
キャリアアップの意味を解説!種類や成功のポイント・支援策も
「キャリアアップ」とは、個人の能力や経験を高め、市場価値や職務上の立場、報酬を向上させることを指し、単なる昇給や昇進だけでなく、専門性の深化、スキルの習得、責任ある役割への挑戦など、仕事人としての成長全般を含む広い概念です。役職が上がる「垂直方向のアップ」に加え、専門知識を深める、職務範囲を広げる、新たなスキルを習得するといった多様な形も含まれます。
社員の成長は、エンゲージメント強化、離職率低下に直結し、組織全体のパフォーマンス向上、イノベーション促進、優秀な人材の定着に不可欠です。企業にとって持続的な成長を実現する上で重要な要素となります。
成功のポイントは、明確な目標設定、日々の自己研鑽、そして新しい役割やプロジェクトへの積極的な挑戦です。人事や管理職は、社員が成長できるよう、目標設定支援や機会提供、適切な評価とフィードバックを通じて手厚くサポートすることが求められます。

新卒から人事畑ひとすじ23年、制度設計から採用、育成、労務、果ては部下の恋バナ相談まで(?)幅広く経験。前職では人事部長として"長く活躍できる組織"を目指し、社内外から「人事の相談役」と呼ばれるように。現在はアトラエで"エンゲージメントプロデューサー(自称)"としてクライアントの組織づくりを支援しつつ、自社のエンゲージメント向上にも燃える毎日。牛丼を食べながら組織の未来を考えるのが至福の時間。口癖は「ごめんごめん、実はさ...」。ちなみに最近の悩みは「Z世代との絶妙な距離感」。
キャリアアップとは何か
「キャリアアップ」とは、個人の仕事における能力や経験を高め、それによって自身の市場価値や職務上の立場、あるいは報酬などを向上させていくことを指します。単に給料が上がることだけを意味するのではなく、より責任のある役割を担うこと、専門性を深めること、新しいスキルを習得することなど、仕事人としての成長全般を含む広い概念です。
組織にとって、社員のキャリアアップは単なる個人目標に留まらず、組織全体のパフォーマンス向上、イノベーションの促進、そして優秀な人材の定着に不可欠な要素となります。特に変化の激しい現代においては、社員が常に新しいスキルや知識を習得し、市場価値を高めていくことが、組織の競争力維持に直結するといえるでしょう。
キャリアアップの種類と具体的な形
キャリアアップの形は多岐にわたります。最も分かりやすいのは、昇進や昇格を通じて役職が上がる「垂直方向のアップ」でしょう。しかし、それだけではありません。
専門性の深化
: 特定の分野で深い知識や技術を身につけ、その道の専門家として認められることです。近年では、既存のスキルをアップデートするアップスキリングや、全く新しいスキルを習得するリスキリングを通じて、新たな専門領域を築く動きも活発です。
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—勉強会はどのように運営されているのですか?
三浦: 共有フォルダに「こういうことを知りたい」と誰でも書き込める場所があり、要望が挙がれば開催します。また、特に活動初期にアイデアが出てこなかった際は「このテーマでやるのはどうでしょうか」と私から提案し、希望者が一人でもいれば開催していました。
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職務範囲の拡大
: 異なる部署や職種を経験することで視野を広げ、多角的な視点を持つことです。複数の専門性を持つことで、キャリアの選択肢が広がり、より柔軟な働き方を実現できるようになります。
スキルの習得と発揮
: 新たなプロジェクトを成功させ、リーダーシップや問題解決能力などのポータブルスキルを発揮することです。これらは必ずしも役職や給与に直結するとは限りませんが、個人の能力や経験値を確実に高め、将来的な選択肢を広げることにつながります。
キャリアアップを成功させるためのポイント
キャリアアップを成功させるには、いくつかの重要なポイントがあります。
明確な目標設定とキャリアプランの策定
: 「どのような自分になりたいか」「どんなスキルを身につけたいか」といった具体的な目標設定が不可欠です。目標は定期的に見直し、外部環境の変化に合わせて柔軟に修正していく姿勢も重要になります。
継続的な自己研鑽と学習
: 目標達成に向けて、日々の業務を通じて学び続けたり、研修や自己学習で新しい知識・スキルを習得することが重要です。オンライン学習プラットフォームの活用や資格取得なども有効な手段です。
積極的な機会の活用と挑戦
: 挑戦的なプロジェクトへの参加や、新たな役割を積極的に引き受けるといった機会の活用も欠かせません。自身の成長を促す環境に身を置き、自ら手を挙げて挑戦することで、予期せぬキャリアの道が開かれることもあります。
ネットワークの構築と情報収集
: 社内外の多様な人々と交流し、情報交換を行うことで、新たな視点や学びを得られます。メンターを見つけたり、キャリアに関する最新情報を積極的に収集したりすることも、自身のキャリアパスを考える上で役立ちます。
人事・管理職がキャリアアップを支援する重要性
人事や管理職にとって、社員のキャリアアップを積極的に支援することは、組織の持続的な成長のために不可欠です。社員が自身の成長を実感できる環境は、モチベーション向上、エンゲージメント強化、そして離職率の低下に直結します。
また、社員一人ひとりが能力を発揮できる機会を提供することは、組織全体の知識やスキルの底上げにもつながり、新たな価値創造の源泉となるでしょう。人事や管理職は、社員が主体的にキャリア形成に取り組めるよう、以下の点で手厚くサポートすることが求められます。
適切な情報提供と目標設定の支援
: 社員が自身のキャリアパスを考えられるよう、キャリア研修や面談を通じて、情報提供や目標設定のアドバイスを行います。
成長機会の提供
: 新しい役割やプロジェクトへのアサイン、異動などの機会を提供し、スキルアップや経験値の向上を促します。
適切な評価とフィードバック
: 目標達成に向けた努力や成果を正当に評価し、具体的なフィードバックを通じて、さらなる成長を支援します。
キャリアオーナーシップの醸成
: 一方的な育成ではなく、社員自身が自身のキャリアの「オーナー」として主体的に考え、行動できるよう、対話を通じて伴走する姿勢が重要です。
まとめ
キャリアアップは、個人の能力や経験を高め、市場価値を向上させるための継続的なプロセスです。昇進だけでなく、専門性の深化や職務範囲の拡大、スキルの習得など多様な形があり、それぞれが個人の成長と組織の発展に貢献します。
成功のためには、明確な目標設定、継続的な学習、積極的な挑戦が不可欠です。同時に、人事や管理職が社員のキャリアオーナーシップを尊重し、適切な支援を提供することで、個人と組織の双方が持続的に成長できる好循環を生み出すことができるでしょう。
記事監修者

2013年からライターとして活動。DIOの立ち上げ時から企画・運営を担当。300社を超えるWevox導入企業への取材を通して、エンゲージメントや組織づくりのストーリーを届けている。「わたしたちのエンゲージメント実践書」(日本能率協会マネジメントセンター)のブックライティングも担当。











