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第一生命の部長が心がけるエンゲージメント向上の鍵はメンバーの「自分ごと化」

第一生命の部長が心がけるエンゲージメント向上の鍵はメンバーの「自分ごと化」

第一生命保険株式会社
山崎 浩 氏
山崎 浩 氏
第一生命保険株式会社
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主計部長

企業として目指すビジョン「安心の先にある幸せへ。」を実現するために、組織と個人の結びつきを高め、社員のポテンシャルを最大限に発揮することを重視し、2021年よりWevoxを活用したエンゲージメント活動に取り組んでいる第一生命保険株式会社。エンゲージメントをつくっていくのは経営や人事のみならず職場であるという考えのもと、職場主体の活動を実践しているのが本社主計部です。その取り組みと、部長としての関わり方について、主計部長を務める山崎さんに伺いました。

「人材育成」「組織風土」「業務遂行」を重視したエンゲージメント活動を推進

―2021年8月、御社にWevoxが導入されました。山崎さんは主計部の中でエンゲージメントをどのように位置づけられましたか?

個々人の目指す姿だけでなく、組織として、部として目指す姿をメンバーで共有し、そこに向かって取り組んでいくことがエンゲージメントの向上に繋がると考えています。そして、取り組みの何か1つだけがエンゲージメントに繋がるのではなく、あらゆるものが繋がっていると感じています。

そのあらゆるものが繋がっている中で、主計部として私が重視しているのが、人財育成・組織風土の2つの土台と業務遂行を一体的に取り組むことです。

主計部は、50名ほどのメンバーのうち半数以上が入社5年目以内の若手という、非常に若い組織です。だからこそ、組織の特徴をふまえた人財育成がまず大事であると考えています。そして、人財育成にあたっては、イキイキと働ける組織風土も大事だと考え、皆が意見を言いやすい環境になるよう取り組んでいます。

この人財育成と組織風土という2つの土台がしっかりとしていれば、業務遂行が円滑に遂行できます。人財育成と組織風土、そして、業務遂行の3つが一体的に結びつくことによって、個人のエンゲージメントも高まっていくと考えています。

―具体的には、どのような取り組みをされているのでしょうか?

毎月1回、進捗確認や好事例の共有などを行う主計部DSR委員会(Dai-ichi's Social Responsibility:第一生命グループの社会的責任)を2022年4月から設けています。委員会の中には「人財育成」「組織風土」「業務遂行」の3つのプロジェクトチーム(PT)を作り、課長をリーダーに置いて、部内で取り組むべきことを決めて進めています。もちろん、私はすべてのPTに参画します。

組織として継続的な取り組みを確実に実行していくには仕組み化しておく必要があると考え、この委員会を立ち上げました。しかし、PTや委員会を開催すればそれでいいわけではなく、結局は各課・各チームが自分ごと化して取り組むことが最も重要です。何か特段大きな施策や新しいことに取り組むということではなく、各課・各チームが普段の業務の中で、1for1やディスカッション、対話を繰り返すことで自然と湧き上がってくる取り組みを大事にしています。

―各課・チームから出てきた取り組みをいくつかご紹介いただけますか?

例えば、昨年度いい取り組みだなと思ったのが、あるチームで週3日、朝に30分の雑談の時間をとることをしていました。コロナ禍でテレワークになって対話や雑談の機会が減っていることから始めたそうで、チームミーティングや課のミーティングも含めると毎日何かしら雑談をするタイミングを作っていました。人間関係がうまくできていないと業務のパフォーマンスは上がりませんから、関係性の質の向上に繋がるよい取り組みだと思いました。

あとは、勉強会を行っているチームもあります。業務への暗黙知を形式知にするために取り組んでいるチームもあれば、業務の背景や今後に繋がるテーマを毎回1つ決めて「ナレッジシェアミーティング」と名づけた勉強会をしているチームもあります。商品開発やプライシングに関する本の輪読に取り組むチームもいますね。

また、お客さまと直に接する仕事ではないので、現場感覚で仕事をした方がいいと考え、カスタマーレターという形でお客さまからいただくフリーコメントを共有しているチームもありますね。

組織やチームとしてどうありたいのかをディスカッションし、そのためにできることを実践してもらっています。

あるべき姿を描き、目指した結果としてスコアを捉える

―Wevoxのスコアは、どのように見ていらっしゃいますか?

スコアを上げることが目的ではなく、組織や個人のあるべき姿を描き、それに向かって何ができるかを考え、行動していくことが何より大事。スコアはその結果として上がるといいよね、という考えで見ています。

というのは、長年、社内でES調査が行われてきた経験から、こういった調査はスコアを上げることが目的ではないし、スコアを目的にしても意欲が上がらないことを感じていました。従来、ES調査結果に対しては課題の解決や不満を解消する取り組みを行ってきました。Wevox導入時に受けた研修で、未来創造型のポジティブアプローチ、すなわち、理想とする状態や目標に達するために取り組むという考え方がとてもいいと思ったので、「どうありたいか」を目指した結果としてのスコアだと考えています。

ただ、スコアが変動している項目は、何かしら影響を与えた取り組みやきっかけがあるはずなので、要因はなんなのか、各課やチームで議論してほしいことを課長にお願いしています。僕も仮説は持ちつつ、「なんでだろうね?」「どういうことがあったんだろうね?」と各課長に尋ねています。

―例えば、どういう要因でスコアが変動しますか?

