
「誰かが変えてくれる」を待たずに、チームを自分たちでつくる。集団越境の体験会を開催しました
「このチームをもっと良くしたい」
そう思っていても、日々の業務に追われる中で、立ち止まって話す時間を十分に取れていないと感じることはないでしょうか。
「集団越境」は、1人では難しい組織づくりを、社内の仲間や他社の実践者と共に進めていく活動です。
同じ組織からチームで社外に出て、他社の実践者と学び、対話しながら、自社の課題に向き合い続ける。個人の学びで終わらせず、チームや組織の動きへとつなげていくことを目指しています。
今回は、集団越境の体験会をアトラエオフィスにて開催しました。
体験会では、チームや組織のありたい姿をアートで表現し、他社の実践者との対話を通じて、「自分たちのチームをどうつくっていくか」を見つめ直しました。
会社の枠を越えて集まった参加者が、語り、描き、笑い合う。会場には、いつものセミナーや勉強会とは少し違う熱量が生まれていました。
この記事では、当日の様子をレポートします。

「Wevoxはみなさんのチームメイトです」から始まった体験会
今回の体験会は、同じ会社から2名以上で参加いただく形で実施しました。
1人で刺激を受けて帰っても、日常に戻ると忙しさに流されてしまう。良い話を聞いても、社内でどう広げれば良いかわからない。そんな難しさが、組織づくりにはあります。
だからこそ、最初から仲間と参加する。同じ景色を見て、同じ体験をして、同じ言葉を持ち帰る。その場で生まれた熱を、1人のものにせず、チームのものにしていく。
体験会は、そのための入り口として設計されていました。
開場直後から、会場には自然な会話が生まれていました。
「今日は何をするんですかね」
「よろしくお願いします」
隣に同じ会社の仲間がいるからか、会場の空気はすぐに温まっていきます。

人数が揃ったところで、イベントがスタート。まずは、ファシリテーションを務めたWevoxチームの川上から、この場に込めた想いを共有しました。
「Wevoxはみなさんのチームメイトです」
「共にワクワクし、共にもがき、共に次の一歩を踏み出しましょう」
この日の体験会は、Wevoxが一方的に何かを教える場ではありません。運営側、参加者側と分けるのではなく、同じチームメイトとして、最高のチームを一緒につくるための時間です。
実際に、Wevoxチームからも10名ほどが参加。参加者のみなさんと同じテーブルに入り、同じように対話を重ねました。

体を動かし、感覚をひらくチェックイン
続いて登壇いただいたのは、日本ペイントグループの細山田 隼人さん。参加者からは「ほっそん」の愛称で親しまれている、場づくりの専門家です。川上と共にこの集団越境を企画した1人でもあります。
最初のチェックインは、「本日の気分は?」という問い。
ただ言葉で答えるのではなく、グッド、ニュートラル、バッドを体で表現します。参加者は周りの様子を見ながら、自分の状態を身体で示していきます。
誰かのポーズを見て笑いが起きる。隣の人と目が合って、自然と表情が緩む。
少しずつ、頭だけで考えるモードから、心と身体も使ってこの場に入っていくモードへと切り替わっていくようでした。
その後、細山田さんから共有されたグランドルールは3つです。
・ありのままに発言し、違う視点を楽しむ
・拍手で称賛する
・一座建立
「一座建立」とは、茶の湯において、亭主ともてなされる客が一体となり、より良い場になるように心を尽くすこと。
運営が場をつくるのではなく、参加者一人ひとりがこの場をつくっていく。そんな前提が、自然と共有されていきました。

アートには答えがない。だからこそ、対話が生まれる
最初のアイスブレイクでは、対話型鑑賞を行いました。
参加者に投げかけられたのは、2つのアート作品を見比べる問いです。
どちらが気になるか。
何を感じるか。
なぜそう思うのか。

ここで大切にされたのは、正解を探すことではありません。
アートには答えがない。観る人の自由がある。そして、作り手には意図がある。
この前提のもとで、参加者は自分の感じたことを言葉にしていきます。
「なんとなく、こっちの方が落ち着く感じがします」
「この線の動きが、今の自分の気分に近いかもしれません」
「うまく説明できないけど、こっちが気になります」
普段の仕事では、論理的に説明できることが重視されがちです。しかし、組織の中で起きているモヤモヤや違和感は、最初からきれいな言葉になっているとは限りません。
右脳を使うこと。
言葉にならない言葉も表現してみること。
共感と対話を往来すること。
このアイスブレイクは、後半のメインワークに向けた大事な準備運動になっていました。

