【Teamwork Sessionレポート】走りながら学ぶ!エンゲージメントを組織に広めるポイントとは?〜Wevox導入前後の活動事例〜

【Teamwork Sessionレポート】走りながら学ぶ!エンゲージメントを組織に広めるポイントとは?〜Wevox導入前後の活動事例〜

株式会社アドバンテスト
寒竹 秀介氏
寒竹 秀介氏
株式会社アドバンテスト
ATEビジネスグループテクノロジー開発本部テクノロジー統括部第3開発部部長

1999年、株式会社アドバンテストに新卒入社。以降、半導体試験装置向けのLSIの開発に従事。入社当初はエンジニアとして、現在はマネージャーとして開発業務に携わっている。2013年から約4年半、ドイツのアドバンテストヨーロッパで勤務し、2020年2月より現職に至る。

Wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、株式会社アドバンテストの寒竹秀介さんにご登壇いただきました。アドバンテストでは今年からWevoxを導入するまでの経緯、以前までのサーベイとの違いや、Wevox導入後の活用ストーリーについてもお話いただきました。

平木(Wevoxカスタマーサクセス):本日のテーマは「走りながら学ぶ!エンゲージメントを組織に広めるポイントとは?〜Wevox導入前後の活動事例〜」です。寒竹さん、どうぞよろしくお願いいたします。

株式会社アドバンテストの寒竹と申します。アドバンテストは1954年に設立され、67年が経った現在の従業員数は約5800人です。皆様のパソコンやスマートフォンに使われているCPUやメモリといった、半導体のテストをする装置が主力製品で、世界シェアは約50%となっています。ドイツ、アメリカ、中国などに拠点がありますが本社は東京です。本日は、開発拠点である群馬R&Dセンターという開発部門でのお話をお伝えしたいと思います。

弊社では2018年10月に、海外の支店を含む全社でGallup社のエンゲージメントサーベイを実施しました。結果、日本の事業所は海外に比べてスコアが低く、上司が部下の成長を心がけたコミュニケーションをできていないという状況が浮き彫りになりました。その結果を受け、翌年から従業員のエンゲージメント向上を目的とした企業文化変革の取り組みを開始し、INTEGRITYという我々のコアバリューを共有する取り組み、全社員に向けたワークショップなどを行いました。昨年、我々が定めるリーダーシップモデルを導入し、管理職を対象とした研修なども実施しています。

活動の背景:エンゲージメントとは「共感と貢献意欲」

私の所属するテクノロジー開発本部では、2年前に職場改善活動がスタートしています。まずは「テク開の未来を語り合おう」というタイトルで、管理職と、各部内で任意の一般従業員をグルーピングして、グループディスカッションを行いました。主に、ベテラン・中堅・若手といった感じで年齢別に分けたところが多かったです。全部で1500件ほどの意見が集まりましたが、マネージャーの意識や役割、社内のコミュニケーションや雰囲気の改善、また、これに関連したような意見や提案が多く集まりました。この活動では、意見や提案へのフィードバックをチーム単位で行ったのですが、それらを通して、普段の業務と離れた自分たちのチームの話や職場環境などについて、チームで対話していくことがとても大事だということが分かり、「今後も継続してやっていくべきでは」という想いが生まれました。

その後、2020年6月に開発グループ内でエンゲージメント改善チームと呼ばれるチームを立ち上げました。私を含めた開発部門のマネージャー4人、人事1人の計5人からなるチームです。とはいえ、「そもそもエンゲージメントとは何なんだろう」というところからスタートしたので、その定義やエンゲージメントを改善するには何をすればいいのかを繰り返し時間をかけて対話しました。従業員エンゲージメントとは何なのか、そのレベルが上がったらどうなるのか、結果として会社や組織はどうなるのかなど、様々な疑問や思ったことをまとめ、我々の考えるエンゲージメントは「共感と貢献意欲」だと定義づけました。その後、エンゲージメントを改善していくにあたって何をすべきかと考え、最近流行っているツールを使おうということになりました。

