カゴメCHO有沢氏× アトラエ新居氏対談 エンゲージメント先進企業が語る“今必要な”組織づくり(1/2)

カゴメCHO有沢氏× アトラエ新居氏対談 エンゲージメント先進企業が語る“今必要な”組織づくり(1/2)

昨今、経営者や人事にとって「エンゲージメントの高い組織づくり」は欠かせないテーマとなってきています。これからの経営者や人事は、どのような施策を用いてエンゲージメントの高い組織づくりを行えばいいのか。こうした問いを考えるべく、「エンゲージメントの高い組織の作り方」をテーマに、カゴメ株式会社CHOの有沢正人氏と、株式会社アトラエの代表取締役CEO新居佳英氏によるパネルディスカッションが行われました。両社の貴重な組織づくり事例や先進的な知見が多く話された対談の模様を、全2回の特別レポートとしてお届けします。
(このパネルディスカッションは、株式会社NEWONE主催のオンラインイベント「エンゲージメント・サミット2021~ 組織をさらに強くするためのカルチャーとは?~」にて開催されました)。

「働き方改革」ではなく「生き方改革」

上林:こんにちは。今回モデレーターを務める株式会社NEWONE代表取締役の上林です。このパネルディスカッションでは、「エンゲージメントの高い組織の作り方」と題しまして、企業で経営に携わるお二方と進めていきます。エンゲージメントについては、「どうやったら高まるのか」と聞かれることも多いですし、また良かれと思った施策が逆効果になっているというお話も耳にします。エンゲージメントを高めるためには何がポイントなのか、迫っていきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。今回のパネラーのお二方を、簡単に紹介いたします。

1人目は、カゴメ株式会社CHOの有沢さんです。カゴメさんには、NEWONEの創業当初から、新入社員研修やOJT研修などを提供しております。また昨年度は、管理職の方々全員に「働きがいを高めて組織を強くするリーダーセッション」を、 希望者の中堅社員の方々に「一人ひとりの働きがい交渉に向けたフォローセッション」を実施しました。このように、エンゲージメント・働きがいを大事にされている会社さんですので、今回ご参加いただきました。

もうお一方は、株式会社アトラエ代表取締役CEOの新居さんです。アトラエさんはエンゲージメントサーベイの「Wevox」 を運営されており、弊社とも2年以上お付き合いさせていただいております。Wevox 導入企業様に向けた管理職の方や新入社員の方々の人材育成を弊社でやらせていただいたり、弊社のお客さんにWevoxを導入させていただいたりといった形で、数十社と連携しています。ちなみに、カゴメさんもWevoxを活用していただいています。

さっそくですが、まずはお二方からそれぞれ自己紹介と、エンゲージメントを高めるための取り組みについてお話しをお願いします。では、カゴメの有沢さんからよろしくお願いします。今回は、阪神タイガースのお話は控えめでお願いします(笑)。

有沢:みなさんこんにちは、カゴメ株式会社の有沢と申します。日頃から弊社の製品をご利用いただきまして誠にありがとうございます。阪神の話をすると大体負けるので、今日はちょっとやめておきます。まず自己紹介ですが、私はドラマやアニメが大好きで、ほとんど全部観ています。最近だと、シン・エヴァンゲリオンは5回観に行きました。関係のない話ですが、そんな人間です(笑)。

さて、エンゲージメントを高めるためにはという点ですが、私は制度や仕組みというハードの部分と、個人がキャリア自律を行うソフト部分の両方が必要だと思っています。

カゴメでは、エンゲージメントを「信頼感のある環境の中で、個々のメンバーが1つのチーム、組織として働くこと」と捉えています。エンゲージメントの取り組みだけをしているわけではありませんが、Wevoxでのサーベイなど、向上のためにいろいろなことを行っています。Wevoxを使う上で、スコアを上げることを目的にするのではなく、従業員の方が何を欲しているかを知り、エンゲージメントを高めるためにスコアを活用することを目的としています。

具体的な取り組みに関しては、ジョブ型人事制度や役員の評価制度など、いろいろ話したいことはあるのですが、まずは「生き方改革」に絞ってお話しいたします。

カゴメでは、「働き方改革」という言い方をしていません。というのも、働き方というのは会社目線の話で、個人目線だと「暮らし方改革」になるからです。今は昔と違い、家族で住むのが当たり前、単身赴任なんてとんでもないという風潮が出てきていますよね。欧米に出張に行った際に、現地のCEOやマネージャーとの食事会で、日本の単身赴任の話をしたことがあります。「日本では、子どもが学校に入学した後で、お父さんやお母さんが転勤すると、単身赴任といってワンルームのマンションに住むんだ」と。

