経営レポートでトップ層のエンゲージメント理解を深め、組織の意識変革を促進

経営レポートでトップ層のエンゲージメント理解を深め、組織の意識変革を促進

株式会社アドバンテスト
寒竹 秀介氏
寒竹 秀介氏
株式会社アドバンテスト
ATEビジネスグループテクノロジー開発本部テクノロジー統括部第3開発部部長

1999年、株式会社アドバンテストに新卒入社。以降、半導体試験装置向けのLSIの開発に従事。入社当初はエンジニアとして、現在はマネージャーとして開発業務に携わっている。2013年から約4年半、ドイツのアドバンテストヨーロッパで勤務し、2020年2月より現職に至る。

全社をあげたエンゲージメント向上の取り組みを受けて部門独自にWevoxを導入、チーム単位での職場改善活動に取り組んでいる株式会社アドバンテスト。活動段階に応じて、Wevoxが提供する様々な活用支援オプションを活用しています。活用状況とその効果について、推進チームのリーダーを務める寒竹さんに伺いました。

チーム内のコミュニケーションを活性化し、成果を上げていくために

―寒竹さんが所属されているATEビジネスグループは、2021年5月にWevoxを導入されました。まずはその経緯から教えてください。

弊社では、2018年に全世界でのエンゲージメントサーベイを実施し、それ以降、従業員のエンゲージメント向上を目的とした企業文化変革の取り組みを行っています。

取り組みを始めた当初、ATEビジネスグループの中のテクノロジー開発本部のメンバー全員を対象に組織の現状について議論する場を設けたところ、マネージャーの意識や役割、社内のコミュニケーションや雰囲気の改善などに関する意見や提案が多く集まりました。そして、普段の業務と離れた自分たちのチームの話や職場環境などについて、チームで対話していくことがとても大事だということが分かり、継続的な活動を促すために2020年にエンゲージメント改善チームをグループ内に立ち上げたのです。

その後、サーベイツールの導入を検討し、採用したのがWevoxでした。Wevoxにしたのは、我々の活動を「やらされ感」なく、自主的に参加できるものにするために、スモールスタートから徐々に広げていく必要があったからです。最低利用人数や利用期間の制約が全くないWevoxは、この方針に合っていました。

―導入から1年半程度経過しましたが、どのような活動をされてきましたか?

まず、エンゲージメント改善チームに新規メンバーを加えた計8名を活動推進チームと改め、私がリーダーに就きました。

そして、3カ月に1回サーベイを行い、毎回、結果をもとにチーム内でフィードバックミーティングを行うといった活動のサイクルを全マネージャーに説明した上で、手挙げ制でサーベイを実施するチームを募りました。参加意欲を示したチームのメンバーには改めて推進チームから活動内容を説明し、最終的に合意があった22チーム170名での活動が2021年4月からスタートしました。参加率でいうと約25%です。その後、少しずつ参加チームが増えているのが現在です。

活動にはものすごく手応えを感じていて、経営レポートをまとめてくださっているWevoxの担当の方から「これだけ変化する組織はなかなかないですよ」と言っていただけるくらい、スコアの伸びが良好なチームが複数見られます。

スコアが伸びることだけがいいことではないことは理解していますが、純粋に、チームの中で議論して決めた活動がうまく進んだ結果がスコアに表れているチームがいくつか出てきているので、推進チームでは、良い活動ができているという確信を得ています。

半期に一度の振り返りと次の活動計画の立案に「経営レポート」を活用

―先ほどお話に挙がった「経営レポート」は、サーベイ結果をWevox独自のデータと知見から分析してレポートにまとめ、弊社から経営層の皆さまへ報告する活用支援オプションです。こちらのオプションを導入した理由を教えてください。

半期に一度、活動推進チームで振り返りをし、次の行動計画を役員や本部長に報告する機会を設けています。その報告の際のレポート資料の作成のためにお願いしています。

経営層に報告する機会を設けているのは、私たち自身が定期的に活動を振り返り、次の活動を考える機会を持つことと、経営層に取り組みや現状を知ってもらい、雰囲気づくりなど何かしらのサポートをしてもらいたいという考えからです。

活動推進チームのメンバーは皆、本業があり、本活動は兼任で行っているため、サーベイ結果を見やすく整理したり分析したりする時間が十分に取れないのが悩みです。だからこそ、経営レポートはWevoxを始めたときから利用しようと思っていました。過去2回お願いして、今3回目を頼んでいるところですが、自分たち以外の視点で整理・説明していただけるのはすごくありがたいですね。

―具体的にどのような点に良さを感じていらっしゃいますか?

