【Teamwork Sessionレポート】二社の推進者が「エンゲージメント活動」について本音トーク!実体験にもとづく事例とは?

【Teamwork Sessionレポート】二社の推進者が「エンゲージメント活動」について本音トーク!実体験にもとづく事例とは?

日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社
細山田 隼人氏
細山田 隼人氏
日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社
経営管理本部 戦略企画部

2014年4月に新卒で日本ペイント株式会社自動車塗料事業本部(現:日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社)に、技術人材として入社。技術者として自動車用塗料の顧客担当に従事。その後、グループ会社での経営企画業務を経て、現在在籍の会社において新規事業であるフィルム事業に従事。2022年に経営企画部へ異動。現在は経営企画部にて企業戦略や事業戦略業務、経営の意思決定支援を担当しながら、社内のエンゲージメント有志団体を結成し、活動を牽引。

道下 雄一氏
道下 雄一氏
愛知県信用農業協同組合連合会
総務部人事グループ人事チーム

2016年4月に愛知県信用農業協同組合に入会。農業部農業融資グループに配属で受託貸付業務、利子助成等業務を担当。JAバンク研修相談部相談グループでの相続相談業務、遺言信託業務を経て、2021年4月総務部人事グループに配属。現在、採用業務、職員育成業務を担当。

Wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、日本ペイント・オートモーティブコーティングス株式会社の細山田隼人さん、愛知県信用農業協同組合連合会の道下雄一さんにご登壇いただきました。規模や運用期間、運用方法も全く異なる2社ですが、どのようにエンゲージメント活動の浸透を進めてこられたのでしょうか。具体的な活動内容やその後の改善アプローチなどの実体験をお話しいただきました。

平木(司会進行):本日のテーマは「Wevoxを通じたエンゲージメントの活動事例〜2社本音トークスペシャル!〜」ということで、お二人に話をしていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

細山田:よろしくお願いいたします。まずは、簡単に当社の紹介を。当社は日本初の塗料会社で、1881年の明治から創業しており、現在アジアではNo.1という立ち位置になっております。2015年からホールディングス体制を開始し、現在はグループ全社員合わせて約3万人の従業員がおり、私はその中の自動車用塗料を扱う会社の経営企画部に属しています。本社は枚方にありますので、ひらパーの近くにお越しの際はぜひ寄ってみてください(笑)。当社のエンゲージメント活動の経緯ですが、2021年10月にやりたいことを骨子にまとめて仲間を募り、2022年1月に社長・副社長らに直談判しました。

これがその際に使用した資料です。左下に現状と書いてあるのが、私が技術時代に感じたものないしは会社の現場で感じたものを言語化したものでして、当時はなかなか胸を張って「うちの会社は凄くエンゲージメントが高い」とは言えない状況だとモヤモヤを抱えていました。思っているだけでは何にもならないと思い、同じ考えを持つ仲間を集めて「こういうことがやりたいんだ」というあるべき姿を設定した上で直談判させていただきました。

3つのエッセンスを軸にボトムアップを実施

その後6月までは準備期間として活動していました。従業員のためのエンゲージメントとして、この有志の仲間に「E for E(Engagement for Employee)」という名前をつけ、この準備期間を経て7月からボトムアップ活動を実施しました。この活動には3つのエッセンスがあります。

1つ目は「あるべき姿の追求」です。エンゲージメント活動のあるべき姿がどうやったらみんなに響くか、難しい言葉にならないかを噛み砕きながら、「この会社をオドロキで彩るため、わたしたちがワクワクしながら働く」を軸にエンゲージメントを進めています。そのために3段階のステージを設けていますが、現在はこの「従業員1.0:認識と変化」、いわゆる自分の気持ちをしっかり理解して次のステージへ向かえるようにしようという点にフォーカスして取り組みを進めております。

2つ目は、あらゆるステークホルダーとの対話の徹底です。

現状把握と口説きということで、まずは全国にいる当社の30歳以下の若手社員全員に対して、さらには経営陣や幹部職の全員に対して個別に「こういうことをやりたいから協力してほしい」という形でヒアリング&対話を実施しました。さらに内部の対話・外部の対話という形で、当時の上司や活動を一緒にしてくれるコアメンバーとの徹底した対話も実施しましたし、アトラエのご担当者様にも大変ご協力いただき、いろんなインプットをしていただきました。

