
人好き×仕組み好き。噛み合わないはずの2人の人事が「組織への愛」で強力タッグを組む物語【連載:チームな人たち。】

人事担当。2025年7月のWevox導入以降、「エンラボ」運営の中心を担う。メンバー全員のコメントに必ず返信するなど対話を大切にし、誰も置き去りにしない場づくりを意識。エンゲージメント活動の鍵を一言で表すなら「愛」と語る。

人事担当。エンゲージメント活動を推進し、エンジニア中心の組織文化に合わせた工夫を重ねてきた。エンラボメンバーと組織責任者の連携づくりに力を入れ、現場発の「自走」を目指している。
「組織をよくしたい」そう思って動き出したのに、気づけば1人だった——。孤独になりがちな組織づくりを、真逆なタイプの2人組で“楽しそうに”推進する人たちがいます。
人が大好きで、その言動の端々からパッションが溢れ出す尼﨑さん。「仕組み」に強い興味を持ち、冷静に物事を観察する堀江さん。
そんな両極端なキャラクターの2人の人事がタッグを組むことで、ミラクシア エッジテクノロジー株式会社のエンゲージメント活動は活発に動いています。
社内コミュニティ「エンラボ」を立ち上げ、わずか1年で社内の共通言語となるまでに定着させた2人。参加したメンバーの約90%が「エンゲージメント活動への意識が高まった」と答えるほどの熱量ある活動を生み出しています。
共に人事一筋のキャリアを歩む尼﨑さん、堀江さんに、「チーム、組織」と向き合う原動力や人事という仕事に込めた想いについて聞きました。
「うわー人事部か」からの出発。尼﨑さんの「人が好き」の根底にある両親の愛
「小さい頃から人と接することが大好きだった」と語る尼﨑さんは、大学卒業後に大学職員としてキャリアをスタート。学生の学業や就職を支援する「学生支援課」を希望していたものの、配属されたのはまさかの人事部でした。法学部出身という経歴から、労働法などの知識を活かせるのでは、という組織側の狙いがありました。
尼﨑「うわー人事部かって、そのときは思いましたね。学生支援課で、学生と楽しく話しながらサポートする自分を想像していたので、戸惑いが大きかった。人事という仕事のことは、よくわかってなかったんです」
渋々ながら人事の仕事を続けていくなかで、尼﨑さんはある気づきを得ます。
尼﨑「人事って、人と関わる仕事なんだなっていうことが段々とわかってきたんです。学生ではなく、共に働く職員が相手でしたが、それは特に問題ではなかった。だから、早い段階で仕事は嫌じゃなくなって。人と向き合い、対話しながら仕事を進めていくんだって、やりがいを感じるようになりました」

そこから先、尼﨑さんは人事以外の仕事を考えたことはないと言います。なぜ尼﨑さんは、人と向き合うことに強いやりがいを感じるのか。その根っこには、幼少期からの体験がありました。
尼﨑「両親のおかげだと思います。とても愛情を注いで育ててくれて、寂しい思いをしたことがない。愛があることで、人は喜ぶし、楽しい人生を送れる。そういう大切なことを、自分が身をもって体験してきた。だから、自分も両親のように、人に愛情を持って接していきたいし、それが仕事になるといいなって、気づいたら考えるようになっていたんです」
人に興味なし?な堀江さんが、合理的な仕組みに込める想い
一方の堀江さんも、人事部の仕事に就いたのは自ら望んだのではなく、1社目に入社した会社での配属がきっかけでした。
堀江「たまたま人事になったという意味では尼﨑さんと一緒ですね。最初は給与計算や離職対応といった労務業務が中心でした。転職した2社目で、組織づくりや企画系の仕事に携わるようになって、このミラクシアが3社目です」
とにかく人が好きという尼﨑さんとは対照的に、堀江さんは「仕組みに興味がある」タイプだと自分を分析します。
堀江「長く人事をやっていますけど、私はあんまり人に興味があるというタイプではないんです。尼﨑さんを見ていると、余計にそう思いますね(笑)。でも、仕組みにはすごく興味があって。たくさんの人が働く組織に、どういう仕組みがあると機能するか、楽しく働けるのか…とかそういうことを考えたり、実行するのは大好きなんです」
だからこそ、堀江さんは尼﨑さんがエンゲージメント活動の中心であるべきだと、強い確信を持っています。

