いい組織づくりを阻む3つの壁とは? 4100社以上の実践が導く解決の糸口【そしきづくり博2026 書き起こしレポート】
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いい組織づくりを阻む3つの壁とは? 4100社以上の実践が導く解決の糸口【そしきづくり博2026 書き起こしレポート】

平井 雅史
平井 雅史
Wevoxカスタマーサクセス/Engagement Run!Academy講師

エンゲージメント向上に必要なスタンスやマインドセットを得るための学び/クラスを主に担当。「組織開発の悩みの多くは適応課題である」という考えのもと、テクニックに頼らない組織開発の考え方や、エンゲージメントの高め方などを参加者との対話を重視したセミナーによって伝授していく。大手企業を中心に企業研修も多数手がける。

2026年3月3日(火)、アニヴェルセル表参道にて、Wevoxが主催する『そしきづくり博 2026』を開催。そのオープニングセッションとして、Wevoxの平井より、多くの企業と共に歩む中で見出してきた「自走する組織づくり」の考え方をお話しました。

年間200回以上の研修やセミナーをし、企業さまの悩みを直接聞いてきた平井が考える「組織づくり」の壁となるポイントを3つをお届けします。

皆さんお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。今日という一日を、単なる事例のインプットで終わらせないために、私たちがWevoxを活用いただいている4100社以上の実践から学んだ「自走」のコツをお話しさせていただきたいなと思っております。

私はWevoxをご活用いただいている色々な企業さまで年間200回ほど研修やセミナーをさせていただいておりますが、その中でよく壁になるポイントが3つほどあります。

有料のセミナーで話している内容から一部紹介したいと思いますので、ぜひ聞いていただければ幸いです。

1つ目の壁:忙しい職場が陥る「+α」という勘違い


まず1つ目は、そもそもWevoxなどを導入する時に「プラスアルファのことなんてやりたくない」という人が結構いらっしゃるということです。皆さんもそういうことに困っていませんか?特に多忙なプレイングマネージャーの方は、「今の仕事が忙しいので、プラスアルファの取り組みはちょっと今できないです」「できるようになってからやりますね」と言って、ずっとやらないといったことはありませんでしょうか?

こういった方には、しっかり皆さんの業績や結果に、組織づくりが関係があるということを、お伝えしなきゃいけないのです。

マネージャーさんの業績や結果は「戦略×実行力」で決まっています。どんなに90点の良い戦略を作ったとしても、実行力が50%だったら45点ぐらいの成績しか出ませんよね。一方で戦略が70点だったとしても、90%の実行力があれば63点で、さっきよりも高い点数になるわけです。

よくプレイングマネージャーの方は「もう言われたことやってくれたらいいんです」と言いますが、果たしてあなたが立てた戦略通りに皆さんは動いていますか?実行力が足りないから、思った通りに仕事が進まなくなって皆さんは忙しくなっているのではないでしょうか。戦略と実行力は左手と右手のような関係です。戦略だけやって実行力(エンゲージメント)に関与しないというのは片手落ちです。

Illustration by Freepik Storyset
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これを例えるなら、車の運転手がGoogleマップの戦略(ルート)ばかり気にしていて、実際の車がボロボロになっていることに気づかず、一向にゴールに近づかないのと同じです。両方大事なので、両方やっていかなければいけません。

Illustration by Freepik Storyset
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実際にエンゲージメントの低いチームにお話を聞くと、シンプルに「仕事が遅い」「無駄な労力をかけてしまっている」「1時間で終わるミーティングが2、3時間かかる」といった症状が出ています。なぜそうなるのか細かく見ていくと、エンゲージメントが低い人たちは、頭の中の半分で違うことを考えながら仕事をしているんです。

Aという仕事を任された瞬間に「なんで私がやらなきゃいけないの?」と思って手が止まり、ミーティングを設定してと言われても「あの人と話すの嫌だな」と止まってしまう。「もっとやりがいがある仕事がしたいのに」「結局この会社で何がやりたいの?仕事つまんないな」と思いながら仕事をしているから、なかなか仕事が進まないわけです。

ですから、プラスアルファの取り組みを意識高い系の自己啓発みたいに捉えるのではなく、「頭がモヤモヤする病気」に掛かっていると捉えて対処しなければいけません。

これが1つ目のポイントです。

Illustration by Freepik Storyset
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2つ目の壁:誰もが誰かのせいにする「他責のループ」

