カゴメ社員がEngagement Run!Academyで学び、実践したこと 「エンゲージメントはいいチーム、いいマネジメントの土台になる」

カゴメ社員がEngagement Run!Academyで学び、実践したこと 「エンゲージメントはいいチーム、いいマネジメントの土台になる」

カゴメ株式会社(KAGOME)
多積 美由紀氏
多積 美由紀氏
カゴメ株式会社(KAGOME)
営業本部 営業推進部 営業支援開発グループ

全社の営業職・営業推進スタッフを支援する営業支援開発グループにて、営業組織の業務の効率化を目指したデータベースや仕組みの整備・改善などを担当。2022年10月に全国の支店横断で発足したグループの一員として、協力し合えるチームをつくるべくエンゲージメント向上活動に取り組んでいる。

浅野 聖氏
浅野 聖氏
カゴメ株式会社(KAGOME)
グローバル・アグリ・リサーチ&ビジネスセンター 農業資源・技術開発部 先端育種グループ 課長

トマトの品種開発や育種にかかわる技術の研究・開発を担う先端育種グループの課長を務める。エンゲージメントの考え方を生かしてメンバー8人のチームマネジメントに取り組んでいる。

⻄和田 靖氏
⻄和田 靖氏
カゴメ株式会社(KAGOME)
那須工場 品質管理課 主任

飲料の製造や生トマトを加工した原材料の生産を担う那須工場にて、品質管理を担当する品質管理課の主任を務める。課内のコミュニケーションを改善し、一人ひとりが主体的に動けるチームをつくるべく、エンゲージメント向上活動に取り組んでいる。

カゴメ株式会社では、2022年10月よりエンゲージメント向上を目指してチーム内での対話を促す独自のプログラム「よりよいチームづくりのための対話実践プログラム(略称「YTJ」)」を行っています。その一環として、2023年6月より、希望するメンバーがEngagement Run!Academyに参加。そこでの学びや、自組織での実践内容について、3名の方に伺いました。

コミュニケーションや相互理解の方法論をチームづくりに生かすために

―まずは、Engagement Run!Academyに参加された理由・背景を教えてください。

多積:チームづくりに生かせる内容として興味深いものがたくさんあったからです。私が所属している営業支援開発グループは、2022年10月に発足した、全国の支店を横断した組織です。拠点も異なる初対面のメンバーが1つのグループになり、チームをつくっていくには、チームワークやコミュニケーションが重要だろうと考え、まずはYTJ(よりよいチームづくりのための対話実践プログラム)に参加しました。そこでEngagement Run!Academyへの参加者募集の話を聞いて、手を挙げない選択肢はないと思いました。

浅野:私もチームづくりに生かしたいという考えからです。私がマネジメントをしている先端育種グループは、大学など社外とのやり取りが多く、また、基礎研究寄りの研究をしている社内で唯一のチームという特徴があります。他の従業員とやや業務が異なるために社内との一体感を形成しにくいのが悩みで、だからこそ、メンバー8人のそれぞれの専門性を生かした、カゴメの中でも立派な研究チームをつくりたいという思いから参加しました。

西和田:課内のコミュニケーションをさらに促すための技術論や方法論を学びたいと思ったからです。私が所属する品質管理課は、製品の分析を担当するチームと、品質基準を満たすものを常に製造するための手立てを考えるチームの2チームで構成されています。それぞれ別の階に勤務していることなどから、コミュニケーションがうまくいっていない状況がありました。それを改善したいとYTJに参加し、課のみんなで雑談できるような雰囲気は少しずつつくれてきたのですが、そこから先にも進みたい、けれど、どうすればいいかわからないという状況に陥っていました。

―実際にEngagement Run!Academyに参加してみて、どのような学びや気づきを得られましたか?自部署に還元されたことなども併せて教えてください。

浅野:スコアにはとらわれなくてよくて、スコアよりもチームがフラットにコミュニケーションを取れることが先決なんだという話が気づきになりました。というのは、私はマネージャーという立場なので、スコアについて意識はしていなくても、頭のどこかに上げなきゃいけないという思いがあったんです。でも、Engagement Run!Academyに参加していると「スコアにはとらわれなくていい」「チームでフラットにコミュニケーションを取れることが先決」という話を皆さんされていて。スコアを抜きにして、YTJやEngagement Run!Academyにマネージャー自身が率先して参加したり、そこでの学びをメンバーに報告したりする過程こそがエンゲージメントに繋がっているんだろうと感じました。

多積:私の場合、学んだことを忘れないように、また、チームのみんなにも浸透するように、受けたクラスの内容と学んだこと、感想などを資料にまとめて月次でチームに報告していました。その報告を通して気づいたのが、クラスで学んだことを自分の中で咀嚼して、一貫性のある理解にしてから言葉にしないとチームのみんなに伝わらないし、我がこととして受け入れられないということでした。

