
自己理解と相互理解が深まる“演劇的プロセスワークショップ”を体験しよう!【Engagement Run!Academy交流会レポート】
2024年11月19日(火)、アトラエオフィスにてEngagement Run!Academyの交流会が開催されました。今回の交流会では、Engagement Run!Academyメンバーであり、東宝株式会社の角倉さんが、大学で演劇学を専攻されたご自身の強みを活かして、演劇や演技にゆかりのない会社でも実施可能な「演技や身体表現を必要としない演劇“的”なワークショップ」を実施してくださいましたので、その様子をEngagement Run!Academy講師の三浦がレポートさせていただきます。
エンゲージメント活動の原動力となる主体性と共同体感覚は、それぞれ、自己理解と相互理解によって育むことができますが、今回は、演劇創作のプロセスを借り、相互・自己理解を深めることのできるワークショップということで、冒頭の角倉さんの「演劇的とは何か?」というお話から、皆さん興味津々なご様子です。

演劇と聞くと、演技をしたり身体表現をするもの、というイメージが先行しますが、演劇を作るプロセスの中には、【読解】があります。
台本のト書き(台本に書かれた、セリフ以外の登場人物の動作や行動、心情などを指示した文章)やセリフの解釈や、登場人物の心情を想像し、その共有を行うことは、「なぜ【私自身】はそう感じたのか」、つまり、自分の感じ方・考え方・その背景・理由を開示することになり、このプロセスが、自己理解と相互理解を深めることに繋がります。
このように演劇のプロセスを借りることを、ここでは【演劇的】と呼び、いよいよワークに入っていきます。
アイスブレイク後に配られた一枚のシートには、ある会社に勤めるAさんとBさんという2人の方の仕事や人柄に関するト書きと、どの会社でも起こりそうな出来事についてのAさんとBさんの短い会話の台本が書いてあり、最後のBさんのセリフが空欄になっています。
そして、角倉さんより以下の問いが発表されました。
①このときBさんは何と言ったか考えましょう。
②なぜあなたは①のように考えましたか?
ここから、10分間の個人ワークの時間です。

私自身(三浦)もこのワークショップを参加者として体験しましたが、この個人ワークの時間、はじめのうちは、学生の頃の国語のテストの穴埋め問題を考えるように論理的に正解を探そうとしていました。
しかし、この台本のト書きやセリフは、意図的に情報量が絞られており、また、いかようにも解釈できる情報もあることから、良い意味で論理的に詰めきれない余白があります。
そのため、頭の中で場面を想像してみたり、自分が登場人物になりきってみて、その時にどんな感情になりそうか、などを想像したりしているうちに、徐々に自分の世界に入っていくような感覚になり、「10分経ちました。」のアナウンスにハッと現実に引き戻されるような気持ちになったことを覚えています。

個人ワークの後は、それぞれの導き出した回答と、その回答に至るまでのプロセスをチームで共有し合いました。そして、短い台本にも関わらず、個々の回答や着眼点が全く異なることに驚き、お互いの共有に聴き入ります。

途中、角倉さんより、この台本に隠された自己理解、相互理解を深めるためのヒントもアナウンスされ、お互いの回答に至るまでのプロセスを共有し合うことで、自分の中にある他者とは異なる視点や無意識の思い込み(アンコンシャスバイアス)に気が付いていき、皆さんのお互いの世界を知るための質問は白熱していきました。


最後に、チームで1人ずつ、ワークショップを体験してみての振り返りを共有してくださいました。初対面同士の方もいらっしゃる中で、演劇の台本の読解というプロセスを通して、お互いの視点やバイアス、価値観などを共有した後の皆さんの表情は、活き活きとしており、まさに主体性と共同体感覚を感じる時間でした。


