
【Teamwork Sessionレポート】エンゲージメント活動を現場の人に取り組みたいと思ってもらうには?

2021年4月に応用地質株式会社へ新卒入社し、経営企画本部 企画部に配属。エンゲージメント向上に向けた運営に専従する形で、社会人生活がスタート。2021年9月からはWevoxが手がけるエンゲージメントを学ぶアカデミーEngagement Run! Academyに参加。
Wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、応用地質株式会社の谷口 友理さんにご登壇いただきました。新卒入社後まもなくしてエンゲージメント活動を推進することとなった谷口さん。新しい挑戦となる中で、どのように活動を進めてこられたのでしょうか?(司会進行:Wevoxカスタマーサクセス平木美紀)
平木:本日のテーマは「エンゲージメント活動を現場の人に取り組みたいと思ってもらうには?」です。どうぞよろしくお願いいたします。
谷口:よろしくお願いいたします。弊社は、地盤調査、自然災害の対策、廃棄物の活用による資源循環などを事業にしています。「人と地球の未来にベストアンサーを」というキャッチフレーズの下、サステナブルを目指し、社会課題を解決できるよう取り組んでいます。私は2021年に新卒入社で弊社の社員になりました。経営企画本部企画部に配属され、エンゲージメント向上に向けた運営に専従する形で社会人生活がスタートしています。
1年目の9月からはEngagement Run! Academyにも参加しながら、活動運営の道を歩んでおります。私は人や環境が「心地よい」状態になることに関心があります。その「心地よい」状態に近づくには様々な方面とwin-winの関係を目指すことが1つの条件であると考えており、現在、組織と個人がwin-winの関係を目指すエンゲージメント活動から多くのことを学んでいます。
弊社では、Wevoxを導入してから4年目を迎えます。対象者は約1000人で、社員は全国に点在しています。Wevoxのアンケートでは実名と匿名を選べますが、弊社は匿名で運用しています。アンケートの配信頻度は毎月で、アンケートの結果は全員が自分のチームのスコアを見られる設定にしています。

実のところ弊社のスコアは、初回に比べて-2下降しています。ですが、「現場の人にも一緒に取り組んでもらう」という、エンゲージメント向上に繋がりやすい方法を取り入れ始めてから、少しずつ動きが変わってきています。
2021年6月と2023年3月(発表時の最新結果)のエンゲージメントスコアを比べてみると+1です。事業部・本部単位のスコア推移を見てみると+2以上の変化があった組織が5つ、マイナス2以下だった組織が1つでした。向上している組織が増えてきているのが、ポジティブな傾向であると捉えています。数値以外の部分でも、改善に向けて一緒に取り組んでくれる人が増えているなと感じており、スコアに大きな上昇が見られていないものの、改善するための力がついてきている印象です。
3つの特徴を重視して活動を推進

次に、これまでに行ってきた取り組みをご紹介します。弊社のエンゲージメント活動には以上の3つの特徴があります。まず1点目に、弊社の問題として利益低下などが挙げられているため、お客さんのことだけでなく会社のことを考える必要や、生産性向上を目指す必要が出てきています。そんな状況の中、社外取締役の方が「生産性を高めるにはエンゲージメントが必要だ」と指摘されまして、会社として取り組む必要のある活動という位置づけになりました。これについては、経営方針発表の場でもエンゲージメント活動を推進していこうというメッセージを社員に発信してもらっています。
2点目として、弊社では若手事務局が表に立つことで、社員と並走する関係でエンゲージメント活動に取り組むことを目指しています。弊社の場合は私と私の上司の2名で事務局が構成されています。この上司にフォローをもらいつつ、社内への案内発信やイベントのファシリテーションなどを私が担っています。若手の事務局から発信することで、命令だからやるというやらされ感ではなく、助け合う感覚で活動に参加してもらえているかもしれません。エンゲージメント活動は初めてだらけの活動であり、また、これをやったら必ずどこの組織も改善するという答えがあるわけではないので、社員の人たちとお互いに試行錯誤していくような関係になれたらいいなと思っています。
最後に3点目ですが、弊社は「伝えること」ではなく「伝わること」にこだわっています。事務局から案内や連絡をする時には、まず相手の状況・状態を想像して、相手が受け取った時に「これは一体何のことなのだろう」ではなく「こういうことね」と思ってもらえるような表現や伝え方にできるように心がけています。また、主体性を大事にできるよう、相手の判断を尊重し、フラットな関係でやり取りをできるように努めています。相手を責めたり相手に無理強いしたりせずに敬意を表し、命令ではなく相談やお願いといったような関わり方にしていければという想いから、このような行動を意識して続けているところです。

