マネジメントとは?本質・役割・種類から実践ノウハウまで

マネジメント・育成
サマリー

組織が成果を出すための仕組みづくりや、マネージャーとリーダーそれぞれの役割、チーム・プロジェクト・セルフマネジメントなど多様な種類を詳しく紹介。

さらに、目標設定、部下育成、リスク管理といった具体的な業務内容、コミュニケーション・意思決定・評価能力といった必須スキルも解説します。

栗山ミキオ
解説者:栗山ミキオ

新卒から人事畑ひとすじ23年、制度設計から採用、育成、労務、果ては部下の恋バナ相談まで(?)幅広く経験。前職では人事部長として"長く活躍できる組織"を目指し、社内外から「人事の相談役」と呼ばれるように。現在はアトラエで"エンゲージメントプロデューサー(自称)"としてクライアントの組織づくりを支援しつつ、自社のエンゲージメント向上にも燃える毎日。牛丼を食べながら組織の未来を考えるのが至福の時間。口癖は「ごめんごめん、実はさ...」。ちなみに最近の悩みは「Z世代との絶妙な距離感」。

10時間でエンゲージメントの基本がわかる

マネジメントとは?その本質と重要性

「成果を出すための仕組みづくり」

マネジメントとは、組織が目標を達成するために、ヒト・モノ・カネといった限られた資源を最大限に活用し、最も効率的かつ効果的な方法で「成果を出すための仕組みを築き、維持すること」を指します。単なる「管理」に留まらず、計画策定、実行促進、結果評価、そして改善へと繋げる一連のダイナミックなプロセス全体を含みます。これにより、組織は変化する状況にも柔軟に対応し、持続的に成長できる基盤を確立します。

なぜ組織にマネジメントが不可欠なのか

組織が多様な個性を持つメンバーで構成され、複雑な目標を追いかける現代において、マネジメントは組織の「羅針盤」であり、「推進力」となります。明確な方向性なくしては、個々の努力がバラバラになり、組織としての力を発揮できません。優れたマネジメントは、メンバー一人ひとりの能力を引き出し、協力体制を築き、リスクを管理しながら、共通の目標達成へと導きます。組織の持続的な成長と発展にとって、マネジメントはまさに「生命線」であり、「未来への投資」に他なりません。

マネージャーとリーダー、それぞれの役割と関係性

マネージャーの役割:組織目標達成への「管理」

マネージャーは、与えられた目標を達成するために、具体的な計画を立て、業務プロセスを設計し、資源を割り当て、進捗を管理する役割を担います。主な関心は「いかに効率的に、確実に目標を達成するか」にあり、既存のルールやプロセスに沿って組織を機能させます。部下の業務を適切に監督し、評価することで、日々の業務がスムーズに進むよう調整役を務めます。

リーダーの役割:未来を指し示す「導き」

一方、リーダーは、組織のビジョンを描き、メンバーにインスピレーションを与え、未来へと導く役割があります。現状維持よりも変革を好み、「どこに向かうべきか」という方向性を示し、メンバーの心を動かして自発的な行動を促します。困難な状況でも、自らが先頭に立ってリスクを取り、新しい価値創造を目指します。

相補的な関係性で組織は強くなる

マネージャーとリーダーは、異なる役割を持ちながらも、組織の成功には互いに協力し合う相補的な関係にあります。リーダーが描くビジョンや方向性を、マネージャーが具体的な計画と管理によって現実のものとします。また、マネージャーが日々の業務で得た情報や課題をリーダーにフィードバックすることで、より現実的で効果的なビジョンへと磨き上げられます。両者の役割がバランスよく機能することで、組織は未来に向かって力強く前進できるのです。

多様なマネジメントの種類を知る

組織階層別のマネジメント

マネジメントは、組織の階層によってその焦点が異なります。トップマネジメントは、組織全体の方向性や長期的な戦略を策定します。ミドルマネジメント(中間管理職)は、トップの戦略を現場レベルに落とし込み、部門やチームの目標達成を担います。そして、ローアーマネジメント(現場管理者)は、日々の業務が円滑に進むよう、作業指示や進捗管理を行います。それぞれの階層で求められる役割とスキルが異なることを理解し、適切なマネジメントを行うことが重要です。

