
社内外のコミュニティ活動が起点に!他社との交流で伝播する、組織をより良くしたい熱気

農業制度資金に関わる業務を2年、県下JA信用事業の企画・開発業務を5年経験。 2020年に総合企画部に配属後、エンゲージメント改善活動に携わる。2024年に総務部人事グループに異動後も継続してエンゲージメント改善活動を担当し、ボトムアップの組織づくりを目指し、組織内のコミュニティの活性化などに取り組み中。

県下JAから受領した現物の集中処理業務を1年、証券運用業務を5年半経験。 2023年10月にJAバンク統括部に配属後、愛知県下JAバンクの広報業務を務めた後、現在は、経営戦略グループにて、バーゼル規制に関わるJA支援を担当。

愛知県下に19あるJAの経営戦略の策定や業務監査といった支援をする愛知県農業協同組合中央会の経営監査部のHRチームに所属。エンゲージメント向上支援や、採用支援や給与制度、報酬制度、評価制度などの制度設計などに携わっている。
異なる業界・会社でエンゲージメントを推進している人々が集まり、勉強会などを行う社外コミュニティ「HABEE-COME」。そのメンバーである愛知県信用農業協同組合連合会(JA愛知信連)の山本さんが発起人となり、JA愛知信連を会場とした組織横断型イベントの開催が実現しました。イベント主催者側である山本さんと、山本さんの呼びかけで参加されたお二方にお話を伺いました。
※取材時(2025年3月)の部署・役職になります。
組織横断型イベント開催の背景
—2025年2月28日(金)に行われた組織横断型イベントの概要を教えていただけますか?
山本:一言でいうと、エンゲージメントについて業界や会社の枠を超えて学ぶイベントでした。具体的には、異業種の他社と交流をして各社のエンゲージメント推進事例を共有しあい、そこから学びを深めていくものです。
今回のポイントは、メインコンテンツである取り組み事例の共有を2つの視点で行ったことです。エンゲージメント推進側と事業部門などの現場側、両方の視点で事例を共有しあい、参加者同士の対話を通じて学びや気づきを得られる場を目指しました。
また、今回のイベントの背景にあったのは、私が参加している社外コミュニティ「HABEE-COME(ハビカム)」での活動です。当コミュニティのメンバーたちは定期的に他社へ訪問して勉強会を開催していて、「次はJA愛知信連だね」と話があったのも開催のきっかけの1つになっています。
一方、JA愛知信連の中でも組織内コミュニティを作り、ボトムアップで組織を活性化する活動をしていました。その中で、「異業種の方々と交流することで、自分たちの環境や状況を客観視できるのではないか。」「他社さんとの交流を通じて、組織をより良くするヒントが得られないか?」といったアイデアも職員から上がってきていました。
そこで、HABEE-COMEでの活動と社内からのアイデアを掛け合わせ、社外の人、社内の人も参加できる勉強会にしよう、と考えがまとまりました。
この考えをHABEE-COMEのメンバーに共有すると「じゃあ、自分たちの組織の人も連れていきたい」と声があがり、最終的に30人規模のイベントになったんです。

—社内から10名の方が参加されたとお伺いしました。人を集めたり、プログラムを組んだりする上で工夫した点を教えてください。
山本:1つ目のポイントとして、せっかくJA愛知信連に来ていただくので、農業をテーマにしたプログラムを1つ組み入れたいと考えました。そこで今回、『ノウカサバイバー』というボードゲームを体験していただきました。このゲームは、農業生産と環境保全の両立を図りながら、農業経営を疑似体験できるもので、小学生向けの食農教育の中でも活用されているものです。当日は、このボードゲームを開発した方にもお越しいただき、ゲーム進行のファシリテーションを行っていただきました。実際とても盛り上がって、少しでも農業のことを考えていただくきっかけになったのではないかと思います。また、他社の方からは「このようなゲームを自社用に開発して活用したい」といった声もあがっていました。

