【Teamwork Sessionレポート】経営トップ・リーダー・人事のスコアを大公開!それぞれのエンゲージメントの捉え方とは?

【Teamwork Sessionレポート】経営トップ・リーダー・人事のスコアを大公開!それぞれのエンゲージメントの捉え方とは?

ヤマハハイテックデザイン株式会社
村木 保之氏
村木 保之氏
ヤマハハイテックデザイン株式会社
代表取締役社長

1993年にヤマハ株式会社に新卒入社。主に製品設計や開発マネージャーを担当。2023年4月にヤマハハイテックデザイン社長就任。

坂本 竜一 氏
坂本 竜一 氏
ヤマハハイテックデザイン株式会社
管理課

2001年にエンジニアとして新卒入社。2015年よりグループ内案件を担当する営業を兼務し、その後は営業専任に。2019年からは人事として組織開発に関わり、同年4月よりスタートした社内のエンゲージメント向上プロジェクトの推進役となる。2020年からは人事専任となりプロジェクトを牽引する立場になり、現在はエンゲージメント向上推進や新卒・中途採用など多岐に渡る役割を担う。

大石 雅也氏
大石 雅也氏
ヤマハハイテックデザイン株式会社
設計部 設計1課/アンバサダー/エンジニア

2007年に中途入社。主にエンジニア畑一筋で、入社後は主に製品の回路設計などを担当。現在は製品の評価業務を担当。2020年度よりリ・スタートしたエンゲージメント向上プロジェクトにおいてアンバサダーに就任し、推進役としてチームの組織活性化に務める。

Wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、ヤマハハイテックデザイン株式会社 代表取締役社長の村木 保之さん、設計部設計1課の大石 雅也さん、管理課の坂本 竜一さんにご登壇いただきました。初の試みとして、御三方のエンゲージメントスコアを公開いただいています。三者三様のエンゲージメントの捉え方に注目です。

約7,000人が参加したWell-beingのワーク

平木(司会):本日のテーマは「経営トップ・リーダー・人事の3者が語るエンゲージメントとの向き合い方とは?」です。どうぞよろしくお願いいたします。

坂本:ヤマハハイテックデザイン(自社HP)は1996年にヤマハの半導体事業部の設計子会社として設立され、現在はヤマハの楽器音響製品や、車載モジュール、アミューズメントスピーカー開発を担っています。従業員は50名程で、「私たちは、ヤマハグループで一番、日本で一番の、夢をかたちにするエンゲージメントの高いエンジニア集団を目指します」というビジョンを掲げています。

エンゲージメント活動を開始したのは2019年度からです。Wevoxと1on1に興味を持った当時の社長が、全く知識のない私を推進役に任命し、社長と私の2人で協力しながらスタートしました。しかしその1年後、元社長が親会社に復職したため、とても不安な気持ちで活動2年目を迎えることになりました。でも今思うと、それが逆に私のやりがいや成長に繋がったように思います。サーベイは月1のペースで行っていて、全社員が対象です。社員は自分の属する課やチーム、管理職は個人以外、私と社長は個人の結果を含む全データが閲覧できるようになっています。

次に、活動事例をご紹介します。こちらのシートの左上はWevoxが提供する「Values card」と「タイワカード」、それから一般に市販されている「ito」というカードゲームです。このようなカードを使って価値観の共有を行ったり、1on1を実施したりしています。

その下には、Wevoxチームの平木さんが配信されている「Weradio」です。このラジオを社員に聞いてもらい、そのテーマについて意見交換をするワークショップなどを実施しています。

その隣の黒い枠で囲まれた4つは、私がEngagement Run!Academyや心理学のNLPなどで学んだ知識を社員に紹介するセミナーです。

右下の紫の枠はYamaha Dayというヤマハ全体の行事で、自分自身のWell-beingについて考える企画を実施しました。自分がヤマハで働いている理由を15分程度で整理できる内容になっており、世界で約7000人の従業員にワークしてもらうことができました。

ここからは、会社や今回の登壇者3名のエンゲージメントスコアを順に公開します。

最初は会社全体のスコアです。弊社はベンチマークを若干下回っているくらいのごくごく普通のスコアですが、ここ1年で見てみると、前半はほぼ変化のない状況が続いていて、3月以降から少しスコアが上がってきています。要因としては、長い間停滞していた採用活動が再開したこと、あとは4月に社長が村木に交代したのですが、社長に対する期待などが反映されているものと思われます。

三者三様のサーベイとの向き合い方

坂本:次に個人のスコアを見ていきます。まず経営トップである社長のエンゲージメントスコアです。村木さんに質問なのですが、社長になってからの4ヶ月間でどんな心境の変化がありましたか?

