共通言語が組織を変える!経営×現場が挑むエンゲージメント推進〜三井倉庫エクスプレスの3年の変革〜【Teamwork Sessionレポート】

共通言語が組織を変える!経営×現場が挑むエンゲージメント推進〜三井倉庫エクスプレスの3年の変革〜【Teamwork Sessionレポート】

三井倉庫エクスプレス株式会社
鈴木 公平氏
鈴木 公平氏
三井倉庫エクスプレス株式会社
人事総務部 人事課 課長

2022年のWevoxの導入当初より、サーベイの運営からエンゲージメント向上のための施策の企画・運営、三井倉庫グループ各社との連携まで、エンゲージメント活動の旗振り役を担っている。

白鳥 奈津子氏
白鳥 奈津子氏
三井倉庫エクスプレス株式会社
人事総務部 人事課

2023年4月に人事課に異動。主に新卒採用と、社内研修の企画・運営、Wevoxの運営や従業員エンゲージメントメント向上のための各種施策の企画・運営を担当。

Wevoxの活用事例を学び合うユーザー参加型イベント「Teamwork Session」。今回は、三井倉庫エクスプレス株式会社様から鈴木公平さんと白鳥奈津子さんをお招きしました。

2021年にスタートしたエンゲージメント活動の立ち上げから、各階層への浸透、そして現在に至るまでの活動についてお話しいただいています。

徐々に理解を高めるための様々な研修の内容にご注目ください。

本日のテーマは「共通言語が組織を変える!経営×現場が挑むエンゲージメント推進〜三井倉庫エクスプレスの3年の変革〜」です。よろしくお願いいたします。

白鳥: 三井倉庫エクスプレスは、三井倉庫ホールディングスを親会社とする三井倉庫グループに所属している会社で、グループには、倉庫管理、港湾運送業などのサービスを通じて、総合物流パートナーとしてお客様の持続的な成長を支援する五つの中核事業会社が連なっています。

その中で、当社は2012年にトヨタ自動車の物流子会社とJTBの物流子会社が合併して誕生しました。現在は国内外に約400名の従業員を擁しており、そのうち国内の正社員・契約社員約300名を対象に、エンゲージメント活動を推進しています。

事業としては、フォワーディングと呼ばれる国際輸送事業、特に航空貨物輸送を得意としている会社です。

主に自動車メーカー様やその周辺のサプライヤー様の貨物、半導体等の精密機器、医薬品関連の輸送などを強みとしており、世界各国のお客様へ、陸・海・空の全てをカバーした輸送プランをご提案しています。

度重なる相談から始まった“トライアル”としての1年目

鈴木: まずは、当社でエンゲージメント活動を始めた背景についてご説明します。

2021年の夏頃、三井倉庫ホールディングスの人事の方から三井倉庫グループ全体でESGを推進していくというお話があり、ESGのSに含まれる社会の重要課題、安全・多様性、働きがいのある労働環境を実現するにあたって、KPIの一つを従業員エンゲージメントの向上に設定することが決定しました。

従業員エンゲージメントの測定ツールについては、すでにグループ会社の三井倉庫サプライチェーンソリューションさんがWevoxを導入していたため、その他のグループ会社でもWevoxを導入することが決まりました。

その後、2月から3月にサーベイを実施し、各社の全体スコアが前年度比を超えることを目指して、グループ全体の施策の一環としてエンゲージメント活動を推進していくこととなりました。グループ全体で推進するということもあり、研修の企画や実施などに対して経営陣の理解が比較的得られやすく、担当者としては推進しやすい環境が整っていると思っております。

当時は私一人で担当し、エンゲージメントという言葉は聞いたことがあるものの、詳細までは理解していない状況でした。事務局がエンゲージメントを理解した上で推進していかないときっと上手くいかないし長続きもしないと考え、まずはエンゲージメントの勉強を始めました。

具体的な内容としては、導入当初はアトラエさんにいろいろとお話を聞いたり、2022年8月からはEngagement Run! Academyに参加したり、エンゲージメントについての本を読んだりすることから始めました。現在も個人的な勉強は少しずつですが継続しています。

また、どう推進すべきか、どう社員の皆さんを活動に巻き込んでいくかについては、早い段階でアトラエさんに相談しようと決めていました。導入当初は知識もありませんでしたから、何かあればWevoxカスタマーサクセスの魚住さんに相談しましたし、現在もいろいろとお助けいただいている状況です。