あとは、四半期に一度、東京本社への出張の機会があってグループのメンバーに直接会えるので、そこで毎回勉強会を開催して、Engagement Run!Academyでの学びを伝えたり、ワークを一緒にしたりしました。

西和田:私の場合、知りたかった具体的なコミュニケーションの方法論を学べたことが大きかったです。例えば、「毎日15分でできるエンゲージメント改善活動」の初級と中級のクラスでは、相互理解ワークを始め様々なワークやその取り組み方が具体的にわかり、部署に持ち帰って実践もできました。

また、私自身の学びとして、2つ、印象に残っていることがあります。1つめが、「対話の質を高める『智慧の車座』を体験する」のクラスで他社のマネージャーの方から伺った、メンバーへの声かけの言葉です。そのクラス内のグループワークで、「チームメンバーの主体性をどのようにして高めればいいのか」という悩みを話しました。すると他のメンバーの方が、「自チームでトラブルが起こったとき、メンバーがマニュアルにない対応をしていいのか判断できず臨機応変に対応できなかったことに対して『やっていいんだよ』という言葉がけがいい効果となり、メンバーたちの動きが変わった」というご経験を話してくださったんです。「やっていい」という言い方は私もしていなかったなと気づき、積極的に使ってみようと思っています。

2つめは、豊田中央研究所様が実施したハビー・チャレンジのクラスに参加した際に感じた、マネージャーがエンゲージメント活動に関わることの重要性です。クラスを企画されたのは一般社員の方ですが、グループワークの際にどのグループにも豊田中央研究所様のマネージャーの方がいらっしゃるくらい、たくさんのマネージャーの方を巻き込んでいらっしゃったんです。これは社内に戻った際にマネージャーの方々の考えが大きく変わるだろうと感じて、うらやましいなと思いました。

Engagement Run!Academyでの学びを自部署で実践

―西和田さんは、「毎日15分でできるエンゲージメント改善活動」を部署に持ち帰って実践されたとのことですが、どう実践されて、部署の皆さんの反応はいかがでしたか?

西和田:毎朝の課内のミーティングで、ワーク集にあるワークに1つ取り組んでいます。メンバーからは「他のメンバーの普段見えていない一面が見えるようになった」という声を多く聞きますね。朝のシフトに入らない人もできるようにしたり、オリジナルのワークを足したり、回答者を指名できる権利を確率で得られるようにしたりと、ワークが楽しみになるような工夫も加えています。

他方で、中級のワークに関しては、自分の内面を深掘りしていく必要があるために「難しい」という声が上がったため、一旦中止して、今は初級のワークのみ取り組んでいます。それも、1つの学びでした。

―相互理解やコミュニケーションが促進されている感触はありますか?

西和田:雑談は明らかに増えました。あとは、業務においても、お互いの事情を理解し合おうという姿勢が生まれています。例えば、以前なら、製品の分析を担当しているチームに通常業務と異なる分析を依頼すると、「今は対応ができません」といった反応をされることがあったのですが、今は、まずは受け止めてくれますし、理由を説明すると納得してくれることも増えました。

また、分析を受けられない理由を話してくれるようになり、依頼内容をアレンジするなど、落としどころを見つけやすくなりました。

―浅野さんは、部署でどのようなことを実践されていますか?

浅野:スコアの背景や理由を考える際に、「仕事量の5つのフェーズ」の考えを使って、どのフェーズの状態が自分たちにとっていい状態だろうか?という議論をしたりしました。結論としては、うちのチームは皆頑張り屋で、忙しくなければつまらない、詰め込んで働きたい、という人が多いことがわかりました。この特徴を皆が自覚しないままスコアに一喜一憂していた面があるので気づけてよかったですし、この特徴を大事にしつつ、働きすぎにならないようマネジメントをしていこうと決意を新たにしました。

―多積さんは、チームの皆さんへの報告や勉強会を通じて皆さんからどのような反応を得ましたか?

多積:特に反響が大きかったのが、「人間関係に役立つ『傾聴』を体験しよう!」「トランジションマネジメントから学ぶ、ネガティブ反応に負けない心構えの作り方」「実演・実践!Chat GPTを使ってエンゲージメント向上のヒントを見つけよう!」の3つのクラスの内容です。

傾聴については、コミュニケーションは受け手がすべてと言われる中で「聞き手の着地点は話し手が決める」ということが概念として興味深く、クラスで取り組んだワークを勉強会でもやってみたんです。すると、みんなも実感できたようで、傾聴をする際の指標を得られたのではないかと感じています。

