
一方的な情報発信を打破! 学んだワークショップで対話を増やし組織を活性化【Engagement Run!参加事例】



エンゲージメントや組織づくりに関する知識、ノウハウを学べるオンラインアカデミー「Engagement Run!」。2020年12月の開校以降、数多くの受講生がEngagement Run!での学びや経験をもとに、それぞれの会社で組織づくりの活性化に取り組んでいます。
今回は、愛知県を拠点に、福岡県、千葉県で店舗展開をし、不動産仲介事業、不動産リノベーション事業などを展開する株式会社不動産SHOPナカジツの「Engagement Run!」を通じた取り組みを紹介します。「Engagement Run!」での学びをきっかけに社内の対話を活性化させたエピソードを中心に、プロジェクトの事務局を務める3名に話を伺いました。
差し迫った課題がなかったからこそ、ぶつかった壁
―御社がエンゲージメントに注目するようになったきっかけは?
中村:最初は、SDGsへの関心でした。社内で「働きがいの向上」がテーマとなり、どうやらエンゲージメントというものがあるぞという話から、ツールの導入を検討していきました。

株式会社不動産SHOP ナカジツのSDGsに関する情報を発信する特設サイト
実を言うと、Wevoxの導入を決めた当時、組織として差し迫った課題は特になかったんです。離職率も業界平均と比べてかなり低い方でしたし。強いて言うなら、会社が拡大期に入り、急激に社員数が増え、事業エリアもどんどん拡大し、トップの目が現場になかなか行き届かなくなり始めていました。
―ということは、未来に備えて取り組んでおこうと。
中村:まさにそうですね。先々を見据えて「どんな組織をつくりたいか」を考えておく必要はあるんじゃないかと思っていました。
水谷:Wevox以外にもツールは検討したんですよね。
中村:いくつか話は聞きましたが、コンサル的なかたちでグイグイ入られるのは嫌だったんです。「うちはうちでやるから、とやかく言わないで」という感じで(笑)。その点、Wevoxはアンケート結果がすぐに反映されることと、自分たちでスコアを読み取って自分たちの課題感を自分たちで追求していくという考え方を持っていて、それがすごく気に入りましたね。あとは、他社事例が充実しているところです。
近藤:素人の私たちにとって、そこは大きかったですよね。
中村:ホントそうでした。最初は何から始めたらいいのか全然わからなかったので、他社の取り組みを参考に手探りで進めていったんです。
―具体的にどうやって運用していったのですか?
中村:いろいろ検討したのですが、まずは社内でアンバサダーを募り、チームを良くするための取り組みを、彼らを中心に進めてもらい浸透を図ろうと考えました。アンバサダーは立候補制にしたものの、なかなか手が挙がらなくて。それでも、強制的に指名はせず、チームで話し合って選んでもらうようにしました。体制的には、各チームからアンバサダーを選出し、彼らを束ねるリーダーアンバサダーを決め、各チームでの対話をレポート形式であげてもらって全社に共有するかたちをとりました。
近藤:ただ、そのあたりの運用がなかなかうまくいかず、それが「Engagement Run!」への参加に繋がっていくんです。
中村:先ほど話したように、これという組織課題はなく、どのチームのスコアも極端に悪くはなかったんです。そうした状況で、対話を行おうとすると、低いスコアについて無理に話そうという雰囲気になってしまって…。その結果、「健康のスコアが低いので、残業をなくそう」といった程度の対話しか、1年間で進まなかったんです。
ー メンバーには、Wevox活用についてどう広報していたのですか?
中村:スタートするときに社長発信で全員に伝えました。ただ、その後はチーム内での対話の仕方をきちんとレクチャーできてなかったんですよね。それは、事務局である私たちが勉強不足で、メンバーと同じ知識レベルでスタートしてしまったから。スタートダッシュでうまく展開できなかったので、思ったような取り組みには繋がらなかったんです。
―ちなみに、定期的な情報発信はどのように行っていたのでしょうか。
中村:毎月のサーベイの実施以外だと、「Wevox通信」みたいなかたちで2ヶ月に1回配信し、「スコアのここを見ればこんなことがわかるよ」「こんな風に話し合いをしてみて」などは伝えていました。他社事例が見られる場所を共有したりもしたのですが、それをただ流すだけで、実際にどれくらい見てくれていたのかははっきりしないんです。