先に3点の特徴をお伝えしましたが、ここからは具体的な活動事例についてお話しします。弊社の活動は主に3つのフェーズに分けられていました。

まずはアンケートの導入です。アンケートを導入してから最初の1年間は、アンケートを取り、アンケートの最後に設けたコメント欄に寄せられたコメントに社長と担当部署が回答するといった活動をしていました。ですが、フェーズ1では思うようにスコアが改善しませんでした。Wevoxのエンゲージメント測定はこの右側にある9項目ごとに測定されていまして、この9項目がエンゲージメント向上に必要な要素だろうと考えられています。これを上から3項目ずつ「個人・周囲・組織」に分類し、始めてから3月までのスコア推移に注目してみると個人と周囲が大きく下がっており、ここの改善が必要だということがわかりました。
Engagement Run! Academyで得た学びを様々な形で活用

その後、このままではいけないということでフェーズ2へと移りました。私はこのフェーズ2が始まる2ヶ月前に入社しまして、事務局として運営に関わっています。Wevoxの方たちから「現場ごとに状況や背景が異なるので、改善活動は全社一律の方法ではなくて、現場のチーム単位で活動をした方が効果的ですよ」とのお話を伺いまして、弊社もチーム制を導入しました。構成は、リーダーとサブリーダーを含む5〜20人で、全部で120チームくらい作りました。
チーム制を導入した翌月からは、社内でチームリーダー向けにエンゲージメントトレーニングと題しまして、Engagement Run!講師の平井さんにご登壇いただきながら、全4回のトレーニングを開催しました。それぞれどんな内容だったかというと、1回目はエンゲージメントとは何かについて、2回目はWevoxのスコアをどのように活用していくか、3回目は改善に向けてどんな取り組みができそうか、4回目は1〜3回目のまとめと今後の心得です。目的は、何もわからないという状況から脱することでした。
このトレーニングの後には、学習を通じて社内に成功事例を生み出すことを目的に、「モデルチーム活動」を実施しました。これは、立候補してくれたチームリーダーがEngagement Run! Academyを受講し、そこで学んだエンゲージメント向上に向けたノウハウを自分のチームで実践するというものです。前期・後期で4ヶ月ずつモデルチーム活動を行ったのですが、ありがたいことに、モデルチームリーダー3人のインタビューをWevoxのWebメディア「DIO」で取り上げていただきました。

さらに、受講生同士が社内で情報交換しやすいようにということで、1〜2ヶ月に1回、1時間話せる場を設けました。また、モデルチームはEngagement Run! Academyで活動方法を学べますが、それ以外のチームリーダーは初回の4回のトレーニングの後、社内に相談できる場がなくなってしまいます。そのため、毎月第3金曜日にエンゲージメント相談会を開催していました。相談会にはEngagement Run!の平井さんとカスタマーサクセスの清水さんにご参加いただきまして、弊社の参加者のお悩み相談や意見交換にご協力いただきました。相談会の内容はPowerPointにまとめて社内で共有するようにしていました。また、教えてもらったチーム単位の活動事例を横展開に繋げてもらえるよう社内報で紹介しています。
弊社ではエンゲージメント向上のための取り組みの1つとして、上司と部下の1on1を毎月実施しているのですが、通常の1on1に加えて、部門・部署を横断した1on1にも取り組んでいます。これは、メンバーの支援を高められるようにと、モデルチームリーダーであったEngagement Run! Academyの卒業生が企画運営してくれた取り組みです。
この部門・部署を横断した1on1では、直属の上司と部下の関係ではない斜めの関係で実際に1on1をやってみて、フィードバックを行います。お互いが傾聴のスキルを磨いたり、各自が考えた応援の声かけをやりあったりというようなことに取り組んでいます。今年の2月には成田社長(現会長)も参加し、3人の社員とオンラインで1on1を行ってくれました。このような活動にも、関心を持って参加してもらえるのはとてもありがたいです。