村木:4月中旬頃に最初の回答をした際は93点でした。そこから5月に一旦下がって、また少しずつ上がってきています。今は仕事とプライベートの両方で忙しい状態が続いていますが、プレッシャーやストレスをあまり感じることなく、自然体で仕事に取り組めているように感じています。

開発マネージャーを経て、今年4月に社長に就任し、内部統制や財務・人事のような、今まで経験したことない仕事に携わるようになりました。当時は多少の戸惑いもありましたから、このようなスコアになったのだと思います。また、エンゲージメントに着手する際、私に対する承認は誰なのかとか、そういった部分に悩みを抱えながら回答したところもあり、最初の数ヶ月は点数にぶれがあったのかもしれません。月が経つごとにその激動も一段落してきましたし、自分自身がある一定の基準を持って回答できるようになったので、まだ数ヶ月しか経っていませんが、現在は会社に慣れてきたという感触があります。

坂本:最初は点数の付け方が分からなかったということでしょうか。

村木:7段階のうちのどこがスタートなんだろう?って。その時は他の社員の人たちのスコアを見ることもなく自分自身で回答するしかなかったですから。承認のところは、自分の上司って誰だろうという意味で最初に悩みました。

坂本:確かにそうですよね。もう一つ質問なのですが、社長に就任する前、開発マネージャー時代にもしWevoxを利用していたとしたら、どんなスコアになっていたと思いますか?

村木:今ほどのスコアではないにしても、そこそこ高いスコアがついていたと思います。かなり忙しい職場でしたが、忙しい中でも上司や同僚が助け合いながら仕事ができていたので、仕事をやりきったときの達成感も十分に味わえていました。また、トラブルが起きたときの結束力も優れていましたね。

坂本:なるほど。マネージャーが周りに対して気を配る環境が整っていたのかもしれないですね。

坂本:次はエンジニアリーダーのスコアです。サーベイを取り始めてから5年間ずっと右肩上がりのグラフで、特に3年目の6月から9月にかけてと、直近の約4ヶ月が大幅に伸びています。大石さんに質問なのですが、どんな気持ちの変化があったんでしょうか?

大石:元々点数の付け方を厳しくしている方で、普通の状態を表すにも、7段階のうち4か5をつけていたと思います。3年目に急激に上がっていますが、この辺りでは、私自身が社外や社内で発信する機会があり、そこで満足感を得られたことが影響しています。この時に価値観が変わったというか、サーベイを回答する基準が1段階ずつ上にシフトするようになりました。

その後、失望するような出来事もなかったので、発信を行うことによって得られた満足感が継続している状態だったんでしょうね。5年目の3月と4月にスコアが上がり始めていますが、この頃に新しい職務を任されまして、ワクワクしながら仕事に取り組めているためです。この先またこのワクワク感が持続するのかどうかはまだ自分でも分かりませんが、期待しながらやっていきたいなと思っています。

坂本:いい価値観に変わっているからこそ継続もできて、さらにスコアが高く上がり続けているんですね。それでは最後に、人事である私のエンゲージメントスコアをご紹介します。

大石:1年目から3年目の間にスコアが上がったり下がったりを繰り返していますが、どういう理由なのでしょうか?

坂本:凸凹しすぎていますよね(笑)。私は1年前ぐらいから定期的に自分の過去のスコア見て、何が起こっていたのか分析するようにしているのですが、下がる1つ目の要因は、上司との価値観のズレを感じたときです。これはかなりスコアに影響するなと実感しています。

2つ目は、Engagement Run!Academyなどで学べば学ぶほど理想ができてくるのですが、その理想と現実にギャップが生まれたときに「上手くいかないな」と感じてエンゲージメントが下がってしまいます。1年目から3年目までは、ずっとそれを繰り返していたのだと思います。

スコアが上がったきっかけは、DIOの取材を受けた後、2年前のTeamwork Sessionに登壇をさせていただいた後にエンゲージメントスコアが上がりました。また、アトラエさんを訪問して刺激を受けた後、他社の方と交流した後にもスコアが伸びていました。人や環境のせいにしているとエンゲージメントはずっと下がり続けるものだと思うので、自分から何か行動したり挑戦したりすることが大事なのかもしれません。

大石:その後3年目からググッとスコアが上がり続けて、高い状態をキープしていますよね。

坂本:こんな高い状態になっていることに私自身も驚いていますが、これには大きく分けて2つ理由があるかなと思っています。1つが、ヤマハ全体の行事の企画を担当したときに、改めてWell-beingの大切さを知ったことです。また、行事を通してヤマハグループ全体への貢献もできたのでスコアが上がったのだと感じています。もう1つは、言語学と心理学が組み合わさったNLPという学問がありますが、Well-beingに近い内容のものもあったりするんですね。そこで行う、自分の望ましい状態やゴール設定を考えるワークもきっかけとなり、自分の軸が見つかり、ぶれにくくなった感覚があります。このような経験から、高いスコアをキープできるようになったのだと思います。

大石:今後、上司との価値観のズレがあったとしてもスコアが下がらない自信はありますか?