堀江「エンゲージメント活動を進めていくうえで、中心になるのは尼﨑さんだとすぐにピンときました。それは、先ほどの尼﨑さんの話からもわかるように、人と向き合うのが大好きだから。エンゲージメントという人と人の関わりが鍵を握る活動において、まさにコアとなる人です。そのコアを中心に、どういう場を設計していけばいいかを考えるのが、私には合っているし、やりがいを感じるんです」
堀江さんは、これまで人事の仕事を続ける中で、多くの制度設計に携わってきました。合理性が重視される仕組みづくりという仕事においても、「想い」は存在すると堀江さんは考えています。
堀江「仕組みにも想いを込めることが大切だと思っています。仕組みによって、より人が輝き、会社が成長していく。そういう想いを込めて、一つひとつの制度、仕組みを作っていくことが大切なんです。仕組みにこそ魂を込めて、全体をハッピーにしていきたい。そう考えながら、この仕事を続けています」
「それ、本心から言ってる?」正反対の2人が実践する、ありのままの対話
堀江さんが仕組みを考え、尼﨑さんがその仕組みの中で一人ひとりと向き合う。そんな役割分担を、「堀江さんの操り人形です」と冗談交じりに尼﨑さんが表現すると、堀江さんは「そんなことないでしょ」と笑いながら返します。

役割は違えど、息の合った掛け合いを見せる2人。この関係性がうまく機能している理由を尋ねると、2人が口を揃えたのが「感情も含めて、本心で話す」ということでした。
尼﨑「堀江さんのことを心から信頼しているので、指摘もアドバイスも全部受け止めてます。ズバッと言われることもあるんですけど、私のことを想う気持ちが伝わるから、素直に聞くことができる。だから、こっちもうれしいとか悲しいとか、そういう感情をなるべく共有するようにして、『人と人』として関わることを大切にしています」
実は、こうして尼﨑さんが感情を素直に共有できるようになったのには、堀江さんのある一言がきっかけになっています。人を楽しませることが大好きで、根っからのポジティブ人間に見える尼﨑さんですが、意外にも「人が自分のことをどう思っているか気になる」という繊細な部分も持ち合わせています。そんな尼﨑さんの特性を理解し、指摘してくれたのは堀江さんが初めてでした。

尼﨑「昔から、無意識に周りを気にして自分の意見を曲げることがあって。本心とは違う意見を言ったり…。それを堀江さんが『それ、本心から言ってる?』ってちゃんと伝えてくれたんです。それだけじゃなくて、『素の尼﨑さんの方が絶対にいいよ』ってことも言ってくれて」
この一言をきっかけに、尼﨑さんはより自分の想いを表に出し、素でいることへの遠慮をなくしていきます。こうした尼﨑さんの姿こそ、エンゲージメント活動を推進していくうえでは大切だと堀江さんは考えます。
堀江「表面だけで『エンゲージメント』『いい組織に』と言っていても職場の人たちにはバレるし、いい仕事はできない。活動を推進する私たちがどれだけ想いを持ってやっているかというのは、絶対に伝わるんです。だから、まずは私たちが本心で、心から楽しんで仕事をする必要がある。そのために、この2人の間で気を使って本心を隠すようなことは避けたかったんです」
2人が実践する「ありのままのコミュニケーション」は、エンゲージメント活動を通じて職場の人たちにも伝わるはず。「私たちの姿を見て、何かを感じた人たちが、職場に持ち帰ってくれたら」と堀江さんが言うように、目指す組織のあり方を2人が率先して体現しているとも言えます。
孤独な逆風を越えて。人事だからこそ味わえる「人が変わる瞬間」の尊さ
人事として長く働く2人は、当然、苦しい経験もしているはず。「人事の仕事で大変だったことは?」という問いに対して、尼﨑さんは「大変なことは…そんなにないんですよね」とあっけらかんと言い、堀江さんは「たくさんあります」と、ここでも対照的な答えを出してきました。続けて堀江さんが語ってくれたのは、前職での苦い経験でした。