すると、「それは何かのペナルティなのか」と言われるんですよ。僕が「いやいや日本人はみんなそうするんだ」と言うと、「日本人はおかしい」と言われるんですよね。だから、働き方だけでなく、家族との生活など「生き方」までよくなる改革が必要になってくるんです。こうした観点で、会社視点での生産性向上の「働き方推進」と、個人視点での家族で生活することが当たり前という「暮らし方の推進」を合わせて、「生き方改革」と呼んでいます。

それから、大切なのは会社で使い過ぎた時間を個人に振り分けることで、その時間を何に使うかは個人の勝手にまかせることです。例えば、その時間を自己研鑽に使いなさいと言う会社もありますが、それは間違いだと僕は思っています。なぜかというと、業務命令だからです。その時間を何に使おうが、自由なんですよね。

自律したキャリアを実現するためのソフト面で言えば、例えば弊社では4年前にスケジューラーというツールを導入しました。これは、誰が何をするかが一目で分かるもので、これにより出社の必要がなくなります。弊社は4年ほど前から テレワークが基本の形となったため、コロナ禍でもあまり不自由はしていません。また、このスケジューラーでは評価評定も一緒にできるので、極めて楽です。

この他にも、スーパーフレックス、地域カードも導入しています。地域カードは、例えば本人希望の勤務地が東京だとして、東京にあと3年いたいとなった場合にこのカードを使えば、社長が泣こうが僕が喚こうが、絶対東京から3年間動かさないというオプションです。これについては、女性が退職される理由の中で一番多かった「配偶者の移動」がきっかけです。そんなのはおかしいということで、例えば旦那さんが大阪に転勤が決まった際に、大阪行きカードが提出されると、絶対に3年間大阪に行かせるという仕組みを作ったんです。これは3年×2回使えてかつ2種類なので、12年間使用できます。

あとは副業についてですが、弊社の特徴は他社と雇用契約を結べることです。これを導入する際は他の役員や社長から「これ、いい人からやめていかない?」と言われました。ですが、僕は「辞めたらしょうがないじゃないですか。所詮そこまでの会社だったんだって諦めましょう」と割り切りました。他社と雇用契約を結んで、いろいろな幅広い知識を身につけてもらうってことが大事ですから。エンゲージメントとは、働きがいや働きやすさです。従業員満足度は福利厚生や処遇を上げれば達成できますが、副業やキャリア自律を認めるということが、エンゲージメントを向上させる一環だと思っています。

また、専門職の制度も導入しました。これは、歩むコースや、マネジメント経験の有無に関わらず、出世する人は出世し、自分のポジションを掴むことができるものです。本当に多様な働き方ができて、自分のキャリアを自分で築けて、フェアで対等な関係になる。この関係にあることがエンゲージメントの高まる状態であり、それに伴うように、処遇や報酬、評価制度を作っていくことが、カゴメの考え方です。

上林:どうもありがとうございました。エンゲージメントといっても、やはり社内でのキャリア自律が重要なんですね。

有沢:そうですね、キャリアの自律が大目標です。会社って「会う社」って書きますよね。毎日神社に拝みに行く方もおられるかと思いますが、大半の方はたまに拝みに行く程度ですよね。そんな感じで、会社もたまに拝みに来ればいいじゃないか、と。会社で集まることを目的にするのではなく、会社を土台にキャリアを自律してもらう。その後、カゴメを巣立って行ってもいいし、戻って来てもいいし、ずっといてもいい。それはIt’s up to you、好きにしなさいという風に変えました。

「Wevox」は組織の健康診断ツール

上林:なるほど、そこがポイントなんですね。ありがとうございました。続きましてアトラエの新居さんからも、自己紹介とエンゲージメントについてお話しいただければと思います。

新居:アトラエの代表取締役をやっております、新居です。弊社はまだまだ小さな会社ですけども、東京証券取引所一部に上場させていただいております。ピープルテックと呼ばれる、テクノロジーで人の可能性を広げ、人の役に立つことを事業の軸としている会社です。特徴としては、Great Place to Workの2019年度「働きがいのある会社ランキング」で、100人以下の小さな企業の部で1位を取らせていただき、アジアでも日本企業として最高位を取らせていただきました。事業そのものもそうですが、それ以上に、働きがいのある会社の作り方や、エンゲージメントの高い組織といったところで比較的注目をいただいている会社だと自負しております。