坂本:とんでもないことがあったら下がるのかもしれませんが、多少のことなら、少し点数が下がったとしても1〜3年目のような状態にはならないのではと思っています。プライベートでも何か起こるかもしれないですし、ここから先は分からないですが、昔よりも自分の中で活力が湧いてきているような感覚があります。今、本当に仕事が楽しいので、しばらくはこの状態が続くだろうな、続いてくれるといいなと思っています。

手探りの状態から見出した対話の重要性

平木:ありがとうございます。村木さんにご質問なのですが、2023年4月に代表取締役社長に就任され、自社のホームページにもかなり早い段階でエンゲージメントに関する記載がされていました。就任後に初めてエンゲージメントという言葉を耳にしたとのことですが、御社のこれまでの活動内容を聞いたときに、率直にどのようなことを感じましたか?

村木:社長に就任する数ヶ月程前に異動を伝えられたのですが、当時は誰にも言えない状況でした。そのため、会社のビジョンに書かれているエンゲージメントという言葉も気になってはいたものの、誰にも聞けず、必死になって自分で調べた記憶があります。

その中で、ヤマハハイテックデザインがアトラエさんと過去に一緒にやったイベントや記事を通して活動を知ることができました。就任がオープンになってから、坂本さんを中心に具体的な取り組みの状況を聞くことができたんですけれども、エンゲージメントはどうしても定性的かつ抽象的な内容が含まれていますよね。

元々私自身は開発エンジニアで、当時は常に定量的または具体的なことを問われ続けていたものですから、正直、最初は苦手意識が強く、果たして自分にできるのかなという不安がありました。ただ、そうした漠然としていた中でも、社長としてやっていかなければいけないという意識はありましたね。

平木:実際に就任されて以降皆様と話す中で、腹落ち感や、ご自身の中での理解が深まるような変化がありましたか?

村木:全社員の方と話す機会を設けて色々と話していく中で、悩みなどの相談を受けました。我々は開発を受託しているので、社員一人ひとりのアウトプットがそのまま業績に影響するような会社です。社員がモヤモヤ感を持っているような状況ではいいアウトプットが生まれません。モヤモヤを解決していくのが、私の仕事だと思い取り組んでいます。

平木:就任後、ご自身で実行されたことと、その意図または背景、工夫点があれば教えてください。

村木:まだ就任してから数ヶ月なので偉そうなことは言えませんが、今やっているのは社員一人ひとりと話をすることで、大小様々な問題や不満を聞き出せているので、今後も継続していく予定です。なかなかまだ自分の気持ちをオープンにしてくれない方もいますが、そこは回を重ねながらお互いの信頼関係を作っていきたいと思っています。この点に関しては、こちらからの話し方などを改善する必要があるのかもしれません。

また、Wevoxのサーベイを通じて、経営・管理職のリーダーシップや、社員との関係性に解決すべき課題が残っている可能性があることが分かってきています。ここに対しても働きかけが必要ですね。幸いにも、会社の業績自体はかなり良い状態が続いています。会社の運営方針をそのまま大きく変えるというよりは、今の右肩上がりの成長を続けるためにも、社員一人ひとりのアウトプットがより出るように寄り添い、話し合いを大切にして今後も会社を運営していきたいと考えています。

平木:ビジョンの中にエンゲージメントという言葉が使われていますが、ミッション/ビジョンへの共感を高めるために村木さんが工夫されていることはありますか?

村木:全社員に対しては、定期的に弊社のビジョンを伝える働きかけをしています。それ以外では、一人ひとりと話をしていく中で、不満や不平があるとエンゲージメントは高まらないから少しでも出してほしいと声をかけています。私も権限を持ってはいるので、裏方もしくは御用聞きのような立場で社員の人たちに臨むつもりで接するようにしています。

1on1をマンネリ化させないためのプロジェクトを始動

平木:全体的なメッセージも伝えつつも、一人ひとりとの向き合いと受け止めを大事にされているんですね。続いてリーダーの大石さんにご質問です。現在の大石さんのお仕事内容とチーム構成、そこに関わる活動について取り組まれていることがあれば教えてください。

