【Teamwork Sessionレポート】食品メーカーで全員が主体的に参加したくなる!?変化が楽しめる組織づくりプロジェクトの全容

【Teamwork Sessionレポート】食品メーカーで全員が主体的に参加したくなる!?変化が楽しめる組織づくりプロジェクトの全容

ナガセヴィータ株式会社(旧:株式会社林原)
長尾 厚太朗氏
長尾 厚太朗氏
ナガセヴィータ株式会社(旧:株式会社林原)
生産部門 生産統括部 岡山第一工場 工場管理課

工場の生産計画、在庫管理および庶務全般の業務管理を担当。プロジェクトリーダー、2020〜2022年度の従業員組合執行委員長としても活動している。

多田 彩加氏
多田 彩加氏
ナガセヴィータ株式会社(旧:株式会社林原)
管理部門 人事総務部 人事課

給与・評価・タレントマネジメントなどの労務管理を担当。プロジェクト事務局にて、推進メンバーのエンゲージメント活動のサポートも行っている。

櫻井 岳夫氏
櫻井 岳夫氏
ナガセヴィータ株式会社(旧:株式会社林原)
研究・技術部門 技術開発センター 生産技術一環

新製品を工場で製造する際の製法の検討と決定を担当。プロジェクト推進メンバーとして、技術開発センター所属の約30名を対象としたエンゲージメント活動も担っている。

Wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回ご紹介するのは、2019年からサステナビリティに関する活動に取り組まれているナガセヴィータ株式会社(旧:株式会社林原)さんの事例です。

本日のテーマは「食品メーカーで全員が主体的に参加したくなる!?変化が楽しめる組織づくりプロジェクトの全容」です。どうぞよろしくお願いいたします。

長尾:エンゲージメントのプロジェクトリーダーを務めております長尾と申します。生産部門の岡山第一工場で工場の生産計画や在庫の管理、庶務全般の業務管理を担当しています。よろしくお願いいたします。

多田:人事課で労務管理を主に担当しております多田と申します。プロジェクトでは、推進メンバーのエンゲージメント活動をサポートする事務局で活動しています。よろしくお願いいたします。

櫻井:研究・技術部門技術開発センター生産技術一課の櫻井と申します。業務内容は、新製品を工場で製造する際の製法の検討と決定です。技術開発センター30名を対象としたエンゲージメント活動の推進を行っています。よろしくお願いいたします。

長尾:株式会社林原は、岡山県岡山市に本社を構える企業です。創業開始は明治16年ですので、今年で141年目を迎えます。従業員数は800名弱で、長瀬産業株式会社の100%子会社となっております。事業としては、デンプンに酵素を作用させた食品素材を始めとする様々な素材や機能性色素を取り扱っており、それらの研究開発・製造販売までを一社で手掛けています。

また弊社は、今年の4月1日より社名を変更し、「ナガセヴィータ株式会社(Nagase Viita)」という新しい社名でスタートします。「Viita」という言葉は「生命・暮らし」を表すラテン語「Vita」に「i」を加えた造語で、並んだ2つの「ii」には「人と自然が共生する未来を皆さまと共創したい」という想いが込められています。2024年度からは会社のパーパスもはっきりと定義して、我々の事業活動とともに一層努力を図っていくことを目指しています。

弊社では、マテリアリティとして4つの項目を設定しています。このスライドにある通り、そのうちの1つとして社員エンゲージメントの向上を掲げていますが、これは現在弊社で行われている「全員参加プロジェクト」の活動に繋がる部分です。また、持続可能な社会への貢献と持続的な企業価値向上を目指して、2030年の人・環境・事業について自分たちがありたい姿をそれぞれに設定しています。

前年度の反省を基にエンゲージメントに的を絞った活動へ

次に、全員参加プロジェクトについてご紹介します。弊社がサステナビリティに関する活動をしていく中で、経営陣や一部の管理部門だけではなく、会社全体の様々な人が参加している状態を目指すようになりました。弊社では毎年サステナビリティに関するテーマを定め、様々な部門からリーダー、メンバーが集まって全員参加プロジェクトとして活動しています。

プロジェクトの経緯としましては、2019〜2020年にマテリアリティの定義やSDGsの理解促進を進めて、その後2021年度から全員参加プロジェクトがスタートしています。初年度はサステナビリティの浸透活動をテーマに活動しながら、同時並行で2022年度3月にWevoxの導入を行いました。サーベイは2ヶ月に1回の頻度で実施し、2022年度からは全員参加プロジェクトの中でエンゲージメントの浸透活動に取り組むようになりました。このため、2022年度はエンゲージメントに関する活動とサステナビリティの浸透に関する活動の2本を継続する形となっていました。エンゲージメントに関する活動では、まずプロジェクト内のエンゲージメント理解を促進するため、プロジェクトメンバーがEngagement Run!Academyを受講し、全社向けに以下のようなエンゲージメントの浸透活動を進めました。

