
現場のエンゲージメントへの関心を育てていく「働きがい共創(走)チーム」の半年間の歩み

不動産ビジネスの営業企画、総務・庶務、社内外への広報など営業支援を担う不動産業務部にて次長を務める。同社が2023年12月より取り組んでいる「働きがい共創(走)メンバー」1期生。

新規事業開発を担うイノベーション共創部にて、EVと蓄電池をテーマに事業開発を行うチームの次長を務める。「働きがい共創(走)メンバー」1期生。

営業部門の事務サポートを担うクライアントサービス部にて課長を務める。「働きがい共創(走)メンバー」1期生。
みずほリースでは、人事部だけでなく現場の社員の中にもエンゲージメントへの関心や理解度の高いメンバーを育てていくため、2023年12月より「働きがい共創(走)チーム」を公募により組成しています。1期生においては、半年間、Engagement Run!Academyで学び、その学びを所属部署に還元するという活動を行いました。具体的な取り組みについて、1期生の3名の方に伺いました。
※取材時(2024年5月)の部署・役職になります。
管理職としての課題を持ってEngagement Run!Academyで学ぶ
―まずは、皆さんが「働きがい共創(走)チーム」に手を挙げられた理由を教えてください。
福田:人事部から公募の案内をもらった際のEngagement Run!Academyの紹介動画がとても魅力的だったことが理由です。学んだことや他社の皆さんから受ける刺激を社内に取り込みたいと思いましたし、社外の方にみずほリースのことも知ってもらいたいという思いもありました。
また、部のエンゲージメント向上に挑戦したいと考えたのも理由のひとつです。所属する不動産業務部は、キャリア入社の社員の比率が高く、多様な経歴の社員が多く活躍している環境です。多様人財が豊富な組織の中でエンゲージメントの高い状態で業務にあたれば、より高いパフォーマンスを発揮できるのではないかと思いました。
笠原:私は個人的な動機と管理職としての動機の2つがありました。個人としては、「自分が働きがいに思うことは何か?」を改めて考える良い機会になるのではないかと思いました。また、管理職としては、新規事業開発という正解のない業務に取り組む中で、メンバーが働きがいを持ってキャリアを築いていくために管理職として何ができるのか?ということを、感覚ではなく体系的にインプットできるのではないかという期待がありました。
武井:管理職としてチームをまとめていくためのヒントを得られるのではないかと思って参加しました。というのも、私が所属するクライアントサービス部は、2023年に各営業部門の事務アシスタントが集まって新しくできた総勢90名ほどの部です。人数が多く、メンバーの年齢層も若手からベテランまで幅広いため、様々な意見があります。また、私自身2023年に初めて管理職になり、どのようにしてチームをまとめていけばいいのか悩むことがあったので、何かヒントを得られればと思いました。

―実際にEngagement Run!Academyで学んでみて、どのような学びや気づきを得られましたか?印象に残っていることを教えてください。
武井:これまでエンゲージメントについて十分に理解しないままサーベイに回答していましたが、Engagement Run!Academyを通じてエンゲージメントや心理的安全性などについて理解が深まったのが良かったです。また、普段の業務では社外の方と話す機会がないため、他社の方と交流できたことが新鮮でした。他社の方も同じような悩みを抱えていることが分かって安心というか、普遍的な問題であることを知りました。
笠原:私が学んだのは対話の重要性です。これまでは、どちらかというと自分の中で方向性を整理し、それを皆にどうやって理解してもらうかを重視していたように思います。ですが、様々なクラスで講義に参加する中で、エンゲージメント向上や組織運営には、まず対話、そして、対話の際にはメンバーそれぞれのキャラクターや経験に敬意を払うことが大事だと分かってきました。
それからは、チームメンバーとの対話を増やし、何か依頼をする際にも相手の業務バランスや伝えるタイミングを意識するようになりました。この点は、自分の中では大きな変化でした。今では、メンバーと会話した後に「今の発言はどうだったかな?」「話すタイミングは適切だったかな?」などと振り返りをするようになっています。
また、他社の方と一緒にクラスに参加する中で、みなさん悩みを抱えながらも、試行錯誤でできることをされていると知り、刺激になりました。
福田:参加前は、Wevoxのサーベイは個人のエンゲージメントの状態を測定する要素が強いのかなと思っていました。ですが、Engagement Run!Academyで学んでいく中で、エンゲージメントというのは、1人ではなく上司や部下、周りの人たちと一緒に創っていくものだと知ったのが新たな気づきでした。
あとは、自身のマネジメントに活かせる知識や方法も学ぶことができて、マネジメントスキルが上がった実感があります。ちょうどチームメンバーとの個人面談の実施時期でもあったので、「仕事の捉え方をアップデートするジョブ・クラフティング」「『7つの習慣』とエンゲージメント」などのクラスでの学びを踏まえて、チーム員の「どうしたいのか」「どうありたいのか」といった思いのもと、対話することができ、非常に助かりました。複数のRun!Academyクラスに参加しましたが、理解しやすい言葉で新たな知識を習得し、ノウハウ向上が実現できました。
―そういった学びを、1カ月半に1回開かれていた働きがい共創(走)メンバーでの意見交換会で共有されていたと聞いています。具体的にどのような情報や意見を交換されていたのでしょうか?
笠原:Engagement Run!Academyでの各自の気づきや、気づきを踏まえて実践したことなどを共有し合っていました。メンバーの気づきや自部署への展開の仕方で参考になるものがあれば、自分の中にも取り込んでいました。
―例えばどんなことをご自身の中に取り込んでいらっしゃいましたか?
笠原:Engagement Run!Academyの「智慧の車座」のクラスがすごく面白いよ、と聞いて自分も参加してみたことがありました。私が抱えている課題をテーマに、その課題に対して私を除くメンバー同士が解決の方向性について議論し、アドバイスをもらうという内容でしたが、自分のチームでもやってみようかなと思いましたね。
武井:私も意見交換会で「面白い」と聞いたクラスに参加したり、参考にしていました。あとは、福田さんが自部署にEngagement Run!Academyでの学びを共有しているという報告を聞いて、私もしっかりやらねばという気持ちにさせてもらっていました。こういった共有の機会のおかげで、他メンバーのEngagement Run!Academyで学んだことのシェア方法を知ることができ勉強になりましたので、お互いの取り組みを共有する機会があったのは良かったです。
福田:2人の話にほぼ同感です。「あのクラス良かったよ」という声には「じゃあ私も受けてみようかな」と思えました。みんなでシェアした良いものをうまく活用に繋げられていて、良い定期ミーティングが実現できたと思います。

