エンゲージメントスコアに一喜一憂しなくてもいい。話し合うことから始めよう――2人のマネージャーが語るWevoxとの向き合い方

エンゲージメントスコアに一喜一憂しなくてもいい。話し合うことから始めよう――2人のマネージャーが語るWevoxとの向き合い方

NECネッツエスアイ株式会社
市川 裕也 氏
市川 裕也 氏
NECネッツエスアイ株式会社
デジタルソリューション事業本部 関西ソリューション事業部 事業企画部 関西ソリューション計画グループ 課長

関西ソリューション事業部の予算管理や総務・人事業務を担当するグループを統括。

北村 祐一 氏
北村 祐一 氏
NECネッツエスアイ株式会社
社会・環境ソリューション事業本部 キャリアサポート&デリバリ事業部 マネージャー

大手通信事業者の通信インフラのサポートサービス業務を担当する部署のマネージャーとして、全国の保守拠点の管理・運営や顧客対応、予算管理などを担当。

活き活きと働く状態を示す「エンゲージメント」の重要性は近年より増しつつあります。しかし、まだ新しい概念であるため、エンゲージメントによってどう組織が良くなるかをイメージしづらい人も少なくありません。

NECネッツエスアイ株式会社でWevoxを使う2人のマネージャー市川さん、北村さんも当初はエンゲージメントと組織の改善がどう関連するのか手探り状態でした。しかし、スコアと向き合い、自ら学んでいくなかで、どうしてエンゲージメントが大切なのか、どうすれば高めていけるのか、少しずつ理解を深めていきます。2021年2月のWevox本格運用を機に、2人は組織の課題をどのように改善していったのか、1年の足跡をたどりました。

テレワーク環境から生じた、コミュニケーションの課題

―貴社は、2021年2月にWevoxを本格導入されました。お二人は、エンゲージメントやエンゲージメントサーベイについて聞いた際にどのような印象を持たれましたか?

市川:私の場合、当初は、エンゲージメントは会社に対する従業員の忠誠度や帰属度、いわゆるロイヤリティと同義で、サーベイのスコアをもとに会社の上層部が従業員が働きやすい環境や制度、ルールを整備するという認識だったのが正直なところです。

それが、サーベイが始まってスコアの変化の要因を考察したり、Wevoxが運営するオンラインアカデミー「Engagement Run!」に参加したりする中で、前述したようなものではなく、個々人が自発的に何かを作り上げる力や、成功につなげようとする力を高めていくためのものだという理解に変わりました。

北村:私の場合は、サーベイの導入以前から、エンゲージメントは組織を良くする上ですごく重要なものだという認識を持っていました。

というのは、私が担当している保守業務は、システムの構築や開発、新規事業創出などに比べ一見華やかさはなく、地道、終わりがない、土日も仕事が入ることがある…など、やりがい・達成感を感じずらい側面があります。一方で全国の通信インフラを守るというとても社会的に重要な仕事であり、この点から、3年前にマネージャーになって以降、メンバーに前向きにやりがいをもって仕事に取り組んでもらえるよう、エンゲージメントを高めていきたいという思いを抱いていました。

ただ、どこからどうやって取り組んでいけばいいのかわからなかったので、Wevoxの導入によって組織の状態が見える化されることに期待を持ったと同時に、組織を良くしていくためのヒントをぜひ知りたいと思いました。

―実際にWevoxを運用されて、どのような課題が見えてきましたか?またそれに対してどのような取り組みをされたのでしょうか?

北村:私が想像していたよりもスコアが高めだったのでほっととしたのが第一印象でした。とくに、チームに関するスコアが思っていたよりも悪くなかった。一方で、「理念戦略」に関するスコアが低めで、仕事の意義の理解を促す必要性を感じましたし、上司からの支援に関するスコアもそこまで高くなかったので、強化していきたいと思いました。

これらの課題をもとに始めたのは、「メンバーとの対話の機会としての1on1」「メンバーの主体性を重視するマネジメント」「週1回、朝礼後に雑談の時間を設定」「折に触れて仕事の社会的な重要さや意義を伝える」の4つでした。また、3〜4カ月ほど前から、2カ月に1回くらいのペースで、メンバー全員でスコアを分析して課題を見つけ、改善のアクションを議論する時間を設けています。

―これらの取り組みによって、チームの雰囲気やメンバーのみなさんの意識に変化は見られますか?