単に「お願いします」「はい分かりました」ではなく、Wevoxの担当の方と打ち合わせをして、何に重点を置いて分析するのか?どの時期とどの時期を比較するのか?など分析の切り口について提案を受け、自社の状況に合ったカスタマイズをしてもらえるのがいいですね。

例えば、直近の半期はコア・バリューや経営計画・方針を社員に理解してもらえるように活動してきたので、今お願いしている3回目の経営レポートでは、「会社の方針や事業戦略への納得感」「経営陣に対する信頼」など「理念戦略」の項目に着目した分析を入れていただけるようにお願いしています。

また、経営層への報告会で担当の方から直接説明いただけることも代えがたいものだと感じています。例えば、半年間でスコアが2点上がったとしたら「それってどういうこと?」という質問が必ず出てきます。そこで、第三者の立場で、かつ、多様なデータに関する専門知識を持ったWevoxメンバーに説明していただけると、我々が説明するよりも説得力が出るんですよね。そこにすごく価値を感じています。

―経営層の方々の反応はいかがでしょうか?

ATEビジネスグループには3つの本部がありますが、経営レポートを見て、本部長自ら本部集会でサーベイ結果について言及してくれたり、活動を後押しする発言をしてくれたりしている本部があります。また、半期ないし1年に一度行っている本部ごとの方針説明会でエンゲージメント活動を取り上げてくれている本部もあります。

報告会を行うことで何かしらメッセージが伝わっていることは感じますね。

―活動推進チームの皆さんは、経営レポートをどのように活用されていますか?

ケアが必要なチームを見極める際や、企画を検討する際の情報源として活用しています。

前者については、経営レポートでチームごとの細かいスコアやその推移などを一覧で出していただくことで、リーダーとコミュニケーションを取った方が良さそうなチームなどの気づきを得ています。

後者については、事例共有会を実施する際に事例として紹介できそうな特色のあるチームを探す際の参考にしています。普段のサーベイ結果を1つずつ見ていくよりは、経営レポートのように整理されたものがある方が探しやすくて助かっています。

活動段階に応じて生じる課題をオンライン研修「トレーニング」でフォロー

―エンゲージメント向上の最新ノウハウを取り入れたセミナーやワークショップを、オンライン研修にて提供する活用支援オプション「トレーニング」もご活用くださいました。セミナーを複数回実施されていますが、それぞれどのような目的・内容だったのでしょうか?

トレーニングは、活動立ち上げ前後からの半年間で3回お願いしました。1回目は、「エンゲージメントとは何か?」ということについて理解を深めるために、初回サーベイのタイミングで参加チーム全員を対象に実施。2回目は、マネージャーを対象に、チームでのフィードバックミーティング時にマネージャーが果たすべき役割をレクチャーしていただきました。

活動に参加したチームは、最初はマネージャーのみにスコアの閲覧権限を与えるため(追って、希望に応じてメンバーにも付与する場合も)、メンバーへのスコアの共有やフィードバックミーティングのリードは、マネージャーが行います。そこで、どのような心持ちやアプローチでミーティングを進めると良いのかを伝えていただきました。参加者からは、疑問や不安を解消できて良かったという声をもらっています。

3回目は、2回目のサーベイの後くらいに、全員を対象にスコアの読み取り方をレクチャーしていただきました。このように、最初の半年間は活動の土台づくりとして必要なこととして実施していただきました。

―その後もセミナーは実施されましたか?

サーベイ開始から1年弱経った、4回目のサーベイ実施前に、全員を対象に4回目のセミナーを行いました。このときは、改めて基本に立ち返り、コミュニケーションや対話において気をつける点を話していただきました。

というのは、活動を進めていく中で、うまく回っているチームもあれば、なかなかメンバーから取り組み案などが出てこずリーダーが悩んでいるチームもあるなど、チームごとに状況が異なってきました。また、新規に参加するチームもちらほら出てきていたので、新規参加チームや苦戦しているチームの参考になるように、また、うまくいっているチームはさらにうまく進めていくきっかけになるようにという考えからこの内容でお願いしました。

―これまでのセミナーを通じて、「トレーニング」というサービスの良さをどのように感じていらっしゃいますか?