私自身はこの会社を2003年に創業し、現在18年目です。18年間、リーマンショックや最近のコロナ禍も含めて、紆余曲折この会社を作ってきました。一貫してこだわってきたことについて申し上げますと、私にとっては同士みたいなものですが、働く人たち、社員がいかに働きがいのある、生き生きとした働き方ができるかということにこだわって会社を運営しています。昨今はエンゲージメントという言葉が、我々も含めて広まってきていますが、当時は当然存在していませんでした。ですが、言葉としてのエンゲージメントが生まれる前から、働きがいや、社員または自分が能動的・自主貢献的に働ける会社とはどんなものかということを考えながら、組織を運営してきました。

その流れの中で今「Wevox」で組織のエンゲージメントの数値化に取り組んでいます。事業としては、Green、Wevox、Yenta、inow、アルティーリなど、いくつかやらせていただいていますが、今日のテーマに一番近いのはWevoxだと思います。

今までの組織のエンゲージメントでは、優秀なマネージャーや経営者の感覚値・肌感覚によって、「この社員は意欲がある、この社員は意欲がない」といったことを判断し、意欲がなくなったら「ちょっと飯でも食いにいくか」とサポートする、みたいなことが行われていました。このように、マネージャーのセンスと人間性にかなり依存した、組織づくりやマネジメントが行われていたのが実態だったと思います。

日本企業というのは終身雇用を大前提とした企業が多く存在していて、有沢さんもおっしゃられていた通り、会社側が人事異動命令を出して断る人なんて存在しないんですよね。僕は前職で1回断っていますが(笑)、会社が決めるものだっていうのが日本企業の大前提だよなぁと。日本の企業側は労使で言うと「使」側だと思います。「この会社で頑張ってくれる分には生涯、君の人生・家族のことも含めて経済的に保証してあげるよ」というのが、今までの終身雇用のベーシックな考え方で、「その代わりキャリアは言う通りにしなさい」というのが今までの会社のあり方だったという風に思います。

現在では、ようやく日本も有志の人からの人材の流動化が進んできています。情報社会ですから、会社の外にも面白いオポチュニティがいっぱいあるということに優秀な人が気付き始めているんですね。この流れを受けて、慌てて経営者がそうした労働マーケットからのプレッシャーを受けている状況です。「何とか働きがいのある会社にしないと、有志の人がどんどん辞めてしまう」というのが、現在、日本の企業の経営者が直面している課題だと思います。

そんな中で、じゃあなんでエンゲージメントが低いのか、なんで働きがいがないのかと考えても、今まであまり気にしたことがないから当然分からないわけですよね。慌てて従業員満足度調査をやっても、課題が分からない。通常、健康状態を改善するには、まず何が不健康の要因になっているかを分析するために、人間ドックを受けたり健康診断を受けたりしますよね。組織としても今の自分たちの何が問題なのかをしっかりと把握するために、何かツールを使うべきなんじゃないかということで我々が開発したの がWevoxです。このサービスは、カゴメ様も含めて現在1900以上の組織に使っていただいています。

よく、Wevoxを導入したらエンゲージメントが上がると言われますが、大きな勘違いです。これは「人間ドックを受けたら健康になる」と言ってるようなもので、全く違うんですよね。人間ドックと同様にまずはWevoxでエンゲージメントを「測る・把握する」ことからスタートしていただき、その原因が何なのかを自分たちでしっかりと議論していくことが大事なんです。

このような事業をしているので、経営者の方からエンゲージメントがなぜ大事かなど、いろいろな質問をいただきますが、根本は1つだと思います。その会社の社員になったときに、やりがいをもって長期的に自分のキャリアを見据えて働き続けたいと思えるかどうか、です。この視点で本気で考えたら、「自分は社長だからいいけど、社員だったら入りたくないな」と思う会社がほとんどだと思うんですよ。もっと分かりやすく言うと、自分の子どもが自分の会社に入りたいと言ったときに、素晴らしい会社だよって心から言えるかということです。そのために、エンゲージメントが重要なのです。

