ビジネスにおける「イシュー」とは？関連語との違いやメリットを解説

「イシュー」とは何か？

イシューの基本的な意味

「イシュー」とは、ビジネスの現場で『今、本当に議論すべきこと』『解決すべき本質的な問い』を指します。表面的な現象や起こっている問題そのものではなく、その奥にある「根本的な課題」や「現状を変えるために考えるべき論点」のことです。例えば、会議で漠然と「売上を上げたい」と話すのではなく、「なぜ売上が上がらないのか？顧客層は適切か？競合との差別化はできているか？」といった、具体的な「問い」や「論点」に絞り込むことがイシューです。

なぜ今「イシュー」が注目されるのか

現代のビジネス環境は変化が激しく、情報過多です。この中で、何が重要で、何に時間をかけるべきかを見極める力が求められています。イシューを明確にすることは、多すぎる情報や問題の中から、最も優先的に取り組むべき核心を見つける手助けになります。これにより、無駄な議論や対策に時間を費やすことなく、本当に必要なアクションに集中できるようになります。人事や管理職の皆様にとって、チームの生産性を高め、組織を正しい方向に導く上で欠かせない考え方と言えるでしょう。

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2023年のワークショップでは、Notionでカルチャーイシューというワードで定義し、今ある問題について各チームが「じゃあこの問題はうちのチームで取り組むね」と問題を拾って解決する仕組みを採用しています。

2022年は毎回チームを入れ替えていましたが、今年のワークショップは3ヶ月に1 回チームを入れ替えるので、3ヶ月間同じチームでワークをすることにより、重たい問題にも対応できるようになりました。また、Notionを使うのが難しいと感じるメンバーもいたので、Notionの熟練者から教えてもらうためのワークショップも設けました。

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似ているようで違う！「イシュー」と関連語の違い

イシューと「問題（プロブレム）」

「問題（プロブレム）」は、現状とあるべき姿との間にギャップがある状態、つまり「困ったこと」や「解決すべき事柄」全般を指します。一方、「イシュー」は、その「問題」を解決するために『何を問うべきか』『どの論点をクリアにすべきか』という、より深く具体的な「問い」や「論点」を意味します。例えば、「売上が落ちている」は問題ですが、「顧客の購買意欲が下がったのはなぜか？」という原因を探る「問い」がイシューです。イシューを明確にすることで、問題解決への具体的な道筋が見えてきます。

イシューと「議題（アジェンダ）」

「議題（アジェンダ）」とは、会議などで話し合う「項目」や「テーマ」のことです。会議の進行表に並ぶ、具体的なトピックがこれにあたります。これに対し、「イシュー」は、その『議題』の奥にある『本質的な問い』です。例えば、「新製品開発会議」という議題があったとして、その中でのイシューは「この製品は市場のどんなニーズに応えるべきか？」といった具体的な問いになります。アジェンダは会議の「目次」のようなものですが、イシューはその「目次」を達成するための「考えるべき論点」なのです。

イシューと「テーマ（トピック）」

「テーマ（トピック）」とは、ある話題や考察の対象となる「広範な題材」や「話題そのもの」を指します。例えば、「働き方改革」や「従業員エンゲージメント」などがテーマになり得ます。しかし、これらは漠然とした概念であり、そのままでは具体的な行動につながりません。「イシュー」は、この『テーマ』の中から『特に議論すべき問い』や『解決すべき焦点』を抜き出したものです。例えば、「従業員エンゲージメント」というテーマから、「従業員満足度向上のために、どのような制度改革が必要か？」といった具体的なイシューを設定することで、議論や行動がより生産的になります。

ビジネスで役立つ！イシューを特定するメリット

意思決定のスピードアップ

イシューを明確にすることは、「本当に重要なこと」に焦点を当てることを可能にします。膨大な情報や多岐にわたる問題の中から、最も影響力の大きい「問い」を見つけることで、無関係な議論や情報収集に時間を費やすことがなくなります。結果として、より少ない情報で的確な判断を下せるようになり、意思決定のスピードが格段に向上します。変化の速い現代ビジネスにおいて、迅速な意思決定は競争優位性を保つために不可欠な要素です。