また、スコアを気にし過ぎるとどうしてもそこにばかり意識が向いてしまうので、スコアの現在地ではなく推移を重視するようにしています。具体的には、キードライバーごとにアップしたところ、ダウンしたところを必ずチェックするようにしています。

社内でその期間に起こった変化との関連性も探りながら仮説を立て、「これが良かったのかな?この施策はあまり影響がないのかな?」といったことを魚住さんと話しながら、次に生かせるよう取り組んでいます。

エンゲージメント活動は適用課題で正解がない。だからこそ、失敗を恐れずにトライアンドエラーを繰り返しながら、粘り強く継続的に対応していくしかないかなと考えていますし、活動に取り組む上で、今でもこの考えを大事にしています。

全社員を対象とした研修で共通言語を浸透

鈴木: こちらは、2021年度の導入当初から24年度までの活動の概要をまとめたスライドです。魚住さんと相談しながら、年度ごとに活動のテーマを設けて実施しています。

2021年度は、2022年2月に初回のサーベイを実施しました。この年は全社でのトライアル実施の意味合いが強く、翌年度以降の土台作りというテーマで取り組みました。トライアルは特に問題なく完了できたので、2022年度から本格的なエンゲージメントの推進活動を開始しました。

第2回目のサーベイは2022年の8月に実施しましたが、第1回目からの半年間は、推進の方向性について悩んでいた期間です。その後は3ヶ月に1回のペースで実施しています。

ここから、2022年度以降に行った研修をご紹介します。2022年度は、年度テーマに「社員へのエンゲージメント浸透」を掲げました。

全社員にエンゲージメントという言葉を知ってもらい、かつグループ全体がエンゲージメント活動に取り組んでいるという認識を深めることを目的としたものです。働きがいのある職場づくりを目指すには、まず所属の部長・課長にエンゲージメントを知ってもらう必要があると考え、8月から9月にかけて、国内の全部課長を対象に90分×全3回の管理職研修を実施しました。

特に研修内でお伝えした「信頼貯金」というワードが部課長に刺さったようで、エンゲージメントや信頼貯金を共通言語として認識してもらえたと感じました。それもあり、管理職研修の4ヶ月後に実施した全社員研修でも信頼貯金を一つのテーマにしました。

白鳥: 前年に引き続き、2023年度は全社的な取り組みは継続しつつ、社内に深くエンゲージメント活動を推進させていくために、ターゲットを絞った取り組みをテーマにしました。

職場の雰囲気を作るには、会社全体だけでなく部や課単位での活動も重要と考え、2023年度に新しく部課長に昇格した社員を対象に、Engagement Run! Boosterのマネジメント基礎コースを用いて8週間の取り組みを実施しました。

これは、各自で週1回配信される動画を視聴してもらって、4週目と8週目に参加者、アトラエさん、私たち事務局が集まって振り返りセッションを行うものです。振り返りセッションでは、新たにマネジメント層になることに対する悩みや、エンゲージメント活動の推進に関する悩み、視聴した後に浮かんだ考えなどを持ち寄りました。

それまでマネジメント層が集まって気軽に悩みを相談する場所がなかったので、受講者からは「同じ悩みを抱えている人がいるということが知れただけでも、これから活動を推進していく上で励みになった」と好評でした。

この研修は部課長昇格者のみを対象とした試験的な取り組みでしたが、好感触だったため今度は全課長を対象に同様の取り組みを実施することにしました。全課長を5名程度のグループに分けて順次実施したこの取り組みでは、少人数に分けたことにより、各課長が活動を自分ごととして捉え、発言しやすい空気感が生まれていたことが印象に残っています。

また、研修の参加特典として、スコアの開示範囲を部単位から課単位に変更しました。自身の課のスコアを閲覧できるようになったことで、今後の活動推進における目標や目安にもなったのではと考えています。

全社向けの研修では、前年の講義形式に加えて、対話の重要性をテーマにしたグループワークを含む研修を実施しました。全社員がエンゲージメントに関する共通言語を得られる機会を設けることは、部と課で共通言語を交えながら話ができるという点で良い取り組みだと思っています。

また会社としてエンゲージメント活動に継続的に取り組んでいることを認知してもらうきっかけにもなるため、全社員向けの研修は毎年実施していこうと思っています。

少しずつ見えつつある「自走する組織」への兆し

続いて2024年度の活動です。数年の活動の中でエンゲージメントの知識が会社全体に浸透してきていて、このまま現場が活動を自走していける組織になれるかもという話が出始めました。