参加いただいた方のアンケートをご紹介したいと思います。今回のワークショップをご自身の組織でどのように活用していきたいか、というアイディアに溢れており、今後の展開も楽しみです!
【参加者アンケート①】
演劇とはあまり縁のない生活をしていたので、1つのセリフをどのように表現するかが、人によって全く異なるというのは考えたことがありませんでした。
グループワークでは様々な新しい視点が出てきて、面白かったです。
なぜそう思ったのかを深堀することで、自己理解・相互理解につながると感じました。
ぜひ社内でもやってみたいと思います。
【参加者アンケート②】
相互理解を深めるためのワークとして大変参考になりました。
(台本の役である)「Bさん」ならどう声をかけるのかというワークは、「自分ならどうするか」というケーススタディと比べて自分の意見を述べやすいと感じました。実際今回初めて交流会に参加させていただいたのですが、何度も参加されている方ともあまり気後れせずに考えを共有することができました。ベテラン社員と新入社員など遠慮が生まれてしまう間柄でのワークに最適だと思いましたので是非取り入れてみたいと思います。
【参加者アンケート③】
演劇的手法を用いることによって、前提の違いを理解する助けになることが理解できた。特に、自己開示が難しい(恥ずかしいもそう、自分を理解できていないもそう)人がやる手法として適切と考えた。本手法の素晴らしいポイントは、二重の対話が同時にできていること。他者を通して自分を見るということと、他の参加者の見え方を通して自分を見るということ。
【参加者アンケート④】
・エンゲージメント、コミュニケーション活性や関係づくりの基盤となる相互理解を図るには、どのような手段が有効かを模索していた中で参加させていただいた体験会
・同じ事象(ストーリー)を前にしたときの、一人ひとりの認知、フィルターの違いを楽しめるワーク
・相互理解の観点からは、その人の価値観や人となりというよりも、思考や視点の違いを認識し合うものとの印象。グループワークでも意見があったが、一定の条件提示(自分がAさんだったら、Bさんだったら、俯瞰してみたら、過去にこんなときどうだったか等)を先にすることで、相手の理解促進にはつながりそうにも感じた。(但し、視点のバラエティの楽しさは減ってしまいそう)
【参加者アンケート⑤】
個人で取り組むと
・かかっているバイアス
・思考のクセ
・ヒトマネジメントの対応力
が見られるお題だったと感じました。
チームで取り組むと、上記に加え
・相互理解と、取り入れたい思想や目線の発見
・認知・認識の違いを改めて理解
など感じられると思います。
今回のお題だと、マネージャー同士で実施してもいいし、メンバーを含んで実施すると、メンバーが言ってほしい声掛けなどの発見にも繋がりそうです。メンバー側のセリフVer.のシナリオもあるとまた別の発見もできそうです。
【参加者アンケート⑥】
着眼点や価値観の違いを体感できることで自分が他人に無意識に作ってしまっているバイアスに気が付くきっかけになると思いました。今回のワークの中身を弊社風に変えて管理者向け研修で実施したいと考えております。他者との価値観の違いを認めることなく無意識に相手の考えを蔑ろにしてしまう場合が多く、それを明確にできるワークを考えていたところ今回のワークを体験することができました。たいへん学びになりました。ありがとうございました。
【参加者アンケート⑦】
人による捉え方の違いやバイアスを知りながら、その人その人の優しさも感じるワークとなりました。また、自分のセリフの共有の後に「こうだったらどうだろう?」という仮説や新しい気づき、意外な設定、無茶な設定を話すことは単純に楽しく、その中での相互理解もあるような気がしました。ものがたりを自分の会社に近づけたり、離したりすることでも見えてくるものが違ってくると思ったり、先輩・後輩(もしくは上司部下)の設定で穴あきセリフを2名分つくり、それぞれの立場で考えてみるのも面白いかもしれないと社内のメンバーと話しておりました。
ワーク終了後には、恒例のWevoxのWポーズで集合写真撮影!その後は、交流会タイムに移り、お互いの活動の共有や悩み相談など、熱いトークを繰り広げておりました。
改めて、今回ご参加いただいた皆様、そして、素晴らしいワークショップを実施してくださった角倉さん、有り難うございました!

今後も様々なイベントを企画してまいりますので、ぜひ皆様のご参加お待ちしております!Engagement Run!Academyメンバーも募集中ですので、ご興味のある方はこちらのページをご参照ください!
執筆:三浦 一平(Engagement Run!Academy講師)