当社の社風として、言われたことはしっかりやる真面目な会社なので、サーベイの回答率も高いし、忙しい中でもチームで集まってくれてはいたんです。でも、なかなか対話が進まなかったのは、ひとえに我々運営側の勉強不足が原因だったかなと思っています。
事務局がエンゲージメントの理解を深めることが、施策の充実に繋がる
―そこから「Engagement Run!」に参加するようになったとのことですが、どこに興味を持っていただけたのでしょうか?
中村:ちょうど今年の5月に組織改編で新体制となり、もっとWevoxをちゃんとやっていこうと考えるようになりました。しかも、運営側がお話ししたような課題を感じていたところだったので、まずは我々がきちんと勉強してエンゲージメントに関する知識をつけようということになりました。
近藤:そんな私たちにとっては、「Engagement Run!」はぴったりでしたよね。「定額で学び放題なんて、お得だよね」とみんなで話してました(笑)。
中村:やっぱり、もっと学びたいという気持ちの裏には「迷いなく進めていきたいな」「もっと腑に落ちたいな」という思いがそれぞれの中にあったと思うんです。「知らないことがいっぱいあるなら、知りにいこう」という感じで、それぞれが興味のあるクラス(講義)を受けるようにしました。
―印象に残っているものや、学びが多かったクラスにはどんなものがありましたか?
近藤:エンゲージメントの基礎の話が印象に残っていますね。「エンゲージメントとはこういうものです!」とバシッと言ってもらえたのがわかりやすかったですし、どう捉えていけばいいか学べたのは大きかったです。
実はその前の1年間、私はアンバサダーをやっていたのですが、当時、スコアは全部が良くないといけないと思っていたんです。総務として「達成感」のスコアをどうすれば上げられるかを、みんなでずっと考えるんですが、何も浮かばなかったりして(笑)。そんな経験があったので、講義の中で「部署や組織の方向性、戦略によっては上がるところもあれば下がるところもある」と聞いて、いろんな見方があっていいんだと気づかされましたね。
中村:私は最初のひと月で26コマ受講したので、この中ではもっとも受けたクラスは多かったと思います。その中で一番衝撃を受けたのが、「自分のビジョン」「チームのビジョン」「会社のビジョン」の重なりをいかに見つけていくかという話で、それがエンゲージメントの説明で一番しっくりきました。