導入の経緯:自主性を失わないために「Wevox」を採用

エンゲージメントのサーベイツールもたくさん出ていますが、色々と調査をし、Wevoxと他社のツールの2つに候補が絞られました。実は最初は、コンサル付きの他社のツールを採用する予定だったんです。というのも我々の主務は開発業務で、エンゲージメント改善はそれの傍らで行う形だったので、それならコンサルの方のバックアップがあった方がやりやすいよねと話していたんです。ですが担当の役員にプレゼンしたところ、「コンサルを入れるとそれに頼りがちになってしまって、自主性が失われるんじゃないか」という指摘がありました。

確かに、これまで繰り返してきた活動は全員参加が義務付けられていたので、社員からすると「また上から何か降ってきたぞ」という感覚で、なるべく本業に支障が出ないよう、手間や時間をかけずに「やった感」を出そうとしがちでした。いわゆる「やらされ感」です。我々としてもこのやらされ感を無くし、自主的に参加してもらえる活動にしたいという想いはとても強かったですし、そのためには必然的にスモールスタートから徐々に広げていくという順序を踏む必要がありました。そう考えたとき、最低利用人数や利用期間の制約が全くないWevoxが我々のスタイルに合っていると改めて気付き、採用を決定しました。

STEP1:まずは体制設計からスタート

活動を立ち上げるにあたり、まずは中原先生の『サーベイ・フィードバック入門』という本を読み、そしてアトラエさんの導入資料を参考にして活動内容を検討しました。活動名はサーベイフィードバック活動で、エンゲージメント活動チームに3名を加えた8名体制で行っています。推進チーム・アンバサダーチーム・回答メンバーという仕組みは、Wevoxのスタッフからのアドバイスを参考にしています。推進チームのリーダーは私で、3つの本部それぞれにフォロー担当がいます。加えて、情報発信担当、活動アドバイザー、開発グループのトップの役員がスポンサーになり、あとは参加チームのいる部署から1人ずつアンバサダーを出してもらって活動をスタートさせました。

STEP2:マネージャーへの周知と手挙げ制での参加チーム募集

活動を開始するに当たって行ったのは、マネージャーへの周知説明です。以上の図のように、サーベイで組織の問題を可視化し、それぞれのチームでガチ対話をして、今後どうするかという未来づくりを決め、その後またサーベイを行う。このサイクルを、3カ月単位で繰り返すということを説明しました。

その後、手挙げ制で参加意欲を示したチームのメンバーに推進チームが活動内容を説明し、そのうえで合意があった22チーム170名での活動が4月からスタートしました。当初は100名集まればいいかなと考えていましたが、開発グループ内の全体の参加率でいうと約25%ですので、立ち上がりとしては非常に好感触でした。

STEP3:Wevox活用の準備期間を経てサーベイ開始

4月の間はWevoxに各チームのメンバーを登録したり、先ほどの『サーベイ・フィードバック入門』の本をマネージャーに配布したり、推進チーム内でサーベイのテスト配信を行ったりと、準備に時間を費やしました。初回のサーベイを行ったのはその翌月の5月中旬です。この時のサーベイの結果を受けてフィードバックミーティングを実施してもらいましたが、何か相互理解に繋がる取り組みを行った後、もう1度ミーティングを実施して何かアクションを決めて取り組んでもらえれば、とあくまで推奨するだけに留めました。

Wevoxチームには、導入時からこれまでに3回の社内向けセミナーを実施していただいており、エンゲージメントへの理解を深めるためのお話や、活動に当たってのコツなどを参加チームのマネージャーやメンバー向けにお話しいただきました。いずれのセミナーも参加率は7割程で、非常に興味を持って参加してもらえたと思っています。

サーベイ開始後の課題感と学びの価値

今の課題と今後の取り組みについてですが、まだ始まって半年なので、この活動を長く続けていくことがひとまずの目標です。継続するには活動内容を社内に広く知ってもらう必要があります。共感を得て、活動に参加するチームを増やすためにも、社内報や取り組み事例の共有会、アンバサダーの活性化などを通して、活動内容を社内で広く共有していきたいと考えています。

