“くだらない”から“必要な存在”に。製造現場マネージャーがWevoxを活用する理由

“くだらない”から“必要な存在”に。製造現場マネージャーがWevoxを活用する理由

ピジョンホームプロダクツ株式会社
鍋田 慶彦 氏
鍋田 慶彦 氏
ピジョンホームプロダクツ株式会社
製造部 調合グループ マネージャー

中途採用で入社し、製造部に配属。2018年よりマネージャーを務める。2021年に製造管理部に異動し、2022年より再び製造部へ。現在は、調合グループにて13人のメンバーのマネジメントを行っている。

組織のエンゲージメント向上のために、どのようなアクションを起こせばいいか悩むマネージャーは少なくありません。ピジョンホームプロダクツ株式会社の鍋田さんも、当初はエンゲージメントサーベイ「Wevox」の活用に懐疑的でした。しかし、組織の課題に直面したことを契機に向き合い方を見直し、今では積極的にエンゲージメント活動に取り組んでいらっしゃいます。その経緯や、具体的な取り組み方法から、マネージャーのエンゲージメントとの向き合い方を紐解きます。

スコアの推移から、マネージャーの方針やメッセージのメンバーへの浸透度を測る

―鍋田さんは、エンゲージメント活動に熱心に取り組まれていて、自部署のWevoxのスコアも高いと伺っています。鍋田さんがエンゲージメントに興味を持たれた経緯を教えてください。

私の場合、エンゲージメントに関心があるというよりは、メンバーの意欲を高めることに関心を持っています。

メンバーの意欲が高まれば、各自が自発的に行動し、自己成長します。そしてそれが、組織の活性化に繋がると考えているからです。

ただし、個々の意欲が高いだけでは不十分で、その意欲が会社の目指す姿と合っていなければ意味がありません。会社が目指す姿の実現のために、自分たちは何ができるのかということをメンバー一人ひとりが想像し、提案し、実行できる。そんな人材を育成できるようマネジメントに取り組んでいます。

―会社が目指すことと個人のやりたいことの重なりがエンゲージメントの形だと発信している私たちと、鍋田さんのお考えには共通するところがあると感じました。鍋田さんご自身の、組織の活性化への関心はどこからきているのでしょうか?

おそらく、過去の経験が大きいのではないかと思っています。学生時代に野球をやっていて、大学では寮生活でした。また、前職で数カ月〜半年単位の出張という形で海外勤務を経験していて、出張中は同僚と4人1組で同じ家に住んでいたんです。

こういった集団生活だと、気分が落ち込んでいるときも誰かと一緒にいなければなりません。例えば、自分のミスで試合に負けたときも、寮に帰らなければならない。そういったときに、組織としての目標や目的があるのとないのとでは大きく違うなと感じました。海外出張も、良いものをつくりたいという思いがなければ辛さが勝ってしまう。これらの経験から、マネージャーは組織のビジョンを示すことが大事だと考えるようになったんです。

―貴社は2018年2月にWevoxを導入されましたが、当初はどのような印象を持たれましたか?

今だから正直に言うと…最初は“くだらない”と思っていたんです。「スコアを出して何がしたいんだろう?」と訝しんでいました。というのは、当時の私は「マネージャーの仕事=決めること」と考えていて、メンバーの育成についてはまださほど頭になかったのです。

ですが、今は、組織やメンバー、仕事などに会社の目指す姿やパーパスを反映させることが重要で、Wevoxは反映状況や自分がメンバーに伝えたかったことの浸透度を測ることができるとても便利なツールだと捉えています。

―どのような経緯でその視点を得られたのでしょうか?

2020年ごろのことです。自グループの中で製造不具合の頻度が高い時期がありました。再発防止を徹底するために、私から重要事項や確認事項をたびたびメンバーに伝えるなど対策はしていました。メンバーも「わかりました」と応えはするものの、本当に考え方などが浸透しているかどうかを確認しようがなくて。そこで、すでに導入されていたWevoxのスコアを見てみようと思い至ったのがきっかけです

―どのような観点でスコアを見られましたか?

まずは、自部署や他部署のオーバービュー画面のスコアを「あー、前回のサーベイから変動しているな」と見るところからスタートしました。そのときは、スコアを起点にアクションするところまでは考えが至っていませんでした。

今は、スコアの推移に着目して、1カ月ごとの変化を受けて、「じゃあ今月はこういう言い方でメンバーに働きかけてみて、スコアの変化を見てみよう」などとアクションを検討・検証しています。Wevoxを健康診断に例えると、スコアはあくまで問診で、問診結果をもとに、どう対応するかを判断していくものだと考えています。

―どのように、そうしたWevoxの活用法に辿り着いたのでしょうか?

2021年に、実際にこの方法でスコアが上がった経験をしたことが大きいです。当時は、「自己成長」のスコアを上げることが全社目標に掲げられていたので、私は「今月はこういう声かけをしよう」「次は一度メンバーと距離を置いてみよう」などと働きかけや声かけの仕方を月ごとに変え、スコアの変動を見るようにしていました。その結果、「自己成長」のスコアも全体のスコアも上がっていったんです。その経験が自信になりましたし、Wevoxってこう使えばいいのかと腑に落ちたんです。

現部署では、“製造”というメンバー間のコミュニケーションが重要な業務を行っているため、「仕事仲間との関係」のスコアの変動をとくに見ています。ログインしてまず「仕事仲間との関係」のスコアを確認した上で、ほかに大きく上下している項目がないかどうかを確認しています。

―メンバー間の横の繋がりを強めていく上で、直近数カ月において鍋田さんご自身が取り組んでいらっしゃることや、意識されていることは何でしょうか?