チーム制を導入した時のスコアと1年経った時のスコアを比較してみると、様々な項目で変化が見られました。横のつながりや承認、職場環境の改善という組織全体に関わる項目が上昇しています。横のつながりや承認はチーム制導入による成果かと思いますが、職場環境の改善については、フェーズ1で行った社長と担当部署によるコメントへの回答の成果がここに現れているのかなと感じています。一方で、ミッション・ビジョンへの共感がマイナス1で、会社の方針や事業戦略への納得感にも変化はありませんでした。
この点を踏まえ、Wevoxの方たちから「さらなる活動推進には、チームを超えた取り組みや、事業部長・本部長レベルからの働きかけやフォローも必要なのかもしれないですね」というお言葉をいただきまして、次のステップであるフェーズ3に移りました。
活動をさらに推進できるようにとエンゲージメント活動推進委員会を発足し、各部署に1・2名ずつ委員を配置してもらいました。委員には所属事業部の事業部長・本部長と連絡を取りながら、所属部署のエンゲージメント活動を推進することをお願いしています。また、どんな方法で推進していくかは各部署にお任せしています。理由は最初にチーム制を導入した時と同じなのですが、部署によって状況や背景が様々で、どんな改善策が良さそうかというのも部署によって異なるためです。その間事務局は何もしないのかというと勿論そうではなくて、事務局は事務局で、委員が必要な資料を作ったり、意見交換の場づくりを支援したり、委員の黒子として動いています。

委員によって異なりますが、上のスライドにあるように、事業部長と活動方針を検討したり、チームリーダーに活動状況をヒアリングしたり、Engagement Run! Academyを受講して得た学びを社内に共有してもらうなどしました。

委員ミーティングは2ヶ月に1回開催し、その時の忙しさによってワークを行うか情報交換の場とするかを決めています。ここに載せている画像は実際に使ったワーク資料でして、コミュニケーションの取りやすさをテーマに3・4人に分かれて意見交換を行いました。オンラインでも行いやすいワークの進め方やワーク資料の作り方については、Engagement Run! Academyで経験したワークを参考に、自分たちがやりたいテーマに合わせてちょっと変更していました。

2023年の1月にはエンゲージメント好事例の表彰も行いました。この表彰で設けたのは、スコアアップ賞と活動賞の2種類の賞です。これらの賞で讃えたいのは、改善しようとしている活動そのものでして、今回は4つのグループが表彰対象となりました。表彰は社長(現会長)から行っていただき、表彰式はWeb配信で全社員が視聴できる環境で実施しました。

少し話の毛色が変わるのですが、経営層へは定期的に活動の報告をしており、経営層に活動を認知してもらうことで、会社が目指す方向や、やってほしいことのすり合わせを行っています。また、株主通信や統合報告書でもエンゲージメント活動を取り上げて、今こういう取り組みをやっています、ちゃんとやっていますよというのを投資家の方や株主の方にも見えるようにしています。
スコア向上までの長期戦に打ち勝つ鍵は「継続すること」
これまでの取り組みを踏まえて今後どうしていくのかについてですが、弊社には会社の存在意義や、なりたい方向性が社員と共有できていないのではという懸念があります。Wevoxのスコア的にも、理念戦略という項目の中で、特にミッション・ビジョンへの共感という部分に改善が見られにくいです。そのため、ミッション・ビジョンへの共感に対するアプローチを軸に試行錯誤してみようと思っている状況です。
活動を振り返り、一緒に動いてくれるメンバーが少しずつ増えてきたなと感じていると最初にお伝えしましたが、もちろん中には乗り気でない人もいます。ですが、これは悪いことではないと思っています。そもそも事務局からの説明の仕方が十分でなかったりする面もあると思いますし、みんないろんな考えを持っているので、やろうと思える・思ってもらえるかという変化は少しずつであるように感じています。
また、Engagement Run! Academyのおかげでエンゲージメントの理解が深まったのはもちろん、先ほどの委員ミーティングでのワークのように、オンラインでの進行方法の参考になりました。講師の皆さんや社外の皆さんと意見交換をして得られる情報や視点もありましたし、とても新鮮で良い刺激を得られたと思っています。
スコアがあまり上がらないことに経営層も最初は焦っていました。しかし、Wevoxの方から「大きな組織のスコアの向上はゆっくりですよ」とアドバイスをいただきまして、長期戦であることを役員も理解してくれるようになってきました。
今回のウェビナーのテーマについて、個人的に大事だなと感じているのは自分ができることを探してやってみること、全員一斉に火がつかないことを念頭に置くこと、途中からでも参加しやすい環境にすることの3点です。