北村:道半ばではありますが、コミュニケーションは少しずつ良くなってきています。課内のミーティングや懇談会などの場でさまざまな意見が出てくるようになってきたので、チームの心理的安全性が少しずつ高まっているのかなと感じています。

―市川さんはいかがでしょうか? Wevoxの導入によって見えてきた課題やそれらに対する改善の取り組みについて教えてください。

市川:私は、Wevox運用においては2つの役割を持っています。一つは、自グループの状態を見ること、一つは関西ソリューション事業部のWevox推進担当者として、事業部内の管理職に活用アドバイスするという2つの役割です。そこで、私の場合、自グループに対する取り組みと事業部の管理職に対するアドバイスをリンクさせて取り組んできました。

まず、自グループにおいては、テレワークメンバーもいるという勤務環境、かつ、私自身が2021年1月に中途入社して在籍期間がまだ短く、メンバーからすると得体の知れない人間だったので、「どこまで意見を言ってもいいものか?」という壁がありました。その壁を取っ払うべく、オフィス常駐のメンバーのところに週1回以上足を運んで1日共に勤務したり、テレワークのメンバーに対しては、週1回、ミーティング後に雑談の時間を設けるなどに取り組んでいました。どちらも、メンバーの肉声を聞くための取り組みです。

他方で、事業部の管理職へのアドバイスにおいては、特定の部門のスコアがどんどん落ちていっているという実態がありました。そこに何をしていくべきかという議論の中で、私が自グループで取り組んでいる「メンバーの肉声を聞く」ということを紹介し、まずはコミュニケーションの機会を増やすことになりました。そして今、組織状態をはじめ現場の課題を把握するために、異なるラインの部課長間での1on1を始めています。例えば、A部門の課長の話をB部門ないしC部門の部長が聞くとう形で、部長同士で現場の課題を共有しています。

―1on1により、どのような課題が見えてきたでしょうか?

市川:お客さまからの厳しい意見や要求を毎日のように突きつけられているにも関わらず、テレワークであるために周囲になかなか相談できずに不調を抱えてしまっている人。周りもそうだからと我慢に我慢を重ねて長時間労働を続け、心が折れてしまいそうになっている人が多くはないものの一定数存在する、といった実態が明らかになっていきました。

こういった状況は、テレワーク主体の働き方になる前であればもっと早く気づき、対応できていました。でも今はできていない。なぜか?と考えると、原因はやはりコミュニケーション不足だという合意ができ、部課長間の1on1だけでなく、2カ所に分かれていたオフィスを1カ所に集約して出社して働きたい人が1カ所に集まれるようにすることや、お客さま対応に上司や周りの人間がフォローアップすることに取り組んでいます。

―テレワークが続いてコミュニケーション不足に陥っていたことは、Wevoxのスコアにも表れていたのでしょうか?

市川:今から振り返ると表れていました。私が担当するようになった2021年5月のスコアと今のスコアを比較すると、すごく落ちています。ただ、滝のように一気に落ちているのではなく、じわじわ、じわじわと落ちているんです。

今振り返っての反省点は、当初は、事業部の部課長も私も皆、スコアを上げることに主眼を置いてしまっていたことです。テストの点をもっととらなきゃいけないね、くらいの感覚で、スコアが変動した項目の原因を考察・議論することまで考えが及んでいませんでした。だからこそこのような事態になってしまっていることを痛感したので、今は課題を考察するためにスコアと向き合おうと考え方は変わりましたね。

―今は、課題を考察するための議論の機会は設けていらっしゃいますか?

市川:四半期に1回、部長以上が課長との1on1を行い、その結果を持ち寄って課題と対策を議論し、対策を実行するというサイクルを動かしています。課長や主任、一般社員が集まって何かをするといったことはまだできていないですね。

―改善の兆しは見えてきていますか?

市川:現場の社員の意識が、自分を守るために、また、会社を守るために、我慢せずに話すという意識に変わってきていますし、実際、話すようになってきています。また、マネジメント層も、エンゲージメントの本質をとらえないといけないよね、と考え方や意識が変わってきています。

エンゲージメントについての共通理解が、自発的に動ける組織づくりにつながる

―Wevoxの利用企業からよく挙がる悩みとして、時間がない、やり方がわからないなどの理由でエンゲージメント向上のための行動に二の足を踏んでしまう、というものがあります。北村さんと市川さんは、なぜ行動に移せたのでしょうか?また、一歩を踏み出すには何が必要だと思いますか?