2つ目のポイントは、推進側と現場側双方の視点を考えることができる場の設計を心がけたことです。推進側から2社、現場側から1社事例を発表いただき、その内容をもとに各グループ内で対話をしていただけるよう設計しました。エンゲージメントの推進というと、人事部や事務局などの目線で語られがちですが、現場のリアルな課題や変化を把握することで、取り組みのヒントにできないかと考えました。逆も然りで、今回、当会から参加する職員も現場目線で参加することを想定していたので、推進側の思いや背景も詳しく認知するきっかけになるのではないかと考えました。
—3社の事例発表は、どの企業さんに依頼されたのでしょうか?
山本:推進側の事例の1つは、当会から発表させていただきました。もう1つについては、ヤマハ株式会社さんに依頼しました。組織開発課を設けて先進的かつ全社的な取り組みを推進されており、私自身興味を持っていたのが理由です。
また、現場側の事例発表は、萩原電気ホールディングス株式会社さんにお願いしました。当日は、自部署でエンゲージメント推進をされている事業部長の方に来ていただき、具体的な活動内容を伺うことができました。
他社との交流で、エンゲージメント活動の解釈が広がる
—ここから参加された方にもお話を伺っていきたいと思います。どういう考えで参加を決められたのでしょうか?
安藤:エンゲージメント活動にはもともと興味があり、勉強してきましたが、これまで他社の事例を直接聞く機会はありませんでした。課題をどのように捉えて、どんな取り組みをされたのか。またその結果、現場のメンバーの反応がどうだったのかを聞いてみたく、参加したいと思いました。
先ほど山本さんも言っていましたが、1つの組織に長くいると、自分たちの環境が当たり前になってしまって客観視できなくなり、柔軟に考えられなくなる側面があります。それもあり、他社さんの事例が直接聞けるのは魅力的だと感じました。
太田:山本さんから今回のイベントがあると聞いて、「ぜひ参加させてください」とお答えしました。安藤さんと同じく、やはり異業種の他社さんとの交流の機会は滅多になく、その価値は高いと思っていましたね。
—実際にイベントに参加してみていかがでしたか?
太田:大きく2つ、学びと気づきがありました。まず1つ目が、各社様から取り組み事例を紹介いただいたことで、いろいろなアプローチや施策をやられている中でも、目指しているところが一緒なのだと感じられたことです。
具体的に、エンゲージメント向上とは、組織の中で発せられる言葉を換えていく活動だと今は捉えています。
2つ目は、やはり社内には活動に後ろ向きな人が一定程度いるということです。そのうえで、活動に後ろ向きな人にどう対応するかをグループ内で対話した際、「無理やりその人を変えようとするのではなく、周りの仲間を増やすことに着目するのが良いのでは」といった意見を聞いて納得できましたし、話せて良かったなと感じました。
—安藤さんは、当日特に印象に残っていることはありますか?
安藤:グループで対話する中で、現場で取り組みを行っている他社の方の言葉が一番印象に残っています。
その方は、「小さな取り組みが少しずつ周囲に広がっていき、やがては部署単位に、さらに会社全体へと波及していく」「一つひとつの“小さな波”を拾って“大きなうねり”に変えていければ、自然と全社的な活動にも繋がるのでは」と考え、まずは取り組みやすい小さな単位からエンゲージメント活動を現場で進めていらっしゃっていました。
「人事を介さない小さな単位での取り組みも、エンゲージメント活動」という捉え方に、感銘を受けたのを覚えています。
業界や会社の枠を超え、ポジティブな熱が生まれる
—山本さんは、今回の組織横断型イベントを主催してみていかがでしたか?
山本:最初はほんとにこんな規模感でできるとは想定していませんでした。小さな波が広がって、うねりになる様子を、体感しました。組織や業種を超えてエンゲージメントについて話す会場の熱量はすごかったです。
業界の枠を超えてここまで熱く語りあえるのかと驚きましたし、その熱量を作れたというだけで、次もやっていきたいという気持ちになれました。
また、JA愛知信連から参加したメンバーにアンケートで参加の感想を聞くと、「元気をもらえました」「参考になる話が多かったです」「エンゲージメントでこんなに盛り上がれるんだ」など前向きなコメントが多く、有意義な時間だったのではないかと感じています。

