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「できない理由」に正面から向き合っている人しか勝たん 【Weコラム-みんなで考える組織づくり- #15】

「できない理由」に正面から向き合っている人しか勝たん 【Weコラム-みんなで考える組織づくり- #15】

平井 雅史
平井 雅史
Wevoxカスタマーサクセス/Engagement Run!Academy講師

エンゲージメント向上に必要なスタンスやマインドセットを得るための学び/クラスを主に担当。「組織開発の悩みの多くは適応課題である」という考えのもと、テクニックに頼らない組織開発の考え方や、エンゲージメントの高め方などを参加者との対話を重視したセミナーによって伝授していく。大手企業を中心に企業研修も多数手がける。

このコラムでは、Wevoxやエンゲージメントをテーマに、これまで私達が蓄積してきた知見や考えを皆さんに伝えます。ぜひ、チーム作り・組織づくり・組織開発の際の参考にしてください!

Wevoxカスタマーサクセス/Engagement Run!Academy講師の平井です。

エンゲージメントの支援やセミナーをしていると、本当にすごい頻度でよくこんな声に出会います。

「うちの現場では、なかなか対話が進まないんですよね」
「成功事例があれば参考にしたいんですが……」
「いや、やりたい気持ちはあるんです。ただ、時間がなくて……」

支援を始めて1年越しに、状況を聞いたときにも、ほとんど同じ言葉が返ってくることが少なくありません。つまり、この1年で現場やマネージャー本人が抱えている“問いの質”が変わっていないのです。

問いが変わっていないということは、思考の深さも、行動の幅も、何も変わっていない可能性が高いです。変わらないマインド(fixed mindset)の状態では、来年もまた同じ問いを口にしている未来が見えています。

「やってみたけどダメだった」の構造を分解してみる

私はこうした現状に直面したとき、次のようなフレームを紹介することが増えてきました。

ワークシート的にするとこんな感じになります。

このフレームは、自分の行動と課題を客観的に見るための整理ツールです。

たとえば、

  • 「対話できるチームをつくる(〇〇)」ために、

  • 「月に1回の1on1を実施した(XXX)」が、

  • 「相手の反応が薄くて続けられなかった(△△△)」

といったように、自分のアクションを具体的にすることと同時にそれを妨げる次の問題が明確になります。

このフレームの第一のポイントは、「何をしたのか?挑戦したのか」を明確にすることです。振り返りのときに言われたくはないと思いますが、このワークで詰まってしまう人は、まず何もやってないです。やってないと何も始まりません。

そしてもう一つ重要なのが、「妨げるもの」への自覚です。
多くの人が「時間がない」「上司が協力的でない」と言いますが、それは本当に原因でしょうか?
あまりにも同じ理由がマネージャーの口からでてくるけれど、実はそれが、自分の中にもっと深いブレーキが存在していることを隠すための隠れ蓑になっていると感じます。
「時間がない」「上司が協力的でない」はとても体のいい、できない理由です。なぜなら「自分のせいじゃないから」です。

しかし前に進むためには、本人が実際に自分の本当の問題に気がつく必要があります。

「できない理由」の正体に向き合う人が進める

以前、1on1のセミナーを行った会社で、半年後のフォローアップとして現場の様子をヒアリングしました。返ってきたのは、「対話、結局できていません」という率直な言葉。

「なぜ?」と聞くと、はじめは「時間が」とか「イメージがわかない」と言った声が聞こえてきましたが、私がしつこく「それは本当ですか?」を繰り返して行くと、こんな声が出てきました。

◼︎ 実は

  • 「メンバーから言われる自分の嫌な面、できていない面を知りたくない」

  • 「自分の対話のスキルに自信が持てない」

  • 「メンバーやチームの問題は私だけのせいじゃないのに、なぜ私がその解決をしなければいけないの?」

  • 「実はうすうす問題に気がついている。だけど臭いものにはフタをしたい。フタを開けると、パンドラの箱のように問題が吹き出してくる」

  • 「自分は1on1なんかやられたことがない。自分はそれでもやれてきた。なのに、今のメンバーは1on1をやらなければいけない。それは不公平に感じる」

このような言葉に、私はむしろその会社の希望や解決の糸口を感じました。

というのも、これらは“本音”だからです。
表面的な「忙しい」「やり方がわからない」ではなく、自分の内側にある感情や信念が言葉になって出てきている。ここに、問題への自覚とこれからの変化の芽があります。

結局、こういった生々しい理由に正面から向き合えている人しか勝たん!
次のステージに進んでいるのはつねにそういった問題に向き合っている人です。大事なのは、自分自身が抱えている「できない理由」を、まず受け止めること。

「ちゃんと振り返る」を、ちゃんとやる

結局重要になるのは「振り返り」です。何度言われてもこの基本ができない人が多いし、むしろ「そういうのって時代遅れ」くらい思っている人も逆に増えているかもしれませんが、そうではありません。

  • どんな理想を描いていたのか?

  • その理想に向けて、どんなアクションを起こしたのか?

  • なぜそれができなかったのか、あるいはなぜ途中で止まったのか?

  • 今、自分が何に引っかかっているのか?

こうした問いに向き合い、書き出してみる。誰かと話してみる。そうすることで、はじめて見えてくるものがあります。

まず、やってみよう

「〇〇ができない」――
この言葉を、本当に“やった人”が語るのと、そうでない人が語るのとでは、まったく意味が違います。

ちゃんとやってみた人、そしてそれがなぜできなかったのかを振り返り、言語化し、自分なりの次の一手を考えた人。そういう人だけが、一歩ずつ進んでいけます。

「やらなきゃ」ではなく、「やってみて、できない理由に正面から向き合って、またやる」。

その繰り返しの先にしか、本当の変化はありません。あなたの今いる場所から、少しでいいから前に進んでいきましょう。

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