生産性の向上と成果への直結

イシューが明確になると、チームや個人の取り組むべきタスクが具体的に定まります。漠然とした目標に向かうのではなく、「何を解決すれば、最も大きな効果が得られるか」という本質的な問いに集中できるため、努力の方向性がブレにくくなります。これにより、無駄な作業を削減し、限られたリソースを最も効果的な活動に集中させることができます。結果として、業務の生産性が向上し、組織全体の目標達成に直接貢献できるようになります。

コミュニケーションの円滑化

イシューを共有することで、共通認識が生まれます。『私たちは今、何について議論しているのか』『何を解決しようとしているのか』という目的意識が統一されるため、認識のズレや誤解が大幅に減少します。これにより、会議での議論が活発になり、建設的な意見交換が促進されます。人事や管理職がイシューを明確に提示することで、チーム全体のベクトルが揃い、一体感のある組織運営につながるでしょう。

イシューを使いこなすためのポイント

イシューの見つけ方と立て方

イシューを見つけるには、まず「現状で何が問題か？」という現象を深く掘り下げ、「なぜそれが起こっているのか？」「その根本原因は何か？」と繰り返し問いかけることが重要です。例えば、「新入社員の離職率が高い」という問題に対し、「なぜ離職するのか？」と問い、「入社後のOJTが機能していないのではないか？」という仮説を立て、さらに「OJTはどのような点で不十分なのか？」と掘り下げていくと、具体的なイシューが浮かび上がります。また、個人のパフォーマンス評価が上がらない部下がいる場合、「なぜパフォーマンスが上がらないのか？」と掘り下げ、「具体的なスキル不足か、それともモチベーションの問題か？」といったイシューに落とし込むことで、適切な育成プランを立てられます。重要なのは、『本当に解決すべき問い』にまで落とし込むことです。

クリティカルイシューとは

「クリティカルイシュー」とは、数あるイシューの中でも、特に優先度が高く、解決することで最も大きなインパクトをもたらす『核となる問い』を指します。クリティカルイシューを特定する能力は、ビジネスにおいて非常に重要です。なぜなら、限られた時間やリソースの中で、どこに集中すべきかを見極めることで、最大の結果を生み出せるからです。例えば、複数の部署で共通して見られる業務効率の課題がある場合、個々の部署の改善イシューだけでなく、「全社的な業務フローの再構築が、最も費用対効果の高い解決策となるか？」といったクリティカルイシューを見極めることが、管理職の重要な役割です。チームやプロジェクトの成功は、このクリティカルイシューをいかに正確に見つけ出し、解決できるかにかかっています。

イシュー活用の注意点

イシューを効果的に活用するためには、いくつかの注意点があります。まず、イシューを一度設定したら終わりではなく、状況の変化に応じて柔軟に見直すことが大切です。また、イシューを共有する際には、誰にでも理解できる言葉で明確に表現する必要があります。漠然とした表現では、共通認識が生まれず、効果的な議論につながりません。さらに、イシューはあくまで「問い」であり、その答え（解決策）を出すための手段であることを忘れず、問いにばかり時間をかけすぎないようバランスを取ることが重要です。

まとめ

「イシュー」とは、ビジネスにおける『本当に議論すべき問い』や『解決すべき本質的な論点』を意味します。問題を現象として捉えるのではなく、その奥にある根本原因を探るための具体的な問いとして設定することで、以下のような大きなメリットが得られます。

• 意思決定のスピードアップ

• 生産性の向上と成果への直結

• コミュニケーションの円滑化

イシューを正しく理解し、活用することは、人事や管理職の皆様が、変化の激しい現代ビジネスにおいて、チームや組織を目標達成に導く上で不可欠なスキルなのです。