チームの問題を書き出し、「最高の状態」を絵にする
いよいよメインワークへ。
まず、この日のゴールを全員で確認しました。
目指すのは、チームや組織のVISIONをつくること。
そして、対話を通じて抽象と具体を行き来しながら、課題を認識し、次のアクションを考えることです。
単にアートを描いて終わるのではなく、自分たちの現状とありたい姿を見つめ、次の一歩につなげていく。
そんな時間として、ワークが始まりました。
最初の問いは、「チームや組織のVISIONはありますか?」でした。
VISIONとは、個人や組織が将来や目標に向かって進む際の地図のようなもの。
自分たちがどこに向かいたいのかが見えると、現状とのギャップも見えやすくなります。
まず参加者は、自分たちのチームや組織が抱える問題を書き出しました。
「部門を越えたコミュニケーションが少ない」
「推進者だけが頑張っている状態になっている」
「スコアは見ているが、次の行動につながりきっていない」
そんなリアルな悩みが、各テーブルで共有されていきます。
同じ「組織づくり」というテーマでも、立場によって見えている景色は少しずつ異なります。だからこそ、役割の垣根を越えて対話することに意味があります。
その上で取り組んだのが、「一番期待したい最高の状態」をチームで表現するワークです。
使うのは、日本ペイントの水性塗料や、色紙・はさみなどの道具。言葉だけでなく、色や形を使って、自分たちのVISIONを1枚のアートにしていきます。

進め方には、チームごとの個性がはっきりと出ていました。
まずじっくり話し合ってから描き始めるチーム。とりあえず手を動かしながら考えるチーム。「これって何色だろう?」と問いを重ねるチーム。「この部分、もっと大きくしたい」と夢中で塗り広げるチーム。
大人がこんなに真剣に、子どものように絵を描く時間は、日常の仕事ではなかなかありません。
道具が限られていたこともあり、自然と他のチームとのやりとりも生まれます。
「その色、貸してもらっていいですか?」
「この紙、使ってもいいですか?」
「ちょっとここ、手伝ってもらえませんか?」
気づけば、会社やチームの境界を越えて、会場全体がひとつの制作現場のようになっていました。

他社の視点が、自分たちのVISIONを照らしてくれる
完成したVISIONアートは、会場の壁や椅子の上、地面の上など至る所に貼り出されました。
次に行ったのは、「VISIONアート鑑賞」です。
各チームが鑑賞役と説明役に分かれ、他社のチームが描いたアートを見ながら、自由に解釈していきます。
「この中心にある丸は、全員が集まる場所のように見えました」
「外側に広がっている線が、社内から社外へ広がっていく動きに見えます」
「この色の重なりに、葛藤と希望の両方を感じました」
鑑賞する側は、作り手の意図を聞く前に、まず自分たちなりに感じたことを伝えます。

すると、説明役の参加者からは、驚きや笑いがこぼれます。
「そこまで読み取ってもらえると思わなかったです」
「実は、まさにその感じを表現したくて」
「自分たちでは気づいていなかったけど、そう見えるんですね」
他社の視点が入ることで、自分たちのVISIONが外側から照らされていく。自分たちだけでは言葉にできなかった価値観や願いが、他者の言葉によって浮かび上がっていく。
これこそが、越境の面白さなのかもしれません。
価値観を選び、アートを通じて対話する
続いて、描いたVISIONアートに合う価値観を選ぶワークへ。
参加者は、自分たちのVISIONアートに合うと感じた価値観を1人1つずつ選び、その理由をチーム内で対話しました。
「この絵には、挑戦という言葉が合うと思いました」
「私は、安心があるからこそ広がっていく感じがしました」
「自分は、チームワークという言葉を選びたいです」
同じ絵を見ていても、選ぶ価値観は人によって異なります。しかし、その違いこそが対話のきっかけになります。
普段一緒に働いているメンバーでも、どんな言葉に反応するのか、何を大切にしているのかを改めて聞く機会は多くありません。
アートを挟むことで、いつもより少し素直に、いつもより少し深く、お互いの内側に触れる会話が生まれていました。