堀江「これまでの職場で、経営の方針と自分の考えが沿わなかったときは、もうどうしようもなくて。『会社を良くしたい』『退職者を減らしたい』と提案すると、経営や部長は表面的には『やろうか』と言うんです。でも、内心では『どうせやっても変わらない』とあきらめているのが、端々の言動から伝わるんですよね。真剣に関わってくれる人が少なくて、1人でやっていた時期は本当にしんどかったですね」
だからこそ、今の環境に対する感謝は大きいといいます。
堀江「今、尼﨑さんと一緒にできているのは本当にありがたいです。経営もポジティブに捉えてくれているので、人事としてはとてもやりやすい。後ろ盾があるというか、逆風がないというか。前職との比較で、それはすごく感じますね」
堀江さんの話を何度もうなずきながら聞く尼﨑さんに、今度は人事という仕事の醍醐味について聞くと、「人が変わる瞬間」と即座に答えました。

尼﨑「そういう瞬間に立ち会えるのが人事の仕事のいいところ。前に、エンラボメンバーから『こうしませんか』ってエンゲージメント活動に関するアイデアを出してくれたことがあって。『冷たい職場』なんて言われることもあったこの会社の中から、そういう人が出てくれたことが本当にうれしくて」
社内で実施している交流企画に、あるメンバーが参加してくれた理由を尋ねたときのことも印象に残っているといいます。
尼﨑「『なんで参加してくれたんですか』って聞いたら、『尼﨑さんがやってるから』って言ってくれて。そのときに、今までにない感動を覚えました。今までは、もしかしたらただ作業をしてたのかもしれない。でもこれは作業じゃなくて、人と心から向き合う、本当に尊い仕事なんだって実感しました」
エンゲージメント活動の核心。人事自身に問うてほしい「そこに愛はあるんか」
情熱だけでも、仕組みだけでも、組織は動かない。だからこそ、得意不得意を補い合える「チーム」で、組織と向き合うことが大切なのかもしれません。そしてチームには、感情を隠さずに本心で語り合える関係が欠かせないのだと、2人は教えてくれました。
最後に、同じようにエンゲージメント活動を推進する人事担当者に向けて、2人からメッセージをもらいました。堀江さんが挙げたのは、「1人でやらないこと」でした。

堀江「人事が尼﨑さんみたいな人ばかりだったら楽だと思いますけど、そうじゃないですよね(笑)。私も前職では『これ意味あんのかな』『大変だな』ってネガティブな感情をめちゃくちゃ持ってました。そんなときこそ、『仕事だからやらなきゃいけない』で本音を覆い隠さないでほしいなと思います。『だるいな』『めんどくさいな』と思っている自分は何が嫌で、本当はどうしたいと思っているのかを掘ってほしい。そこが中途半端だと、いい方向には向かわないはずです」
そして尼﨑さんが読者に届けたいと口にしたのは、次の一言でした。

尼﨑「言いたいことは、1つ。『そこに愛はあるんか』ってことですね。私たちの仕事は、上辺だけで通用したり、『やらなくちゃいけないからやる仕事』じゃないと思うんです。目に見えないものだからこそ、嘘はつけない。自分がそもそも会社に対してどう思っているか、社員に対してどう思っているか、自分のエンゲージメントはどうか。
人事のエンゲージメントこそ大事ですし、私たちはそこは自信を持って『高いです』と言えます。人に対する愛も大切ですし、何より自分自身への愛も大切なんだって、この記事を通じて、多くの人に知ってもらえたらうれしいですね」