また、エンゲージメントはテクニックで変わるものではないと考えています。スポーツチームやミュージカルの劇団は、エンゲージメントマネジメントなんてしなくてもみんな意欲的で、勝つことのために全力で必死になり、ビジョンや価値観の共有はあまり必要ないですよね。どうして会社だけがうまくいかないんだろうと考えたときに、元々掲げているビジョンが働く人にとって魅力的じゃなかったり、自分の目指すものとずれていたり、心から信頼したり誇りを持てないからでは、という結論に辿り着いたんです。

そのビジョンを達成できたら自分たちが楽しい・やりがいを感じられるだとか、社会に価値があると心から思えることを掲げるべきです。それから、その目標に沿った後は、どういう組織をつくって、どういうカルチャーモデルでやるのかを、しっかりと社員と議論し、試行錯誤していくことがすごく大事だと思います。その結果として、自分の子どもに心から勧められる会社になる。これが、エンゲージメントを高めるための本質的なポイントかなと感じています。そのためのテクニックや手法はいっぱいあると思いますが、これが僕のベースの考え方です。

ビジョン浸透に不可欠な「WHY、WHAT、HOW」

上林:ありがとうございます。私も子どもが3人いますが、子どもが自分の会社に入るというのは最高の基準だなと思います。アトラエさんでもいろいろな施策をやられていると思いますが、意識されている点などはありますか?

新居:例えば子どもの話の流れで言うと、弊社はずっと昔から、子どもを会社に連れて来てもOKという風になっています。ペットもOKですし、社員のお子さんが小学校帰りにお母さんが働いている会社に帰ってくるとか、会社で宿題することに関しても、基本的には全部何の問題もなく受け入れています。当初は、「本当にいいの?」という声がありましたが、今となっては誰も何も気にせず、普通に連れて来ています。

上林:その表面だけを取ると「子どもを入れればいいんでしょ?」と他の会社が真似しそうな気もしますが、この背景の説明はどのように行われましたか?

新居:このルールを1つ入れたからといってエンゲージメントが絶対に上がるわけではないですね。ただ単に、子どもを育てながら働くお母さんがとてつもなく働きづらい世の中だな、と感じていまして。我々はよく、意欲ある社員が無駄なストレスなく働ける組織にしたいと言っています。せっかく意欲があるのに保育園や幼稚園の問題、小学校の問題でなかなか働けなかったりするので、そういう無駄なストレスを全部排除したいんです。

その結果、「じゃあ会社に連れてくればいいんじゃない?」「会社にベビーベッド買う?」といった話になり、今では子どものプレイスペース的なものもできました。ですので、そういうものを作ればいいんでしょ、というよりは、社員たちの無駄なストレスをなくすためにどうしたらいいかを考えた結果、そうなったという感じですね。

上林:「意欲ある人が無駄なストレスをなく働く」というメッセージを一貫して伝えることが大事なんだなと非常に感じました、ありがとうございます。今のお話の中でもそうですし、その1つ前のお話にあった、魅力的なビジョンを掲げることも大事だなと思います。会社が大きくなればなるほど、ビジョンの浸透は難しいと感じますが、カゴメさんではどういう風に工夫をされていますか?

有沢:一時期、ビジョンとかミッションを掲げるのが流行りだったんですよね。それにもかかわらず、掲げたビジョンとミッションを共有できていない状況や、経営者がそのビジョンが何かについて語れない、というのがあまりにも多かったんです。それでは従業員に伝わるわけがないですよね。掲げたミッションに対して、何がやりたいという「WHAT」があっても、じゃあ何故このミッション?という 「WHY」 がなければダメですし、各部門が「HOW」を作らないといけません。

今、人事のビジョンとしては、「異能異彩」を集める企業になりたいと思っています。この前、経営会議でこれを話すと、役員が全員ポカンと聞いていたので「アニメの『呪術廻戦』とか観てます?」って言ったら、みんな観てないって言うんです。そこからまずダメだなと(笑)。

上林:またアニメ論ですか(笑)。

有沢:長くなるので言いませんけど(笑)、要するに変わった人、カゴメっぽくない人を集めることをこれからの目標としています。現在、弊社では登録型のエントリーが可能です。カゴメに入りたいという社会人の方がキャリア登録として、エージェンシーを通さずに登録できる制度で、現在のカゴメの社員1650名に対し、3600人が登録されています。