3つ目はパラダイムシフトの促進です。6月に元ソフトバンク、現在は独立起業をされプレゼンテーションクリエイター兼書家として活動されている前田鎌利さんをゲストにお呼びし「今世の中はこういう風になっているから、私たちも変わらなきゃ」というようなインプットを働きかけました。テーマは「自分らしくいきいきと働くために」です。私の方からエンゲージメントを皆さんに説明するのもいいのですが、どちらかといえば第三者の方がズバズバ言って頂く方が聞き手も客観的に受け入れ易いと考え、巧みなプレゼンで多くの社員を魅了するであろう鎌利さんにお声掛けさせて頂き、このような機会を設けるに至りました。

Engagement Run!で学んだ内容はそのまま自社ワークショップへ

こうしたパラダイムシフトを6月に実施し、7月からWevoxの開始、Engagement Run!への参加、そして当社独自のワークショップへの還元を進めてきました。ですので、まだ活動して3ヶ月ぐらいです。Wevox運用開始後の活動についても、3点ほどエッセンスを絞ってご説明します。

1つ目はWevoxの運用状況ですが、現在は月1回のパルスサーベイという形式です。この「独自ルール」は心の健康診断をするもので、点数の高い低いは関係なく、評価にも活用しないと皆さんにお伝えしています。タイミングは、後からご説明するワークショップの後に実施しており、対象者もそのワークショップに参加してくださる方が対象です。強制・強要はせず、手挙げ制で募り、実名での運用を行っています。

2つ目はEngagement Run!への参加です。私は7月からEngagement Run!に参加していますが、9月末までに約30講座を受けてきました。非常に知見に富む内容であり、「世の中はこんなことになっているんだなぁ」と知らなかったことを学習する機会になっています。また、Share Roomを通じて講師の平木さんにご相談をいろいろさせていただきながらご提案をいただいたこともありますし、今日のパネラーである愛知県信用農業協同組合連合会の道下さんとも繋がらせていただきました。他社から見て自社がどう映るのか、そして他社の取り組みを学んで自社にどう還元するのかといったところも、このEngagement Run!を通して実施させていただいております。

そして3つ目ですが、7月から当社独自のワークショップを開始しました。先ほどご説明いたしました通り、今年度は従業員1.0:認識と変化にフォーカスしています。まだ、我々は社内では有志の団体という位置づけです。会社のトップダウンまたは社長指示、あるいは人事の施策というものではなく、同じビジョンを持った有志の団体でやっているという意識があります。その中で、このEngagement Run!で得た知識・内容を1つのアウトプットにまとめながらワークショップに還元するということを月に1回実施しています。

ワークショップ参加者は完全手挙げ制で募っており、9月末時点での参加者は80名ほどです。当社の自動車用塗料事業における国内従業員は約1000人のため、1割ぐらいが活動に参加している状況です。Wevoxはその可視化ということで、月1回のワークショップの後に使用しています。ワークショップの実施後は、参加者の方々から各職場に対してチームビルディングや人間関係の部分に落とし込んでほしいということはお願いしていますし、我々もそれをサポートしています。加えて、社内のWeb掲示板で活動状況を報告するほか、アンケートなどで振り返りを行っています。

ステークホルダーとの付き合い方ですが、冒頭に申しました通り、同じ想いを持つ有志でやっている活動ですので、「こういうことをやっています」ということは常に各ステークホルダーにインプットしています。また活動においては予算が必要な場面も出てきますので、副社長にスポンサーについてもらうユニークな推進をしています。先ほどのEngagement Run!で得た知識についても、tips共有という形で自社の社長、人事、役員・幹部職からグループ会社の興味のある方まで、私の方から皆さんに共有させていただいているという状況です。