—イベントに参加された安藤さん、太田さんも、熱量の高さは感じられていましたか?
安藤:感じました。私は推進側になったことはないのですが、現場で推進されている方の話を聞いて、良い刺激になりました。
太田:熱量は、すごかったと思います。これからエンゲージメント向上を推進していく立場として、皆が同じ目線を持ちポジティブに考えていければ、JAグループは今よりも、もっと良い組織になっていくのではないかと感じられました。
一緒にイベントに参加した愛知県農業協同組合中央会(JA愛知中央会)のメンバーも、終わった後、積極的にエンゲージメント向上のアイデアを出してくれています。組織をより良くしたいと熱意と目標を持った人たちが集まって生まれるパワーは非常に大きいとあらためて感じました。
—今後、お二人が組織の中で、具体的に取り組もうとしていることはございますか?
安藤:イベントに参加して自分が感じた学びや気づきを周囲の人に伝えてみるなど、取り組みやすいところから始めてみようと思っています。共感してくれる人がいれば、その人がきっとまた他の誰かに話してくれると思います。そうして、小さなところから、組織のエンゲージメントへの取り組みの感度を上げていきたいです。
太田:JA愛知中央会は、愛知県下19JAのエンゲージメント向上をミッションにしています。今後どうアプローチしていったらいいのかは、メンバーみんなで悩みながら進めていけたらと思っています。
—山本さんはいかがでしょうか?
山本:私は、まず今回イベントに参加してくださった方々を積極的に巻き込んでいきたいと思っています。その一方で、今回参加できなかった人から「実は参加してみたかった」「業務の都合上、参加できなくて残念だった」といった声も届いているので、そういうメンバーも今後巻き込んでいけたらと思っています。
また、安藤さんが言うような、小さいところから取り組んでいく動きもすごく大事だと考えています。ぜひ、安藤さんのグループの事例を、今後、会社の中の成功事例の1つとして、共有していけたら嬉しいです。
HABEE-COMEが生み出す価値を広げたい
—改めて、今回イベントに参加してみての感想をお聞かせください。
安藤:これまでいろいろなエンゲージメントの勉強会などに参加してきて、ある程度理解したつもりになっていました。ですが、今回このイベントに参加することで、私自身、エンゲージメントに対して身構えすぎていたのだと自覚しました。
変化は最初から大きく起こす必要はなくて、小さな取り組みから、徐々に大きくしていけばいいと考えられるようになり、エンゲージメント活動の捉え方が変化しました。エンゲージメント活動に限らず、今後の仕事に活かせるような良い発想が自分の中で芽生えたと思っていて、参加して本当に良かったです。
太田:また参加したいというのが率直な感想です。本当に良かったと思うのは、やっぱり皆さん各組織の文化の中で悩みながら、それでも、「では、もっとより良くするためにはどうしたら良いか」と前を向いた発言する人ばかりだったことです。
こういう前向きな言葉をこれからJAグループにも伝播させていきたいと思いました。「課題は何か」といった発言よりも「もっと良くなるためには」という言葉が、今後JAグループ愛知でどんどん出てくるようになったら、素晴らしいですし、より良い組織になっていくだろうなと感じています。
—素敵なイベントのきっかけとなったという意味で、山本さんの中で社外コミュニティ「HABEE-COME」の存在感も大きくなったと思います。HABEE-COMEメンバーの一人として、ぜひ今後の展望をお聞かせください。
山本:そもそもHABEE-COMEの繋がりがなければ、今回のイベントは開催できなかったと思います。当日は、それぞれのグループにHABEE-COMEメンバーが入ってくれて、ファシリテーションなどを率先して引き受けてくれたことも、会話が弾んだ理由の1つだと思っており、心から感謝しています。
また今後も、HABEE-COMEから生み出される価値を、もっと様々な形、場所に展開していきたいと思っています。これからもメンバーみんなでいろんなテーマに取り組んでいきますし、また他のメンバーの会社で、今回のような組織横断型イベントを開催したいですね。








