
育児休業とは?取得条件・期間から企業が知るべきメリットまで解説!
育児休業は、子どもを育てる従業員が育児に専念できるよう国が定めた制度です。仕事と子育ての両立を支援し、安心して働き続けられる環境を整えることを目的とし、男女問わず取得可能な法律で定められた権利です。原則として1歳未満の子どもを養育する従業員が対象ですが、特別な事情がある場合は最長2歳まで延長が可能。2022年10月からは産後パパ育休も新設されました。休業中は雇用保険から育児休業給付金が支給され、社会保険料も本人・会社負担分ともに免除されます。企業は制度の周知徹底や取得しやすい職場環境づくり、復職支援に努めることで、人材定着と企業の持続的成長に繋がります。

新卒から人事畑ひとすじ23年、制度設計から採用、育成、労務、果ては部下の恋バナ相談まで(?)幅広く経験。前職では人事部長として"長く活躍できる組織"を目指し、社内外から「人事の相談役」と呼ばれるように。現在はアトラエで"エンゲージメントプロデューサー(自称)"としてクライアントの組織づくりを支援しつつ、自社のエンゲージメント向上にも燃える毎日。牛丼を食べながら組織の未来を考えるのが至福の時間。口癖は「ごめんごめん、実はさ...」。ちなみに最近の悩みは「Z世代との絶妙な距離感」。
育児休業とは
育児休業は、お子様を養育する従業員が、会社を休んで育児に専念できる国の制度です。この制度は、主に子どもが1歳になるまで(特別な事情がある場合は最長2歳まで延長可能)取得できます。育児休業の大きな目的は、従業員が仕事と子育てを無理なく両立できるよう支援し、安心して働き続けられる環境を整えることにあります。男性・女性を問わず取得でき、法律で定められた従業員の権利です。会社は原則として取得を拒否できません。
育児休業の取得要件と期間
育児休業を取得できるのは、原則として1歳未満のお子様を養育する従業員です。正社員だけでなく、一定の要件を満たせばパートやアルバイトの方も対象になります。男女問わず取得可能で、夫婦で協力して育児を行う「パパ・ママ育休プラス」といった制度も活用できます。基本的な取得期間は子どもが1歳になるまでですが、保育所に入れないなど、特別な事情がある場合には、最長で2歳まで延長できます。また、2022年10月からは「産後パパ育休(出生時育児休業)」が新設され、子の出生後8週間以内に4週間まで取得できるようになりました。人事・管理職の皆様は、これらの取得要件と期間を正確に把握し、従業員からの申請に適切かつスムーズに対応できる準備が必要です。
育児休業中の給付金・手当について
育児休業中は原則として会社から給与が支払われませんが、従業員の生活を経済的に支えるための公的な支援制度が整備されています。その代表的なものに、雇用保険から支給される育児休業給付金があります。休業開始から6ヶ月間は休業前の賃金の約67%、それ以降は休業前の賃金の約50%が支給され、安心して育児に専念できるよう支えます。さらに、育児休業中は、社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料)が本人負担分と会社負担分の両方で免除されます。これは従業員と会社の双方にとって、経済的な負担軽減となる大きなメリットです。人事・管理職の皆様は、これらの給付金や免除制度について従業員へ正確に情報提供できるよう、制度内容を深く理解しておくことが重要です。
企業が育児休業で配慮すべき点と企業成長への貢献
人事・管理職の皆様にとって、育児休業制度の適切な運用は、企業の働きやすさやブランドイメージを大きく左右する重要な課題です。従業員が安心して育児休業を取得できるよう、制度の周知徹底と取得しやすい職場環境の整備が不可欠です。具体的な取り組みとしては、申請手続きの明確化はもちろん、育児休業に関する疑問や不安を解消するための相談窓口の設置、さらには取得事例の紹介などが有効です。
休業中の業務体制の見直しも計画的に行い、復職後の円滑な職場復帰を支援する体制を整えましょう。時短勤務制度やフレックスタイム制度の積極的な活用、さらには面談によるキャリアサポートなども有効な手段です。育児休業は法律で定められた従業員の権利であり、取得を理由とした不利益な取り扱いは決して許されません。
従業員が育児と仕事を両立できる環境を整えることは、企業にとって優秀な人材の確保と定着に直結します。従業員エンゲージメントの向上、生産性の維持・向上、そして企業のブランドイメージ強化にも繋がり、長期的な視点で持続的な成長に貢献する戦略的な投資であると捉えることができます。
まとめ
育児休業は、従業員の子育てと仕事の両立を支援し、安心して働き続けられる環境を整えるための重要な制度です。人事・管理職の皆様には、その概要、取得要件、給付金制度を正確に理解し、従業員への適切な情報提供と、取得しやすい職場環境の整備に努めていただきたいと存じます。従業員が育児休業を安心して取得し、スムーズに職場復帰できる体制を構築することは、単なる法令遵守に留まらず、優秀な人材の確保・定着、企業全体の生産性向上、そして企業ブランド価値の向上に直結する戦略的な取り組みなのです。
記事監修者

2013年からライターとして活動。DIOの立ち上げ時から企画・運営を担当。300社を超えるWevox導入企業への取材を通して、エンゲージメントや組織づくりのストーリーを届けている。「わたしたちのエンゲージメント実践書」(日本能率協会マネジメントセンター)のブックライティングも担当。