Wevoxチームによる社内向けセミナーを継続してほしいという声もありますし、現在弊社から5名が参加しているオンラインアカデミー「Engagement Run!」も人数を倍くらいに増やしたいと考えています。このように様々なイベントを通して学びの場や機会を増やし、グループ内での参加チームを増やす働きかけもそうですし、来年度以降になるかとは思いますが、社内他部門への展開なども検討したいですね。また、現場の声はとても重要ですので、Wevoxのサーベイで入力するコメントや、セミナー実施後のアンケート、アンバサダーミーティングでの意見などの意見を取り入れ、参加したチームが前向きに活動できるようサポートしていきたいと思っています。

気付いたのは「仲間づくり」の重要性

最後に、仲間づくりの重要性というものも非常に感じています。開発部門だけでなく、人事や推進室など色々なところから入ってもらうことにより、多様性やチームワークが生まれますよね。初めてのことで上手くいかないことも多くあるので、この点が大事になってくるかと思います。そして参加チームの中からアンバサダーなどの協力者を増やし、一緒に活動を作っていく、と。

私自身、Engagement Run!に参加して思ったのは、他社さんの話や今回のようなセッションなどでの学び合いというのはとても価値があるということです。何より勇気付けられますし、同じような想いや悩みを持っている方とお話しすることにより新しい気付きも得られるのではと考えています。

パネルディスカッション:合意を得たチームしか導入しなかった理由

平木:ありがとうございました。Wevox利用企業様の中にも周知や巻き込みを気にされている方も多いかと思うのですが、その辺りはどのように工夫されたのでしょうか?

私自身もこの部門のマネージャーなので、こういうことで困っていませんか?悩んでいませんか?と他のマネージャーと同じ目線に立って語りかけるようにしました。それに対してはこうすれば悩みが解決に向かうかもしれませんよ、といった感じで、チーム作りなど、メッセージ性として周知して行くことを心がけましたね。

平木:なるほど。手を挙げたチームのメンバーに説明したというお話がありましたが、なかなか他社様の例では聞かない内容だと思います。この意図や背景などはどういったものだったんですか?

最初はマネージャー向けに説明をして、マネージャーが手を挙げたらそれでOKにしようと思っていたんですよ。ですが、参加したマネージャーから自分1人の決断ではなくメンバーと話し合って合意を得てから決めたいと言われ、手を挙げてくれたチームのメンバー全員に再度説明会を行うことにしました。ですので、現場から声が上がったというのが実際のところです。マネージャーは手を挙げたもののメンバーが反対していたり、難色を示したりという部分もあり、そういった部分は残念ではありますが、メンバーのやらされ感が出ることなく、しっかりチーム内で話し合ってもらえたのは結果的に良かったなと感じています。

平木:ちなみに、寒竹さんの本来の業務内容とこの活動との比率はどのくらいなのでしょうか?

本来の業務は開発部門のマネージャーで、開発業務のマネジメントを行っていますが、この活動にかける時間は全体の20%ほどです。

平木:ありがとうございました。ではここからは質疑応答へと移ります。

参加者との質疑応答:ネガティブな声は出ませんか…?

Q. 8名で推進活動を行われているということでしたが、メンバーを選んだ基準や、集まっている方々の特徴などがありましたら是非教えてください。

A. 最初の5人は、3つの本部から部長クラスの方をメインに1人ずつ集まりました。内訳は、組織づくり活動やマネジメント、コーチングに詳しいマネージャーや、人事の方からもサポート的な立場で入っていただきました。また、私の本部でも公募しまして、手を挙げた方にフォロー担当として1人入ってもらいました。

あとは、社内外向けの広報的な役割となる情報発信担当には、人事の方から推薦された方に声をかけました。社内報の執筆だけでなく、アンバサダーのミーティングにもほぼ毎回参加してもらい、活動を広く見てもらっています。参加メンバーの特徴としては、職場や、文化・雰囲気を変えることに関心がある方が大半です。そういう方が集まっているからこそ、熱を持って前向きにやっていけるのかなという印象はありますね。