業務内容別のマネジメント

マネジメントは、対象とする業務内容によっても細分化されます。例えば、特定のチームの成果を最大化するチームマネジメント、期間限定の目標達成を目指すプロジェクトマネジメント、社員の心身の健康を保つメンタルヘルスマネジメントなどがあります。これらは、それぞれ特有の課題とノウハウを持ちます。対象に合わせた最適な手法を選択し適用することで、より効果的な成果へと繋がります。

個人力を高めるセルフマネジメント

マネジメントは、管理者だけのものではありません。個人が自分自身の目標達成や成長のために、自らの感情、時間、行動などを管理することを「セルフマネジメント」と呼びます。例えば、怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメントや、心身の健康を守るストレスマネジメントはその代表例です。個々人がセルフマネジメント能力を高めることで、仕事の質や生活の満足度が向上し、結果として組織全体の生産性向上にも寄与します。

「セルフマネジメント」を重視している事例↓

より早く、より上手に上達するにはどうすればいいのかというと、実践したことに対してフィードバックもらうことです。画家やデザイナーの人が絵を上達させるには、師匠に当たる人からダメ出しをくらうことが近道になるそうです。これを踏まえて僕らは、若い社員を採用して、彼らがセルフマネジメントの段階を上がっていくためにその途中を支援していくことを決めました。ここで必要になるのがマネージャーの存在です。

【特別公開クラス】自分で考えて動ける人材を増やすには?
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今回、特別公開クラスにご登壇いただくのは株式会社ソニックガーデン 代表取締役社長の倉貫 義人さんです。倉貫さんがこれまでに出版された著書の内容を交えながら、新入社員を自分で考えて動ける人材に育て上げるまでの事例についてお話しいただきました。
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マネージャーの具体的な業務内容

目標設定と進捗管理

マネージャーの重要な業務の一つは、組織やチームの目標を具体的に設定し、その達成に向けた計画を立てることです。単に目標を伝えるだけでなく、メンバーが納得して取り組めるように、目標の背景や意義を丁寧に説明します。そして、計画通りに進んでいるか定期的に確認し、必要に応じて軌道修正を行う進捗管理も欠かせません。目標達成への道を明確にし、チームを正しい方向に導く役割を担います。

部下の育成とモチベーション向上

部下一人ひとりの能力を最大限に引き出し、成長を支援することもマネージャーの重要な役割です。OJT(On-the-Job Training)やコーチングを通じて、スキルアップを促し、キャリア形成をサポートします。また、部下の仕事に対するモチベーションを維持・向上させるため、適切なフィードバックや承認、目標達成へのインセンティブを提供することも重要です。彼らの成長がチームの成長に直結します。

リスク管理と課題解決

組織運営には常に予期せぬリスクや課題がつきものです。マネージャーは、潜在的なリスクを事前に特定し、それらを回避・軽減するための対策を講じる役割があります。また、業務遂行中に発生した問題や課題に対しては、原因を分析し、最適な解決策を立案・実行します。迅速かつ的確なリスク管理と課題解決能力は、チームの安定的な運営と目標達成のために不可欠です。

マネジメント層の意識や、働きかけを重視した事例↓

林: 事前のヒアリングでは、「支店長がどれだけ関与しているか」で活動の進みが大きく変わることがわかっていました。

そこで、モデル店として手を挙げてくれた営業店の支店長とアンバサダーには、Wevoxチームにご提供いただいた学習プログラムEngagement Run! Boosterの短い動画コンテンツを受講してもらう形にしました。

支店長にはWevoxをマネジメントに活かす方法やマネジメントの役割に関する動画を。アンバサダーには、チームビルディングや相互理解に関する動画を見てもらいました。

「チームが変わっていっている実感を持てた」――常陽銀行の実践に学ぶ、メンバーが自律的に動き出す仕組みの作り方【Teamwork Sessionレポート】
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マネジメントに求められる重要なスキル

コミュニケーション能力

マネジメントにおいて、コミュニケーション能力は最も基本的なスキルのひとつです。部下との対話を通じて目標を共有し、課題を解決し、信頼関係を築きます。また、上層部への報告や他部署との連携など、多方面との円滑な意思疎通が求められます。相手の意見を傾聴し、自分の考えを明確に伝えることで、チーム全体の連携を強化し、誤解を防ぎます。

意思決定能力と論理的思考力

マネージャーは、日々の業務で様々な判断を迫られます。限られた情報の中でも、現状を正確に分析し、論理的な根拠に基づいて最適な意思決定を下す能力は非常に重要です。問題の本質を見抜き、複数の選択肢の中から最も効果的な解決策を選ぶためには、冷静な判断力と論理的な思考力が不可欠です。