「これが要因だ」と言えるものはなかなかわからないですが、1つ紹介すると、人事異動が発表された直後に、それまで安定して高いスコアを保っていた課のスコアが急に下がったことがありました。各課長と要因を探ると、どうも人事異動の発表が影響しているのではないかと仮説が立ったんです。慕っていたり頼っていたりしていた先輩がいなくなることでも、メンバーの気持ちがすごく動くことがわかりました。じゃあそこにどのような支援が必要だろうか?という対話も各課長として、実践しています。

あとは、業務の繁閑も影響しやすいですね。決算業務など忙しい時期にサーベイを行うと、特に「健康」のスコアがすごく下がります。いずれも肌感覚でも想像はつきますが、スコアという形で定量化されることで裏づけがとれますし、気をつけないといけないサインにもなります。私はもちろん、課長も、メンバーの変化にきづくツールとしてWevoxを使っていこうと話しています。

部長の役割は、道筋をつけ、種をまいていくこと

―部長というお立場にいらっしゃる山崎さんは、ご自身の役割をどのように考えていらっしゃいますか?

メンバー一人ひとりが自分ごと化して行動できないと、エンゲージメントは高まりませんし、業務も回りません。そのための環境を整え、道筋をつけるのが私の役割だと思っています。一人ひとりが自走するようになると、正直僕も楽になるし(笑)、もともと潜在能力の高いメンバーが多いので、いかにモチベーションを高めてその潜在能力を引き出すかが大事だと思いますね。部長という立場上、言い過ぎない方がいいので、道筋をつけたり、ベクトル合わせをしながら、課長やチームリーダーの頑張りを見守っています。

ただ、Wevoxを導入してエンゲージメント向上に取り組むとなった際には、まずは会社のビジョンと主計部のビジョンとの繋がりをメンバーが腹落ちしないと、存在意義を感じづらくなるだろうと考えました。そのため、当社のミッション「一生涯のパートナー『お客さま第一主義』」・ビジョン「安心の先にある幸せへ。」と主計部の組織ビジョン「お客さまの安心・幸せを考え続け、保険数理・保険計理の専門性を発揮することにより、お客さまに安心を提供し続ける!」の結びつきを繰り返し伝えました。

あとは、日々取り組んでいることとしては、情報共有です。メンバーに共有してもいい情報はできるだけ共有して、メンバーと私との間で可能な限り情報格差が生じないようにしています。他部署で生じている事象や役員からのフィード・バック、私が出席する社内会議での話題など、主計部の業務と直接関係ない情報でも積極的に共有しています。また、単なるフィード・バックだけではなく、私の感想や今後の方向性なども含めたいわゆるフィード・フォワードにも努めています。メンバーから意見を聴くこともあります。

組織長が自分ごと化するからこそ、部下の自分ごと化が促される

―今後、部としてどのような取り組みに注力される予定ですか?

今取り組んでいるのが、関連所管との共創・協働の取り組みです。各課の共創・協働の取り組みで一覧にして見える化し、関連所管に連携しました。共創・協働の取り組みは今年度、特に会社が力を入れていることで、もともと主計部だけで完結する業務はほとんどありません。関連所管との繋がりを把握できていない若手社員もいますので、見える化して、部内だけでなく関係所管にも共有しました。

さらに、年度末には、関連所管に対して、あなたの部の協働・共創の取り組みに、主計部の取り組みはどうだったのかという評価を、簡単なアンケートで行おうと考えています。まずは主計部が自主的に関連所管から評価をもらうことをやってみて、会社全体でも似たような取り組みに広がっていくといいですね。

主計部内では、ピアボーナスの取り組みを復活させました。以前より社内ネットワークでデータベースなどを使って全社的にやっていましたが、部署によって取り組み度合いに差がありました。主計部は独自に同様の取り組み「ESアワード」を行っていました。こういうのっていいよねという話を私がしたら、賛同してくれるメンバーがいたので、「ピア・サンクス」と名づけて、年2回、9月と3月に実施します。

さらに、主計部について社内に発信してフィード・バックを受け、存在意義を再確認するために、社内報の所属紹介コーナーで取り上げてもらっては?という提案に対しても、若手メンバーが「ぜひやります」と動いてくれました。

そうやって「他の部がこういうことをやっているみたいだけど、どうかな?」と話すとやってくれることがあるので、その種をまくのが私の役割ですかね。

―企業や組織によっては、「人事部が言うから」という理由でエンゲージメント活動に取り組むケースもありますが、山崎さんをはじめ主計部のみなさんが自分ごと化できていらっしゃるのはなぜなのでしょうか?

まずは僕自身が自分ごと化して、会社や人事部の方針に対して「自分はこう思う」ということを「自分の言葉」で部下に発信するようにしています。「会社が言っているから」「人事部が言っているから」では人は動きませんし、そもそも、他人が言う情報がすべて正しいわけでもありません。自分がどう思うかを考えないと、その後の行動には繋げづらいでしょう。

だからこそ、週1回、30分の主計部全体のミーティングでは僕から話す時間を5分以上つくってほしいと言って、会社の方針や社内外の動きなど様々なことについて、「僕はこう考えているよー」とメッセージを発信するようにしています。そうして僕の考えを伝えていかなければ、部下も動かない。部下に自分ごと化してほしいのであれば、僕自身がまず自分ごと化しないといけません。

―では最後に、今後の組織づくりの展望を教えてください。

これまでやってきたことを「愚直に、繰り返し、実行する」のみと思っています。実はそれが一番難しいことです。繰り返すことで会社も一人ひとりも成長していくと考えています。

そうしてメンバー一人ひとりが自分のやりたいことを見つけて成長することで、会社にもお客さまにも貢献できているんだという気持ちを持ってくれると嬉しいですね。一連の取り組みを通じて、メンバーが成長する姿を見たいですし、私もこういった取り組みによって成長したいと思っています。

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