まずは対話ですね。メンバーの話を聞くだけではなく、私からも意見を伝えるという意味で対話を大事にしています。

それから、自分に機嫌の波をつくらないことです。例えば、メンバー同士でいざこざが起こった際、マネージャーに話しやすい雰囲気がなければ、メンバーは情報を上げづらいですよね。情報が速やかに自分に上がる状況をつくるために、機嫌の波のない、話しやすい上司であるよう努めています。そして、情報を得たら速やかにアクションを起こすようにしています。

―実際の「仕事仲間との関係」のスコアの推移はいかがでしょうか?

現部署に着任した2022年1月当初から見ると、大きく伸びています。なので、この方法は間違いではないと、改めて自信に繋がっていますね。

チームのビジョンを言語化し、メンバーが立ち返る場所とする

―鍋田さんのように、スコアは自分や組織にとっての健康診断だと気付く管理職の方がいらっしゃる一方で、スコアをうまく活用できない管理職の方もまだまだ多いのが現状です。そういった方々に向けて、エンゲージメントを高めていく上でのマネージャーの役割について、鍋田さんの気付きやお考えを教えていただけますか?

マネージャーの役割として、すぐに実践できることは2つあると思います。

1つは、機嫌のアップダウンをなくすこと。そしてもう1つは、ブレないことです。マネージャーが示す方向性がブレたり、一貫性が見られなかったりすると、メンバーとの信頼関係に影響しますから。

さらに、私自身がマネージャーとして意識しているのは、次の7つです。

  1. メンバーのことを「聞く」、メンバーのことを「考える」、メンバーのために「実行する」を、スピード感を持って行う

  2. 自分ではなくメンバーをスターにするという気持ちを持つ(スターになるのは自分ではない)

  3. 個々のメンバーの考え方や成長スピードに合わせる

  4. 組織のビジョンを明確にする

  5. メンバーと常に対話する

  6. 常にメンバーよりも先の思考を持つ

  7. メンバー一人ひとりの強みと弱みについて、自分と本人が共通の認識でいる

4の組織のビジョンについては、マネージャーを務める組織の目指す姿を、キャッチコピーのような形で言語化して、毎週のミーティングで必ず自分が口にするということに昨年から取り組んでいます。

例えば、昨年いた製造管理グループでは生産計画を扱っていたので、「売り上げが下がっても利益を出す組織」でした。今年の調合グループは「Excellent――感動するほどすばらしい職場づくり」です。

こうしてビジョンを言葉にして示すことで、メンバーが「何をすればいいんだっけ?」と迷子になるようなことがないようにしています。

―目標を1つ設定して、メンバーのみなさんの意識が統一されるようにするということですね?

そうです。毎週、ことあるごとに口に出していますし、メンバーに対する月次報告資料の表紙にも記載しています。そのくらい多くの場でこの言葉に触れてもらうことも、大切な工夫かと思います。

マネージャーがメンバーを知ろうとすることがすべての原点

―では改めて、鍋田さんにとっての「エンゲージメント」とは何でしょうか?

今となっては、大切な経営資源だと思っています。経営資源とは何かと調べていくと、どこを見ても必ず「人」が最初に書かれているんですね。人が活力を持って、試行錯誤しながら活躍するには、エンゲージメントがなきゃダメなんだと思っています。

―管理職の方々に、エンゲージメント活動やWevoxを用いた取り組みについてアドバイスをいただけるとすると、いかがでしょうか?

「自分で考えるしかない」というのが私の率直な考えです。実際、社内の他部署のマネージャーから相談を受けたときは、このように答えました。

というのは、考えること自体が大事ですし、正解も、終わりもないんですよね。組織によってメンバーの年齢構成や業務内容も異なりますし、企業によってエンゲージメントの考え方や重要度も異なります。アドバイスを受ける方のバックグラウンドがわからないまま何か言うことはできないなと思います。

それでも何か回答するならば、メンバーを知ろうとすることがすべての原点ではないだろうかとお伝えしたいですね。自分を理解しようとするマネージャーとそうでないマネージャーのどちらの下で働きたいかというと、100人いれば100人が前者を選ぶと思うんです。

だから、Wevoxを利用している管理職にとって大切なことは、スコアを見ることそのものではなく、スコアを見た上で、メンバー1人ひとりの表情や日常の様子をしっかりと見ることだと考えます。そして、できたことや頑張りをしっかりと褒める。怠けていたら、適切な声かけをする。悩んでいる様子が見えたら、こちらから声をかけて相談にのる。加えて、示唆を与えられるような知識をつけておく。「このマネージャーはよく話を聞いてくれるけれど、何のアドバイスもない」では意味がないので、業務に関する知識はもちろん、経営状況なども含めて、広く浅く、一部は深く知識をつけ、常にメンバーよりも先の思考を持っておくことが大事だと思います。

―スコアを組織について考える材料にし、 適切なアクションを起こし、サーベイでその結果を確認する。とても本質的な取り組みをされていて、素晴らしいと感じています。

まだまだ勉強中ですが、一人ひとりが少しでもエンゲージメントが高い状態で働けるように、今の取り組みを続けていきたいと思います。

最初は“サーベイってくだらない”と思っていた僕も今は、ツールやシステムは使い手の考え方・使い方次第でいかようにも組織の改善やメンバーのエンゲージメント向上に活用できるなと思っています。

ぜひ他のWevoxを使っている管理職の方も、まずはスコアを見ること、そして組織について考えをめぐらすことからスタートしてみるといいのかなと思います。

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