3点目だけ補足しますと、何があったか、何が行われたかがわかれば途中からでも混ざりやすいですし、そのような環境や下地を作るためにも、何かを発信する時はなるべく多くの方にわかってもらえるような表現を心がけるようにしています。
当社の事例紹介は以上です。ご清聴ありがとうございました。
司会者とのディスカッション
平木:ありがとうございました。入社早々にエンゲージメントの推進活動に参加するなんてドキドキしますよね。当時はどう思いましたか?
谷口:働きやすい環境づくりに関心があったのですが、やっていいのかな?という気持ちもありました。それでも、よくわからないけどやれることはありそうだからとりあえずやってみようと、手探りで始まりましたね。
平木:各社によってやり方も違ってきますし、正解がない中でやっていくのは本当に大変ですよね。改善するための力がついてきているように感じていると資料の中で教えていただきましたが、スコア以外でそう感じる瞬間はありますか?
谷口:「実際にこういうことをしてみています」という社員からのメッセージが届きやすくなりましたね。社内に展開しやすいようにWevoxが色々なコンテンツを作ってくださっていますが、それが活用されやすくなってきました。前までは、そういったものを社内報や掲示板で紹介してもあまり反応がありませんでしたが、今では「こういうのってありますか?」といった質問が増えました。このようなことから、徐々に関心を持ち始めてもらえたり、実際に動いてくれたりしているんだなと感じるようになりました。
平木:変化が感じられると嬉しいですよね。時間をかけて変化を見るというのはすごく忍耐が必要だったかと思うのですが、そういったところを継続してこられたのですね。それでは質疑応答へと移ります。
参加者からの質疑応答
質問者:弊社もWevoxを利用しています。最初に比べて、どのような活動をするとどのくらい回答率が上がったのかというところと、弊社では特に経営層が「全員の回答率100%で回答は原則全員必須という方向にしたい」と考えているのですが、そのやり方は結構厳しいかなとは個人的に感じていまして、進め方などについて何か知見をいただけましたら幸いです。
谷口:弊社の回答率は最初から80%以上をキープしているという状況で、最初が一番高かったと記憶しています。各部署に委員を立てて、それぞれの部署でどう活動を推進していくかを決めてもらっているとお話ししましたが、回答率100%にしよう、回答率を上げようという動きをしている部署がありました。回答を強制させる動きはエンゲージメントのやり方とはちょっと違うかなと思っていますが、回答を呼びかけることで、そもそも何でアンケートをやっているのかを確認したり、チームとメンバー間で良い関係を保っていくにはどうしたらいいのかについて話し合ったりするきっかけに使える部分もあるのかもと捉えています。
質問者:フェーズ2でチーム制を導入されたというお話がありましたが、それについて2点質問があります。チームの割り振りは事務局が決められたのか、それとも部門ごとなどで元々あるチームで設定されたのかというのが1点。もう1点は、リーダー・サブリーダーは立候補か何かで決められたのかをお教えいただきたいです。
谷口:チーム制の割り振りは、事業部長と本部長に決めてもらいました。実際のところはまだあまり聞けていないので実情はわからないのですが、リーダー・サブリーダーはおそらく立候補ではないと思います。リーダーだけは管理職という縛りをつけて、サブリーダーはどんな方でもOKですという形で始めました。基本的にはそのスタンスで決めていただいています。
質問者:約1000人の方がアンケートに参加しているということですが、これは全社員が参加されているのでしょうか?また、モデルチームのリーダーの方がEngagement Run! Academyに参加して、それを持ち帰って実践していただくというお話がありましたが、他と比べて、モデルチームのスコアに変化はありましたか?
