば、チャットで状況の共有や、メンバーの休みの状況などを朝会で共有したことなどは、やって良かったという声も聞こえているので、これからも続けていきたいですね。スキルアップの訓練も、障害対応だけでなく依頼や問い合わせの対応などまだまだできることがあるので、範囲を広げていくことを検討しています。また、こうした取り組みから得た学びをドキュメントにまとめておいて、新しいメンバーが来た際に展開できるようにしておくことも進めていきたいと思っています。

―モデル部門の活動を振り返って、エンゲージメントやチームづくりの価値についてどのように感じていらっしゃいますか?

敷地:活動を通じて実感したのが、エンゲージメント向上やチームづくりというのは、業務を適切に進めていくための土台づくりであるということです。エンゲージメントやチームという土台が固まっていないと、業務がうまく回らないことがやっぱりあるなと改めて感じたので、こういった取り組みは継続していく必要があると思いました。

萩原:チームメンバーみんなの状況や、どうしたいかという思いについて知る、いいきっかけになったなと思います。個々人が「このくらいならたいしたことでもないし共有するまでもないかな」と考えていることを拾っていくことで、意見が言いやすい場にどんどんなっていったなと感じました。そういった、本人がたいしたことないと思っているような細かな違和感や考えにこそ個性が出てくるので、そこから見える人となりをチームみんなで知っていくことが、とくにコミュニケーションを取りづらい状態になっているチームにおいては大事なのかなと思います。

陶山:モデル部門の活動をチームでやることによって、自分の考え方が少し変わりました。というのは、基本的に私は自分でやろうとするというか、「決まった方向性でみんなやってくれ」とメンバーに下ろしていくやり方をすることが多かったのですが、モデル部門での活動に関しては、メンバーに考えてもらって、その考えに応じて「じゃあこうした方がいいよね」という判断をしていったんです。その際に、活動をリードしていく人間に「結果はどうなろうと3カ月間やりきって一度終わらせるんだ」という強い気持ちがないと、活動に対するメンバーの意識がなあなあになってしまい、活動への関与をやめてしまいかねないなと感じました。

―これからエンゲージメント活動においてリーダーとなる方は、どのようなことを心がけておくと良いでしょうか?

下田:私はリーダーという立場はさほど重要じゃないかなと活動を通して感じました。講義の中でも教えていただきましたが、各自が主体性を持って「今ある状態を良くしていくには?」という思考を続けていくことができれば、活動に携わる人たちみんなにその考え方が伝播していくんじゃないかなと思っています。

陶山:私は、下田さんがおっしゃった個人の主体性に加えて、先ほど話したリードする人のチームへの関わり方、すなわち、活動をやりきるんだという意思をもって、メンバーの意見を吸い上げ、判断することが必要かなと思います。

敷地:私が感じたのは、自分から見えているものと実際にメンバーから聞く実情が違っていたり、現状いい雰囲気に思えていたけれど、意外と悪かったりといったことがちょこちょこ出てくるということです。だから、リーダーや管理者、年長者からメンバーに対して積極的に声かけをしたり、悩んでいそうな雰囲気の会話がメンバー間で生まれていたら「どうした?」と声をかけたりするといったコミュニケーションを大事にするのがいいかなと思います。そうして少しずつ会話を増やしていければ、チームがまとまってくるように思います。

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