NRIが実践中!エンゲージメント推進委員会のベストプラクティス〜メンバーが語る6つのサクセスポイントとは?

NRIが実践中!エンゲージメント推進委員会のベストプラクティス〜メンバーが語る6つのサクセスポイントとは?

株式会社野村総合研究所
横山 誠人氏
横山 誠人氏
株式会社野村総合研究所
クラウドサービス事業本部 ネットワークサービスマネジメント部 第一グループ

2008年新卒入社。プログラム開発、システム運用、社内支援、金融業界のシステム基盤開発・運用などを担当したのち、現部署にてクラウドサービスの企画・運営を担当。設計構築リーダーとして約10名のチームを運営している。2022年4月よりネットワークサービスマネジメント部全体のエンゲージメント活動を推進する委員会のメンバーとなり、計3名のコアメンバーで1年間、推進活動を行った。 ※2023年3月時点のプロフィールになります。

2021年度から「働きがい共創」をテーマに掲げ、Wevoxの運用、社内コミュニティの形成、オンラインアカデミーへの参加などを通じ、エンゲージメント向上の取り組みを行っている株式会社野村総合研究所。各部門・組織での具体的な活動と、現場における活動推進の工夫などについて、ネットワークサービスマネジメント部で推進活動に取り組む横山さんに伺いました。

情報発信と個別のサポートで、現場推進者の主体的な取り組みを促す

―御社では、2021年度よりWevoxによるサーベイと、「働きがい共創」の取り組みが始まりました。横山さんは2022年度より、部のエンゲージメント活動の推進担当に指名されたとのことですが、それぞれのタイミングで、エンゲージメントにはどのような印象を持たれていましたか?

2021年度の時点では、アンケートの回答依頼が来たから答えただけという感覚で、「エンゲージメント」という言葉自体をまったく意識しませんでした。

その後、部のエンゲージメント活動を推進する委員会の委員に指名されて初めて、「エンゲージメント」という言葉や、Wevoxがエンゲージメントサーベイであることを知り、学び始めました。

―委員会では、どのような活動をされたのでしょうか?

2022年は部としての活動の初年度だったので、まずは委員会のメンバー3名(コア委員)で活動の計画を立て、「エンゲージメント」という言葉や活動の目指すところの説明を部のメンバーに対して行いました。その後、2022年7月からは部全体で月1回、Wevoxのサーベイを開始し、スコアの分析と各チームへの共有、現場でエンゲージメント活動を牽引するサービスマネージャー向けの研修などを行いました。

活動計画自体は、向こう3年まで見据えて立てていました。具体的には、中長期的にWevoxのサーベイでベンチマークよりも上のスコアを目指しています。私の部は担当するサービスごとにチームが分かれているのですが、チームごとにエンゲージメント活動を進めていく必要があります。さらにそのためには、各サービスを統括するサービスマネージャー全員が活動を理解し、チームの現状を把握して施策を打つ必要がある。そういった逆算をして、初年度は知識のインプットやワークショップを通じてエンゲージメントを体感することを軸とした計画を立てました。

この計画をもとに、年間を通して、ミニワークショップやエンゲージメントに関する発信など、コア委員3名ができること・やりたいことのアイデアを持ち寄り、実行していきました。後半からは、数名のサービスマネージャーが活動の趣旨に賛同してサブ委員として加わってくれて、各自の現場でできる活動を進めてくれました。

―サービスマネージャーの皆さんがチーム・サービスごとのエンゲージメント活動を牽引するとのことですが、必ずやってほしいことを委員会から指定したのでしょうか?

チームごとの活動内容は任意で、委員会から「毎月スコアを見て話し合いましょう」などとタスクを割り当てることはしていません。チームによって、組織のカラーも、業務内容も異なりますし、サービスマネージャーのチーム運営手法もエンゲージメント活動の受け止め方も様々なので、各自が主体性を持ってチームに合った活動をしてもらうという方針です。

あとは7月のサーベイ開始後に、サービスマネージャーに対して複数回、ハンズオン形式でワークショップを行い、「Wevoxのログイン方法とスコアの見方」「スコアを見る前になりたいチームの姿を描くこと」「数字に振り回されないこと」などを説明しました。

こうした取り組みを経て、年度の後半ごろからは具体的な取り組みも増えてきました。サーベイ結果を共有してみんなで話し合うチーム、喋るのが苦手だからと委員を呼んでミニワークショップを開くチームなど、少しずつ行動に移すサービスマネージャーが出てきたんです。他方で、「自分のチームに合ったエンゲージメント活動ってなんだろう?」ともがいているサービスマネージャーもいるので、その人その人に合わせたサポートを委員が行いながら、部全体に情報発信を続けている状況です。

全体に対する情報のシャワーは引き続き行い、ゆくゆくは皆が息をするようにエンゲージメントについて語れる状態にしていきたいと思っています。

―「全体に対する情報のシャワー」については、この1年、どのような取り組みをされてきましたか?