大石:私のチームは商品開発に携わっていて、試作品の評価や性能の改善、不具合の解析などを担っています。チームメンバーは現在20代から40代の5名です。このようなメンバー構成で、役割分担をしながら業務を進めています。

特に目立った活動をしているわけではありませんが、週に1回、各メンバーがネタを持ち寄ってそれについて意見を交換する定例会を設けています。ネタを持ち寄ると言っても、去年と一昨年は、毎回ネタを用意できなかったり、「誰かが持ってきてくれるからいいや」というような感じで怠けたりといった雰囲気でした。当時は私がファシリテーターでしたが、今年からはメンバーが順番にファシリテーターをやっていく形式にしています。なぜ急にそんなことをやり始めたかというと、去年、ファシリテーターのスキルを身につけたいというメンバーからの要望があったんですね。

ファシリテーターのスキル取得に関連するワークは今も継続して実施しているのですが、その延長上で、じゃあ実際に自分たちでファシリテーターやってみようということで、経験の場として定例会にも導入しました。あとは、坂本さんが立ち上げた「1on1プロジェクト」には、私がサポートという形で参加しています。

1on1自体は2019年頃から続けていますが、正直、少し停滞感があって。目的を見失っているというか、どうしてこれをやってるんだろう、これにどんな効果があるんだろうという疑問を持たれているような雰囲気が漂ってきています。どういうやり方なら有意義な時間を過ごせるかを考えていくためにも、有志を募ってこのプロジェクトをスタートさせました。

平木:定例会のメンバーの方が持ち寄るテーマにはどんなものがありますか?

大石:業務に直結する悩みが多いですね。「情報共有したい」とか、「トラブルを今後起こさせないためにはどうしたらいいですか?」のような内容もあります。あとは、坂本さんのEngagement Run!Academyで出てきた情報を紹介してほしいというようなリクエストを受けることもあります。

平木:皆さんで会話をしたり情報を共有したりする時間が取れないんじゃないかと不安に思われる企業様もいらっしゃいますが、大石さんのチームでそれが実現できている背景にはどのような要素がありますか?

大石:2019年に、会社全体でエンゲージメントを高めようという目標が掲げられたのですが、そのモデルケースとして抜擢されたのが私のチームでした。ある程度なら何をやってもいいみたいな権限があったので、その流れを組んで、とりあえず1年間限定で1週間に1回定例会を開くことにしました。1年経った後にこの活動を続けていくことが決定し、それが今もずっと続いている感じですね。

何かこういったきっかけがないと、いきなり定例会のようなものを開くのは難しいかもしれません。私たちの場合は、こういうことやるんだと全員が認識した上で参加する形だったので、1年が経過しても満足感があったのかなと思っています。不満や文句もなく継続できているのは、私としても嬉しい限りです。

他社との交流があれば悩みを分かり合える

平木:1つのきっかけから約4年間も継続されているということですね。では最後に坂本さんにご質問です。エンゲージメント活動における人事の役割は何だと思いますか?

坂本:社長の村木からも裏方や御用聞きという言葉が出ていましたが、縁の下で支える役割になることだと思います。あとは、社員が「働きがい・働きやすさ」を感じられる環境を作ることですね。社員が困っていないときには私は必要ないのかもしれませんが、社員が困っていたり悩んでいたりしたときにはまず相談に乗れる相手でいることが私の役目だと考えています。

平木:推進チームや事務局として、エンゲージメントの推進活動に悩みながら向き合っている方がたくさんいらっしゃいますが、坂本さんが行われているこの数年間の活動の中で、ポイントや工夫点があれば教えてください。

坂本:最近は、「自分自身が生き生きと働くことがまず求められる」とお話ししています。周囲がその姿を見て、自分も生き生き働いてみたいと興味が湧いたり、自分もこうなりたいという理想を持ってもらったりすることが大事なのかなと思うようになりました。

それから、他社の方と関わりを持つこともとても大事ですね。同じような悩みを抱えている者同士だからこそ分かり合える部分がありますし、だからこそ支え合うこともできると思うので。Engagement Run!Academyは学ぶだけではなく、他社の方と知り合うきっかけにもなるので、入って良かったなと感じています。まだ入られてない方や仲間見つけたいなと思っている方には、Engagement Run!Academyがおすすめです。

平木:社内だけでなく社外にも仲間がいる状態はとても大事なのかもしれないですね。皆様ありがとうございました。

(編集部コメント)
共有していただいた個人のスコアを通して、御三方によるエンゲージメントへの向き合い方や捉え方が感じ取れるプレゼンテーションでした。参考になる部分があれば、御社でも積極的に取り入れてみてください!

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