【Teamwork Sessionレポート】エンゲージメントスコアを起点とした実践事例とは 〜独自の分析レポートの作り方/活用を公開!〜

【Teamwork Sessionレポート】エンゲージメントスコアを起点とした実践事例とは 〜独自の分析レポートの作り方/活用を公開!〜

弥生株式会社
村上 元太 氏
村上 元太 氏
弥生株式会社
顧客サービス本部

Wevoxや1on1、社内表彰制度など、人材の定着とエンゲージメント向上に繋がる施策の検討・運営を担当。

Wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、弥生株式会社の村上 元太さんにご登壇いただきました。同社は2021年9月からWevoxを導入いただいており、村上さんのご登壇は今回が2度目となります。Wevoxのスコアを独自の分析レポートにし、エンゲージメント活動を推進しており、その具体的な方法について語っていただきました。

本日のテーマは「エンゲージメントスコアを起点とした実践事例とは?〜独自の分析レポートの作り方/活用を公開!〜」です。どうぞよろしくお願いいたします。

1978年創業の弥生株式会社は、会計などの業務ソフトウェアの開発・サポート・販売を行っている企業です。ITメーカーとしては老舗の部類に入ると思いますが、直近でも社長が交代したり株主が変わったりと、経営体制においてかなり大きな変革期に入っている最中にあります。東京本社の他に、北海道から九州まで支店・営業所を構えており、私が所属している顧客サービス本部は、大阪と札幌の両拠点でカスタマーセンターを運営しています。

売上実績に関しては、おかげ様で25年連続ナンバー1を維持しています。ユーザー数も、デスクトップアプリ・クラウド製品アプリ共に着実に成長しており、お客様からもかなり高い満足をいただいています。

全社の組織体制には大きく分けて3つの柱があります。

メーカーですので、まずは製品を作る部門があります。次に、マーケットとして届ける部門、そしてサポートサービスなどを通じて支える部門です。顧客サービス本部は、この「支える」部分を担当しており、お客様が事業に専念できるように、CXやカスタマーサクセスの実現などを通じて課題解決をしていくことを使命としています。

さらに、顧客サービス本部もお客様に最前線で対応する「顧客対応部門」とその後方から顧客対応部門を支援する「運営支援部門」という2つの部門に分かれており、私は運営支援部門における人材管理の分野でWevoxを運用しています。

3つの傾向を基に従業員の個別レポートを作成

弊社のWevox導入の目的はエンゲージメントの向上です。Wevox導入前までは、年に1回、全社の従業員満足度調査を通じて組織の状態の可視化を行っていたのですが、それではなかなかリアルタイムに状況を把握することができませんでした。なるべく月1ぐらいのペースでエンゲージメントを測定したかったですし、顧客対応しているチームがメインになるため、なるべく回答に時間をかけず運用できるツールを探した結果、Wevoxを選定する運びとなりました。

まずは、リアルタイムに組織課題に向き合うべく、月1回30分間は必ずWevoxの運営事務局と現場のリーダーが1on1を行い、スコアから見える課題への対策を打つという組織サイクルを回すための運用を始めました。現場のリーダーには、組織課題を自分ゴトして受け取り、自主的に解決してもらうため、個人スコアの参照権限を付与しました。その結果として、運用開始から約1年が経過した頃から3つの傾向を発見することができました。

1つ目は、エンゲージメントが高い人はパフォーマンスも高いということです。これは学術的にも証明されているので大きな驚きはないかもしれません。2つ目は、エンゲージメントが高い人は業務時間中における上司やチーム内でのコミュニケーションの割合も多くなっていること。そして3つ目は、逆にエンゲージメントが低い人は、退職に至ったり、メンタル不全などによって休職に至ったりする傾向があるということです。

こちらはその考察グラフで、縦軸が案件の獲得率、横軸がWevoxのスコアになっています。ご覧のとおり、Wevoxのスコアが高ければ高いほど案件の獲得率も高い傾向にあることが分かります。

こちらは弊社が別途システム上で算出している、業務時間に占める会話や対話の時間の割合を示すグラフです。コミュニケーションの時間が多ければ多いほどエンゲージメントのスコアも高くなっています。

