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Wevox
「組織の成長を実感できている」――4年半にわたるWevoxを活かした組織づくりを振り返る

「組織の成長を実感できている」――4年半にわたるWevoxを活かした組織づくりを振り返る

株式会社マイクロアド
緒方 慎吾氏
緒方 慎吾氏
株式会社マイクロアド
コーポレート本部 マネージャー

大学卒業後、エン・ジャパン株式会社に新卒入社。人材紹介事業部にて主にサービス業界の採用コンサルティングに従事。後に社内新規事業(新卒サービス)立ち上げに参画。2018年より、株式会社マイクロアドに入社。「会社をいい感じにする仕事」をテーマに採用・育成・組織活性等、網羅的に活動。

山田 真利氏
山田 真利氏
株式会社マイクロアド
コーポレート本部 エグゼクティブ

大学卒業後、マイクロアドに新卒で入社。 約3年半広告代理店様向けに営業をした後人事部に異動。新卒採用や育成、社内活性施策の企画運用など担当し、2019年3月に産休に入る。その後、2020年6月人事部に復帰し、主に育成、組織活性、社内イベント企画等を担当。

2018年6月にWevoxを導入し、エンゲージメント活動を継続している株式会社マイクロアド。2022年の上場を機に、今まで以上に「人」にフォーカスを当てた組織づくりに挑戦する同社は、社内ラジオやバー企画など様々な人事施策を実行し、エンゲージメント向上に励んでいます。そんなマイクロアドの4年半にわたるエンゲージメント活動について、人事部の山田さんと緒方さんに振り返ってもらいました。

「新しい産業を作る」ために、これまで以上に「人」にフォーカスを当てた経営を

―貴社は2018年6月にWevoxを導入いただき、4年以上にわたってエンゲージメントに着目した組織づくりを進められています。まずは今、どのようなビジョンで組織づくりを進めているところなのか教えていただけますか?

山田:当社は2022年に設立15年目を迎えたのですが、2022年6月に上場したことが組織にとって1つの大きな節目になりました。これまでも自社の技術とデータを武器にアドテク業界で革命を起こしてきましたが、2016年に「UNIVERSE」をリリースしてからデータカンパニーへの転換点を迎えています。そして、今回の上場を踏まえてより一層「データビジネスで新しい産業を創る」ことに事業は注力していきます。この軸を、気概を持って進めていくのは「人」だからこそ、「一人ひとりがより自分たちの状況に合わせて成果を出しやすい組織」をつくっていきたいというのが今のフェーズだと考えています。

緒方:経営陣からも、あらためて「働く人にフォーカスを当てていく」という発信があり、一人ひとりが働きがいを持てる組織をつくるのが、今のビジョンです。

山田:ここ数年は世の中的に仕事とプライベートの両立への意識やダイバーシティがいっそう進んでいますが、当社でも多種多様な人材が増えており、いろんな価値観が社内に混在してきました。その中で、会社としてもそれぞれが成果を出せる働き方を推奨してきていて、例えばリモートワークもそうですし、7時から11時の好きな時間にスタートしていい時差出勤制度など、時代に合わせて進めています。

緒方:成長を支援するような施策も増えましたよね。

山田:そうですね。個人個人が成長できる環境づくりとして、昇格時研修を導入したり、全社で学びの文化をつくるために「MAnavi」という制度を取り入れ、年齢、入社歴に関係なく、学べる機会を提供しています。考え方としては昇格だけが「正」ではなく、横にキャリアを広げていける成長支援も増やしています。「新しい産業を作る」という中で、今まで以上に一人ひとりにフォーカスが当たるような組織づくりにはすごく力を入れています。

遊び心満載の「社内ラジオ」をスタート。「称賛」と「各部署の進捗の共有」を強化

―これまでにたくさんの組織づくりの施策を打ってこられたと思います。すでにいくつか挙げてもらいましたが、どんなことを考えて施策を打っているのでしょう?

緒方:僕らがずっと目指してきている組織状態は「事業と組織が両輪でバランスよく回っている状態」です。だからこそ、そこをしっかり紐づけていくことは意識しています。各部署が、会社として目指す状態に向けて足並みを揃えることはすごく大事だと思っていますね。

そんな中、リモートワークと出社の両立が恒常化したことで2つの課題が見えてきたんです。1つが個人の成果が伝わりにくくなったこと。オフィスにいたら個人が成し遂げた受注はその場でみんなで称賛できますが、リモートだとなかなか難しいですよね。そしてもう1つが事業部ごとの進捗が見えにくいことです。会社として成果を挙げるという共通目的のために各事業部があるのに、それぞれが何に注力しているのか見えにくく、不透明だった。

山田:そうした課題を透明化するために生まれた施策が「社内ラジオ」なんです。

―ラジオとは面白そうですね。どんなものなのでしょうか?