ここから10名ほどの方が通りましたが、元パイロットや元アナウンサーなど、経歴は様々です。これにより、自分がやりたいことの舞台としてカゴメを使ってもらえますし、自分が何をやりたくて、そのために何を貢献できるかということがはっきりしている方に来てもらえる形を取れています。そういった意味では極めてドラスティックな考え方を推していると思いますね。

Wevoxも使わせていただいていますが、すごく良いんですよ。どのようなエンゲージメントスコアが出ても、それ自体は問題ではないんですよね。カゴメにもスコア結果に一喜一憂している人たちがいるんですが、そうではなくて、どうしてこういう風になっているのかをまず解明して、どう会社をしていきたいかを示すのが経営です。

そうした方針に従って制度や仕組みを作り、そのためのインフラを作るっていうのが経営者の仕事でしょうと伝えました。私がやっていることは、さっきお話した異能と異彩をどうアトラクトするかです。カゴメに行ったら面白そうとか、カゴメってちょっと変じゃね?って言われるぐらいがちょうどいいですね。私は新卒の面談や三者面談に参加するんですが、アニメの話とかに結構乗っちゃうんですね。そうしたらSNSでカゴメのハッシュタグを付けて「カゴメの人事担当がアニオタだった」とか書かれてたりするんです。全然気にしないし、むしろ光栄です(笑)。

話がちょっとずれるかもしれませんが、Wevoxを世にどんどん広めていただきたいと本当に思いますし、例えばWevoxがいろいろな形で使われている企業とコラボをしたりして、どんな傾向がお互いにあるかとか、業種別はどうかとか、そういったことを今後もできると良いなと思いますね。

エンゲージメントを高める「採用」の考え方

上林:会社の方向も、経営としてコミットして、ちゃんといろいろな仕組みを削ぎ落として浸透させていくことが大事だと感じました。異能異彩のお話もありましたが、やはり採用面も重要かと思います。アトラエさんでは、エンゲージメント高めていく上で採用面について工夫されていることはありますか?

新居:僕らは70人80人くらいの小さな組織体なので、「この会社に何のために入って来るのか」の共有が大事かなと思っています。会社というのは事業と組織の両面の意味を持っていますが、世界中の人々をアトラクトする会社を作ることを目標として抱えているので、採用の際は「それを本当に一緒にやりたいの?」という点を重視しています。

当然、給料の高い会社に行きたいんだったら他にもあるでしょうし、安定した会社に行きたいんだったらもっと安定できる会社もあるでしょうし、もっと短い時間で楽をしたいんだったらもっと楽な会社もいっぱいあると思います。

その中で、アトラエを選ぶ人を思い返してみると「こういう仲間と、こういう山を登りたい」という判断軸を明確に持っている人ばかり。ですので、能力以上に、一緒になって“山を登る気”があるかどうかを重要視しています。あとは、それをやりきれるだけの能力や胆力、精神力があるかどうかですね。それができることを大前提にして、採用しています。

上林:そういう人を採るために、プロセス面などで工夫されていることはありますか?

新居:納得いくまでトコトン話をします。多いときは、ランチや飲み会みたいなものを挟んだりしながら6回、7回、8回と面接を繰り返します。採用選考というよりは、お見合いに近いです。ピンと来る人だったら回数は少なくなりますが、そうじゃない場合は徹底的に話をして、本当に一緒にやっていくのかどうかを議論します。

上林:ビジョンに対する共感がしっかりできているかを、かなりじっくりとスクリーニングされているんですね。

新居:そうですね。ビジョンと、大切な人に誇れる会社であり続けるというフィロソフィーへの共感ですね。これらに加え、アトラエスタンダードという行動指針もあります。これらを通して「こういうやり方をしている会社なんだけど、君のキャリアビジョンとか君の人生に合っている?」ということを伝えています。

ただ、僕たちのことが外からは楽園っぽく見えるようで、勘違いした人が受けにくることもあるんですよ。人が辞めなくて、お母さん社員もいっぱい働いていて、時間も決まっていなくて自由で、子どもやペットも連れていってもいいらしいと聞くと、なんとなく楽しそうじゃないですか。でもそれは大いなる誤解なので、ちゃんと理解してもらってから、それでも入りたいとなったら採用するプロセスを経ています。

上林:これまでのお二方の話を聞きながら、採用時に、一人ひとりがなぜその会社で働きたいかを明文化し、それにコミットしていくことがエンゲージメントの起点になると感じました。続いて、エンゲージメントの高い組織の特徴についてお聞きしたいと思います。

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