退職した人の過去のデータを分析してみると、Wevoxのスコアがだんだん右肩下がりになっていく傾向があることが分かりました。また、メンタル不全による休職者に関しては、ある程度スコアが下がった後はそのまま横ばいになる傾向があります。弊社ではWevoxのスコアを毎月1回取得していますので、こういう傾向があるのかどうかを月次で確認することが人材定着における目安のひとつになるのではと考え、レポートを作成しています。それまではWevoxのシステムを運営事務局と一緒に見ながら1on1を実施していましたが、分析を行ったレポートを現場リーダーに提供することで、より早期に問題を発見・解決へとつなげることを期待しています。

スコアの低下したメンバーをアラート表示して見逃しを防止

これを行うため、組織改善サイクルと同じ3つのステップを設けました。レポートについては、我々の本部は契約社員も含めて約400名が在籍しており、その400名を対象にした全体のサマリーもあるのですが、先ほどの3つの傾向値を軸に、個別の傾向が分かるようなレポートを作成しています。作成手順としては、まずWevoxからRAWデータを出力します。次に、システムには入っていないいくつかの属性情報をExcelで結合させて、3つの傾向に沿った内容がないかどうかを、従業員一人ひとり400名を対象にチェックを行います。

そうした結果を1つずつまとめて、最終的にはこのようなExcelデータを現場リーダーに提供しています。大阪と札幌に拠点を構えていますので、それぞれの拠点における傾向や、Wevoxのスコアにおけるカテゴリのトピックスがあれば、そういったものも初めに記入します。その下に続いているのが個別レポートです。前月のスコアとの差が5ポイント以上あった人や、退職・休職のリスクがある人、健康スコアが著しく下がっている人は赤字で「対象」と表示されており、また、コミュニケーションにかける時間の割合も一目で分かるようになっています。その隣にはWevoxのフリーコメントも含めています。

初めはたった1人の担当者が400名全員分のレポートを目視でチェックしていたのですが、ほとんどミスはなかったとは言え、かなり時間や工数がかかっていました。そこで、自動化判定ができるようChatGPTを活用して判断ロジックを組み立てることにしました。検証を繰り返し、最終的には目視した内容と自動判定した内容にほとんど差異がないレベルまでに到達できたため、現在は全て自動判定でこのレポートを作成しています。自動化により作業時間を約13時間短縮できたと聞いていますので、こちらもかなりの成果だと思っています。

様々な角度からコミュニケーションを促進

このように結果を分析した後は、毎月30分の時間を設けて現場リーダーにレポートを共有し、今後どのように現場主導でチームを盛り上げていくかについての1on1を行います。この1on1から実際に出た改善アクションは様々ですが、コミュニケーションによるものがほとんどです。例えばキャリアについて悩んでいる、または組織内で関係性があんまり良くないみたいな話があれば1on1をすぐに設定するようにしています。

弊社はなかなか変化が激しいので、恥ずかしながら、組織方針に納得していないといった話も少なからずあります。そういった場合には、チーム全体に対して改めて組織方針に発信するような施策を練るなどして、コミュニケーションに特化した施策を打つことがほとんどです。

また、運営事務局側の施策として、収集したWevoxのフリーコメントの一つひとつに対して回答を作成し、月1回のペースで公開しています。コメントを通じて組織としての方針を説明しながら見解を示すことも、広い意味では対話の機会のひとつだと捉えているので、こういった取り組みも継続しています。

今後は運営事務局もリーダーもそれぞれに推進役を設けて、一緒に伴走するような形で各チームの現場と課題解決をしながらWevoxのスコアを向上させていきたいと考えています。実際に一部のチームで推進役と共に取り組みをした結果、綺麗にスコアが上がっていくという事例がありました。弊社の取り組みとしては、上司・部下の関係ではなく、全く利害関係がない者同士の斜めの1on1を実施して色々な組織課題を浮き彫りにし、キャリア開発、社員同士の部門を超えての交流を通じてスコア向上を進めていくことを目指しています。

本日お伝えしたかった内容は以上となります。本当に四苦八苦しながら取り組みをしておりますが、おそらく他社の皆様も日々苦労されているかと思います。何か少しでも参考にしていただけるものがあれば何よりです。

<編集部コメント>
スコアの下がる傾向や、その傾向を踏まえたレポートの作成方法を詳しくご紹介いただきました。自社で真似できそうな内容があれば取り入れてみてください!

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