最後に、今回のような場やEngagement Run!でのERコネクトのような形で当社がどう映っているのか、そして他社から学ぶところを当社にどう活かすのかという点には、「外脳活用」を積極的に行っています。以上、当社での実際の活動をご紹介させていただきました。何かエッセンスとしてお持ち帰りいただけるものがあれば嬉しいと思っております。

平木:ありがとうございました。では続いて道下さん、活動状況の共有のプレゼンテーションの方をお願いいたします。

道下:よろしくお願いいたします。JA愛知信連人事グループの道下と申します。当会はJA愛知県連、正式名称は愛知県信用農業協同組合連合会という会社になります。皆さんもご存知の通りJAという名前がついていますので、JAグループの1つの会社です。地域にある農協さん・JAさんの他にも、信連といわれる組織のように、連合会といわれる都道府県単位のそれぞれの事業単位ごとに取りまとめる組織があったり、全国段階の組織があったり、実はJAグループにはたくさんの会社があります。

その中でJA愛知信連はどういった仕事をしているかというと、愛知県の中でも20個あるJAさんの中の信用事業、つまりは金融に関わる事業で、JAさんの金融部門を連合会の組織として支援、サポートさせていただいています。職員数は300人です。

当会は「10年ビジョン」という長期的にゆるがないビジョンを持っており、その中の1つに経営管理ビジョンがあります。その中では「多様な人材がエンゲージメントを高め、働きがいにあふれ、挑戦の意欲を持って、個々の力を最大限発揮できる活力ある組織」を確立していきましょうと語られています。また、ストラテジーは、中期計画しかり1年ごとの部署計画というものに紐付いてエンゲージメントの取り組みを行うためのものですので、会社の動きやエンゲージメントの動きがしっかりと連携できているからこそ、大きな取り組みになっていると思っています。

当会におけるWevoxの運用は、開始時期は令和2年の5月からで、サーベイの実施自体は3ヶ月に1回です。閲覧権限は、今年度からこれまでと少し変えています。

審議役というのは、基本的には一般的な会社での部長クラスになります。それから考査役が課長クラス、副考査役が係長クラスです。これまでは、基本的に考査役以上の管理職の方が、自分のグループや自分の部署だけを見られる構造をとっていましたが、今年度からは部長クラスが見られる閲覧範囲を広げています。Wevoxを導入して年数も経ってきており、それぞれのグループごとでスコアも一定化してきていたので、その点をしっかりと各部長さん方が把握した上で閲覧権限を広げることになりました。

Wevoxの導入からこれまでの取り組みについてですが、一番上のWevoxの導入から始まって、その後学びの場を行ってきました。当会の場合は、当初当会の人事グループではなくどちらかというと経営に関わる部門である、総合企画部という部署がエンゲージメントの取り組みを行っていました。

そこで発起人となる職員を中心に学びの場を実施し、エンゲージメントの認識や重要性を職員に広げてもらい、一人ひとり仲間を増やしながら令和3年度中に活動を続けてきたというような形です。

令和4年度からは総務部の人事グループにエンゲージメントの所管が移りまして、そのタイミングで一度課題を整理しました。もしかしたら他の会社さんにも共通する部分もあるのではないかと思いますが、当会でぶち当たった大きな壁としては、エンゲージメントの説明をして認識を広げたとしても、それがなかなか現場に落ちなかった点です。

恥ずかしながら、私もこういった学びの場に参加しているときは分かったようなつもりでいても現場に戻るとすぐに忘れてしまったり、重要性についても自分の中でなかなか認識の腹落ちができていなかったりしたんです。これは各職員の共通の課題だったので、やはり現場の行動に移らないと意味がないということで、課題を整理しました。

「理想の上司アンケート」で見えた目指すべき形

現場に落としていくためにどう活動していく必要があるかを整理したものが「アクティブプロジェクト」で、簡単に言うと学びの場の進化バージョンのようなものです。アクティブプロジェクトは令和4年度から開始していますが、最初に行ったのは「目指すところの想像・イメージ化」でした。やはり現場にエンゲージメントの取り組みが落ちないと意味がないですし、実際、各部署に訪問したときにも現場の職員からは「エンゲージメントって正直遊びじゃないの」「こんなの仕事じゃないんじゃない?」という意見が頻繁に挙がっていました。