その後、2022年度の活動から得た経験や気づき、反省点を踏まえて2023年度のプロジェクトの体制や内容を設定し、現在に至ります。その流れの中で、2023年度からはテーマをエンゲージメントに関する活動1本に絞って活動を始めました。

メンバーに主体性を持たせるための様々な活動を実施

続いて、体制のイメージです。プロジェクトの目的と掲げられているのは「主体的に考えて行動する風土を醸成すること」ですので、エンゲージメントにおいて切っても切れない部分である主体性を育んでいけるような体制がイメージされています。2023年度からは、2022年度の活動の結果を踏まえてプロジェクトのメンバーが増強され、リーダー2名、事務局3名、各部門から1名〜複数名が選出されたメンバーが集まって、プロジェクト推進メンバーとして21名がプロジェクトに参加することとなりました。

各部門では、1〜2名の人事総務部の関係者が部門での活動をサポートし、さらに活動の伴走者として部長クラスの方々がプロジェクトメンバーを支えるといった体制になっています。役職者をメンバーには選ばないという方針で構成しているため、事務局リーダーも含めて役職者はいませんので、非常にボトムアップを意識した体制になっています。

そういった体制のもと、2023年度の活動内容をこのように設定していますが、まずはプロジェクトの活動にある程度の優先順位を決めて取り組んでいこうということで、エンゲージメントの浸透活動を活動項目に設定しました。その他にも、Wevoxを活用した対話とその対話を行うための環境作りや、Wevoxのサーベイの回答率・ログイン率アップに寄与するような活動、サーベイに寄せられた社員からのコメントへのフィードバックも活動内容として設定しました。フィードバックは、自分たちが声を上げれば会社側も応じてくれるということを返していければと考え、取り入れることにしました。

2023年度のプロジェクトについては、各部門から選ばれたメンバーには、自分たちの部門や業務の内容に適した形でどのように活動できるかについて考えてもらい、プロジェクトメンバーには、それぞれの部門で自分たちに合った対話の環境作りやエンゲージメントの浸透活動を進められるように活動してもらっていました。リーダー・事務局には、部門チームのサポートと全社に向けてのエンゲージメントの浸透活動を担当してもらった他、社員の皆さんがWevoxのサーベイの結果に興味・関心を持てるように、社内の掲示板など使って、スコアの共有と少し簡単な補足を添えたものを共有するといったような活動の役割付けを行いました。一方プロジェクト全体としての活動では、部門ごとでの進捗やそこから生まれた課題を共有するための場として、毎月1回の全体ミーティングを実施しました。

では実際に2023年度にどのように活動ができたかというと、リーダー・事務局のエンゲージメント浸透活動についてはかなりの労力を割いて対応できたと自負しています。また、推進メンバーには部門毎の浸透活動や対話の環境づくりを進めてもらいましたが、具体的な指示は極力控え、メンバー各自の主体性に期待しました。ただその結果として、プロジェクトのスタート時に「このプロジェクトで具体的に何をしたらいいのか分からない」という声が頻発したため、そのフォローも兼ねて、メンバーと伴走者の部長、人事総務部のサポートメンバーにプロジェクトの目的や考えを伝え、少しずつ皆さんに意図を汲んでもらえるように活動を進めました。

また、浸透活動として特に注力したのが、Engagement Run!Academyの資料を活用して実施する事務局主体の勉強会です。勉強会には全社員を対象にしたものと依頼があった部署への出張勉強会があり、2023年度は、プロジェクト内での勉強会も含めて1回30分〜1時間程度の勉強会を合計で59回開催することができました。ここは事務局の皆さんの頑張りが非常に大きかったと感じています。お仕事紹介の資料の展開は2024年になってから始めたばかりの活動ですが、皆さんに自分の部署以外の方の仕事に関心・興味を持ってもらうことと、自分たちの仕事を社内のみんなにアピールする意図を込めたものです。

Wevoxの活用については先ほども少しご紹介したとおり、社員の皆さんからいただいたフリーコメントに対して答えられる限りの回答を事務局リーダーの方で用意して、覚悟を持ってプロジェクトの意思・考えを示すという方針を定めています。これに加えて、カスタムサーベイを活用して社員の皆さんのエンゲージメントへの理解がどの程度進んだかといった確認も行っています。もう1つ重要な活動として、Wevox主催による他社様とのユーザー交流会があります。2月はその会を岡山で開催いただいて、弊社の会議室を使って実施させてもらいました。その他にもERコネクト(※1)での1社対1社の対談など様々な機会をいただいて、そこからの気づきや学びを活動の中に発揮していけたのではと考えています。