緒方:40分程の番組なのですが、個人の成果をGJ(Good Job)と呼んで、ラジオネームで投稿してもらうんです。「うちのチームの○○さんがこんな成果を挙げました!GJ!」みたいなのをアイスブレークとして最初の10分ほどで紹介して、後半は各事業部からの注力事項やポジティブな成果、いわゆる事業部のGJを発信してもらいます。

―まさに全社で称賛と足並みを揃える取り組みをするというわけですね。

緒方:その通りです。各事業部が今何に注力していて、何がホットなトピックスなのかを、ちょっと崩したかたちでシェアできるプラットフォームという感じですね。Zoomを使っていて、隔週金曜の夕方に「ちょっと耳を貸してください」とお願いしています。メインは私と山田で、現場の社員もパーソナリティで入ってもらったりします。Zoomから入ってもらうこともありますが、現地に来てゲストスピーカーみたいに参加してもらうこともあり、まさに全社参加型です。

―ちなみに、なんでラジオだったのですか?

緒方:これはうちのカルチャーも関係していて、「遊び心」みたいなものですね。施策を考えるうえで大事なのは「そこに現場がノッてくるかどうか」だと思っているんです。ただ各事業部のことを共有しようと思ったら、コーポレート側がフォーマットを投げて更新してもらったらそれで済みますが、それだと「血が通ってない」ですよね?

―現場が乗ってくるにはどうしたらいいかを考えた結果、マイクロアドのカルチャーに合うのはラジオだったというわけですね。

緒方:おかげで発表の仕方などに事業部ごとの「色」も出始めてきて、現場から「うまく使ってやろう」みたいな雰囲気が出てきたのを感じています。全社員の半分以上にあたる120〜130名が毎回視聴してくれているので、発信する場としても機能しているのがポイントだと思います。

大事なのは、強制力を働かせるのではなく「自由を保つ」こと

緒方:当社のいろんな施策に共通することがあって、それが「強制力を持たせるのではなく、ある程度自由を担保すること」を常に目指しているんです。今後の方針として、出社とリモートのハイブリッド型で進めていくという宣言が経営からあったのですが、大事なのは「会社に来なさい」という強制力を働かせることではなく、「ついつい行きたくなる」仕掛けをどう考えるかだと思っています。そういうところが経営目標としてある中で、じゃあそれをどうやって施策に落とし込むかを考える中で生まれた施策の1つが「社内バー企画」なんです。

―これはまた面白そうですね(笑)。

緒方:先ほどのラジオを金曜にやっているので、その後の夜の時間に社内にあるバーカウンターでお酒を飲む企画です。最初のうちは私たちがスタッフとしてお酒を振舞ったのですが、思った以上に出会いが生まれたんです。バーという場所が「ハブ」となって、縦・横・斜めの交流が進んでいるのは狙い通りかなと思っています。

山田:結構いろいろと展開していけているんですよね。

緒方:そうなんです。そういう場ってどうしても来る方が固定しがちなので、新規で来る人を増やすために、例えば現場に主役を任せたりしています。「今週は日本酒が大好きなエンジニアがセレクトしました」という企画の時は、たくさん集まったんですよ。

―いろんな企画が持ち込まれたりしそうですね。

緒方:いろいろやっていきたいですね。「役員がバーテンやってます」とか、「MVPを獲った人が来るのでノウハウを学びたい人は来てね」みたいなこともできると思いますし、社内研修の後の打ち上げみたいな形で合流してもらうのも面白いかもしれません。「バー×○○」みたいに展開していけたらいいですよね。

山田:他にも当社では、女性社員がライフイベントを超えて働きがいを持ち続けて活躍してもらうためのサポートとして「woMA (woman-work of MicroAd)」という企画を続けています。女性社員が増え、いろいろなライフステージを超えながら活躍してくれる人も多くなっている中、「ウーマ」を通じて会社としてどういうサポートができるかを考えているのですが、その一環で今年の夏、マイクロアド設立初の「FamilyDay」を開催しました。当社はBtoBの会社なので、なかなか家族に自分たちの仕事を伝えにくいという声があがっていた中、だったら家庭内で仕事の話ができるようなきっかけづくりができないかと思ったんです。

緒方:それでお子さんやパートナーを会社に招待したんですよね。

山田:簡単な会社説明や、お子さんにはビジネス体験をしてもらいました。パパやママが使っている名刺を作って名刺交換をしたり、簡単なワークをしたり。最後にレポートみたいなアンケートを用意して、思ったことや、帰って聞きたいことを考えてもらいました。会社と家庭の橋渡しみたいなものになったと思いますね。

―子どもたちの反響はどうでしたか?