そういった中で、まずはその認識が仕事と繋がらないといけないのではないかということで、当会の理想の上司像・社会人像について全職員向けにアンケートを取るところからスタートしました。「どんな上司もしくは社員が求められているか」をまとめたところ、我々が想定していたとおり、「いつでも相談できる雰囲気がある上司」「決断力のある上司」「人によって話し方を変えない上司」など、人としてのあるべき姿や仕事としての基本的な姿勢が求められていることが分かりました。

我々は、これはエンゲージメントにも通じると考えています。人間的に根本の大事なところであったり、前向きに働く力であったり、人を巻き込む力であったり、そういったところをなんとか仕事と結びつけて説明ができないかということで、人事グループの中で整理を続けてきました。

グループワークを通して自らの強み・弱みを表面化

これに伴い、ステップを3段階に分けて取り組みを開始しました。ステップ1は先ほどお話しした「目指すところの想像・イメージ化」です。アクティブプロジェクトで集まったメンバーを中心に、自分がどこに強みがあってどこに弱みがあるかについて付箋を貼りながらまとめ、先ほどのアンケートをもとに「自分の弱みを解消しないとみんなが求めている社員にはなれない」「自分では気付かなかったけどここは大きな強みではないか」など、自分自身で腹落ちをしていく取り組みを行いました。

それを踏まえた上でステップ2では、極力エンゲージメントという言葉を使わず、「業務と繋がりを深く理解しながらさまざまな知識を習得する」を目標にしました。できる限り仕事と繋げながら、しかし根本はエンゲージメントに絡むように、座学やグループワークを通して取り組むことにしたのです。この中でも、個人の行動面で強み・弱みのある職員もいたり、個人の心理面が弱みだということに気付くことができたり、集団の心理面も集団で心が合っていないと感じることができました。

そういった必要な知識を4段階にまとめ「自分はこの段階が弱いからここを学んでみようかな」と各職員が自分事として繋げながら、講義を受けるような仕組みにしました。ちなみに、この講義を行ってきたのが、当部の中心となってエンゲージメントの取り組みをしている職員です。これまでにも講義を受けながら本をたくさん読み、それをしっかりとアウトプットすることのできる職員でしたので、そういった方を中心に取り組みを開始してきました。

ステップ3で掲げたのは「仲間とともに実践」です。令和3年度までの学びの場において課題の1つとしてあったのが、そのときは分かったつもりになっていても現場に戻ると忘れてしまうということです。今回のアクティブプロジェクトでは「それではもったいない」という声もありましたので、それ以降はできる限り振り返りの場を設けるようにしています。

いろんなことを学んだ上で自分がどこに取り組んでいくのかをその場で仲間に宣言し、その後、「こういうことをやってみました」「でもこういったところが課題だと思う」といった振り返りを共有します。そうするといろんな職員から「ここはこういう風にしたらどうですか」というアドバイスが出てきたり、悩み相談のような場ができて、凄く活発に意見交換が行われるようになったんです。ですから、こういったリフレクションの機会を設けることも大事なのだと実感しました。今年度については2クール設けることにしており、現在2クール目の真っ最中です。

私からは以上ですが、細山田さんと同じく、何か今後の活動に役立つことができたり、繋げることができるようにご説明できていたなら嬉しく思います。ありがとうございました。

パネルディスカッション

平木:ありがとうございました。では続いて、私の方から何点かご質問をさせてください。これは、Wevoxを活用する上での大事なポイントである“きづきサイクル”5箇条です。お二方の中でスコア扱うときに大事にしているポイントあれば教えてください。

細山田:私はこの中だったら、おそらく真ん中上の「状況を見て、策を考えるだけでなく変化を見て、理由を考える」かと思います。実際に冒頭でご説明させていただいた肌感覚もそうですし、現時点ではエンゲージメントのスコアから分かるような「ここって強いよね、弱いよね」というところも踏まえて、仮説を立てながら検証していくという形式を取っておりますので、これが私の中で意識している点かと思いました。

平木:5箇条以外にWevoxのスコアを見るときやエンゲージメントと向き合うときに、ご自身の中で大事にされていることはありますか?

