
共創から生まれる“わくわく”──ヤマハ株式会社発、企業の壁を越えた学びのフェス「WAKU WAKU BEE フェス」開催レポート
“わくわく”は、組織の内と外をつなぐエネルギー。
2025年9月19日、浜松・ヤマハ本社にて、「WAKU WAKU BEE フェス」が開催されました。
ヤマハ株式会社、東宝株式会社、日本ペイントホールディングス、JA愛知信連、そして弊社株式会社アトラエが主催する共催イベントです。
それぞれが「職場をもっと良くしたい」という想いをもとに、社内コミュニティを運営している企業同士をつないでいくイベントとなりました。
この日は、業界も立場も越えて、“わくわく”をキーワードに学び合う特別な一日。
アトラエからはWevoxカスタマーサクセスの魚住と吉原で参加させていただきました。
午前:アーティストの演奏を保存し、再現する― 技術と情熱の共鳴
午前中は、ヤマハの企業ミュージアム「イノベーションロード」の見学からスタート。
創業からの歩みとともに、音・ものづくり・人づくりが一体となったヤマハの歴史を体感しました。
なかでも印象に残ったのは、「ライブの真空パック」をコンセプトに開発されたReal Sound Viewingの展示。
鍵盤が滑らかに動き、アーティストの演奏をそのまま保存・再現していく様子は、
単なるテクノロジーの進化ではなく、“人の想いがかたちを変えて受け継がれていく”瞬間でした。

これらの新しい技術も、最初は一人の「こんな音を届けたい」という想いから始まり、
仲間を巻き込み、やがて文化として定着していくーー。その構造はまさに、午後のセッションで語られる、「社内コミュニティ」や「共創」のあり方と同じだと感じました。
変化はいつも、誰か一人の熱量から始まり、伝染していく。
ヤマハの原点が、そのことを静かに語っているようでした。
見学後のオープニングセッションでは、JA愛知信連、日本ペイント、東宝、アトラエなど9社が2分ずつ取り組みを紹介。
「一人の想いが組織を動かす」という共通のテーマが、自然と浮かび上がってきたように思います。

午後①:3社の社内コミュニティ紹介 ― “内側から変わる組織”のリアル
午後の前半では、ヤマハ、JA愛知信連、日本ペイントの3社がそれぞれのコミュニティ活動を紹介しました。
どの取り組みも、仕組みやルール作りではなく「人のつながり」を基盤とした変化を生む取り組みです。
◻ヤマハ「WAKU WAKU BEE」
ヤマハのWAKU WAKU BEEは、「もっと職場や関係性を良くしたい」という想いをもつ社員が集う共創コミュニティとして発足。まさに、このイベントがその第一歩となりました。
役職や部署を越え、会社をもっとワクワクしたものに、自分たちの手で良くしていきたいという有志の方々の集まりにより発足しました。
同じ会社の中でも事業・部署の垣根を超えた対話を生んでいく一歩に賛同し、またこのイベントにも多くの現場の皆さんが参加をされていました。
新しい技術が“人の熱”によって発明されるように、組織文化もまた、“感性と関係性”の積み重ねから進化していく。
社内コミュニティ立ち上げへの思いが主催の坂本さんから語られ、そして賛同者がどんどん集まっていく様子を目の当たりにさせていただきました。
ヤマハのものづくりに通じる、共鳴から生まれる一人ひとりの熱量がそこにあったように思います。

◻JA愛知信連「アイデア育て隊」
JA愛知信連の社内取り組みの紹介パートでは、「アイデア育て隊」という、職員が自らアイデアを出し合い、自分たちの働きやすさを自分たちでつくる活動をご紹介いただきました。
“お仕事参観日”や“ノウカサバイバー”など、思わず参加したくなる企画が並びます。
重要なのは、アイデアの数よりも、「誰かの発想が、別の誰かの行動を引き出す」という連鎖。
現場の声から始まった小さな動きが、組織全体に影響を与え、
“ボトムアップで文化をつくる”という新しい流れを生み出していたように思います。「自分たちもやってみたい」という現場での取り組みに参加者の多くがメモを取っていたのが印象的でした。