トランジションマネジメントについては、私たちのグループは様々な問い合わせの矢面に立つことが多いので、その際の心構えとして好評でした。

Chat GPTは、そもそも何ができるものなのか知らない人が多かったので、「業務にも使っていけそう」という声から「でもちょっと怖い」まで、反響は想定以上でした。始まりと終わりは人間が決めるものであることを意識して使えば必要以上に恐れるものではないことなども伝えて、理解を深めました。

自部署への実践で、チーム内のコミュニケーションが活発に

―チームへの実践を通じて、ご自身にはどのような気づきがありましたか?また、チームの変化も感じていらっしゃれば、併せて教えてください。

多積:先ほどお話ししたように、メンバーに我がこととして捉えてもらうには自分の言葉で伝えることが大事だということが気づきでした。加えて、自分自身の変化として、必ずしも肯定ではないネガティブ反応をどのように受け止めて、相手にどう返していくかについて自ら考えたことで自分自身が成長できたと思います。

やはり先程も触れた、傾聴することが重要なんだなと。メンバーに対して働きかける際にメールで一斉に伝えたとしても、意見があっても言えない人や嫌だなと思っている人は必ずいるはずです。そうした感情を抱いている人は、表情などを見ればわかるので、個別に困っていることや何を不安に思っているかを聞き出します。そうしてそれぞれが抱える問題に寄り添った上で「ここまでならできる」という方法を提案すると、困りごとは解消できることを実感しました。その試行錯誤が自分自身の学びにもなりましたし、エンゲージメントの理解を深めることに繋がったと思います。

チームの変化としては、コミュニケーションが促進されて、意見が活発に出るようになりました。週次ミーティングなどで、いいニュースだけでなく悪いニュースや、ちょっとしたことでも言える雰囲気ができてきたと感じています。あとは、ミスをフォローし合うなど、助け合いの風土もできてきています。

浅野:自身の気づきとしては、先ほど話したように、エンゲージメント向上に関する取り組みに私自身が積極的に関わったり、チームにも個人にもちゃんと向き合って対話を重ねたりすることが土台にないと、エンゲージメントは向上しないということです。

チームの変化としては、仕事上の助け合いがより活発にされるようになりました。私が言わなくても、仕事で課題が生じれば声をかけあって議論をしていることが増えましたし、新しいメンバーが来れば、私が指示しなくても歓迎会の段取りをするなど、私以上にメンバーが主体となって動いてくれています。また、リーダー層の社員が後輩の面倒をよく見てくれるようにもなりました。

西和田:私自身の変化としては、話を振ったり、深掘りしたりするのが少しうまくなった気がします。引き出しが増えて、メンバーの言動に対して、なぜその言動に至ったのかを聞くことができるようになりました。

チームの変化としては、先ほど話したように、各自が抱えている背景を話してくれるようになりましたし、ネガティブなことも含めて、思っていることは率直に話せる、自己開示しやすい雰囲気が高まっています。

他社との交流が、視野の広がりにも励みにもなる

―Engagement Run!Academyは、他社の方と交流する機会でもあったかと思います。他社の方との交流によって得られたことや気づいたことなどがあれば教えてください。

西和田:まず感じたのは、エンゲージメント向上活動の位置づけが、企業によって異なることです。当たり前のことではありますが、トップダウン型で始まっている企業もあれば、非公式な活動から全社的な活動につくり上げた企業もあり、担当者さんに求められる力もそれぞれ異なるなど、様々なんだなということに気づきました。

あとは、他社さんの成功事例が、課のメンバーに対する説得材料や、自分の取り組みの後押しになっています。社内のエンゲージメント向上活動に対する課のメンバーからの反応は、必ずしもポジティブなものばかりではないのも事実です。他社さんの成功事例は、「うちの会社だけが頑張ってるんじゃなくて、世の中の動きとしてエンゲージメントを大事にしていこうという動きがあるんだよ」という説得材料になりますし、「あの企業のあの人がこんな大きな活動をしているなら、私もこのくらいのことはできるはずだ」という心強さにもなっています。

浅野:私も西和田さんと同じで、他社の方も同じようなことを悩んでいることを知れて、共感できたのはありがたい機会でした。あとは、個人的に他社の方と話せることが楽しかったです。会社の時間を使って他社の方と話す機会はなかなかないのでありがたかったですね。中には、経営層に近い役職の方もいらっしゃって、それだけ上の立場の方でも頑張っていらっしゃることに励まされたというか、姿勢や取り組み方に尊敬できるものがありました。

多積:私は一般職で転勤がなく、ずっと北海道支店に勤務しているので、まったく異なる業種の方とかかわりを持てたのはすごく貴重な経験でした。視野を広げることができましたし、浅野さんと同じで、それを勤務時間にできるのがありがたかったですね。

あとは、講師の先生方がすごく優しい言葉をかけてくださって励みになりました。私はCEEPの認定も受けたのですが、認定・実践発表会でいただいた応援コメントがすごく嬉しくて、ずっと取っておきたいと思っています。

―多積さんは、エンゲージメント認定プログラム「CEEP」を受講し、修了認定を受けられました。なぜ受講しようと思われたのですか?