参加者からも、こんな声が聞かれました。
「同じ会社のメンバーの知らない面を知ることができました」
「他社の方との会話も、作品を通じて始まるので、緊張することなくスムーズにできました」
アートがあることで、いきなり自分の考えを話すのではなく、作品を起点に会話が始まる。その安心感が、普段とは違う対話を生み出していたようです。
組織づくりの主語が、「誰か」から「自分たち」へ変わっていく
印象的だったのは、参加者のみなさんが、いつの間にか「受け手」ではなく「作り手」になっていたことです。
最初は少し様子を見ていた人も、絵を描き始めると前のめりになっていく。 他社の作品に解釈を伝える。 別のチームに道具を借りに行く。 応援メッセージを書き、相手のチームの未来に言葉を渡す。
そこには、「運営が用意した場に参加している」というよりも、「この場を自分たちでつくっている」という感覚がありました。
この日のハイライトは、完成したアートが会場のあちこちに並び、参加者のみなさんがその周りで生き生きと話していた時間でした。
壁に貼られた色鮮やかなVISIONアート。 その前で、前のめりに話を聞く人。 他社のアートに応援メッセージを書く人。 自分たちの作品を少し照れながら説明する人。 「これ、社内に持ち帰って話したいですね」と笑う人。
ただのイベント参加者ではなく、一人ひとりがこの場の作り手になっている。そんな光景が広がっていました。
組織づくりの主語が、「誰かがやってくれる」から「自分たちでつくる」へと変わっていく。その小さな兆しが、会場のあちこちに生まれていたように感じます。

参加者の声
体験会後には、多くの感想が寄せられました。
「ビジョンを絵にする作業で、こんなに一体感が生まれるとは思いませんでした」
「組織課題に対してノウハウに頼るのではなく、自分たちで問いを立て、実践していく重要性についても改めて考える機会となりました」
「参加メンバーとのコミュニケーション、個人の思考のどちらかに終始するワークが多い中、両者を満たす素敵な構造になっていると感じました」
一方で、今回の体験会を通じて、今後さらに深めていきたいポイントも見えてきました。
「この体験を、社内にどう説明していけばよいのか」
「ここで生まれた熱量を、どう社内に広げていけるのか」
「ビジョンだけでなく、課題やギャップについてもさらに話してみたい」
体験会で熱が生まれることは、大切な第一歩です。
一方で、その熱を日常に持ち帰り、近くの仲間に広げ、小さな行動につなげていくことまで設計していく必要があります。
今回いただいた声は、集団越境をより実践につながる場へ磨いていくための、大切な示唆だと受け止めています。
今後は、社内への共有のしやすさ、熱量の広げ方、ビジョンと現状のギャップから具体的な行動につなげる設計を、さらに強化していきます。

集団越境だからこそ得られるもの
集団越境の価値は、ただ他社の実践者と出会うことだけではありません。
大切なのは、社内の仲間と一緒に越境し、その体験を自社に持ち帰れることです。
1人で外に出て刺激を受けても、日常に戻る中で、その熱をどう社内に広げればよいか迷うことはないでしょうか。
良い学びがあったからこそ、誰にどう伝え、どう次の行動につなげるかを、1人で抱えてしまうこともあるかもしれません。
集団越境の体験会では、同じ会社の仲間と問いに向き合い、同じアートを描き、他社からの解釈や応援を一緒に受け取ります。
だからこそ、体験後に社内で話し始めるための起点が生まれます。
「あのとき描いた状態に近づくには、何が必要だろう」
「自分たちのチームで、まず何から始められるだろう」
「次は誰を巻き込めるだろう」
このような問いを、1人ではなく仲間と持ち帰れること。
それが、集団越境ならではの価値です。
もちろん、体験会だけで組織が一気に変わるわけではありません。
だからこそ集団越境では、越境して終わりではなく、自社に戻ってからの実践と対話を重ねていきます。
外で得た刺激を、社内の対話や小さな行動に変えていく。
「私がやる」から「私たちでつくる」へ。
その主語の変化を後押しすることこそが、集団越境の価値です。

集団越境の体験会は定期開催中です
「自分のチームをもっと良くしたい」
「でも、1人で動かすには限界がある」
「同じ想いを持つ仲間を見つけたい」
「現場から組織を変えるきっかけをつくりたい」
「他社の実践者と話しながら、自分たちの次の一歩を考えたい」
そんな思いを持つ方は、ぜひ体験会にご参加ください。
体験会は、2名から参加できます。
まずは近くにいる、「この人となら、チームを良くする話ができそう」と思える1人を誘ってみてください。
集団越境体験会の詳細はこちら。
https://www2.wevox.io/forms/CROSS-BOUNDARY-LEARNING-LAB
企画・運営を担当する川上より
以上、体験会の様子をお届けさせていただきました!いかがでしたでしょうか...?
誰か"が"動くのではなく、誰か"と"動く。我々は、一人でも多くの仲間と組織づくりの難しさや面白さを共にできるようなキッカケをつくり続けていきます。
業務の時間を少し離れて、他社の想いある人たちに刺激をもらいつつ、自分たちの組織の可能性について想いを馳せるビジョンペインティング。想いを持っているのは、きっとあなた一人だけではありません。
「チームビルディングのきっかけ」「組織×アートって、ちょっと面白そう」という気持ちで構いません。ぜひまずは体験会にお越しください。