Q. 活動に費やしている時間は20%ほどと仰っていましたが、弊社では推進チームはあるものの時間がなかなか取れていません。実際にその時間を作るために工夫されていることがあったら教えてください。

A. 我々にとっても、時間は一番の悩みです。今は推進チームの定例を週1回1時間行い、その時間は必ず確保してみんなで集まるようにしています。とはいえどうしても時間がないので、情報交換や出来る範囲の議論はTeamsで行います。あとは、事前に資料をExcelなどで用意し、次の定例で話したいことなどを書き込んでもらうようにお願いしたりと工夫しています。

Q. 活動を進めるにあたってネガティブな声も上がるかと思うのですが、それに対する仕掛けや、場づくりで工夫されている点があれば教えてください。

A. まだ始めて半年、サーベイも2回行っただけですが、アンケートなどではネガティブなコメントも見受けられました。匿名なので誰だか分かりませんし、あまり推察しても仕方がないですが、チームリーダーから相談を受けることもあります。ケースバイケースで個別に違うので、必ずこうすればいいということはありませんが、推進チームとしては「何かあったら言ってくださいね」という声かけは必要かと思います。それと同時に、待っているだけではなくこちらからも「最近どんな感じですか?」などいった積極的な目配りも行いつつですね。一人でやると限界があるので、フォロー担当を分けたり、個別の関係などを活かしてそういった声をキャッチするといったイメージです。

Q. Wevox導入前、マネージャーの意識・役割、社内コミュニケーションや雰囲気の改善が問題点に上がっていたというお話がありましたが、Wevoxについてはその部分に焦点を当てた使い方をされているのでしょうか?

A. 1つの狙いとしてはあります。チーム内で対話をしてくださいとお願いして上手くいけばいいですけど、実際はなかなか上手くいかないですよね。特に普段の業務から離れて組織開発系の話をするのは恐らくみんな慣れていないですし、難しいと思います。ですので、その難しさにある程度気づいてもらい、社内セミナーやEngagement Run!で経験を積んでから、マネージャー間で情報を共有してもらうようにしています。一朝一夕で解決できる問題でもないですから、それぞれのマネージャーが状況に合わせて、いろんな刺激を受けながら考えて経験して、だんだん底上げていくものだと考えています。Wevoxを使った今の活動も、その1つのきっかけになればという気持ちで進めている段階です。

Q. 手を挙げてもらおうとしても、 本当はやりたくないのに評価を気にして手を挙げる人が出てくる場合がありますが、それを防ぐために納得感のある説明や工夫などは行われたのでしょうか?

A. コミュニケーションが良くなれば当然自分達の業務が上手く回るようになるので、メンバーのためにこれをしてあげたい、自分のチームをなんとかしたいと考えているマネージャーは多いと思います。だけど、どうしていいかわからない、きっかけもないという方が大半なのかなと。ですので、チームをよくするきっかけとして使ってもらえればというメッセージは伝えました。

なんとなく気乗りしないけどリーダーやマネージャーがいうならやってみるか、という方もいたと思いますが、反対の多かったチームは結局参加できていなかったので、参加したチーム=メンバーが理解を示しているのかなと思いますね。参加率は4分の1ですが、当初は10%くらいの予想だったので、思ったよりも高かったなというのが本音です。

Q. ご紹介されていた書籍の中で参考になったのはどのような点ですか?

A. こう言ってしまうと身も蓋もないのですが、『サーベイ・フィードバック入門』は丸ごと一冊参考になります(笑)。少なくとも私は読んでそう思いました。フィードバックしてください、ミーティングしてくださいと言っても、じゃあどうすればいいの?と思われがちなので、参加するチームの全マネージャーにも配布しました。何かしらのガイドがあるとそういった戸惑いは解消されると考えたので、入門書やガイド書のような感覚ですね。これをやると逆効果になるよねみたいな話も沢山あると思いますが、その辺りをなくすためのステップですとか、こういうスタンスで臨みましょうと言った内容が具体的に書かれているので、とりあえずは型としてそのまま使ってみることにしたんです。

【編集部コメント】
導入のプロセスにおいても、メンバーの納得感を重視しているのが印象的でした。今日のお話の中で真似できるところはどんどん真似をして、今後の活動に活かしてください!

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