一方、メインとなる推進メンバーの活動では、各部門のメンバーに様々な工夫を凝らして活動してもらいました。エンゲージメントの浸透活動に関しては部署ごとでの勉強会を企画したり、事務局に依頼があった場合は出張勉強会を開催したり、中には外部講師の方をお招きしてチームビルディングに関する講習を受ける部門もありました。

また、エンゲージメントに関する勉強会と言われてもなかなかとっつきにくいかもしれないということで、ある程度関連のある業務に関する勉強会から入っていくような企画も生まれましたし、部署ごとでの活動体制を自ら提案して、プロジェクトメンバーとは別にサポートメンバーを追加で選ぶ、浸透活動において現場リーダーの方を設定するなど、その方を通じて現場の末端まで浸透活動が行き渡らせるといったような工夫を凝らした活動も行われました。

Wevoxの活用については、推進メンバーの方々にサーベイの回答の呼びかけをしてもらったり、その結果を振り返る部単位または課単位の対話を行ったりしました。部門によっては、対話に向けたアクションとして自部門の中でミッション・ビジョンの共有をしたり、部門の中でエンゲージメントが高いチームや部長にインタビューを実施して共有したり、役職者の方の考えを紹介するメルマガを作成したりしていた部門もあり、様々な工夫を凝らしてもらった印象があります。他にも、対話の最初のアクションとして、各部門で自己理解・他者理解のためにバリューズカード(※2)を活用している姿も多く見られました。

※1:Engagement Run!Academyが提供するサービスで、ユーザー同士をお繋ぎする仕組み。
※2:Wevoxが提供するカードゲーム。他人の価値観に触れながら、自分の価値観を知ることができる。

重要なのは経験や学びから気づきを得ること

このように活動してきましたが、次はこれまでの活動を振り返ってポイントと思われる点をご紹介したいと思います。

まず我々が重要と感じたのは、プロジェクトメンバーがエンゲージメントについて理解をしていることです。スタートの時点では毎年プロジェクトメンバーが入れ替わりますので、当然何も知らない状態で始まります。私自身もそれまで人事や管理部門に関する仕事を担当したことがなく、全く何も知らない状態でプロジェクトのリーダーという立場でスタートしました。そんな環境の中、プロジェクト活動を通じて様々なことを経験していくことで非常に多くの気づきがありましたし、この気づきが関連したメンバーの皆さんの大きな糧になっていくのではないかと強く実感しました。その他にも浸透活動の重要性は言うまでもないですが、主体的に動くきっかけの提供、自己理解・他者理解・総互理解につながる点については、気づきの機会をどれだけ多く提供できるかが重要だと考えています。また、2023年度の活動では部門ごとの活動としてWevoxのスコアに関する対話の機会を多く持ってもらいましたが、例えば部門を横断して人が集まっているプロジェクトの中では、部門を横断したような対話をもっと多くできれば良かったといった反省点もあります。これは今後のプロジェクト活動において課題となる部分ですね。最後は、先ほどの実績の紹介にもあったとおり、他社様と情報交換をさせていただくことで様々な気づきを得ることができました。何より、社内でエンゲージメント活動する上で、自分たちの味方が社外にもいると実感できたことは個人的に非常にありがたかったので、こういった活動は2024年度以降も是非継続していきたいと思っています。

2023年度の活動の振り返った上での2024年度の活動については、プロジェクトオーナーや関係役員と相談中です。現在1つ定まっている方向としては、スライドに示してあるとおり、原点回帰を注力テーマとして設定することです。自己理解や主体性を育む機会の提供、そして2024年度から新社名と共に設定されるパーパスとを合わせて、自分は何のために働くのか、自分たちが働く上でのやりがいとは何か、自分たちが目指す理想とは何かについて、社員それぞれに考えてもらう機会をプロジェクトとして提供していく方向性を考えています。何よりも重要視しているのは、自分自身について考える時間や機会を、プロジェクトがサポートしながら提供することです。対話の促進を主軸として、会社経営者や役員・役職者も巻き込んで、社員の皆さんといろんな対話の機会を提供していけたらと考えています。またそれに伴い、プロジェクトの体制や構成は大きく変えていく必要もあるでしょうし、2023年度にはあえて入れていなかった役職者の方や、特に中間管理職の方は活動において非常に重要なキーを握っていると感じていますので、そういった部分の見直しも検討しています。

ありがとうございます。多田さんにお伺いしたいのですが、全員参加プロジェクトにおける人事の役割や位置付け、日々の活動についてお聞かせください。

多田: サーベイ選定からWevoxの事務的な業務を実施しています。また、全員参加プロジェクトではサーベイの配信の設定や関連する活動をサポートしています。その他にも、勉強会の開催や、事務局としての活動ではリーダーとともにアイデアを出し合う等しています。

直近数年、全員参加プロジェクトにおいて社員の方のエンゲージメント向上に着手されてきたかと思いますが、ここまでやってきた中でエンゲージメントと向き合う上でのポイントや重要なことはありますか?