そのため2024年度は自走する組織をテーマに掲げ、前年にターゲットとした課長を中心に、これまでよりも皆さん自身での活動推進を支援するスタイルでの研修を実施しました。この研修では、参加者共通の学習ツールとしてWevox Quest(※)を活用して共通言語を増やしつつ、日々の悩みや、成果が出た事例などを1ヶ月半ごとにグループで共有してもらいます。
(※Wevoxの機能の一つ。エンゲージメント活動の参考になる動画コンテンツなどが閲覧できる)

その結果、「他の課がやっていて良さそうだったからうちもやってみたよ」という声も上がり、事務局が間に入らなくてもエンゲージメント活動をする様子が見られました。

また、この年に初めて新入社員向けのエンゲージメント研修を実施しました。エンゲージメントの基礎的知識やグループ会社全体でのエンゲージメント活動に対する取り組みについて早いタイミングで伝えることで、将来的にエンゲージメント活動に前向きに取り組んでくれるのではという期待を込めて行ったものです。

新入社員の研修の際には、Wevox values cardを用いて自分の価値観を表すワークを一緒に実施しました。楽しみながらエンゲージメントを理解してもらえるいい機会になったと実感し、次の年にも同様の内容で実施しています。

同期が大切にしている価値観を知るきっかけを得られたことで、相互理解が深まったなどのポジティブな感想が得られ、今後もぜひ続けていきたいと考えています。

2024年度の全社員研修については、同年度に制定された当社の行動指針とエンゲージメントを絡めて、「自ら仕事を主体的に見つめ直してやりがいを高めるジョブクラフティング」をテーマとして実施しました。

この研修は、新しく制定された行動指針も併せて社員に浸透させることができればという思いもあり、自ら考えて話し合えるワークの時間を中心とした設計で開催。2年にわたって課長をターゲットとした取り組みを実施したこともあり、自分たちでエンゲージメント活動に取り組んでいこうという意識が芽生えてきていることが会話からも窺えました。

取り組みを経て改めて課長のスコアを見てみると、そういった意識がスコアの結果にも反映されているなと感じます。

鈴木: スコアの推移については、2022年2月の全社スコアは60でしたが、直近で実施した2025年2月のサーベイでは66まで向上しています。動きがなかったり、少し下がったりと変化はあるものの、これまでの施策が社員の皆さんに少しずつ浸透しているなというのは、私もスコアの推移を見ながら強く感じているところです。

今後も粘り強く継続的に対応していくのはもちろんのこと、2025年度は、リーダー層を対象とした研修をやってみたいと考えています。

また、全社員向けの研修も同じ時期で実施するかどうかなど、今後についてはまた魚住さんと相談しながら、2025年度以降も継続して実施していく予定です。私たちからのお話は以上となります。ありがとうございました。

—2021年に取り組みを開始した時にはどれくらいのマイルストーンを設定されていたのでしょうか?ポジティブな意味で、導入当初の想定とのギャップなどはありましたか?

鈴木: マイルストーンは特に設定はしていなかったですね。全社スコア前年度比向上を目標の一つとして設定していたので、そこに向けて毎年度取り組んできたというのが正直なところです。

ですので、2021年度からのギャップというのも特になくて、来年度の取り組みなど、とにかく目の前の課題に対応し続けてきました。

—ありがとうございます。それでは最後に皆様へのメッセージをお願いします。

鈴木: 当社の取り組みが参考になればという想いで登壇を引き受けさせていただきましたが、資料を作りながら約3年間の振り返りができましたし、まだまだ課題や足を踏み入れていない領域があるなという気付きも得ました。

今後も粘り強く対応を続けて、グループ一体となって取り組みを推進していきたいです。

白鳥: お話をいただいた時は、当社の活動が参考になるのかなと不安だったのですが、とても有意義な時間になりました。

会社で一緒に仕事をしている人たちは、人生の中でとても長く時間を共に過ごします。だからこそ、そこで自分が楽しくやりがい持って過ごせればいいなという想いはこれからもずっと持ち続けて、活動を推進していきたいと思っています。

そして、社員の中にも同じように考えてくれる人がどんどんと増えていけばいいなと今回改めて感じました。本日はありがとうございました。

<編集部コメント>
研修に参加した社員の皆さんの中に、エンゲージメントという概念が着実に根付いていっている様子が伝わるプレゼンでした。自社でも取り入れられそうな施策があれば、ぜひ試してみてください!

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