Engagement Run!Academyでの学びを、各自のやり方で部署に還元
―所属部署の皆さんには、Engagement Run!Academyでの学びをどのように還元・共有されたのでしょうか?
福田:私は、不動産本部のメンバー全員に対して約5回、Engagement Run!Academyでの学びを共有しました。エンゲージメントを高められると自分に良い効果として返ってくることや、Wevoxのサーベイ結果の見方や着眼点、エンゲージメントの向上なしに企業は生き抜いていけず、他社に淘汰されてしまう危惧等を、Engagement Run!Academyの資料を用いて伝えました。
複数回のMTGの中で、肯定的な意見ばかりではありませんでしたが、「いい会社と悪い会社、どちらで働きたいか」「イキイキした環境で働きたいか、惰性で働きたいか」など例を示しながら丁寧に説明を重ねることを心掛けました。「Wevoxが自分のことを測れるツールなら使ってみてもいいかも」と共感してくれたり、「スコアの見方が分かって良かった」「変化に注目すればいいことが分かった」などとポジティブな意見を多く頂けたことで、アウトプットには一定の効果があったのかなと思います。
―笠原さんは自部署の皆さんにどのように還元されましたか?
笠原:当部のメンバーに対して、「今こういう講座を受けていて、こういうことを学んでいます」ということを、Engagement Run!Academyの資料を使って適宜共有していました。
それに対する反応としては、管理職と一般社員で少し異なりました。管理職からは、元々エンゲージメントをある程度気にしなければならない立ち位置にいることもあって、「スコアの詳細をもう少し細かく見ていく重要性がよく分かった」などの感想をもらいました。
一方、一般社員においては、対話の重要性や、自分の思いは周囲に話すべきであるという話が、響いたのではないかと感じています。というのは、この話をして以降、うちのチームのメンバーは「もっと発言していいんだ」と思ってくれたようで、私に対していろいろと対話をしてくれる機会が増えました。少しの効果かもしれませんが、良かったなと思います。
―武井さんは自部署の皆さんにどのように還元されましたか?
武井:「チームの基礎と過程」のクラスの資料を使った勉強会を各リーダー・管理職向けに実施しました。というのも、複数の部署にいたメンバーが集まって立ち上がった部なので、それぞれが以前の部署のやり方や考え方を持っていて、それを一つにまとめるのが難しく、部としても課題となっていました。それに対して、チームを作っていくには段階があり、今はまだ途中段階にあるので焦らなくていいということを伝えたくてこの資料を共有しました。
参加した人からは「分かりやすかった」と言ってもらえましたし、2024年5月から、部長発信で、Wevoxの部のスコアを上げていくために何ができるかを管理職で検討するミーティングも数回行っています。私と同様にエンゲージメントというものがよく分からないままサーベイに答えてきた人も多いと思うので、少しでも意識する機会になったのではないかと思います。
―他にも、部署やチームの皆さんに変化は見られますか?
武井:働きがい共創(走)チームの2期生の公募に「手を挙げてみようかな」と話してくれる人が出てきました。勉強会の他はEngagement Run!Academy の資料をシェアするなど、簡単なことしかできませんでしたが、1人でも興味を持ってくれる人が増えたことが良かったなと思っています。
笠原:先ほど話したように、メンバーが自分の考えを発信するようになり対話が増えたことに加え、定量的な変化として、直近のWevoxの部全体のスコアが良くなりました。私が部に情報共有した結果かどうかは分かりませんが、変化として挙げられるかなと思います。
福田:チームメンバーの1人をアトラエさんのリアルイベントに連れて行ったところ、「すごく刺激的で良かった」と言ってもらえました。今後も、業務においてチャレンジしたいと思っている人がいれば示唆したり、イベント等への参加意欲を後押ししたりする形で特に若い人の背中を押していきたいと思います。
エンゲージメントは、社員と会社が共に発展していくために不可欠なもの
―半年間の働きがい共創(走)チームの活動を経て、エンゲージメントの価値や意義をどのように捉えていらっしゃいますか?
笠原:私が入社した約20年前は、エンゲージメントという言葉を聞く機会はありませんでしたし、日々の業務に対しては先輩や上司の経験に基づく指導に加えて、定期的な教育プログラムを受ける中で成長し、働きがいを実感できました。でも今は、正解がない業務や新たなことに挑戦する機会が増えていて、ゴールが不明確な場合も多くあります。そういった中においては、ゴールを適切に設定することが管理職の重要な役割の一つだと感じています。ゴールに至る道筋は、一つではなく、個々人の考えに基づいて進んでいくような時代に変わったと感じています。
その中でエンゲージメントは、いわば真っ白な地図の上でメンバーが共通のゴールを向いているかどうかを定期的に把握するのに役立つと思っています。また、どうすればみんなでゴールに辿り着けるかを模索していく際の一つの指標や考え方として、重視されていると感じます。多様な人々が共に働く上で、エンゲージメントを高めることで、各自のアプローチは違えど皆でゴールに向かっていけますし、チームや組織の課題についてコミュニケーションする機会が、エンゲージメントの状態を可視化することで生まれると思っています。
福田:社員と会社が充実した発展をするために必要不可欠なものというイメージで捉えています。個のモチベーションだけでなく、みんなでエンゲージメントを創っていくことで個人も会社も発展して「いくものだ」「べきだ」と、Engagement Run!Academyで学びました。
また笠原さんも先ほど話していましたが、世の中が変化し、個人がより尊重されるようになってきた現代においては、会社としてやるべきこと、個人が働きがいを持って働くことを掛け算にしていかなければ、会社の発展は難しくなっています。だから、エンゲージメントが良くない企業からは優秀な人材がどんどん流出していき、新卒採用において学生からも見向きもされなくなる恐れもあります。この点でも、働きがいやエンゲージメントはないがしろにせずに考えていくべきものだと思います。
武井:会社と社員は、つい主従関係のようになってしまいますが、エンゲージメントの考え方は、同じ立場に立って同じ方向を向いて進んでいく関係です。これを実践していけばいい会社になりますし、私たちも働きやすくなるということを、Engagement Run!Academyを通じて感じたので、この考え方が全社に広まっていけばいいなと思っています。