部下育成・評価能力

部下の成長を促すためには、彼らの強みや弱みを正確に理解し、適切な育成計画を立てる能力が求められます。また、客観的な基準に基づき、公正かつ建設的な評価を行うことで、部下は自身の成長課題を認識し、次の行動へと繋げることができます。彼らのポテンシャルを最大限に引き出すために、個別のアプローチが重要ですし、公平な評価はチーム全体の信頼にも繋がります。

マネジメントで直面する課題と対策

コミュニケーション不足の壁

多くのマネージャーが直面する課題の一つが、チーム内のコミュニケーション不足です。情報共有が滞ったり、本音が言いにくい雰囲気になったりすると、認識のズレが生じ、業務の遅延やミスの原因となります。対策としては、定期的な1on1ミーティングの実施に加え、誰もが安心して意見を言える「心理的安全性の高い環境」を醸成することが不可欠です。オープンな対話を通じて、相互理解を深めることが重要です。

プレッシャーと業務過多への対応

マネージャーは、組織目標達成への責任と、部下の育成・評価、さらには自身の業務遂行と、多大なプレッシャーと業務量に晒されがちです。これにより、ストレスや疲弊を抱えることも少なくありません。業務の優先順位付けや権限委譲、必要に応じたサポート体制の構築が対策として考えられます。また、自身の心身の健康管理(セルフマネジメント)も非常に重要です。

多様な人材を活かすには

現代の組織では、国籍、性別、年齢、価値観など、多様なバックグラウンドを持つ人材が増えています。この多様性を強みとする一方で、異なる価値観の衝突や、コミュニケーションの難しさに直面することもあります。一人ひとりの個性を尊重し、それぞれの強みを引き出すための柔軟な対応が求められます。多様性を理解し、それぞれの個性を尊重した「インクルーシブな環境」を築き、公平な機会を提供することで、チーム全体の創造性や生産性向上に繋がります。

効果的なマネジメントを実践するためのヒント

PDCAサイクルを回す

効果的なマネジメントの基本は、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Action)を常に回し続けることです。目標(Plan)を立て、実行(Do)し、結果を評価・分析(Check)し、改善策を講じて次へと繋げる(Action)。このサイクルを繰り返すことで、マネジメントの質は継続的に向上し、組織は変化に強く、より高い成果を目指すことができます。

1on1ミーティングの活用

部下との1on1ミーティングは、個々のメンバーと深く向き合うための非常に有効な手段です。業務の進捗確認だけでなく、キャリアの悩み、健康状態、モチベーションの源泉など、普段の業務では見えにくい部下の本音や潜在的な課題を引き出す絶好の機会となります。定期的に実施することで、深い信頼関係を築き、部下自身の成長を後押しするとともに、エンゲージメント向上、課題の早期発見・解決へと繋がります。

チームエンゲージメントの強化

単に業務を管理するだけでなく、チームメンバーが組織や仕事に対して主体的に貢献したいと感じる「エンゲージメント」を高めることが、現代のマネジメントには不可欠です。目標への共感を促し、適切な権限委譲を行い、フィードバックと承認を惜しまないことで、メンバーの主体性と責任感を最大限に引き出します。エンゲージメントの高いチームは、困難な状況においても自律的に考え、行動し、組織に革新的な高い成果をもたらすことができます。

まとめ:未来を拓くマネジメントの力

この記事では、マネジメントの本質から、マネージャーとリーダーの違い、多様なマネジメントの種類、具体的な業務内容、必要なスキル、直面する課題と対策、そして実践的なヒントまで、幅広く解説いたしました。マネジメントは、単なる業務管理の枠を超え、組織目標の達成、そしてメンバー一人ひとりの成長と幸福に深く関わる、極めて奥深く重要な活動です。VUCA時代と呼ばれる変化の激しい現代において、効果的なマネジメントは、組織が持続的に成長し、新たな価値を創造し、未来を拓くための不可欠な羅針盤であり、推進力となり得るのです。

記事監修者

長瀬 光弘
長瀬 光弘
DIO編集長/ライター

2013年からライターとして活動。DIOの立ち上げ時から企画・運営を担当。300社を超えるWevox導入企業への取材を通して、エンゲージメントや組織づくりのストーリーを届けている。「わたしたちのエンゲージメント実践書」(日本能率協会マネジメントセンター)のブックライティングも担当。

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