何より、単発の研修とは異なり、当社の活動に繋がる形で話していただける点に価値を感じています。とくに、3回目に実施したスコアの読み取り方のセミナーはその典型例です。講師の方が、Wevoxのスコアを見ながらフィードバックミーティングをするという我々の活動に即して「皆さんこういうことはありませんでしたか?」「コミュニケーションをとるときに、こんなふうに困ったことありませんか?」などと話してくださるので、実感や共感を伴うのです。そして、その実感や共感を踏まえて「今後の活動をどうするか?」と考えることができる。そこが実践的で、単発のエンゲージメント研修やコミュニケーション研修とは異なる点だと思います。

Engagement Run!で得た知見を社内に還元

―エンゲージメントの知識や組織開発理論を体系的な学ぶオンラインアカデミー「Engagement Run!」にも複数名が参加していますね。

私を含めて希望者5名が、社内での活動推進スタートと同時にエンゲージメントについて学ぶために参加しました。この5人で不定期にミーティングの機会を設けてクラスの内容や学びについて情報交換しています。参加者を増やしたいという思いもずっと持っていますが、なかなか手を広げられていないのが現状です。他方で、参加者のうち1人のマネージャーがこのたび活動推進チームに加わることになったので、Engagement Run!で刺激を受けてくれたのだなとうれしく思います。

―「Engagement Run!」から得た学びや受講して良かったことなどを教えてください。

まずは、何といっても、エンゲージメントに関する様々な知識や情報を幅広い角度から得られることです。そして、クラスの内容は社内に持ち帰って展開することが奨励されていて、資料も社内限定で配布可能とオープンなところも魅力です。

例えば、「対話の質を高める『智慧の車座』を体験する」のコースでの悩みを解きほぐす体験がすごくよかったので、社内のEngagement Run!参加者で交流会という形で実践したところすごく好評で。「毎朝15分でできるエンゲージメント改善行動〜初級編〜」も、「おもしろいのでぜひやってみてください」と社内に共有したところ、「やってみたよ」という声を複数もらいました。

また、他社の参加者のみなさんと話すことで様々な気づきを得られるのも、得難い経験です。活動推進者として同じ立場で交流することで、刺激を受けるし勇気づけられて、不思議な連帯感や仲間意識を得ています。

あとは、講師として社内向けにセミナーを実施する際の進行の工夫などの参考にもなります。どうすれば1時間という枠の中で飽きられずに伝えられるかということのヒントをたくさんいただいています。

そして何より、エンゲージメントや組織開発についての自分自身の引き出しが増えました。受講を通じて、エンゲージメントの本質は変わらないけれど、切り口や見方、伝え方には様々なものがあることを知り、自分自身がほかの人に伝えるときに「この人にはどういう伝え方をすれば伝わるかな?」と考え、相手に応じた伝え方ができるようになったんです。「この人にはこういう伝え方をすると分かってもらえそう」という思考が自然と身について、それを支えるストックが溜まってきました。

【YouTube】エンゲージメントを体系的に学べる!「Engagement Run!」クラスの紹介

―ありがとうございます。最後に、今後の組織づくりの展望についてお聞かせください。

まずは、今のチームという単位で、1人ひとりが他者との違いを乗り越えるコミュニケーションや対話の仕方、思考を身につけることを続けていきます。それを土台に、次は社内にある組織間の壁を取り払って協働し、成果を上げられる組織になっていければと思います。

組織間の壁というものはどうしてもあります。それは、1人ひとりが対話する姿勢を持ち、相手の視点や立場に立って考えることができなければ、なかなか取り除けないと感じています。1人でも多くの社員が対話する姿勢を持ち、チーム単位から開発部門全体、そして他部門も含めたより広い範囲、さらには会社全体と広がっていけば、壁が取り払われて、1つのいいチームになるはずです。そして、最終的には業務の成果に結びつく。これが今の私の大きな目標なんです。道のりは長いかとは思いますが、少しずつ広がりは増えているので、これからも活動推進チームのメンバー、そしてWevoxの皆さんの支援と共に頑張っていきたいですね。

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