例えば、週1回のグループメンバー全員での定例会で5〜10分くらいのミニワークショップを行い、Engagement Run! Academyで学んだことを伝えることをしています。他には、「Engagement Walk」と名づけてグループチャットにEngagement Run!Academyのクラスの資料からとっつきやすい内容を抜き出し、短い文章とともに紹介したりしています。

「Engagement Walk」は、現時点ではエンゲージメント活動にあまり興味がなくても、興味を持つきっかけになってほしい、まずはライトにエンゲージメントに関わってほしい、我々委員は先に走るので、みんなは歩きながら学んでほしいという願いを込めて名づけました。さらっと読めることを心がけて作っています。

また、最近では、私と部長、あるいはコア委員たちが2022年度の活動の振り返りや、部で大切にしているミッション・ビジョンについて語った音声コンテンツをつくり、MP3形式でファイルを配信する活動も始めています。部のメンバーは皆、それぞれの業務で忙しいですし、年齢層も幅広いので、各自が取り込みやすい方法で情報を得られるよう多様な形式で発信することを心がけています。

メンバーの共感・納得を得られるよう、コミュニケーション方法を工夫

―エンゲージメントについて主体的に考え、行動する人を増やすために、どのような工夫をされましたか?

前提として、2021年度から全社を挙げてエンゲージメント活動が推進されていて、それまでエンゲージメント向上とは関係なく行われていた個々の現場での活動を繋げてくれたり、全社規模のアンケートやイベント、コミュニティづくりなどをしてくれたりしていました。全社的な活動と適宜連携しながら進めることができたのが、1つ大きな点でした。

その上で、個人として工夫していたことが6つほどあります。

1つ目は、情報を発信する際に、現場の業務などの具体的なシチュエーションになぞらえて伝えることです。エンゲージメント活動のような推進活動って、人事部など現場にいない人が行うと、「現場をわかってない」「大事なことだろうけど、今できない」といった扱いをされてしまうことがあると思います。そう思われないよう、「この現場で起こったトラブルは、こういう配慮や考え方が足りなかったから大きなトラブルになってしまいましたね」「現場の業務が忙しい状況ではあるけれど、この部分から始めれば小さな取り組みができますね」などと現場の感覚を共有しながら伝えることで、共感・納得を得られるようにしました。

2つ目は、ワークショップを行う際に、「1つのテーマをみんなで囲う」という構図で学びを広げていくことです。どういうことかというと、例えば、ミニワークショップをするときは、普段エンゲージメント活動をまったくしていない同僚と私の2人でテーマについて対話するという構図をつくるんです。

すると、例えば「対話の重要性」というテーマで大事なポイントを3つ話したら、相手が「2つはしっくりくるけど、残りの1つはしっくりこない」などと素直に反応してくれます。そうした反応があると、やりとりを聞いている他のメンバーも共感しやすかったり、やりとりに参加して意見を言ってくれたりします。私と他のメンバーが「話す人」と「聞く人」に分断されることがなくなり、一方通行の講義みたいなスタイルではなくなります。それがすごく効果があったかなと感じています。

3つ目は、ちょっとした活動でも、部内の誰かが取り組んだことは部全体に共有することです。「こういう小さな活動でもいいんですよ」「こういう工夫に対して、皆で拍手しましょう」などとコメントをつけて伝えることで、その活動をしている人の自信にもなります。「何をすればいいのか?」と悩んでいるサービスマネージャーに、「これなら自分もできるだろう」と思ってもらえればという思いで取り組んでいます。

4つ目は、普段の業務では関わらないサービスマネージャーには、一人ひとり声をかけて関係を構築した上で活動をサポートしていきました。というのは、エンゲージメントって関係性の話ですし、関係の薄い相手から言われても自分ごととして落とし込まれにくいんですよね。

だから、「ちょっと相談事があるので30分時間をください」と声をかけ、時間をもらった際には、まずは自己紹介と「毎週しつこくエンゲージメントのことを話していますが、素直にどう思いますか?」と相手の思いを聞くことから始めました。フィードバックをもらうこと自体が僕の学びにもなりますし、思いを聞いて繋がりができたことで、「どのようように活動を展開したらいいんだろう?」といった悩みをポロっと話してくれるようになるんです。そうなったら、個別にサポートしていきます。

5つ目は、現場の仕事を妥協しないことです。「目の前の業務と組織開発は両輪です」とみんなに言っておきながら、自分ができていないのはおかしな話です。達成できるかはさておき、現場業務も組織開発も妥協せずに真摯に向き合うことは信条にしているところです。

6つ目は、矛盾するように聞こえるかもしれませんが、頑張りすぎないことです。現場業務と組織開発の両立を体現する際に、つらそうにやっていたら誰もついてきてくれません。確かに少しハードワーク気味ですが、負荷としては、プロジェクトを立ち上げるときの一時的な負荷と同じくらいだと感じています。日々の小さな試みなども、運用に乗り習慣化してしまえば、続けることの負荷は下がります。業務の中でできるエンゲージメント活動もあるし、エンゲージメント活動の成果がそのまま業務の成果になることもあるんです。業務とエンゲージメント活動が重なる部分を探究して、より現場で受け入れられやすい活動をしていきたいと思っています。

―1年間の活動を振り返って、部の皆さんの変化を感じている部分はありますか?