谷口:基本的には全社員が参加で、休職中の方や派遣スタッフの方などは対象にしていません(派遣スタッフは、アンケートには参加していませんが、活動には参加しています)。モデルチームがEngagement Run! Academyを受講した後大幅にスコアがアップしたかというとそうではなかったのですが、支援や承認など、チーム内で改善しやすい項目については、全社のスコアの変化よりも大きな動きが見えました。エンゲージメントが向上する時は、スコアが一定に上昇していくというよりも上がったり下がったりの動きが起こりやすいと伺っていますが、弊社のモデルチームでもそういった上下が見られました。4ヶ月の受講後の変化についてはあまり詳しく追えていませんが、4ヶ月間はそのような動きがありました。
質問者:当社では今年の1月に初めてエンゲージメントサーベイを実施し、今後は毎月やるのか四半期ごとにやるのかと頻度を考えている最中です。スコアとしてもその社員個々人の肌感覚としても、短期的な変化を感じるのはなかなか難しいと思っています。そのような中でも継続的にエンゲージメントサーベイに回答してもらったり、チームへの参画を得られるため協力者の輪を広げていったりするなど、社員個々人の意欲を高めるために工夫されていることはありますか?
谷口:アンケートを毎月やるか四半期に1回にするかという話は弊社でも議論したことがありました。毎月やっていくと、どこでどんな変化があったのかがどのタイミングでも取りやすいなということで毎月実施しています。また、毎月のアンケートをきっかけにメンバー同士で話す機会を持ってもらうことも狙いたい部分の1つではあったので、その想いも含めて毎月運用しています。回答する・しないについては、皆さんにお任せしている部分が大きいです。「必ず回答してください」ともなかなか言えないですし、「回答にご協力お願いします」とか「回答してくれてありがとうございます」というふうに、回答に協力してくれる人に謝意を示しながら発信していました。
質問者:2点ほど質問させてください。1点目は、本質的に誤った考えであるということは承知の上なのですが、業務プラス推進活動となると社員の負担が増加するということをどうしても懸念してしまいます。この点について御社ではどのように考えられていましたか?2点目は、エンゲージメントが著しく低い部署がありましたら、そういった部署はどのような施策をされているのか、可能な限りで構いませんので教えていただきたいです。
谷口:業務に活動がプラスされるとなると負担が大きくなるというのは私も感じている部分ではありますが、第二領域と言いますか、取り組んだ方が将来的には楽になる取り組みであると考えています。ですから、今はいっぱいいっぱいかもしれないけど、今やっておけば後々良くなると捉えています。ですが、いきなり大きなところから嫌々やろうとすると逆にパンクしてしまいますし、自分自身も動きにくくなってしまうと思っています。今の状況の中でこれだったらできるかもしれない、というような本当に小さなことから始めるスタンスで取り組んでいくのがよいと思っています。私はやることが増えていくとアワアワしてパニックになってしまうタイプなのですが、そうならない範囲でできることを見つけてやってみようと今頑張っているところです。
2つ目の、エンゲージメントが著しく低い部署に対してどのような施策をしているかというご質問ですが、具体的な方法を提示するというよりは「こういう結果でしたが実際のところどうですか」みたいなお話を聞いたことはあります。低いことが悪いわけではないので、皆さんの現状から少しでもよくするにはどうしたらいいのか、皆さんが抱えている問題を一緒に改善できれば、という気持ちで声をかけました。
質問者:冒頭に、生産性向上を1つの目的としてエンゲージメント向上に取り組んでいくというお話がありましたが、実際にエンゲージメントのスコアと生産性に相関があったのかが気になります。エンゲージメントについて前向きではない方向けにメリットを知らせれば協力的な人が増えるのかなと思ったので、何か検証されていたら共有いただければと思います。
谷口:弊社にとってとてもタイムリーなご質問でして、実はまだ弊社ではエンゲージメントの向上と生産性向上の相関について検証できていません。これまでの取り組みを通してチーム単位で見ると、スコアが上がってきたチームもあります。相関があると言われているものが、弊社にも当てはまるのかを確認してみようというのが最近の弊社の状況です。