細山田:エンゲージメントと向き合うという観点であれば、よく皆さんも仰るかもしれませんが「対話」ですね。追いかけ回すという言い方は失礼ですが、本当にしつこいくらい電話する、メールする、直接会うというような感じで声をかけています。メールなどで一斉に配信すると埋もれてしまいますし、リマインダーで気付けないという方もいますよね。少し面倒くささや生産性の悪い部分もあるのですが、近況の活動を踏まえながら1人ずつへの「どうでしたか?次回も一緒にどうですか?」という対話を心がけています。

平木:活動の肝としては、対話を凄く大事にされていらっしゃるのですね。続いて道下さんはいかがですか?5つの中からでも構いませんし、これ以外でご自身の中で大事にしていることがあればお聞かせください。

道下:私はもしこの中で選ぶとすると「一人で分析をするだけでなくみんなで対話をする」だと思います。先ほどの話の通り、当会でもサーベイは3ヶ月に1回実施することになっていまして、役員のミーティングにも出すような流れになっています。そういった流れももちろんあるのですが、人事グループで結果を取りまとめたときにみんなで「なんでここのスコアが上がったのかな、下がったのかな」という点をできる限り分析するようにしています。もちろん時期的な問題もあるでしょうし、もしかしたら人的な問題もあるでしょうけど、そういったところもひっくるめて「何で変化があったんだろう」をできる限り多くの人で分析をするといろんな意見が出てくるので、対話の重要性を改めて感じますね。

平木:仮説出しにおいては、さまざまな複雑な要素が絡むので、チーム内のいろんな人の意見を組み合わせることによって、解決に近づくことはありますよね。

道下:平木さんのおっしゃる通りで、理由っておそらく1つではないかもしれないですよね。「それ」と勝手に決めつけることも自分の考えだけで決めつけることも良くないと思いますし、それによって自分自身やみんなの気付きになることもあります。

平木:お二方から対話という言葉が出ていたのですが、対話するときに気を付けていることとかあったりされますか。

道下:エンゲージメントだけではないですが、できる限り根本の意見を聞き出すようにしています。私の後輩たちも含めていろんなメンバーの意見を参考にしたいですし、もちろん上の方もそうですが、若いメンバーの意見もたくさん参考になるところがあります。できる限り、根本の言いにくいところも含めて発言しやすいような環境はつくりたいなと心がけています。

平木:ありがとうございます。細山田さんはいかがですか?

細山田:当社は国内のいろんなところに拠点があるのですが、私は技術時代に全拠点での職務従事の経験があります。そのため、全員の顔を知っているわけではないものの、パーソナルな部分も含めて年齢・性別・国籍問わずに知った顔の方が多いかと個人的には思っています。それは、対話をするときには相手を理解し、相手の目線に合わせ、なるべく相手が求めるレベルまで自分も上がったり、下がったりするということを、おそらく無意識の中でも意識しているのかもしれないと思いました。

平木:先ほどお二方より活動の事例をご紹介いただきましたが、活動の中で最近やってみて特に良かったことや、この活動のこの部分をやって嬉しかったというお話はありますか?

道下:もちろんエンゲージメントのスコアの上がり下がりで一喜一憂することもありますし、アクティブプロジェクトに参加して仲間が一人ひとり増えていくことも嬉しいのですが、自分自身のことを改めて考えることができたという点が非常に良かったと思います。エンゲージメントの取り組みと同時に自分も仕事に取り組んでいく中で、「自分ってやっぱりここが劣っているな」と思うこともありました。でもそこを受け入れ、ストレングスファインダーを通して少しずつ前向きに捉えられることも増えてきたので、自分自身にとっても凄く良かったなと感じています。

平木:やはりエンゲージメントに向き合うと自分と向き合うようなことも必要になってきますね。細山田さんはいかがでしょうか?