2つ目は、「誰がやるの?」という問題です。管理職がやるんですか?といった話ですね。昨今よく言われているのは「管理職の罰ゲーム化」です。何でもマネージャーのせいにされるので、マネージャーからすると「ここまでやらなきゃいけないの?」となってしまいます。

従業員からは「なんで会社はやってくれないんだ」と不満が出たり、逆に会社からは「あなたがこの会社を選んだんだから文句言わずにやりなさいよ」と言われたり。これって全部おかしいですよね。全員が誰かを他責にしているんです。職場ではこういう「他責のループ」が実は回っています。

一般社員が「成長できる仕組みが整っていない、評価の基準が曖昧だ」と会社のせいにする。経営陣に話を聞くと「いや別に制度はちゃんと提供してるよ。でも活用されてないし、チーム単位での育成をやってないのでは?」とマネージャーのせいにする。管理職の人たちは「やってますよ。でもメンバーと面談しても何やりたいか言わないし、成長意欲もない。無理に引っ張ればハラスメントでしょ」とメンバーのせいにする。結局ぐるっと回ってループになっているんです。

私がずっと言っているのは「自助・共助・公助」です。

自分でやる自助、チームで共にやる共助、会社が支える公助、これら3つが全部大事なんです。一般社員には仕事に対する責任感や自己管理(自助)、管理職には指導育成やコミュニケーション(共助)、経営・人事には制度やルール作り(公助)という役割があります。全員がサボってはダメだという大原則を覚えておいてください。

会社(公助)が制度を整えるのは、チーム(共助)や社員(自助)が頑張ってくれていると信じているからです。マネージャー(共助)が頑張れるのは、社員が頑張り、会社が支えてくれるという前提があるからです。そして社員(自助)が頑張れるのは、チームや会社が支えてくれると思っているからです。どれかが崩れると全部回らなくなり、他責のループに陥ります。だから「みんなでやる」というのが結論です。

3つ目の壁:「精神」が伴わない、制度やイベント

最後は「形骸化」についてです。なぜ形骸化が起こるのか。私は「制度のドーナツ化現象」と説明しています。制度を作った背景には「これをやりたい」という「精神」があったはずです。しかし日本人は真面目なので、「何のためにやってるんだっけ?」と目的を忘れても、制度だけを守り続けようとします。これが形骸化です。

制度が足りないからといって、細かく制度を付け加えることばかりやっていませんか?制度を導入する時は「これはセカンドベスト(次善の策)なんだ、私たちは負けたんだ」と心に決めてやってください。本来は制度なんてなくても自分たちでできる「精神の主導」がファーストベストなんです。それができないから仕方なく導入する制度がセカンドベストです。制度を揃えることばかりに時間を使わず、精神の主導に時間を使っていくことを忘れないでください。

この形骸化に関しては、多くの会社が「フランス料理的」な特別なことをやろうとしていることも、原因の一つです。

普段の仕事が「白ご飯」だとすると、エンゲージメントの取り組みをやる時に、豪華なフランス料理のように非日常的なイベントを用意しがちです。しかし日常に戻ると、白ご飯はそのままなので「結局普通じゃん」となってしまいます。白ご飯自体の味を変えて、おにぎりみたいに美味しく食べやすく形を変えていくことが大切です。

例えば関係性を構築する時に、4ヶ月後に社内交流イベント(フランス料理)を企画するのではなく、普段から朝の挨拶や「お疲れ様」を言い合う文化(おにぎり)を作りましょう。感謝を伝えるために急に表彰制度やサンクスカードツールを入れるのもいいですが、その場で「助かったよ、ありがとう」と伝える精神の部分が大事なんです。働き方改革でも、5年がかりのペーパーレス化プロジェクトを立ち上げるものよいですが、日常的に今のままでもやりやすくできる方法を探って前に進めることが大切なのです。

平井コメント:
自社の組織づくりが、「+α」を理由にで止まっていないか?誰がやるんだと「他責化」していないか?「形骸化」して、フランス料理のようになっていないか?

この記事が、これまでの、そしてこれからのエンゲージメント活動について考えるきっかけになれば幸いです。
一緒に、組織の力を引き出していきましょう!

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