主体性と共同体感覚のジェネレーションギャップ【Weコラム-みんなで考える組織づくり- #9】
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主体性と共同体感覚のジェネレーションギャップ【Weコラム-みんなで考える組織づくり- #9】

このコラムでは、Wevoxやエンゲージメントをテーマに、これまで私達が蓄積してきた知見や考えを皆さんに伝えます。ぜひ、チーム作り・組織作り・組織開発の際の参考にしてください!

Wevoxカスタマーサクセス/Engagement Run!Academy講師の平井です。

年間200以上の研修をしていると、「最近の若者はすぐに会社を辞めようとする。それは、主体性ということなのか?そして、それは良いことなのか?」といった、ベテラン社員からの話をよく聞きます。一方で、「ベテラン社員は飲み会の大切さや周りに合わせる協調性を強調してくる」という若手社員からの声を聞く機会もあります。

これらは、主体性優位の若手社員と共同体感覚優位のベテラン社員の間に起こる、ジェネレーションギャップであるとも言えます。どうして、このようなギャップが生まれてしまうのでしょうか。

若い世代は主体性優位!?

Z世代とミレニアル世代のキャリア観
Z世代やミレニアル世代といった若手社員の皆さんは、ベテランの社員の人たちに比べると、自分たちの将来のキャリアについて、そこまで安泰ではないという考えを持っています。いわゆる人生100年時代と呼ばれている中で、社会人になった当初から、「自分たちがこの会社でどのように成長できるのか」「いつ転職をし、どのようにキャリアを築き上げていくのか」など、長期的なスパンでキャリアについて考えている事は間違いありません。自分のことをよく考え、自分の人生に対して責任を持っているという点で、若手社員たちが持っている感覚は、主体性に近い部分があると思います。

すぐに会社を辞めるのは、主体性?
では、会社をすぐに辞めてしまうということも、主体性の発揮だと言えるのでしょうか。この時に考えなければいけないのは、行動と動機を分ける必要があるということです。今回の場合、行動は「転職すること」。動機は、「なぜ転職をするのか」にあたります。

今の会社で経験を重ね、やれることを全て出し切った上で、キャリアにおいてつけておきたい力(例えば営業力や企画力、マネジメント力など)がつかないことを自分で判断し、次のキャリアを目指して転職をする人もいるでしょう。

一方で、全く別の動機を持っている人もいます。それは、「この会社にいても成長の機会をくれないし、上司ガチャに外れてしまったので私にはどうしようもない」と言う理由で、会社を辞める人です。

後者のような転職の理由の場合、結局は、自分の人生を会社という環境のせいにして自分で切り開くことはできていないので、他の場所に身を移すと言う手段をとっていることがわかります。これは、主体的とは言えません。

足りない共同体感覚
同時に、会社を自分の成長のための踏み台のように考えている若手社員も中にはいます。重要なことは、社会はあなたを中心に回っているわけではないと言うことです。あなたがうまく人生を成功させていくためには、周りの人の協力なしには成し得ないということを肝に銘じなければなりません。

これは、誰かと共に成し遂げるという共同体感覚が失われていることになります。

ベテラン社員は共同体感覚優位!?

「協調性が大切だ」というベテラン世代
ベテラン社員の中には、会社との協調性を何よりも重視し、会社で求められていることに対して着実に仕事をすることが正しいと主張する人や、口で言わなくても態度や行動がそのようになっている人もいます。

このように考えるベテラン社員は、前述した若手社員の転職といった行動に対して、嫌悪感を持ったりもしています。「なぜ最近の若者は、自分のことばかり考えて協調性がないのか」といったイメージです。

社会的背景をさかのぼってみると、高度経済成長期に日本が経験した急速な発展が尾を引いていると推測されます。当時は、製造業を中心に、マニュアルで組まれた正しいとされる仕事内容をそのまま実行することが重要だったのは間違いありません。

また、本人がそのような時代に働いていなかったとしても、先輩社員からの指導により、「社員同士助け合って、着実に仕事をする」ことが正解であるかのような感覚を持っているということもあるでしょう。

当時は技術が今より発達していなかったこともあり、アナログな部分を個人と個人の連携や連帯の力によってクリアしてきた部分も大いにあると思います。つまり、彼らの経験の中には、実際に協調性や連帯行動によるメリットを実感してきた過去があると考えられます。

飲み会でみんなでワイワイするのは、共同体感覚?
では、飲み会でみんなでワイワイするのは、共同体感覚と言えるのでしょうか?

ここでも、行動と動機を分けて考える必要があります。行動は、「飲み会を定期的に開くこと」ですが、動機には次のような2つの可能性があります。

一つ目は、仕事を円滑に動かすために仕事上のアドバイスを伝えたり、仕事上での仲間を大切に思うが故に精神的な支えとなろうと、飲み会を開いて対話を重ねることです。

一方で、会社で受けたストレス発散のために開く人もいるかもしれません。他にも、抜け駆けしそうな人をチェックし、「なぜ真面目になるのか?」と牽制し、仕事を一生懸命にすることはダサイ、自分の保身のための空気作りのために行っている人もいるかもしれません。

もちろん、後者は共同体感覚とは言えず、むしろ足を引っ張ってしまうような形になるでしょう。

適切な主体性と共同体感覚の両方を持つことが重要

この話からもわかるように、主体性と共同体感覚は常に両方が必要であるということが重要です。

ジェネレーションギャップにまつわる話題では、世代間の価値観や社会背景の違いだけでなく、そもそも会社の基礎力である主体性・共同体感覚からはずれた行動が原因として隠れていることがままあります。

行動と動機をしっかり見極め、自分や周りの人がどのような感覚でその行動を行っているのかということに対して注視していきましょう。その上で、相手がその行動をとっている原因を考えることで、チーム、引いては組織のエンゲージメント推進に寄与します。

ぜひ一緒に、組織の力を引き出していきましょう!


執筆:平井 雅史(Wevoxカスタマーサクセス/Engagement Run!Academy講師)
編集:小澤 未花

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