細山田:今、Engagement Run!で学んだことを1つのアウトプットにしたものを、ワークショップという形で社内に落とし込んでいます。ですので、一個人という観点から凄く視野が広がったのと、ロジカルに抽象化概念を理解できるというところが個人の成長かなと思っております。この会社に属している意味合いなどを言語化するワークショップというのは今まさにやっていますので、みんなの中で答えがたくさんある中で、そういうところを考える習慣・機会があるのは良かったかなと思いますね。

平木:細山田さんの場合はまだ活動を始めて3ヶ月だと思うのですが、実際に活動していく中で、この活動を通じて組織の中での変化などはありましたか?

細山田:まだ3ヶ月ですが、今では80人ぐらいまで「変わりたい」という方が増えました。この参加者属性は、年代、性別、国籍とわず、現場出身、サポート部門、シニアマネージャー、経営陣、といった様々な方から構成されています。強制、強要ではなく、隠れ家居酒屋的な感じの口コミで広がって、1期からずっと参加している方も多いですので、増えていっているというのが目に見える変化の一つかと思いますし、皆さんの会話の中で、社内のワークショップで使った単語が少しずつ会話の中に出てきているので、無意識の中で皆さんが意識し始めているのではないかというのは感じています。まだまだこれからやることはいっぱいありますので、ここからという感じですね。

平木:では会話の中でキーワードが細山田さんの耳に聞こえて、しめしめというような感じですね。道下さんはいかがですか?

道下:細山田さんの意見にとても賛同しましたが、我々も一人ひとり仲間が増えていくことかなと思っています。どちらかというと私の感覚というか、もしかしたら定性的な形になってしまうかもしれませんが、「ああこの人も参加するんだ」というように参加してくれるようになった方が増えたというのが変化だと思いました。

平木:そういったことも一個ずつやっていくなかでの変化という感じですよね。最後にもう1つ、今回はぶっちゃけ話・本音トークというテーマだったので、失敗談を1つずつご紹介いただいた上で参加者の方からのご質問に切り替えていきたいと思うのですが、「実はこれをやっちゃいました」といったしくじり経験や失敗例をぜひ教えていただきたいのですがどうでしょうか?

細山田:私の方からは、先ほどの対話を重視したいというのがそうなのですが、やはりメールだけだと凄くロジカルに聞こえて、相手からするとぐうの音も出ないときもあると思いますし、冷たく聞こえるということもあるかと思います。びっくりマークや音符、顔文字を付けるという工夫をしたりはしますが、やはり捉え方はみなさんでさまざまなので、なるべくメールを送って一方的に満足するのはやめるようにしています。

実際に、トラブルではないですけど、認識の齟齬が生まれた例もありました。生産性は下がりますし面倒くさいところもあるかもしれません、しかしながら、なるべく意識して個人と向き合い、必要であればTeams活用したり、電話をしたりすることで一方的な伝えるではなく、相手をリスペクトした「伝わる」に貢献できると思っています。

道下:すごく難しかったのは、「どうすれば現場に落ちるか」にたどり着くまでにとても時間がかかった点です。アンケートを取るのもそうですし、「現場にどうやったら落ちるだろう」ということについては、本当にたくさんの時間を費やしてみんなで話し合いました。最初はこっちに行ったりあっちに行ったりを繰り返しましたが、最終的にはみんなが納得いく取り組みができているかと思います。もう少し効率的にできたかもと思うこともありますが、振り返ってみてば良い時間だったかなという気はしています。

平木:貴重なプロセスだったということですね。それでは質疑応答へと移ります。

参加者からの質疑応答

質問者:弊社もなかなかエンゲージメントが低調気味で、社内の課題となっています。例えば日々の業務が凄く忙しくて周りまで目を向けられないとか、逆にそういうものに対してしらけていたり、興味がなかったりする人たちがお二方の会社でも一定数いると思います。そういうときはどんな風に声をかければいいですか?

