
エンゲージメントが低い人に合わせることをお勧めできない理由【Weコラム-みんなで考える組織づくり- #4】
このコラムでは、Wevoxやエンゲージメントをテーマに、これまで私達が蓄積してきた知見や考えを皆さんに伝えます。ぜひ、チーム作り・組織作り・組織開発の際の参考にしてください!
Wevoxカスタマーサクセス/Engagement Run!講師の平井です。
よくある、エンゲージメント推進活動のやり方
エンゲージメントの向上に取り組んでいる会社様の相談の中に、「会社の中のエンゲージメントスコアが低いチームの改善を急ぎたいんですよ。なので、スコアが低いチームを個別にサポートしたり、スコアが低い人たちを人事の人が面談をすることに取り組んでいます」と言うものがあります。
組織開発のセオリーにおいて、主体性がある人や意欲が高い人からアクションをしていこうと言うものがありますが、主体性がある人や意欲が高い人は、そもそもエンゲージメントスコアが比較的高めに出がちなので、つまりこのセオリーでは、エンゲージメントのスコアが比較的高めの人たちからサポートを始めると言うことになり、上記のような相談のエンゲージメントのスコアが低い人たちに対するアプローチとは少し遠くなってしまいます。
では、なぜそのようなセオリーになっているのでしょうか。もしくはそのセオリーから外れてしまうと、どんな問題があるのでしょう。
「スコアが低いチームを引き上げることができるのであれば、エンゲージメントの向上ができるじゃないか」とか、それに近いのが、「私の会社はまだまだ推進活動のレベルが低いので、スコアが低い人達に合わせたセミナーやプロジェクトをする必要がある」と言う話なのですが、ここには大きな落とし穴があります。
落とし穴①:低いレベルへの平均化と高いチームへのリソースが避けない
まず、そもそもエンゲージメント推進プロジェクトを内容がスコアが低い人に合わせることによって、全体として緩くなってしまったり、もしくは現状維持と言うものを前提にしているものになってしまったりすることが多々あります。
エンゲージメント推進プロジェクトは、メンバーを成長させると言う必要があるのですが、エンゲージメントスコアが低い人たちの意見としては、「そんな難しい事は自分にはできない。自分のレベルに合わせて欲しい」と言う声が多くなってきます。
つまり、それに合わせる事は、ゆるいレベルのプロジェクトしかできなくなると言うことになります。 もちろん、そのようなことをやっていると、本来はチームを引っ張ってもらうはずのスコアの高いチームのレベル、高い成長を牽引するようなプロジェクトに時間が割けなくなってきます。
落とし穴②:保守化の増進
エンゲージメントスコアが低いチームのレベル/ペースに合わせることが続くと、チーム全体が保守化傾向に進んでいきます。保守化とはすなわち、「今のままで良い」と言う傾向のことをいいます。
みなさんも、プロジェクトを進める中で、できるだけ今の状態を変えない方が、別の言い方をすると、波風を立たせないほうが楽であると言う事は承知の通りだと思います。
しかし、その状況が、結局はエンゲージメントが低い状態を生んでいると言う前提に立ち、それを打破しなければいけないのですが、結果的には、むしろ、今の状態を維持しようと言うパワーが会社全体の中に強い意見として育ってしまうと言う問題があります。
落とし穴③:安全・便利・快適の先にイノベーションはない
そして、最後にエンゲージメントが低い人たちが求めていることが、「安全・便利・快適」と言うものに集約されがちであると言う問題があります。会社の中での262の法則を考えると、平均もしくは平均以下の人たちが考えている事は、自分がいかに安全で便利で快適に働けるかと言う事になります。 しかし、エンゲージメントが向上できた先にある「イノベーション」が活発に起こっている会社は、むしろそういった「安全・便利・快適」の先に進んでおり、 それはむしろ、「挑戦・失敗・学び・変化」と言うワードの方がふさわしい状態にあります。 つまり、エンゲージメントの向上を目指しながらも、むしろイノベーションとは反対の方向に進んでしまう可能性が強くあると言うことです。
私たちがこれから強く意識しなければいけないのは、エンゲージメント向上の先にあるそもそもの会社の姿を考えたときに、このことが非常に大きな問題になると言うことです。
具体的には、エンゲージメントが低く留まってしまい、イノベーションが起こらないような会社は、どんどん世の中のビジネスから遅れをとってしまうことになる事は間違いないでしょう。その先に待っているのは、実は、「弱い人たちからどんどんと苦しい状態になっていく」と言うことです。 つまり、結局は 弱者をサポートすればするほど、長期的には弱者にとってどんどん厳しい社会に変わってしまうと言うことになります。
初期の痛みを恐れず、しっかりとエンゲージメントが高い人達を作っていく事は、長期的には会社のイノベーションを育て、会社の底力を上げていき、そして会社そのものが拡大することによって、弱い人たちを助ける会社にできる。このような中長期的な視点を持たない限り、 強い気持ちを持ってエンゲージメント推進活動を先に進めることはできないでしょう。