多田:グループ会社との交流で「エンゲージメントの重要性を自分の言葉で話せないとダメだよね」と話したことがあったのですが、深く納得しましたね。自分が納得してないことを人に説明するのは難しいことですから、まずは「お勧めしたい、一緒にやろうよ」と話せるほど自分の中に浸透していることが大事だと思います。

ここまでやってきた全員参加プロジェクトについて、経営や従業員の皆さんの反応はいかがでしたか?

多田:賛否両論あります。勉強会で新しい気づきがあったとか、参加する前と後では全然違いますというリアクションがある一方、業務が忙しくて時間がないからと断られることもあります。どうなったら「エンゲージメントが高い状態」といえるのかを答えられる人は多くないため、理解浸透活動はこれからも続けていく必要がありますが、ここ2年で共感の声を聞く機会も増えてきたので、この点については満足しています。

ありがとうございます。続いて直近の取り組みについて、櫻井さんにお伺いできればと思います。

櫻井: 「Wevox+対話」を各課で実施しています。これはそれぞれがWevoxのスコアを確認するものなのですが、それだけでなく、高スコア・低スコアについての感想や意見を共有する対話の場にもなっています。他にも、全員参加プロジェクトの事務局主催の勉強会があります。第1期は興味のある人が積極的に参加する形式でしたが、第2期からは部署出張型ということで、希望する部署に出張してもらう形式になりました。

我々の部署も手を挙げまして、部内アンケートで希望の多かった「チームに必要な心理的安全性」についての勉強会を対面で実施しました。当日は皆さん積極的に発言していたので、開催して良かったと感じています。あとは課の業務紹介資料の作成も行っておりまして、自部署の仕事を知ってもらうツールとして活用しています。

当初エンゲージメントっていう言葉を聞いた時の心境と、これまでの活動を振り返ってみてご自身の変化があれば是非教えてください。

櫻井:最初はエンゲージメントについて全く知らなくて、従業員満足度や、会社との約束・契約といった受け身の印象を持っていました。そのような状態でオンラインアカデミー「Engagement Run!Academy」の初級編の15クラス(1時間×15)を受講させてもらいましたが、受講を続けていくうちに、エンゲージメントに対する理解が深まりましたし、会社や周りの人との対話の重要性も理解することができ、自部門にも浸透させていきたいと考えるようになりました。

ありがとうございます。長尾さんにもご質問させていただきたいのですが、2023年度の全員参加プロジェクトのリーダーとして1年間携われてきて、工夫された点や、ご自身がプロジェクトに関わる前後の変化などがあれば教えてください。

長尾:プロジェクトリーダーとして特に心がけたことは、全力で取りかかることです。話しやすい空気を作るために、私自身の考えを恐れることなく率直に出していくことを強く意識して対応しました。私は元々生産部門の所属でしたので、管理部門等との仕事の接点はほとんどなく、最初はエンゲージメントについて何も理解していませんでした。そんなスタートでしたが、活動をしていく中で非常に色々な気づきの機会を得て、今まで業務では考えもしなかったようなことを考え、動くようになったと感じています。なによりも、単純に会社を良くしていきたいという意欲が大きく高まりましたし、自分がそこに貢献できることのやりがい、喜びがあります。

ありがとうございます。では最後に皆様から、今後の展望とメッセージをお願いします。

多田:会社の方針としてエンゲージメント向上の施策を実施する人事の方が多いと思いますが、エンゲージメントを上げる=信頼を構築していくことなので、一番人間臭い活動を続けないといけない立場だなと日々感じています。そんな中でも、まずは自分の中でどういう風に感じてどうやっていきたいかを考えることが大切ですし、それが自分の言葉で話すということにつながると思います。

櫻井:引き続き、会社全体の取り組みとしてエンゲージメント向上活動に取り組んでいきますので、今回の活動の経験を生かして、現場での実践をしっかりやっていきたいと思っております。

長尾:来年度、私はこのプロジェクトリーダーとしての立場から離れ、自分の業務に戻っていきますが、このプロジェクトで得た気づきを実践し、会社を良くするために自分たちができることを考え、行動していきたいと思います。エンゲージメント理解への第一歩は、自分を知ること・自分を振り返る機会を持つことで、プロジェクトリーダーは、自己理解や主体性につながる気づきの機会を提供する立場であるべきだと考えています。ありがとうございました。

<編集部コメント>
皆さんが一丸となってプロジェクトに取り組む様子が印象的なプレゼンでした。自社で活用できそうな施策があれば、ぜひ真似してみてください!

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