多積:ほぼ自己満足です。私は、北海道支店で初めて産休・育休を取り、それにより後輩に続く道ができたという経験があるのですが、何かをするのに、一番に挑戦すると未知の世界だから失敗がないじゃないですか。前の人と比べられないから。それが好きなんです。誰もやっていないことに挑戦して、やり遂げた達成感や自己満足感を得たいという欲求が強くて。CEEPも、「今認定を受けると多分一番ですよ」とEngagement Run!Academyの講師の方に言われて、「取ります!」と決めました。

―実際に受講してみて、いかがでしたか?

多積:達成感がすごくありました。受講しないといけない講座が決まっていて、課題も多かったですが、講師の方にすごくサポートしていただいて取ることができました。

実践報告クラスという場がまた良かったと思います。自分が学んだことを発表し、それに対する皆さんからのコメントで気づかされることも多かったですし、周りから見えている自分の印象を知って自己肯定感が高まりました。皆さんにも受けてもらいたいなと思います。

引き続き、エンゲージメントの高いチームづくりに取り組んでいきたい

―これまでエンゲージメントについて学び、職場で活動もされてきて、改めて、エンゲージメントについて思うことや、エンゲージメントの価値についてのお考えをお聞かせください。

西和田:メンバーのみんなのエンゲージメントを高く維持することは、幸せに働ける環境をつくることと二アリーイコールだなと私は思っています。そして、エンゲージメント向上に取り組むことは、私がメンバーの働く時間を幸せにするという意味もあるかなと思っていて、私はそれ自体がとても嬉しくて、私にとっての働く意味にすらなっていると思っています。とても楽しいです。

また、主体的に働いている人はそうでない人に比べて生産性が3倍くらいあるということをクラスで聞きました。それは、個人が幸せに働くということだけでなく、生産性を高めたり、成果を上げたりということにも繋がります。その点でも、意義のあることだと思っています。

浅野:西和田さんの言うとおりだと思います。また、エンゲージメントについて学び、取り組んでいると、途中でエンゲージメントとマネジメントは同じだなと気づきました。

私の中でマネジメントというのは、チームのメンバーのベストな状態をつくり、その中でチームとして最大の成果をつくり上げていくことです。それって、エンゲージメントとやっていることは同じで、エンゲージメントができればマネジメントができるじゃないかという気づきがありました。マネージャーにこそエンゲージメントの知識や考え方が必要だと思います。

多積:私は、エンゲージメントが自分自身の意欲の源泉であることは間違いないと感じています。そして、コミュニケーションづくりの土台であることもしっかりと認識できました。

あとは、潤滑油のようなものなんだろうと思います。潤滑油がなくても車輪は回りますが、きしむし壊れやすい。けれど、潤滑油があれば、スムーズに回るし、予想以上のスピードも出せるかもしれない。組織も同じで、組織は組織としてあるけれども、壊れやすかったり、うまく回らなくなったりする。そこをいかにうまく回していくかが、エンゲージメントの概念であったり、意欲を高く持つことだったりするのかなと思っています。

―では最後に、今後のチームづくりの目標や展望について教えてください。

多積:先ほど、エンゲージメントはコミュニケーションづくりの土台ではないかと話しました。実際に2023年10月の人事異動で新たに1名メンバーが増員になった際に、勉強会を開いて学びの共有や自己紹介の時間を取ったところ、スムーズにチームに打ち解けられたので、土台がしっかりとしていれば柔軟に対応できることを確信しました。今後も、ジョブローテーションや異動があった際には、同じように心理的安全性の高い状態で進めていきたいなと考えています。

浅野:今のチーム状態を継続していきたいというのがまずあります。加えて、2023年10月にチーム名に「グローバル」という言葉が付いて、今後、チームメンバーには海外に出ていって活躍することが求められています。そこで、海外に出ていってもこのチームに戻ってくれば安心して頼れるメンバーがいるという、安心感を持てるチームをつくっていきたいと思っています。

西和田:私が直近までメンバーに対して取り組んできたのは、自己開示に慣れてもらうということでした。それはまだ途上の話であって、この先、メンバーそれぞれが、「自分は働く上で、あるいは生きていく上で、何をしたいんだろう?」ということを自覚することが必要だと考えています。それができると、会社がやりたいことと、自分がやりたいことをそれぞれ言葉にできると思うんですよね。「会社がやりたいことのこの部分は、私が人生でやりたいことと重なっている。だからこの仕事は私がやりたいんだ」と考えられるようになる。これができると、エンゲージメントも意欲も高い状態で働けるようになると思うんです。その状態を目指して取り組んでいきたいと思います。

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