
KPTとは?チームを成長させるフレームワーク
KPT(Keep, Problem, Try)は、チームや個人の活動を振り返り、次なる行動を明確にするシンプルなフレームワークです。Keep(続けること)、Problem(問題点)、Try(挑戦すること)の3つの視点から物事を整理し、具体的な改善策に繋げます。チームの成長を促し、組織全体の改善サイクルを回す強力なツールです。
成功体験を共有し、課題を特定し、未来の具体的な行動計画を立てることで、メンバーの主体性を引き出し、継続的な改善文化を育みます。過去の経験から学び、未来の成功へと繋げる土台作りとして、多くの組織で活用され、メンバー間の相互理解を深め、生産性向上にも寄与します。

新卒から人事畑ひとすじ23年、制度設計から採用、育成、労務、果ては部下の恋バナ相談まで(?)幅広く経験。前職では人事部長として"長く活躍できる組織"を目指し、社内外から「人事の相談役」と呼ばれるように。現在はアトラエで"エンゲージメントプロデューサー(自称)"としてクライアントの組織づくりを支援しつつ、自社のエンゲージメント向上にも燃える毎日。牛丼を食べながら組織の未来を考えるのが至福の時間。口癖は「ごめんごめん、実はさ...」。ちなみに最近の悩みは「Z世代との絶妙な距離感」。
KPTとは?振り返りで未来を拓くシンプルなフレームワーク
KPTは、チームや個人の活動を振り返り、次に何をすべきかを明確にするための、とてもシンプルで実践的な考え方です。Keep(続けること)、Problem(問題点)、Try(挑戦すること)の3つの視点から物事を整理します。この手法を取り入れることで、漠然とした反省で終わらず、具体的な行動計画に落とし込むことができます。特に、人事や管理職の皆様にとっては、チームの成長を促し、組織全体の改善サイクルを回すための強力なツールとなります。過去の経験から学び、未来の成功へと繋げるための土台作りとして、多くの組織で活用されています。メンバーの主体性を引き出し、継続的な改善文化を育む上で、非常に有効なアプローチと言えるでしょう。
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後から入社するメンバーが一番大変であることは間違いないので、この施策では、やることをリスト化して本人とのコミュニケーションを担保し、入社前と入社後でギャップがないかを定期的に確認するような仕組みを取り入れています。それだけでなく、必ず既存の社員メンバーのバディをつけて、ToDoリストと、入社される方の1週間のスケジュールをチェックするようにしています。ギャップについては、入社から1週間後・1ヶ月後・3ヶ月後にKPT形式で振り返りアンケートに答えてもらい、その内容を基に新しいメンバーとオンボーディングチームで少しずつ体験のブラッシュアップを行います。

KPTの3つの要素
KPTは、活動を振り返る際に、以下の3つの要素に分けて考えます。
一つ目の「Keep(キープ)」は、「よかったこと」「うまくいったこと」「これからも続けていきたいこと」を洗い出す視点です。成功体験やポジティブな側面を共有することで、チームメンバーの自信やモチベーションの向上に繋がります。 二つ目の「Problem(プロブレム)」は、「うまくいかなかったこと」「課題だと感じたこと」「改善すべき点」を具体的に挙げる視点です。単なる不満ではなく、なぜそれが問題だったのか、どうすれば改善できるのかを考えるきっかけになります。 そして三つ目の「Try(トライ)」は、「Keepをさらに良くするため」や「Problemを解決するため」に、「次に新しく挑戦すること」「具体的に試すこと」を決めます。ここが最も重要で、今後の行動に直結する目標設定の場となります。
KPTを組織に活かすメリット
KPTを組織的に取り入れることで、多くのメリットが生まれます。まず、チーム全体で成功要因や課題を共有するため、メンバー間の相互理解が深まり、コミュニケーションが活性化します。また、各自が意見を出し合い、次の行動を自ら考えることで、「自分たちの力でより良くしていこう」という主体性や当事者意識が向上します。これにより、問題が起きた際に迅速に対応できる組織になり、継続的なパフォーマンス向上や、より良い組織文化の醸成へと繋がります。人事や管理職の方々にとっては、チームの成長を支援し、生産性を高めるための有効な手段となるでしょう。メンバーが自律的に学び、改善する習慣を身につけるきっかけにもなります。
KPTを効果的に運用するポイント
KPTを単なる振り返りで終わらせず、成果に繋げるためにはいくつかのポイントがあります。最も大切なのは、「安心して自分の意見を言える雰囲気」を作ることです。失敗を責める場ではなく、学びと成長の場であることを全員が理解するよう促しましょう。また、定期的に実施することで、振り返りが習慣化し、改善のサイクルが自然に回るようになります。そして、Tryで決めたことは必ず実行し、その結果を次の振り返りで確認するという「実行と検証の徹底」が不可欠です。具体的な行動に繋がらないKPTは意味がありません。参加者全員で積極的に関わり、具体的な行動計画まで落とし込むことを意識しましょう。これにより、チームや組織が着実に前進し続けることができます。
まとめ
KPTは、Keep・Problem・Tryの3つの視点で振り返りを行い、チームの成長を促し、組織文化を改善するための強力なフレームワークです。安心して意見を言える環境を作り、定期的な実施とTryの実行・検証を徹底することで、継続的な改善サイクルが生まれ、メンバーの主体性と組織全体のパフォーマンス向上に繋がります。人事や管理職の皆様が、未来を拓くための具体的な一歩として、ぜひKPTを取り入れてみてください。
記事監修者

2013年からライターとして活動。DIOの立ち上げ時から企画・運営を担当。300社を超えるWevox導入企業への取材を通して、エンゲージメントや組織づくりのストーリーを届けている。「わたしたちのエンゲージメント実践書」(日本能率協会マネジメントセンター)のブックライティングも担当。