◻日本ペイント「EFE(Engagement for Employee)」
日本ペイントグループでは、社員有志が立ち上げた「EFE」の活動をご紹介いただきました。
“従業員の、従業員による、従業員のための”エンゲージメント向上活動として、
現場の一人ひとりが「自分たちの会社を良くする」という責任と誇りを持って動いています。
社内外とのコラボレーションも活発で、まさに越境が文化を育てる好例には参加者の方々も話に夢中に。組織を超えて学び合うことが、結果的に自社のアイデンティティを育てていく、その循環を感じました。

各社のピッチを終えてからのコーヒーブレイクでは、ヤマハの「コーヒー同好会」とのコラボでの開催。コーヒーレシピを片手に、淹れたての香りが会場を包み込み、 その香りとともに、会場には穏やかな対話の輪が広がっていました。
社内での、こういった活動が 「ほっと一息」つく場所として安全基地となり、またつながりを生み、偶然の対話からも学び合えるのだと改めて感じました。

午後②:東宝×アトラエ「演劇的プロセスワークショップ」 ― 対話が生む、理解と変化の螺旋
午後の後半は、東宝株式会社の角倉さんと弊社の魚住による「演劇的プロセスワークショップ」を実施。
これは角倉さんが独自に企画されたもので、演劇創作の手法を応用し、登場人物のせりふを通じて“他者の立場”を想像するワークです。
「自分がこの場面のBさんだったら、何と言葉をかけるだろう?」
という問いに向き合ううち、いつの間にか自分の価値観や思考の癖と対話している――そんな体験ができました。

弊社の魚住による振り返りでは、
自己理解 → 相互理解 → 対話 → 心理的安全性 → 学びの循環
という“学びの螺旋階段”の概念が共有されました。今回の斬新な切り口のワークショップをグループワークを通して振り返り、「学び」に循環を起こしていく感覚を体感した参加者の皆さん。中には、「こんな感覚もあったのか」と新鮮さを感じられている方もいらっしゃったのが印象的でした。
演劇のように、正解のない問いに向き合う時間。 それは、ヤマハの「Real Sound Viewing」の演奏で感じた「見えない共鳴」にも似ていました。
技術も人も、共鳴のプロセスの中でしか本当の創造は生まれない――
そんな確信が、場全体を包んでいました。

そして夜の懇親会へ ― 越境から始まる、共創の輪
懇親会では、業界や役職を越えた対話が自然と広がり、
「次は自社でやってみたい」「一緒に新しい取り組みを企画しよう」など、前向きな声が飛び交いました。
このフェスで感じたのは、越境とは知識の交換ではなく、エネルギーの共鳴だということ。
人の情熱に触れ、自分の中のわくわくが再び灯る――その循環が、組織の垣根を超えて起きていました。

おわりに:個の熱が組織を動かし、文化を育てる
今回のフェスを通して改めて感じたのは、
社内コミュニティは「組織文化の根」を耕す存在であり、
他社との越境はその根に新しい養分を与える行為であるということです。
どんなにテクノロジーが進化しても、変化を生むのは「人の情熱」です。
そして、その情熱は組織という土壌の中で、静かに、しかし確実に伝染していきます。
エンゲージメント向上も数字や施策ではなく、 “熱が伝わる構造”をいかにデザインできるか。会社を超えた参加者同士のつながりや、ワークショップの体験を通して、その価値を改めて感じました。
ー組織の変化は、誰かの情熱から始まり、 対話と越境を通じて、文化へと育っていく。
そのプロセスを体感したこのフェスは、 まさに「わくわく」という言葉の本質を示していたように思います。また、Academyを通じて広がった輪が、またそれぞれの組織やチームに生かされていく、そんな循環が起きた1日でした。
執筆:吉原 麻衣(株式会社アトラエ/Wevox カスタマーサクセス)