Engagement Run! 実践クラス「自チームのエンゲージメントについて考える」より
それから、それまで馴染みがなかった、「ワークショップ」に触れられたことがすごく良かったです。当社の場合、不動産の店舗で働いている社員がほとんどなので、働くうえではどうしても個人の成績に重きを置いてしまいがちです。だからこそ、ワークショップのような体験を通じてお互いを理解したり、自分の考えを発信していく機会は必要だと気づかされました。
―水谷さんは産休明けで会社に戻ったら、Wevoxやエンゲージメントの取り組みが新たに進んでいたんですよね?
水谷:そうなんです。最初は「それって何?」という感じで(笑)。だからこそ、自分もそこにちゃんと乗っていかないと何1つ貢献できないという焦りがあったんです。そんな私にとっては、「Engagement Run!」のような学びの場を与えてもらえたのは本当に助かりましたね。
印象に残っているのは「適応課題」の話です。課題に対して技術的なアプローチだけでなく、「ただ会話をするだけでも何かがほぐれていく」みたいな話はすごく腑に落ちました。日常生活の中でも、それこそ夫婦間でも(笑)、そうやって気持ちを整理していくことって確かにありますよね。それに、そもそもエンゲージメントという言葉自体が難しいじゃないですか。
中村:ホントそうですよね。ちょっと身構えてしまうというか。
水谷:すごく広い意味を持つ言葉ですしね。だから、全部がエンゲージメントに直接結びつかなくても、何かをやった結果として向上していくものだと最初から捉えられたのは、「Engagement Run!」のおかげだと思っています。
―そうした学びを、社内ではどう活用しているんですか?
近藤:一番手っ取り早いのは、みんなにもワークショップを体験してもらうことですね。まずは我々の部門の勉強会の時間を2回ほど使って、「エンゲージメント要素の高め方」といったテーマのワークショップを開きました。普段やらないような対話の機会を作ったことで、反応がすごく良く、こうした機会を社内でももっと増やしていこうと進めているところです。
水谷:これまでの一方的な発信に比べて、具体的なテーマに合わせて対話ができたり、普段話さないようなことを会話できたりするため、課題解決の糸口が見つかるようになりましたよね。
近藤:これまではスコアとにらめっこする場面が多かったと思うのですが、一度スコアから離れて、自由に話してみることで、新たな気づきが得られたというような声は挙がり始めていますね。社内でこうした取り組みを加速させるために、私の方でワークショップをスムーズに進めるための「虎の巻」のようなスライドを作り、全社共有できるよう準備しているところです。
将来に向けた「蓄え」として、エンゲージメント向上の取り組みを進めていきたい

―今後、事務局として強化していきたいこと、やってみたいことはありますか?
中村:現場に対しては、とにかく話す機会を増やしてもらいたいですね。そこから生まれる相互理解によって、組織がもっと良くなっていくと思います。そのためにも事務局ではスコアをもっと分析的に見て新しい施策を考えていくなど、いろいろな「仕掛け」をもっと用意していければと思っています。
近藤:現在、弊社は売り上げも好調で、人も増えて組織の活性化も進んでいるところです。とはいえ、いずれ業績が落ち込んだり、ネガティブな環境になってしまうことはないともいえません。その時に、「じゃあ辞めて転職しよう」ではなく、前向きに「この組織で、みんなでやっていくにはどうしたらいいか」を共に考えてくれる社員をいかに増やしていくのはすごく大事なことだと思っています。
水谷:まさにエンゲージメントの強化、ですよね。
近藤:はい。だから、エンゲージメントについて考えていくことは将来に向けた「蓄え」になると思いますし、今の取り組みをより太くしていくとか、頻度を上げていくとか、いろいろな形で充実させていきたいなと思っています。
中村:「エンゲージメントが高い企業は業績も高い」というのがベースにあるとしたら、業績を上げるためにエンゲージメントを強化しようとは実は思っていないんです。アトラエさんと一緒にサーベイの結果をいろんな角度から分析しているところですが、新卒・中途、年代、役職など、チーム以外の角度からもスコアを検討することで、社内の状況をもっと可視化できそうな手応えを感じています。それによって新たな課題を見つけていけると、新たな取り組みのもつなげていけるかなと思いますね。
水谷:この1、2年くらいで社員数はほぼ倍になっているので、それ以前と今とでは社内の状況も変わっているのは間違いないんです。それでも、「ナカジツらしさ」というか、「大切に守っていきたいもの」「引き継いでいくべきもの」はたくさんあるはずで、そこをどうみんなで共有していくかは、これからの課題だと思っています。
中村:まさに先々を見据えて、今ちゃんとやっておきたいところですよね。
水谷:はい。だからこそ、みんなが何を考えていて、どうしていきたいのかを率直に話せたり聞けたりする場を増やしていきたいです。それは人事としてというよりは、会社全体の取り組みとしてもっとやっていきたい。そのときに、エンゲージメントの向上はお互いの相互理解に繋がるし、「チームでできること」を考えていく原動力になるものだと思っています。