北村:私自身も、「エンゲージメントの重要性は認識しているけれど、具体的にどうすればいいかわからない」という悩みを抱えていたので共感します。何をすればいいか?を知るには、社内外に学ぶ機会があることが重要だと思います。私の場合、Wevoxチームが運営するの「Engagement Run!」での学びが大きかったですね。それから、社内でWevoxの運用を主導するグループが開催したWevox活用の説明会に参加して、活用方法のヒントをもらいました。

また、エンゲージメントを高めることで前向きに幸せに働けるようになり、それが結果として成果につながってくるということや、スコアに一喜一憂するのではなく、原因を追究して対処することが大事だというスコアの見方などを、一般社員から管理職、経営層に至るまでの全員が知っておくことも重要だと思います。

前者についての共通理解が皆にあると、エンゲージメント向上に向けた動きをとりやすいですし、後者は、市川さんのお話にもありましたが、スコアを良くすることだけに目を向けていると、やらされ感で取り組むようになる恐れがあると感じています。

市川:エンゲージメントについての基本的な知識や共通認識を全員が持っておくことの重要性は、私も同感です。皆がその知識を持っていれば、自分や所属部門、所属事業部が一体どんな状況にあって、それをもっと良くしていくにはどういう考え方をすべきか?どのような対応をしていくべきか?といった初動の動きをもっと精度高く、共通の認識のもとできていくと思うんです。皆が自発的に動くことにもつながっていくと思います。

より闊達な組織になっていくために

―お二人は「Engagement Run!」にも参加されています。参加しての感想や、学びになったことなどを教えてください。

北村:参加して良かったと思うことが3つあります。

1つめは、スコアに一喜一憂するものではないと学べたことです。一喜一憂せずに「このスコアを受けてどうすべきか?」と考えることに意識を向けられるようになりました。

2つめは、どこから何をすべきか?という悩みに対するヒントをもらえたことです。メンバー同士での話し合いの場を設けるにしても、どのような場にすればいいのかわからなかったのですが、まずはざっくばらんに結果を見せ合って話し合うだけでもいいということをカリキュラムの中で学び、実際にやってみると、メンバーがさまざまな前向きなとても良い意見を出してくれて相互理解が深まったので、ヒントをもらえて良かったです。

3つめは、同じような悩みや課題を抱えている他社のマネージャー職の方たちと議論できたことです。悩みや考えていることを共有し、後押しをもらえたことがすごく心強かったです。

市川:私も3つほどありますね。

1つめは、エンゲージメントというものについての考えが大きく変わる機会をいただいたことです。先述したように、ロイヤリティと同義だと捉えていたところを、組織全体で自発的に何かを作り上げていく力や成功につなげていこうとする力を高めていくことが、エンゲージメントを高めるということなんだという理解に変わり、その観点で組織を見る重要性に気づかせてもらえました。

2つめは、自分のマネジメント方法が変わったことです。これまで私は、メンバーがどれだけ働きやすい環境を整えられるかを重視し、そのためのルールをつくったり、細かい指示を出したりすることを重視していましたが、それはそれで必要な一方で、部下との太いパイプをつくることの重要性に気づかされました。

だからこそ今、テレワーク環境の中でも現場に行く必要があるときは行く、電話できるならする、カメラをオンにできるならする、これらができないならチャットを入れてみるという形で、部下と丸一日音信不通状態が起こらないようにコミュニケーションをとっています。

3つめは、社内の他部門や、他社のみなさんとのつながりをつくる機会になったことです。「Engagement Run!でご一緒させていただきましたよね?」ということがとっかかりとなって業務につながっていくことが多々あったので、とてもいい機会になりました。

―では最後に、今後の組織づくりの展望について教えてください。

北村:私が担当している保守という仕事は、品質がものすごく重視される仕事です。働く人のエンゲージメントが高いと品質やお客さまの満足度が上がり、それが収益の上昇につながり、従業員の満足度もまた上がるというサービスプロフィットチェーンの考え方に基づくと、品質を高めてお客さまの満足度を高めていく上でもエンゲージメントはすごく重要です。そして、強い現場や品質は、働くメンバーの意識や創意工夫の積み重ねによって生まれてくるので、組織を運営していく上で生じてしまうメンバーの思いに蓋をするような事象はその都度取っ払い、働く人の気持ちを大切にして力を引き出すチームづくりを引き続きやっていければと考えています。

加えて、社員だけでなく社外のビジネスパートナーなども含めて、事業にかかわる全員でより良いサービスをつくる意識を共有できるような組織づくりを、エンゲージメントに配慮しながらやっていければと思っています。

市川:上の役職の人間から声をかけられるのを待つのではなく、1人ひとりが自ら意見を発信しやすい組織体にしていけるといいなと思っています。1人ひとりが自ら発信していくことが組織を良くしていくという意識を皆が持つことで、闊達(かったつ)な意見の交わし合いの中でいいものを生み出していける組織になっていくと思うので、そこを狙っていきたいと思います。

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