道下:私も年齢の近い職員から「遊んでんじゃないの?」と言われることがありました。今も時々ありますし、一緒に働いていた上の方からもそういう話をもらったりはします。ただなんとなく自分の中で整理がついているのは、イノベイター理論というものがありますが、そういった方って、周りがどんどん変わっていけばいつかは我々の仲間に入ってくれるのではないかと思うんですよね。

すぐには変わらないかもしれませんが、先ほど細山田さんのお話にもあったように、居酒屋のような感覚で広がっていけばいつか「参加してよかったから行ってみなよ」みたいな話がその方にも入っていくのかなぁと。正直、直近で大きく変えることはなかなか難しいかもしれませんが、いずれ変わることを願っているという感じです。とにかく一人ひとり仲間を増やしていくというイメージです。

細山田:私が思うところは2つありまして、1つは先程ご説明をさせていただいた中の対話、特に社内対話を重視していました。実際に経営陣の方、現場の方に関してどちら側にも上がって、下りての繰り返していたので時間はかかりましたが、「一緒にやろうよ」ということは一番に強調してきました。忙しいのはみんな一緒ですから。

2つ目は、弊社の場合は有志の団体なので就業時間外で活動しています。自己啓発の延長だということを強く押しているので「やりたい人は一緒にやろうよ」「全力で支えるから飛び込んで来てくれ」という風に巻き込ませていただいています。それでも増えない場合もありますが、その場合は「何がトリガーになっているのか」という対話を重視しています。そもそも興味がないという方ももちろんいますし、そこを無理やり引っ張るのは難しいですが、「少し興味はあるんだけど業務が」「都合が合わない」という理由であればこちら側が調整にいけばいいので、「土日or別日開催しますよ」とか「ランチでどうですか?」というような感じでフレキシブルに提案しています。

質問者:実名を運営する上で、もしアドバイスとかがあればぜひお伝えいただければと思います。

細山田:開始する前に有志メンバー内ではなし、匿名実施では十分な仮説検証に活かせないと考え、実名で開始することはまず参加者の方には説明しています。実名でも、結局スコアにしたときに見えなくなる領域は必ず出てきますので、よりクリアにするのであればこの透明性は担保したいですし、運用について伝えることを心掛けています。

質問者:当社でも毎月、日本ペイントさんと同じ周期で調査をさせていただいていますが、ただ違うのは対象が全従業員だという点です。また、有志ではないので、先ほどのご質問にもあったようなしらけムードというのもあり、「またか」という空気感が出てきているので大きな違いがあります。「心・組織の健康診断だから毎月協力してほしい」「会社のために」というような話をしてはおりますが、それ以外でそういう感情が生まれないような伝達の仕方やヒントなどがあればご紹介いただきたいです。

細山田:私の見解になってしまいますが、エンゲージメントってよく五大栄養素みたいに言われたりしますよね。「筋トレしたからすぐに筋肉がつくわけじゃない」みたいな話です。その瞬間の心のバロメーターを出しているというだけですので、良い悪いを意味しているものではないと理解しています。やったから高くなるわけではないというところを前提にしていますので、「その瞬間の自分の状態を数値で表わしたらこうだというのを理解していただくツールとして使ってください」と説明した上で、弊社のワークショップを通じて学んだことによって数値が変化すれば、エンゲージメント向上活動が適切に作用していることになりますし、下がったのであれば「仮説が違ったのかな」と考え、検証させてほしい、といったように案内しています。

平木:ありがとうございます。では最後にお二方から皆さんにメッセージをお願いいたします。

道下:人事で取り組みを開始してから改めて、エンゲージメントの取り組みってゴールがないなと感じています。現場からいろんなことを言われることもありますから。解決してもまた次の課題が出てくることもあるので、そこに一つひとつ向き合っていくことがきっと大事なんだと個人的には思っています。我々もまだまだこれからですし、皆さんと一緒に頑張っていきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

細山田:私も巻き込みをどうやったらいいかということを日々考えております。その中で、やはり高いハードルほど超えたときの喜びがありますし、答えのない取り組みであるほど面白かったりします。振り返ったときに「ああそうだったね」と語れますので、ぜひここをきっかけに、会社、日本、世界のような規模で人類の価値観の変容まで繋がればと思っています。非常に壮大な夢ですが(笑)、本当に面白い取り組みかと思いますので、そのあたりの一助になれると嬉しいです。

(編集部コメント)
導入背景や運用状況も全く異なる2社合同セッションでした。仲間の共感を生むアプローチなど、取り入れられそうな部分があればぜひ参考にしてみてください!

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