
言葉にできない想いを「色」に託して。理想のチームを描く、アートシンキングワークショップレポート
先日、「理想のチーム像を形にする アートシンキングワークショップ」を開催しました。
今回のテーマは「アートシンキング」。絵を描くことを通して、普段はなかなか言葉にならない本音や感覚を引き出し、思考を深め、対話のきっかけをつくる手法です。
チームを1台の車に見立て、車体の色、花束、こぼれ落ちる花びら、そして余白。1枚のイラストに自分たちのチームを重ね、直感で色を塗っていきます。うまいかどうかは関係なく、正解もありません。
はじめは戸惑いの表情を見せていた参加者の皆さんが、筆を動かすうちにどんどん手が止まらなくなっていく。そして後半の対話では、「なんとなく選んだ色」が、いつの間にか「今のチームの強さ」や「抱えている葛藤」を語る言葉に変わっていきました。
本記事では、当日の様子をお届けします。
「どうしよう?」から、一気に手が動き出した瞬間

ワークの始まりに投げかけた問いは、シンプルなものでした。
「チームや組織をイメージして、色を塗ってみてください」
その瞬間、参加者の皆さんの顔に浮かんだのは「どうしよう?」という表情。
真っ白なイラストと向き合い、何から手をつければいいのか分からない。そんな戸惑いが伝わってきました。
けれど、最初に参加者皆で手をつけたのは「車」の部分でした。チームの推進力を表すパーツです。ここに色を置いた途端、空気が変わります。
まるで、色を選ぶという行為が「今の自分の気持ちを確認する」スイッチになったかのように、参加者の皆さんは一気に、自分の思いを確かめるように筆を進めていきました。
正解を探す時間から、自分の中にある感覚を形にする時間へ。
その切り替えが、部屋の中で静かに、けれど確かに起きていたのが印象的でした。
花束、花びら、余白に表れた10人10色のチーム
イラストには、車以外にもいくつかの要素があります。
・チームが誰かに届けている「花束」
・意図せず生まれている良い影響としての「花びら」
・チームの「伸びしろ」を表す「余白」
同じ問いに向き合っていても、描かれるものは参加者一人ひとりまったく違っていました。
・進みすぎているチームを思って、あえてパーキングのマークを描いた方
・車に翼を付け加えて、チームがもっと羽ばたいていくことを願った方
・花びらの部分に、花びらと花びらを結ぶハートを描いた方
余白への問い、「今のチームに一つ付け加えるなら?」に対しても、音符、木、太陽、北極星、ドラえもん、ジョウロなど、個性豊かなモチーフが次々と描き加えられていきました。
参加者10人に対して、10通りのチームの色。
同じフォーマットのイラストが、これほど違う表情を見せるのかと、見ているだけでも発見のある時間でした。
塗った色の意味に気づく対話タイム

後半は、一人ずつ自分の描いた絵を見せながら語るシェアタイムです。
聴き手からは、こんな問いが自然と生まれていきました。
・「少しくすんでいる色を選んだのはどうして?」
・「チームメンバーの色が2種類なのはどうして?」
・「雲を黒くしたのはなぜ?」
答え合わせをするための質問ではなく、違いと想いを感じる「へぇ、そうなんだ」を楽しむための質問です。
その問いに答えるうちに、描いた本人自身も、自分が塗った色の意味に気づいていきます。なんとなく選んだつもりだった色が、実は「今のチームのこういう強さを表していた」「あのときのチームの葛藤を映していたのかもしれない」という言葉になっていく。
一人で描いていたときには見えなかったものが、語り、聴かれることで輪郭を持っていく。そんな深い気づきが、参加者の皆さんの中に生まれていました。
アートという迂回路で、本音に近づく
ワークショップを終えて、こんな感想が寄せられました。
「初めは色を塗っただけでなんだろう?と思っていたけど、実はこういうアウトプットがあるとメンバーのことも自分のことも身構えずに本音で話せることが身に染みてわかった」
「メンバーと対話すると言いながらなかなか本音が出ない中で、アートを通じて互いの違いと大切にしていることがわかる気がする」
普段の1on1やミーティングでは、なかなかたどり着けない本音。
アートという迂回路を通ることで、身構えずにそこへ近づけることが伝わってくる声でした。
言葉になる前の想いから、チームづくりが始まる

「なぜそう描いたのか」を語ることで、言葉になる前の想いの輪郭がくっきりしてくる。
そしてそれを職場のメンバーと描き合えば、チームづくりの新しい一歩が生まれる。
今回のワークショップが目指したのは、まさにこの循環でした。
「対話は大切です。対話をしましょう」と伝えても、なかなか本音が出てこない。
そんな場面は、日々の職場では少なくないのではないでしょうか。
そこにアートという媒介を挟むことで、お互いの違いに気づき、お互いが大切にしている価値観にそっと触れることができる。これこそが、チームの心理的安全性を高め、多様な人たちの強みが発揮されるチームづくりの、最初の一歩なのかもしれません。
大きなことでなくても構いません。「まず花束の話をメンバーにしてみる」——そんな小さな一歩から、チームは動き始めます。
Wevoxでは、こうした管理職・リーダー向けの対話とアートを組み合わせたワークショップをご提供しています。
アートシンキングワークショップにご興味のある方は、こちらからぜひお気軽にお問い合わせください。
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執筆:Wevoxカスタマーサクセス大洲・須賀