それぞれが自分なりのスタイルでエンゲージメント活動を始めてくれている感覚はありますね。サブ委員として委員会の活動に加わってくれる人、「この資料って、チーム内に展開していいもの?」などと相談してくれる人、部内のチャットにエンゲージメント活動について投稿してくれる人など、それぞれに動き始めてくれています。

あとは、部の定例会でEngagement Run!Academyのクラスで教わった「マイブームについて話して自己開示する」というワークショップを紹介したところ、「自分たちもやろう」と始めてくれたメンバーがいました。そこから数珠つなぎで各自がマイブームを語ったり、悩みを書き出したりといったことに展開していったりもしています。

社外の仲間からの刺激が、活動の活力に

―横山さんは、Engagement Run!Academyにも参加されています。印象に残っていることや、得られた学びについて教えてください。

他のオンライン研修に比べて、参加者間で意見や感想を共有する回数が多いことが特徴的だなというのが最初の印象でした。小テーマごとにインプットとアウトプットの両方をすることで、自分の考えをまとめてポイントを共有する力が鍛えられました。それが部内でエンゲージメント活動をする上ですごく役立っています。そのときどきの話し相手、チームの反応を見ながら、取り組みを「みんなごと」として展開していくための整理に活かされています。

他にも、部内でエンゲージメント活動を進める必要性を説明する際に根拠を持って話せるようになりました。その背景には、「心理的安全性」「Well-being」など、すでに社内で取り組んでいる概念とエンゲージメントとの関係性や違い、エンゲージメントの重要性・必要性などについて知識が得られたことがあります。それまでは「なぜやらなければならないのか」ということについて説得力を持って伝えられなかったので、根拠をたくさん学べたのはすごく大きかったですね。

―とくに印象に残っているクラスはありますか?

ディスカッションが多めのクラスが好きなので、「智慧の車座」や「スキルチェック」のクラスがよかったです。「スキルチェック」のクラスは、後半に自分の活動を振り返る時間がたくさんあり、他社のいろんな方の活動を聞けたのがすごくよかったです。他のメンバーの環境と自分がいる環境との違いや、様々な価値観を知ることができました。そのおかげで、社に戻ったときに「自分の価値観だけが絶対ではない」ということを意識してメンバーに展開できたり、議論できたりしています。

―2022年12月からは、「Engagement Run!日誌」に週1回、寄稿してくださっています。その経緯や参加の理由を教えてください。

きっかけは、2022年12月に開かれたEngagement Run!の周年イベントに参加した際に、同じRun!アカデミーメンバーである大日本印刷の立野さんが「Engagement Run!日誌」を書かれていると聞いて刺激を受けたことです。当時はEngagement Run!での学びをどのように社内に持ち帰るかで精一杯でしたが、会場で日本ペイント・オートモーティブコーティングスの細山田さんや他の受講者・講師の方、Wevoxチームの方などと意見交換する中で、エンゲージメントで日本全体を元気にしたいとう思いがこみ上げてきたんです。そうした会社を超えて、エンゲージメント向上を模索する仲間と励まし合いながら成長したいという思いに、背中を押されて日誌を書き始めました。

他にも、Engagement Run!参加者同士が情報交換をしたり、時にはアイデア出しやディスカション、振り返りを行ったりする機会を持とうという話になって、実現にまで進めることができたのも、イベントでの意見交換がきっかけでした。

横山さんが執筆したEngagement Run!日誌「新しい施策を始める前に」

―最後に、横山さんと同じように現場でエンゲージメント活動を推進している皆さんにメッセージやアドバイスをお願いします。

エンゲージメント活動って、成果が出にくい地道な活動だと思うんです。組織内でも評価されづらいし、孤独を感じる人も多いと思います。

だからこそ、活動への熱意や活力を維持するためにも、なるべく行動に移すことをおすすめします。練りに練った計画で挑むだけでなく、ある程度の仮説が立った時点で小さく行動してみるんです。すると、何かしらの結果が見えるので、そこからの学びが新しい燃料になって、活動への熱意や活力を与えてくれます。様々な事例を見て気になる施策があってもあれこれ想像すると尻込みしちゃったりしますが、いざ行動してみると案外壁は低かったりするので、まずは小さな行動から始めることをおすすめしたいですね。

あとは、一歩踏み出すには仲間の存在がすごく重要で、仲間を増やして一緒に活動していくと、活動を継続しやすくなります。仲間は組織内だけでなく、社外でも見つけられます。ぜひ皆さんの中にある火種が消えることなく、さらに勢いを増すように、Engagement Run!を活用して、一緒にエネルギーチャージしましょう。

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