山田:開催後、参加者にお願いしたアンケートの声で、子どもたちが楽しんでいたという声が非常に多く、それが何よりも嬉しかったです。うちの娘も「またママの会社に行きたい」と言ってくれています。「すごく楽しいところに毎日行っているらしい」と3歳の子どもにも伝わったようなので、それが一番良かったですね。私としても「娘に認められた」みたいな気持ちになりました。

Wevoxを使い続ける中で経営陣との対話の仕方が変わってきている

―いろいろな施策について伺いましたが、導入後の組織の変化で感じていることがあれば教えてください。

山田:やっぱり、いろんな人と接点を持てる場を設けたり、情報発信を増やしてきた中で、社員数が増えている中でも情報の流通や浸透ができているのかなとは感じています。Wevoxを始めた頃はまさにその情報の透明化が課題で、事業の転換期でもあったことから、経営の思いがメンバーに浸透しきれてなかったんです。そこから活性施策みたいなものをやり続けてきた結果、「今のマイクロアドについて社員がしっかりキャッチアップできている」と感じられる場は間違いなく増えていますね。そこから、「みんなで頑張ろう」みたいな雰囲気も出てきているように感じています。

緒方:Wevoxを始めた頃と比べて、「経営の思いへの理解」のスコアは10以上も上がっているんです。社内の情報の透明化が組織に生きてきているのを実感できているのは、Wevoxをやっているからこそだと思っています。

―今、スコアの話がありましたが、Wevoxの使い方やスコアの見方は変わってきていますか?

山田:個人のコンディションのキャッチアップはWevoxを通じてずっとやってきています。それこそ、個人のキャリアの幅を広げるために異動希望などは毎月聞いているんです。スコアの変動が大きい社員と面談をするなど、成長機会をなくさないための対応として欠かせないものになっていますね。あとは、毎回もらうコメントが私たちにとっての施策の振り返りにもなっているので、貴重な判断材料です。

緒方:Wevoxの導入当時は、日々管理画面に向き合っていましたが、組織力が向上した中で、いい意味で見る頻度は減ってきています。「必要に応じて見るべきもの」に変わってきていて、いわゆる毎日の体温測定も大事だけど、定期の健康診断に変わってきているという感じでしょうか。人事が必死にスコアを見るフェーズは終え、現場のマネジメントレイヤーが主体的にスコアを見て、具体的な課題の相談をもらうことなども増えています。

僕らはWevoxのスコアを見ながら人事施策やエンゲージメント施策を本当にいろいろとやってきましたが、その中にはアップデートしてきたものもあれば、廃止したものもたくさんあるんです。良くも悪くもたくさん滑ってきたわけですが(笑)、それでも大事にしていたのは「振り返りもちゃんとすること」でした。その結果、現場が乗ってきて、血が通っているような「社内のエンゲージメントに芯食っている施策」はちゃんと残っているんです。

―素晴らしいことですね。

緒方:その過程では経営陣との議論も間違いなく増えましたし、Wevoxを起点にいろんなことが学べたと思いますね。

―ちなみに、経営陣の方々のWevoxへの信頼度などは変化ありますか?

緒方:そこは間違いなく変わってきています。僕らと経営陣の距離が近くなったのはもちろんありますが、スコアが説得材料だったところから、双方で見るものに変わっていて、コミュニケーションのための当たり前のツールになってきているんです。つまり、対話の仕方が変わりました。そこは僕たちとしても、組織としても、1つ成長したところかなと感じています。

自社に合った方法を模索し続けながら「成長し続ける組織」をつくっていきたい

―人事としての、今後の取り組みへの意気込みを伺えますか。

緒方:目指すのは、事業と組織の両輪でバランス良く回ること。当社の場合、主力事業には莫大なシステムも予算も人も投資してきて、その投資がしっかりと還流して参入障壁の高いビジネスに仕上がったと思っています。それを引っさげて上場を機に投資回収の事業成長フェーズに入ったわけですが、だからこそ事業に負けじと組織力も強固なものにしていかなくてはいけません。新卒採用を2倍にする方針を掲げていますが、既存社員もこれから入る社員も、働きやすくて誇りを持てる組織にしていくことが、私たちのミッションだと考えています。

その中で一貫してあるのは、挑戦し続けることで成長してきた会社なので、組織としても「成長し続ける組織」を作っていくんだという気持ちですね。事業と組織の連動性の中では、そこが1つキーになると考えています。

山田:事業と毎日向きあうみなさんに、私たち人事の立場から組織面で力になれること、サポートできることを最大限提供していきたいと思っています。

緒方:その時に、先ほどのリモートの話もそうですが、「強制ではなくある一定の自由を保った状態」は意識していきたいですね。実は私たちはクレドや行動指針は一切設けていないんです。多様な人に多様に働いて欲しいと思った時に、言葉が力を持ちすぎてしまうと思考やアクションを制限してしまうと思っているからで、だからこそある程度の自由を設けることで、自社にハマっていくのかなと考えています。

―たしかに、今日のお話の根底には「縛られない、自由に」という考えがある気がします。

緒方:ビジネスには正解がないですし、我々の事業領域である広告もマーケティングもインターネットも答えがないわけです。常に答えがないところからスタートしているからこそ、組織も自然とそうなっていったのかもしれません。言ってしまえば、「新しい産業をつくる」というのも答えがないところに飛び込んでいくわけですから、組織のあり方としても自然な流れかもしれません。

これからも、自由を大切にする組織づくりを軸にしながら、成長し続けていきたいですね。

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