―最後に、今後の組織・チームづくりにどのように取り組まれますか?展望を教えてください。
武井:Engagement Run!Academyのどのクラスでも、対話やコミュニケーションがとても重要だということをおっしゃられていました。私もチームメンバーとコミュニケーションを取って、さらに相互理解を深めたいと思っています。「働きがい共創(走)チーム」での学びを忘れずにこれからもチームづくりに取り組んでいきたいと思います。
福田:失敗なくして成功は得られませんし、弊社の今期の行動指針の中に「トライアンドエラー」という言葉も掲げられています。チームメンバーのチャレンジに対して「先ずは挑戦したことを承認・称賛する」マインドをもってマネジメントを日々意識していきたいと思います。
また、私はこれまでに「良い上司と働けて良かったな、また働きたいな」と思える人に出会えており、自分もチームメンバーから「福田さんが上司で良かった」「また一緒に働きたい」という言葉を発してもらえるようなマネジメントを築いていければと思います。
笠原:原理原則は管理職としてしっかりと示し、あとはメンバーが各自で考え、動いていける組織を理想としてチームづくりをしていきたいと思っています。興味深い事例として、あるドイツのプロサッカーチームがリーグ1部で無敗優勝を果たしたんです。
昨季は2部に降格するかどうかだったチームが、今季、新たな監督が就任し、メンバーの大幅な入れ替えもなく、無敗で優勝を果たしました。なぜそれだけ変われたのか疑問に思い、いくつかの記事を読んでみたところ、その監督は原理原則をシンプルな言葉にして徹底して伝え続けていたことを興味深く思いました。具体的には、「攻撃し続ければ失点しない」「そのためにどうするか、自分たちで考えて動こう」というメッセージをずっと伝えていたのです。もちろん高度な戦略もあったと思いますし、選手との対話も上手にしていたのでしょうけど、リーダーがいろいろと細かく指示しても、それが正しいかどうか分からない時代です。自らの経験知も踏まえながら、いかにして原理原則を分かりやすく伝えられるかが、管理職の大事な仕事の一つなのだと思いました。そういったチームを作れるように、取り組んでいきたいと思います。