質問者:弊社の1on1は、目標達成に向けた進捗や、課題を解決するやり取りみたいな話が多いのですが、御社の1on1はちょっと違った内容なのかなと感じました。もし可能であれば、どんな内容なのかを具体的に教えてください。
谷口:斜め1on1の大まかな流れをご紹介しますと、まず参加者同士で3人のグループを作って、1人が話す、1人が聞く、もう1人はそれを見るという役割に分けます。そして終わった後に、やってみてどうだったかという感想をフィードバックして、「この質問が嬉しかったです」とか「こういう聞き方はどうでしょう?」みたいな話をしています。毎月開催する中でテーマを設けていますが、4月は新年度、新組織が始まったということで、皆さんの意見を聞かせてくださいと大きなテーマをつけて、それについて思ったことを話してもらいました。進捗や業務の進め方というよりは、1on1に参加する人の価値観や考え方に関する内容がメインですね。
質問者:弊社での各部門のスコアを改善するアクションプランというのは、部門のチームがありまして、現場と話しながらアクションを計画したり、そのチームのリーダーが独断で立てたりといった流れになっています。部署の場合だと、事務局の方が計画を立てられている印象がありましたが、実際はどのような感じで立てられていらっしゃいますか?
谷口:事務局が大きくアクションプランを立てるというのは、最近はしていないですね。最初は4回分のトレーニングをやりましょうとか、モデルチーム制を始めますみたいな感じで進めていこうというフェーズもありましたが、具体的にどんな改善アクションをしていくかについては部署のリーダーや事業部長に自由にお任せしたいので、事務局からは提示までで留めています。
質問者:御社では共通の目標を掲げていらっしゃいますか?
谷口:一応、スコアを70点にしようと掲げてはいますが、あまり大きな声では言っていないです。改善に向けてチームで繰り返し取り組んでみるのが大事なので、いまはその行動の定着に注力しています。
質問者:エンゲージメントを推進することになったきっかけが社外取締役の取締役会での発言だったとのお話がありました。それについて、社内から出ている取締役さんの当初の受け止めはどうだったのでしょうか?その後、経営層が一丸となっているような印象があったので、その背景があれば教えていただきたいです。
谷口:取締役については私もわかってない部分の方が多いのですが、エンゲージメントを推してくれる取締役もいれば、エンゲージメントができるのは当たり前なのではみたいなタイプの方、あまり触れない方もいらっしゃるというふうには聞いています。御社(質問者の会社)では現時点では経営層の半分の方が興味を持ってくれているとのことでしたが、半分いるのはすごいのではと感じました。
平木:ありがとうございます。では最後に谷口さんから皆さんにメッセージをお願いいたします。
谷口:どうしたらいいのかなとか、うまく進まないと思う部分もありますが、その中でも、これだったらできるかもしれないと思うことを続けていけたらなと考えています。皆さんにもそんな感じで少しずつ進めていただけたら、社会も少しずつ良くなっていっていくのではと想像し、わくわくします。一緒に活動を推進していくメンバーとして、それぞれの場所で奮闘できたらと思います。今日はありがとうございました。
(編集部コメント)
職場のみなさんが主体的にエンゲージメント活動に参加している様子が伝わりました。経営層とのコミュニケーションも丁寧に行っているのも印象的でした。取り入れられそうな部分があればぜひ参考にしてみてください!
記事監修者

2013年からライターとして活動。DIOの立ち上げ時から企画・運営を担当。300社を超えるWevox導入企業への取材を通して、エンゲージメントや組織づくりのストーリーを届けている。「わたしたちのエンゲージメント実践書」(日本能率協会マネジメントセンター)のブックライティングも担当。







